日産・マーチ
テンプレート:Redirect マーチ(MARCH )は、日産自動車が製造・販売するハッチバック型のコンパクトカーである。 派生車種は派生車種の項目を参照。
目次
概要
かつて、トヨタ・スターレットと日本のスモールカー市場の人気を二分していた。日欧両市場での販売を視野に入れており、欧州などいくつかの地域では「マイクラ」(Micra )名で販売されている。扱いやすいコンパクトなボディに大人4人が快適に移動できるキャビンを持つ、合理的なパッケージングが特長であり、専門家の評価も高い。特に2代目・K11型は、日欧でカー・オブ・ザ・イヤーを同時受賞するなど、高い評価を受けた。また、日本車としては珍しく、フルモデルチェンジのスパンがかなり長い[1]のも特徴の一つである。ライバルのヴィッツとともにワンメイクレースが行われるなど、手軽なモータースポーツへの登竜門としての一面も持つ。
なお、2016年に発表予定の次期モデルでは欧州向け左ハンドル仕様車をルノーの欧州域内の工場で生産することが発表されている[2]。
歴史
初代 K10型系(1982年 - 1992年)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1981年10月に開催された第24回東京モーターショーに「NX-018」の名で参考出品。1年間に亘る長期のプレキャンペーンが展開され、一般公募により車名が「マーチ」[3]と決定された後、1982年10月に発売された。
開発は、当時、東京都杉並区荻窪に在った荻窪事業所[4]にて行われた。初代マーチはその荻窪事業所で開発された新車種として最後に開発されて発売された車種である[5]。開発主管は旧・プリンス自動車出身の伊藤修令が務めた。基本デザインは世界的に著名なデザイナーであるジョルジェット・ジウジアーロが行い、生産に向けて社内でデザイン調整が行われた[6]。
約10年という、日本の量産車としては珍しく極めて長いモデルライフであった。当初から最小限の装備だけを持っていたが、最終型にはパワーウインドウ装着車 (FV) も存在した。
当初搭載されたエンジンは、MA10S 987cc電子キャブレターECC仕様(E-K10) 。グレードもE(基本性能に徹したモデル)・L(基本的車種でファミリー若者向実用車)・S(機能、内装の充実を図ったモデル)・G(最上級モデル)の3ドアハッチバック車4種類だけだったが、後にグレードが充実化され、キャンバストップ車や5ドアハッチバック車、MA10ET 987cc水冷ターボECCSエンジンを搭載した「マーチターボ」、MA09ERT930cc空冷式インタークーラー、ダブル過給機付きECCSエンジンを搭載し、ビスカスLSD標準装備のモータースポーツに対応したマーチR、そのグランドツーリング版のマーチスーパーターボなどの車種も登場した[7]。
主な派生車種は、パイクカーの「Be-1」BK10型、MA10Sエンジン搭載・「パオ」PK10型、MA10Sエンジン搭載・「フィガロ」FK10型、MA10ETエンジン搭載や、レーシングフォーミュラーカーの「ザウルスジュニア」NSJ-91型、MA10Eエンジン搭載などが挙げられる。パイクカーの人気は高く、特にBe-1は中古車市場にリセールした方が、本体購入価格より倍近い値段がつくという事で「財テクカー」と呼ばれた。 テンプレート:-
年表
- 1978年初頭
- 日産自動車、リッターカーの開発に着手。
- 不明年
- リッターカー開発プロジェクト「KX計画」を日産自動車の石原俊社長(当時)直轄化の元でスタート。
- 1981年10月30日 - 11月10日
- 第24回東京モーターショー(東京都中央区晴海)でFF1000CC乗用車、「NX.018」参考出品。
- 1981年10月29日 - 1982年1月15日
- 車名の募集キャンペーンを実施、全国からの応募数は、565万通に及んだ。
- 1982年10月22日
- 午前11時に東京都中央区銀座にある日産自動車本社にて、K10型マーチの新車発表記者会見が行われた。この模様は日本テレビ放送網が制作した特別番組「1000CCの名前決定!」で全国にテレビ中継された。
- 1982年10月
- K10型マーチ発売。
