加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ
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『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』(かトちゃんケンちゃん ごきげんテレビ)は、1986年1月11日から1992年3月28日までTBS系列で毎週土曜日20:00 - 20:54(JST)に放送されていたバラエティ番組である。通称は「加トケン」また「ごきげんテレビ」。
目次
番組概要
司会はザ・ドリフターズの加藤茶と志村けん。『8時だョ!全員集合』(以降『全員集合』)が1985年に16年間の放送に幕を下ろした後、加藤と志村の2人を前面に出したいというTBSの意向により企画された。2人の絶妙なコントや掛け合いを押し出したロケーション中心によるギャグ要素のコメディドラマ、公開スタジオ収録でのホームビデオ紹介コーナーやプレゼントコーナーという構成であった。『全員集合』と異なり録画放送で、メインとなる前半部分は公開収録も行っていない。
1986年1月11日という番組改編期でもない中途半端な時期に始まったのは、『全員集合』終了後3か月間の期間限定で『ドリフフェスティバル 全員集合ベスト100』をつなぎ番組として放送していたからである。そのため当番組はつなぎ番組とはならず、同年4月改編以降もそのままレギュラー化された。『全員集合』のライバル番組であったフジテレビの『オレたちひょうきん族』(以降『ひょうきん族』)は当番組の開始により視聴率が徐々に低下していき、同年に発生したビートたけしのフライデー襲撃事件がこれに追い打ちをかけて人気が急降下した。一方で、志村けんの人気上昇も相まって当番組の視聴率は上昇。結果『ひょうきん族』は1989年に打ち切りに追い込まれ、『全員集合』が『ひょうきん族』に奪われた土8王者の座を当番組で奪還する事となった。最高視聴率は1987年11月21日に記録された36.0%で、1977年9月26日以降の芸能・バラエティ部門でも歴代4位を記録している(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。6年間の平均視聴率は18.1%[1]。番組開始当初THE DETECTIVE STORYの中で食べ物を粗末に扱ったシーンがたびたび放送された結果、視聴者から抗議が相次ぎ、加藤と志村が番組の冒頭で謝罪する、1985年には加藤が速度違反を犯し道路交通法違反で書類送検されたのを受け、番組冒頭に加藤が視聴者に謝罪するといった不祥事も発生したが、番組中断、打ち切りなどには至らなかった。 1987年に加藤が結婚した際には、通常の番組内容を変更して1時間生中継で加藤の結婚式の模様を独占放送したこともある。志村がメインを務めるコントを軸としたバラエティ番組『志村けんのだいじょうぶだぁ』が、後にフジテレビで放送(企画制作はイザワオフィス)されることになるが、基になった『だいじょうぶだぁ』のギャグは、この番組の「THE DETECTIVE STORY」から生まれたものである。
番組終盤、他局も裏番組に『マジカル頭脳パワー!!』(日本テレビ)、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』(フジテレビ)、『暴れん坊将軍シリーズ』(テレビ朝日)を放送。視聴率争いが起こる中、1992年3月28日放送分をもって番組は終了、翌4月から『KATO&KENテレビバスターズ』としてリニューアルした。
主要スポンサーには前番組『全員集合』から引き続き、筆頭のライオンやロッテをはじめとする企業が付いていたほか、後期には任天堂も含まれていた。
出演者
レギュラー
おもしろビデオコーナーのみ
主なコーナー
THE DETECTIVE STORY(探偵物語)
テンプレート:Main この番組のメインである加藤・志村の2人が探偵を務める探偵事務所の日常を描いた、短編ドラマ形式のコント。「私だ」から始まるボスからの電話指令によって調査を行う。テーマ曲は柳ジョージが担当。 ときたま劇中に、加藤嘉や、悪役(ヤクザ役)として、山本昌平などが出演していた。
おもしろビデオコーナー
- 視聴者投稿の笑えるビデオ作品の紹介。考案者は志村で、当初はスタッフに猛反対を受けたが、押し通して企画採用となった。投稿ビデオコーナーは『さんまのからくりTV』(後、『さんまのSUPERからくりTV』)にも引き継がれ、板東英二のビデオ自慢(朝日放送[2])、ビデオあなたが主役(後、邦子と徹のあんたが主役→必撮ビデオ!!あんたが主役テレビ朝日[2])、ズームイン!!朝!の「投稿ビデオ大賞」(後、ズームイン!!SUPER「日本テレビ」)おはよう5・NHKニュースおはよう日本の「とれたてマイビデオ」(NHK総合)世界おもしろ珍メダル バカデミービデオ大賞(フジテレビ)、おもろゲ動画SHOW 投稿!1000000000ビュー(TBS)など類似の投稿ビデオ企画番組が多数誕生した。
