ビデオリサーチ
テンプレート:Infobox 株式会社ビデオリサーチ(Video Research Ltd. 略称 "VR")は、テレビ番組の視聴率調査(後述の5県を除く全国42都道府県)、ラジオ番組の聴取率調査をはじめとするメディアリサーチや、マーケティングリサーチを行う日本の会社。電通が全株式の34.2%を保有しており、同社の持分法適用会社の位置づけにある。
概要
『テレビ視聴率日報』(通称:日報)というレポートを調査翌日に発行しており、最新の視聴率データをテレビ局や広告代理店などのクライアント(顧客)に提供している。
日報には、番組平均世帯視聴率、前四週平均世帯視聴率、終了時世帯視聴率、前四週終了時世帯視聴率、番組視聴占拠率などのデータが記載されている。
その他詳細な視聴率データは、『テレビ視聴率速報』(日報の確定版)や『テレビ視聴率週報』(1週間分の毎分、5分、15分、30分平均視聴率と時間区分別視聴率をWeb上で提供)に記載され提供されている。
テレビ視聴率調査のほかにも、調査員による面接調査やアンケート調査、街頭調査などを用いてテレビ・ラジオ番組に関する様々な調査も行なっている。
視聴率調査方法
会社設立当初は、家庭を直接社員が訪問、視聴した番組や時間を聞き込む方法をとっていたが、1960年代中に選ばれた家庭に視聴率調査用の装置を設置し、その装置で一定時間に視聴しているチャンネルをテープに記録するオフラインメータ方式を採用し、1978年には同社が開発した「ミノル・メーター」を用いて電話回線を通じて情報送信するオンライン方法に変わった(詳細は「視聴率#歴史」を参照)。装置の詳細や対象者の選出方法などは非公開(対象家庭は無作為に選ばれる)となっており、調査中および終了後も調査方法について秘匿するよう誓約させている。
2年間でサンプル世帯は交代する。なお、サンプル世帯選びにあたっては近親者にマスコミ関係者がいないか調べ、公正に行うよう努めている。視聴率は個人視聴率(テレビごと)と世帯視聴率(世帯ごと)に分類されるが、“視聴率”と言えば普通は世帯視聴率を指す。日本における世帯視聴率は、かつてエーシーニールセン(ニールセン)と両社で測定していたが、2000年にニールセンが日本国内における視聴率調査から撤退し、それ以降はビデオリサーチの測定結果を指し、一般的にその数値が用いられることとなった。撤退の理由は民放キー局との視聴率に関する対立とされている。
世帯視聴率以外にも、家族一人一人の年齢、性別などを機器に登録して個人ごとの視聴状況調査「個人視聴率」が関東地区で1997年3月31日より導入され、他地域でも順次導入されている[1]。
視聴率調査は放送区域内の地元民放テレビ局が3局以上あることが調査の条件である。したがって、山梨県、福井県、徳島県、佐賀県、宮崎県では視聴率調査が行われていない(ただし、年数回アンケート方式での調査が行われることがある)。
- テレビ視聴率における調査対象区域と調査期間、対象世帯数
- 52週調査(終日調査)地域・600世帯
- 52週調査(終日調査)地域・200世帯
- 24週調査(月初めの2週間のみ調査する)地域・200世帯
- 青森県、岩手県、秋田県、山形県(以上、東北地方)
- 長野県、富山県、石川県(以上、中部地方)
- 鳥取県・島根県、山口県、愛媛県、高知県(以上、中国地方・四国地方)
- ※なお、鳥取・島根の両県は1つの地域として調査する(「鳥取島根地区」として)
- 熊本県、長崎県、大分県、鹿児島県、沖縄県(以上、九州・沖縄地方)
視聴率不正操作問題
2003年10月、日本テレビのプロデューサーが担当番組を見るように登録視聴者に依頼し金銭を渡す、いわゆる「日本テレビ視聴率買収事件」が発覚した。視聴を依頼する際、他局の番組も依頼に混ぜることで工作が発覚しないようにしていた。このプロデューサーは翌11月に解雇された(日本テレビ視聴率買収事件の記事も参照)。この不正工作によって変動する視聴率は1ポイントにも満たないと見られている。
この問題が発生して以降、同社の視聴率以外に、他社の恒常的オンライン視聴率調査や番組の質や影響力(効果)を数値化する指標の登場が特に期待されているが、決定的といえるものは現れていない。
視聴率調査技術
- 2009年02月05日、データビジョン2009において、コード信号、音声情報、携帯電話ログ情報などにより、生放送以外の視聴率を調査できる技術を発表。