- 1983年4月
- 3ドアハッチバック「G-COLLET」仕様車追加(4MT/3AT車)。
- 1983年7月
- 日産50周年記念限定車、50スペシャルII (TWO) 仕様車を限定2000台で販売。特別装備として、フロントグリルに50周年記念エンブレム、50周年記念専用デザインキー、ドアミラー(電動リモコン式)、ブロンズガラスシールド、専用ボディカラー、アクセント・ピンストライプ、155SR12サイズのラジアルタイヤなどを採用。
- 1983年9月
- 5ドアハッチバック新設定、「FT」・「FC」仕様追加(4MT車にはFT・FC、5MT車にはFT、3AT車にはFT・FCが用意された)、3ドアハッチバック車「G-1」仕様新設定(標準装備として後部がチルト、なおかつ脱着可能な2ウエイ式ガラスサンルーフを設定。※5MT車)。
- 1984年
- 日産伝統の入門レースカテゴリー、K10型マーチでのワンメークレース「マーチカップ」開催。
- 1984年2月
- 5ドアハッチバック車の最上級車種、「FV」仕様車追加(4MT車/5MT車/3AT車)。
- 1985年2月
- マイナーチェンジ。車体の一部変更。「マーチターボ」MA10ETエンジン搭載車を追加 (5MT/3AT) 。コレットの4MT車にスロープストッパーを採用、MT車でも登坂路の坂道発進を容易にする補助装置として、従来のブレーキシステムにプレッシャーホールドバルブを追加設定。MA10Sでは三元触媒に統一。3ドアハッチバック車ではコレット仕様パワーステアリング車を新設定し、S仕様の4MT車・G仕様5MT車・S仕様3AT車が廃止され、5ドアハッチバック車では、FV仕様4MT車・FT仕様5MT車が廃止された。
- 1986年3月
- 特別限定車「ターボ・ホワイトセレクト (WS)」仕様車発売。
- 全国限定1500台。特別装備としてボディをホワイトで統一、ブロンズカラーガラスシールド、W・Sマーク入りボディステッカー、W・Sマーク入り3本スポークステアリング、フロントバケットシート、専用フルクロス布地(グレーカラー斜めストライプ)、などを装備。
- 1986年9月
- PUMPS!仕様車の追加。特徴として、メインシート表地の着替え選択が可能。メインシートカラーはシャーベットトーンの7色で、前/後席ワンセット分と着替え用の前席分が標準装備で、しかもセパレートタイプ、別売で追加注文が可能、色の組み合わせは無限大に近く、ファスナー固定の上、洗濯可能である。
- シートカラーバリエーションは、ハーバーブルー、クレープイエロー、ポーラブルー、シェルピンク、コスモグリーン、パンプキンイエロー、ピーコックブルーがあった。
- 1986年
- 全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。
- 1987年
- WRC、サファリーラリーにてNRS(ニッサンラリーサービス)[1]がマーチターボで参戦。
- 1987年1月
- パイクカー第一弾「Be-1」BK10型、MA10Sエンジン搭載車発売。ただし、キャンバストップは3月発売。
- 1987年8月
- 「マーチ・キャンバストップ」専用仕様車の追加。G-1仕様車の廃止。全車に、パワーステアリングをメーカーオプションで拡大設定(L仕様5MT車を除く)。車体色に新色を大量に採用、内装はトリム・シート生地の変更(ターボ仕様車を含む)。MA10ETエンジンは、空燃費比最適制御によりEGR装置を廃止。
- 1987年
- 全日本ラリー選手権Aクラスに参戦しドライバーズチャンピオンを獲得。
- 1988年1月
- 3ドアハッチバック車、i.Z仕様車発売。
- パイクカー第2弾、3ドア2ボックス「パオ」PK10型、MA10Sエンジン4MT/3AT搭載車発売。
- 1988年8月
- モータースポーツ活動の対応車種、「マーチR」MA09ERT(930cc)ダブルチャージエンジン搭載、5MT仕様車限定発売。主に国内ラリーで活躍。
- 1988年
- WRC第36回サファリラリーでマーチターボ、JH.ヘイズ/A.Levian組が総合10位A3クラス優勝。
- 1989年
- WRC第2戦、モンテカルロラリーでマーチターボ参戦、ドライバーはP.エクルンド