- 一回の放送につき4~5本が採用され、採用者には後方のセットに置かれた賞品中から加藤・志村・ゲストが選んでプレゼントした。当時はまだホームビデオカメラの普及率が高くなく、各種ビデオテープは高額であったため、ビデオカメラを持っていない視聴者のために「ソニー 8ミリビデオ・ハンディカム」(番組開始時はベータカム家庭用モデル)の貸し出しサービスが行われ、再投稿を容易にすべく採用の是非に関わらず投稿者に返却された。
- おもしろビデオコーナーは家庭用ビデオの普及率増加とともに応募も増え人気コーナーとなり、年に数回主に番組改編期の特別番組でビデオコーナーだけで1時間特集する「ビデオ祭り」を放送した。最優秀作品には賞金も出ていた。番組末期には海外編もあった。おもしろビデオだけを集めたビデオソフトもTBSビデオ(販売はCBSソニー/ソニーレコード)から発売された。
- 現在では日本国外の放送局にもフォーマットが輸出されており、志村がアメリカのTBS関係者に会ったとき、とても感謝されたと本人は語っている。アメリカ版に当たるABCの『America's Funniest Home Videos』(AFV)は、1989年11月の開始から現在まで放送が続いており、ABCにおける最長寿バラエティー番組となっている[3]。
- 期首改編期特番の「クイズまるごと大集合」では、加藤と志村の司会で同一フォーマット「おもしろCMコンテスト」が放送された。
その他主なコーナー
- ゲストの歌のコーナー
- 公開コント
- テレビ・スロットマシーン
- 観覧者参加コーナー。モニターテレビに観覧者の写真(青背景)の入ったビデオが早回しされ、ストップがかかって止まった写真の人が挑戦者となりステージに上がる。ビデオの中には加藤・志村・当日のゲストの写真(赤背景)も混ざっているが、赤背景の写真に当たったことは一度もない。ゲームは3つの鍵が用意され、一つだけ当たりの鍵が入っていた。志村とゲスト2人が鍵をごちゃ混ぜにしたあと、挑戦者は勘を働かせて推理し、当たりと思う鍵を一つ探した。番組初期は、番組スポンサーの日産自動車のマーチ(K10型)の鍵を回してエンジンが掛かれば、天井に吊るされていたくす玉が割られて大量の紙吹雪が降り、番組後期は、鍵を回して飛行機のプロペラが回れば、やはり天井に吊るされていたくす玉が割られて大量の紙吹雪が降り、海外旅行を獲得できた。両方ともエンジンがかからずまたはプロペラが回らず外れてしまうと、BGM(「葬送行進曲」を表現)が流れて失格となった。
- 初期は、鍵を選ぶ前に志村が太鼓を叩いて、出場者も「だいじょうぶだぁ」と唱えた。これは元々番組内の収録コーナー「探偵物語」で始まったものであり、当番組がオリジナルである。フジテレビジョンの『志村けんのだいじょうぶだぁ』がブレイクすると、『ごきげんテレビ』からは自然消滅して行った。
番組の流れ
- オープニングアニメ(出演者、スタッフロールはここで表示。初期はセルアニメで、後に同じ構成のままCGアニメとなった。セルアニメ時代は、途中からやや短縮化された)
- 幕が開き、加藤、志村が挨拶→ゲスト紹介→提供、CM
- THE DETECTIVE STORY(スペシャル放送や1時間すべてTHE DETECTIVE STORYの回は途中CMが入るが、通常放送ではなし)
- CM(CM無しでおもしろビデオコーナーに突入していた時期もあった)
- おもしろビデオコーナー#ゲストの歌→公開コント→CM
- テレビスロットマシーン→エンディング→CM→提供→エンドカード
スタッフ
- 作・構成:田村隆、松岡孝、西条昇、柊達雄、原すすむ、小川美篤、前岡晋、前田昌平
- 音楽:たかしまあきひこ(メイン音楽)、テーマ音楽:後藤次利(オープニングテーマ)
- 演奏:岡本章生とゲイスターズ
- 振付:西条満
- 技術:橋本英一
- 美術制作:西川光三
- 美術デザイン:加藤昌男
- 大道具:財前克巳
- 装飾:飯島義次
- 持道具:畠山浩義
- 衣裳:藤川政志
- 床山:鈴木忍
- 化粧:藤原清恵
- キャラクター:松下進
- オープニングアニメーション:オープニングCG:エス・シー・ディー
- 演出:水留章、五十嵐衛、加藤嘉一、岩原貞雄、園田憲、岡本充敏、村上研介、落合芳行、ほか
- プロデューサー:高橋利明、落合芳行
ネット局
放送対象地域 | 放送局 | 備考 |
---|---|---|
関東広域圏 | 東京放送 | 制作局 現:TBSテレビ |
北海道 | 北海道放送 | |
青森県 | 青森テレビ | |
岩手県 | 岩手放送 | 現:IBC岩手放送 |
宮城県 | 東北放送 | |
山形県 | テレビユー山形 | 1989年10月の開局から |
福島県 | テレビユー福島 | |
山梨県 | テレビ山梨 | |
長野県 | 信越放送 | |
新潟県 | 新潟放送 | |
静岡県 | 静岡放送 | |
中京広域圏 | 中部日本放送 | 現:CBCテレビ |