- WRC第4戦、サファリラリーでマーチターボ、L.モーガン/L.マローテ組が女性コンビながら、総合12位、クラス優勝。
- WRC第13戦、RACラリーでマーチターボ、P.エクルンド/D.ウィトッグ組で参戦、総合21位、クラス3位。
- WRC第6戦、アクロポリスラリー、マーチスーパーターボ、P.エクルンド/B.セデルベルグ組が総合10位、クラス優勝。
- MA09ERT搭載のEK10FR型マーチRが全日本ラリー選手権シリーズ優勝(Bクラス1001cc以上1600cc未満クラス)。
- WRC第7戦、ラリー・オブ・ニュージーランドでマーチスーパーターボ、P.デビット/W.ジョーンズ組、グループ.N、総合3位、クラス2位獲得。
- 1989年1月
- マイナーチェンジ。5ドアハッチバック車i.Z仕様発売。「スーパーターボ」(E-EK10)5MT/3AT発売。L型5速専用エンジンの廃止。車体の一部変更。コレット・パンプス仕様車にスロープストッパーを標準採用。メーカーオプションとして脱着式ガラスサンルーフの設定をパンプス・コレット・ターボ・スーパーターボに、電動キャンバストップの設定をパンプス・コレット・ターボに、デュアルエキゾーストパイプをRに加え、ターボ・スーパーターボにそれぞれ採用。「マーチ・キャンバストップ」専用仕様車の廃止。
- 1990年1月
- i.Z仕様車一部変更。
- 1991年
- MA10Eエンジン搭載、レーシングフォーミラー車「ザウルスジュニア」登場。ザウルスJrカップ発足。
- K10型マーチ、全車種生産終了。
- 1991年1月
- 3/5ドアハッチバック車「i.z-f」仕様車発売。
- 1991年2月
- パイクカー第3弾、2ドアオープントップ「フィガロ」FK10型、MA10ETエンジン(987cc)3AT搭載車発売。
- 1992年1月
- フルモデルチェンジで3/5ドアK11型マーチへ移行。
- Nissan Micra 1st series darkred vr.jpg
後期型
- Nissan Micra K10 Canada (1).jpg
マイクラ(北米仕様)
- Nissan Micra rear 20071212.jpg
中期型マイクラ(リア)
- Nissan Micra van.jpg
後期型マイクラバン(1990年欧州仕様)
2代目 K11型系(1992年 - 2002年)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 1992年1月、初のフルモデルチェンジを受けて2代目に移行する。エクステリアデザインに於いてはそのほとんどを、当時の厚木NTC[8]内デザインセンター[9]で日本ユニシスと共同開発の真っ最中だった日産初の造形意匠用CADシステムである「STYLO(スタイロ)」を、試用段階ではあったが初めて造形の初期段階から運用して制作されたものである。ボディ形式は初代に引き続き3ドアと5ドアのハッチバック型、後期型にはワゴン型「マーチBOX」やオープンモデルの「カブリオレ」もラインナップされていた。また、台湾オリジナルモデルとして、3ボックス型のセダンや国内仕様のボレロやルンバに似たクラシカルモデル「ベリータ」(VERITA )があった。
1998年には派生モデルとして、初代・Z10型キューブが生まれている。
ミドルクラスセダンの初代・P10型プリメーラと同じく、日欧両市場を主要マーケットとして、欧州車と比肩しうる性能や快適性、合理的なパッケージングを実現することを目標として開発された。「安かろう悪かろう」とスタイルを強調した「スモールキャビン」が普通であった当時の日本製コンパクトカーの中では異彩を放つ存在であり、日本におけるコンパクトカー市場の革命児とまで称された。
プラットフォーム及びエンジンは新開発され、1.0/1.3LのCG型エンジンを搭載、5速MT/4速ATに加えて、富士重工業(スバル)から供給を受けたECVTを組み合わせていた。CVTの採用は日産では初である。なお、マーチBOXにはニーズを考慮してか5MTは一切設定されず4ATかCVTを選択できた。
日本市場での販売実績は、モデルサイクル全般にわたって堅調なもので、マーチに対抗できる商品力を持つ競合車が1995年のスターレットや1996年のロゴまで登場しなかったことや、バブル崩壊に伴い、コンパクトカーの経済性が見直されてきたことなどの要因から、登場から4年後の1996年度には142,000台を販売し、記録を更新しライバルが新型となってマーチよりスペックや安全性が向上しそれに加えて主力グレードが安価であったがマーチはヒットし続けた。当時の日産は莫大な有利子負債を抱え、深刻な経営状態となっていたが、その時期を支えた車種の一つである。このモデルから、日産で初めて、全店舗併売された。
その後ヴィッツ、フィットなど、競争力の高いコンパクトカーが他社から続々と登場したこともあり、販売台数は若干落ちたものの、2001年製の最終モデルでも月間5,000台程度の安定した販売実績を残している。生産工場はK10型同様村山工場であったが、閉鎖後は追浜工場に移管された。
1998年に誕生したトールワゴン・初代「キューブ」は、マーチの基本コンポーネンツを流用して開発されこちらも大ヒットした。また、レトロ風のメッキグリルを持ち、リアオーバーハングを延長し独立したトランクルームを備えたセダン、前後をバンデン・プラ風に仕立てた「コぺル・ボニート」、光岡「ビュート」、エンジンチューン、機能的なエアロパーツを外装に持つトミーカイラ「m13(初代)」や、無印良品とのコラボレーションモデル「Muji Car 1000」も生まれている。 なお、追加キットだがクラシカルな外観を持つ「ムークプリンセス」などもある。
受賞歴
K11型の評価は日本国内外共高く、日本カー・オブ・ザ・イヤー(1992)、RJCカー・オブ・ザ・イヤー(1992)をダブル受賞、欧州でも欧州カー・オブ・ザ・イヤー(1993)を日本車としては初めて獲得する快挙を成し遂げた。これら3賞を同時受賞した日本車は2000年登場のヴィッツ(欧州名・ヤリス)まで登場しない。
- 1992年10月 - 通商産業省選定グッドデザイン賞を受賞。
- 1992年11月 - 日本カー・オブ・ザ・イヤー受賞。
- 1992年11月 - RJCカー・オブ・ザ・イヤー受賞。
- 1992年11月 - 欧州・カー・オブ・ザ・イヤー受賞。日本車初の快挙である。
年表
- 1992年1月
- 初のフルモデルチェンジ。
- 1992年4月
- 安価モデル「Eテンプレート:Flat」を追加。
- 1992年8月
- 英国サンダーランド工場で現地生産を開始。
- 1993年1月
- 1.0LエンジンにCVTを組み合わせた「Bテンプレート:Flat」追加。
- 1993年4月
- 欧州、日本、RJCの各COTY受賞を記念した特別仕様車「V3 AWARD」設定。ボディカラーは黒と赤の2種類のみ。
- 1993年11月
- 「アウトストラーダ」、「i・z セーフティグリップパッケージ仕様車」を追加。なお、アウトストラーダとはイタリアの高速道路の意。
- 1994年12月
- 一部改良により、運転席SRSエアバッグを全車標準装備化。
- 1995年4月
- 運転補助装置付きモデル「アンシャンテ」がオーテックから発売。
- 1995年12月
- マイナーチェンジ。内外装意匠の一部変更を受ける。
- 1996年6月
- 特別仕様車「Fテンプレート:Sharp」設定。
- 1996年10月
- 特別仕様車「Dテンプレート:Sharp」設定。
- 1996年11月
- 特別仕様車「コレット」設定。
- 1997年5月
- マイナーチェンジ。全車にデュアルエアバッグ、ABSを標準化、助手席エアバッグの装着に伴いインパネ形状が変更される。外観の変更点としてグリルがフード一体型に変更された。特別仕様車の「コレット」はカタログモデル化、以後「i・z - f」に代わって主要グレードになる。
- 1997年8月
- 電動ソフトトップを持つオープンモデル「マーチカブリオレ」が登場[10]。
- 1997年10月
- 丸型ヘッドランプとメッキグリルを持つレトロ調特別仕様車「ボレロ」を設定。
- 1997年12月
- 1960年代英国風テイストの「ジューク」追加。赤と黒のツートンカラーが特徴。
- 1998年4月
- 英国生産モデルに、プジョー製1.5L TUD5型ディーゼルエンジンを搭載。