富山県 | テレビユー富山 | 現:チューリップテレビ 1990年10月の開局から |
石川県 | 北陸放送 | |
近畿広域圏 | 毎日放送 | |
岡山県・香川県 | 山陽放送 | |
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | |
広島県 | 中国放送 | |
山口県 | テレビ山口 | 1987年9月まではフジテレビ系列とのクロスネット局 |
高知県 | テレビ高知 | |
福岡県 | RKB毎日放送 | |
長崎県 | 長崎放送 | |
熊本県 | 熊本放送 | |
大分県 | 大分放送 | |
宮崎県 | 宮崎放送 | |
鹿児島県 | 南日本放送 | |
沖縄県 | 琉球放送 |
本放送終了後の関連事項
番組終了後の同年4月11日に、リニューアル版・後継番組である『KATO&KENテレビバスターズ』を開始したものの、さらに視聴率を落とす結果となり、半年で終了。『全員集合』から23年続いた土曜20時のザ・ドリフターズ系のバラエティ番組シリーズは終了した。加藤と志村の2人は『KATO&KENテレビバスターズ』終了直後は後継出演番組が無く、加藤が『ジパング大決戦!』(1998年10月 - 1999年2月)、志村が『となりのマエストロ』(2009年10月 - 2010年9月)→『くらべるくらべらー』(2010年11月 - 2011年7月、いずれも毎日放送製作番組)でメインレギュラーとなるまでレギュラー出演ではTBS系から遠のいた。2004年4月10日、『全員集合』と当番組の名場面を振り返る番組『加トちゃんケンちゃんドリフの全て見せますスペシャル』が加藤・志村メインにより放送され、初めて傑作選が放送された。2008年4月改編では土曜20時台が連続ドラマ枠に変わりバラエティ枠は一旦終了したものの[4]、同年4月1日に、同系列で『志村けんだよ大集合!!コントとトーク大放出スペシャル!!』が放送され、約18年ぶりに『THE DETECTIVE STORY』の1シーンやショートコントが再放送され、2009年1月27日にも第2弾が放送された。小林恵美・山本梓らがパートナーとなり加藤と志村出演のリメイクコントも行われた。 2008年7月から不定期で放送されている『全員集合』を振り返るスペシャル番組でも、同年12月26日と2009年4月1日放送分にて当番組が1コーナーとして取り上げられ、ゲストを交えて過去に放送された「おもしろビデオコーナー」を加藤と志村が進行していた。 2008年7月16日発売の『全員集合』のDVDの特典映像に、当番組の傑作コント(「THE DETECTIVE STORY」の編集版)が収録されている。また本番組単独のDVDも、2012年11月21日にポニーキャニオンから発売された[5]。 米プロデューサーが同番組を見て企画を決めたというアメリカ版ホームビデオ紹介番組『America's Funniest Home Videos』は、1989年に放送が始まって2009年で地上波ネットワークABCのバラエティ番組史上最長寿番組となった。2007年には米プロデューサーがハリウッド殿堂入りし、2009年には番組がスミソニアン博物館殿堂入りを果たしている。 2013年4月、フランス・カンヌで開かれた国際番組見本市MIPTVの主催者により、世界のテレビを変えた50作品の1つとして日本作品から「鉄腕アトム」「UFOロボ グレンダイザー」「ドラゴンボールGT」と並び、1986年を代表する作品として番組中の「おもしろビデオコーナー」が選ばれた[6][7]。
参考文献・出典・脚注
関連項目
- カトちゃんケンちゃん ‐ この番組を題材にしたPCエンジン用ゲームソフトが放送時期の1987年11月30日にハドソンより発売された。
- 8時だョ!全員集合
- KATO&KENテレビバスターズ
- 加トちゃんケンちゃんドリフの全て見せますスペシャル
- 素人ばかうけビデオ祭り
テンプレート:前後番組 テンプレート:Asbox テンプレート:加藤茶
テンプレート:志村けん- ↑ 1998年8月12日スポーツニッポン「志村けん ゴールデン復帰 テレビ東京「集まれ!ナンデモ笑学校」」
- ↑ 2.0 2.1 現在はテレビ朝日系の投稿ビデオ企画番組は制作されていない。
- ↑ TBS『ごきげんテレビ』の「面白ビデオコーナー」がアメリカABCで最長寿番組へ!テレビドガッチ 2011年9月15日
- ↑ 2010年10月から再度バラエティ枠。
- ↑ 「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」が初のDVD化決定お笑いナタリー 2012年9月25日
- ↑ 「「鉄腕アトム」「ドラゴンボール」が「歴史を変えたテレビ番組」に選出!」シネマトゥデイ、2013年3月28日。
- ↑ 「アトム、グレンダイザー、ドラゴンボール、加トケンが『世界のテレビを変えた50作』に選出」IBTimes、2013年4月3日。