- 1998年11月4日
- オーテックジャパンにより丸型ヘッドランプとメッキグリルを備えるレトロ調特別仕様車「ルンバ」を設定。同時にコレットをベースに専用シートクロスやカラードドアハンドル&ライセンスランプカバーなどを装備した「コレットL」を追加。
- 1999年9月
- 英国生産モデルが、累計生産100万台を達成。
- 1999年11月9日
- マイナーチェンジ。1.0L CG10DE型の出力向上、1.3LエンジンのCGA3DE型への変更を実施。無段変速機「Hyper CVT」搭載モデルやマーチとしては初の4WD車も設定された。外観の変更点としては、ヘッドランプのレンズがマルチリフレクター化された点と、テールランプ造形が変更された点が挙げられる。また、リアオーバーハングを延長したステーションワゴン風モデル、WK11型「マーチBOX」も登場した。
- 2000年5月9日
- モール類をカラード化した特別仕様車「ホワイトリミテッド」設定。ボディカラーは限定のシルキースノーパールのみが設定された。
- 2000年10月10日
- 内装を一部変更し、グレード体系も見直し。同時にコレットをベースに、アウトストラーダと同形状のメッシュグリルやフォグランプ一体型フルカラードバンパーなどを装備した「Mia」を追加。
- 2000年12月26日
- オーテックジャパンの手による丸型ヘッドランプが特徴の特別仕様車「ポルカ」を設定。同時にコレットをベースに、フロント&リアバンパーモールやサイドガードモールを車体色化した女性向け特別仕様車の「カジュアルリミテッド」を設定。
- 2001年4月
- K11型国内登録累計100万台達成記念車「コレット-f」を発売。フロント・リアのバンパーモール、サイドガードモール、アウトサイドドアハンドル、ライセンスランプカバーを車体色化した。
- 2001年5月
- 無印良品とのコラボレーションモデル「Muji Car 1000」発売。1000台限定。商用車を思わせるスタイルが特徴。
- 2003年
- オーテックジャパンの手によるスペシャルモデル「MID-11」公開。3ドアをベースに、可変バルブタイミング機構を備えたSR20VE型エンジンに6速MTを組み合わせ、204仏馬力・21kg·mの性能を発揮した。エンジンはリアシート部分へ横置きしていた。
備考
- 日本国内のグレード名は「マーチ(=行進曲)」という名前にちなんで「Gテンプレート:Sharp/Aテンプレート:Sharp/Bテンプレート:Flat/Eテンプレート:Flat」といった英米式音階表記となっていた。「テンプレート:Sharp」は1.3L車、「テンプレート:Flat」は1.0L車をそれぞれ示す。初代後期からの人気グレード「i・z - f」は例外であるが、「f」にフォルテ(強弱記号)を用いることでイメージの統一を図っていた。
- 台湾の裕隆日産汽車ではマーチのハッチバック型が「行進曲」という名前で現地生産されていたほか、このモデルが2007年秋まで継続して生産されていた。
- フランスでは氷上レースを戦うために、A32型セフィーロ用VQ30DEエンジンと4WDシステムをミッドマウントしたスペシャルモデルが開発された事がある。
- Nissan March 001.jpg
中期型リア(1997年-1999年)
- Nissan March 1997.jpg
マーチカブリオレ
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マーチBOX
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マーチボレロ フロント
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マーチボレロ リア
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裕隆日産汽車股分製
マーチセダン(リア、前期) - Taiwan Nissan March LX Cubic left-back.jpg
裕隆日産汽車股分製
マーチセダン(リア、後期) - NISSAN VERITA 01.JPG
裕隆日産汽車ベリータ フロント
- NISSAN VERITA 02.JPG
裕隆日産汽車ベリータ リヤ
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台湾仕様 後期フロント
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台湾仕様 後期リヤ
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3代目 K12型系(2002年 - 2010年)
テンプレート:Infobox 自動車のスペック表 2002年2月、2度目のフルモデルチェンジを受ける[11]。生産は引き続き追浜工場で行われ、コンセプトは変わらず3ドアと5ドアのハッチバックのリッターカーであったが、日本市場では、2003年夏には1Lエンジンのグレードが消え、2005年のマイナーチェンジを機に、3ドアモデルは廃止された。欧州市場向けは英国日産自動車製造での生産となり、クーペカブリオレの「マイクラC+C」も発売され、日本にも2007年7月に導入され1,500台が限定販売されている。
技術面ではルノーと共同開発した「アライアンス・Bプラットフォーム」[12]が初めて採用された。日本仕様車では新開発の1.0/1.2/1.4LのCR型エンジンを搭載、5速MT/4速ATを組み合わせていた。欧州では1.6Lモデルも存在する。駆動方式はFFに加え、電動式四駆「e-4WD」も用意された。尚、e-4WDに用いられる後輪用モーターは日立製作所の業務用洗濯機のものを流用していて[13]、後にマツダのデミオとベリーサのe-4WDにも供給された。 また、燃費の向上を目的に、全車に電動式パワーステアリングが採用されている。2代目の特徴の一つであったCVTは当初ラインナップされていなかったが、2005年のマイナーチェンジを機に1.5LのHR型エンジン+CVT搭載のモデルが復活した。CR、HRのいずれのエンジンの場合も電子制御スロットル仕様となる。
くりくりしたヘッドランプとカエルの顔をイメージさせる特徴的なエクステリアデザインは、NTC内デザイン本部第一プロダクトデザイン部(担当:猿渡義市)によるもの。欧州向け日産車に共通するウイング型のグリルをはじめ、丸くラウンドしたルーフや、わずかに残されたリアノッチ、ショルダー部分のキャッツウォーク形状には2代目の面影を残す。競合車種と比較した場合、全長が短いことや、後ろ下がりのルーフ形状のため、後席居住性やラゲッジスペースは若干劣ることが多い。また、日本仕様車では多彩に用意された個性的な内外装色も特色であり、自動車の優れたカラーデザインを顕彰する「オートカラーアウォード」を3度(内グランプリ2度)受賞している。ちなみに、初期型に設定されていた内装色の「シナモン(オレンジ)」は開発段階で微妙だという意見が出たものの、カルロス・ゴーン最高経営責任者の「いいじゃないか!」という一言で市販が決定した。
ゴーンCEO着任後、初めて開発された車種[14]として、その売れ行きには注目が集まったが、発売初年度の日本市場では月販目標台数8,000台を大幅に上回る月平均14,000台を販売した。その後、他社から競合車が続々と発売されたこともあり、販売実績は低下傾向となった[15]。しかし近年では他社の競合車種がモデルチェンジするたびに車両のサイズを拡大する傾向にあるなか、マーチは車幅などのサイズが比較的小さい車種ということもあり、発売後4年を経過した2006年時点でも月5,000台程度をコンスタントに売り続けている。
このモデルから、車両の構造上字光式ナンバープレートが装着できなくなった。
K12は、同一プラットフォームを利用する他のメーカー車がある他に、スタイリング改造メーカーが利用する種車にもなっている。代表的なところでは、光岡・ビュートは、リアオーバーハングを延長し、独立したトランクを備えたセダンである。以前はK11ベースであったが、2005年9月の13年ぶりとなるモデルチェンジでK12系ベースに移行した[16]。ビュートの妹分といった位置付けの、キュートもある。他にもビートル風[17]やセイチェント風[18]などといったモデルがある。
改造車では、トミーカイラ「m13」もK11型に続いてK12型ベースとなった。
受賞歴
- 2002年10月 - 経済産業省選定グッドデザイン賞を受賞。
- 2002年11月 - 「パプリカオレンジ×シナモン」の内外装色組合せと5色の外装色(コミュニケーションカラー)が第5回オートカラーアウォードのグランプリを受賞。
- 2003年7月 - ドイツのレッド・ドット・デザイン賞受賞。
- 2003年12月 - 外装色「ショコラ」が第6回オートカラーアウォードのファッションカラー賞受賞。
- 2005年12月 - 「チャイナブルー×アイスブルー」の内外装色組合せが第7回オートカラーアウォードで2度目のグランプリ受賞。
- 2007年12月 - 「サクラ×カカオ」の内外装色組合せがオートカラーアウォード2008で3度目のグランプリ受賞。同時にオートカラーデザイナーズセレクション・インテリア部門賞も受賞した。
年表
- 2001年9月
- 第59回フランクフルトモーターショーに「mm.e」を出品。
- 2001年10月
- 第35回東京モーターショーにプロトタイプ「mm」参考出品。
- 2002年2月22日
- フルモデルチェンジ。販売は3月5日から。月販目標台数は8,000台。
- 2002年9月5日
- 電動式4WD「e-4WD」を1.4L車に設定。同時にオーテックジャパンの手による特別仕様車「ラフィート」を設定。
- 2002年9月
- モンディアル・ド・ロトモビル(パリサロン)に出品、電動ハードトップを備えたオープンモデル「マイクラC+C」も併せて展示。
- 2002年11月29日
- 英国サンダーランド工場で現地生産を開始。
- 2003年5月8日
- 日産自動車創立70周年を記念した特別仕様車「12c 70th」、「14c-four 70th」を発売。電動格納式リモコンカラードドアミラー、オートライトシステム、リア可倒式シート、ETCユニットなどが装備された。
- 2003年7月1日
- ブラックラジエーターグリル、ブラックアウトヘッドライトなどを採用したスポーティーグレードの「14s」を追加。シャープのプラズマクラスター技術を搭載する「プラズマクラスターイオンエアコン」をオプション設定(市販車初)。同時に他のグレードでもプライバシーガラスのオプション設定(一部を除く)、12C以下でもフロントスタビライザーの標準装着の構造変更も行われた。
- 2003年9月
- 第60回フランクフルトモーターショーに「マイクラ1.5dCi」を出展。同年10月販売開始。
- 2003年10月15日
- オーテックジャパンの手による特別仕様車「12SR」を設定。3ドア・5ドアモデル共に設定。チューンアップされ高出力化されたCR12DE型エンジン、専用スポーツサスペンションなどを装備する。
- 2004年4月23日
- マイナーチェンジ。フルーツをイメージした新色を設定したほか、1.0L車を廃止。またフロントシートのホールド性が向上され、12c Bパッケージを除きプラズマクラスターイオンエアコンが全車標準装備とされた。
- 2004年8月18日
- オートライトや分割可倒式リアシートなど、装備を充実させた特別仕様車「Vセレクション」を発売。
- 2004年12月1日
- 特徴的なヘッドランプ形状をモティーフにしたシート表皮が特徴の特別仕様車「iセレクション」を発売。プライバシーガラスなどが装備された。同時にオーテックジャパンの手によるレトロ調特別仕様車「ボレロ」を設定。
- 2005年4月27日
- スウェード調シートクロスを採用した「プレミアムインテリア」を発売。他にオートライトシステムやリア可倒式シートなどが装備された。
- 2005年6月
- 電動ハードトップモデル「マイクラC+C」を英国で披露。ドイツのコーチビルダー・カルマン社と共同開発した。
- 2005年8月25日
- マイナーチェンジ。フロントのウインカーランプがクリアーになり、グリルの形状が変更された。テールランプとリアバンパーも形状が変更された。ボディカラーも設定が一部変更された。フロントグリルについても変更されたが、最上級グレードの15GとRX, SRには専用のものが採用された。また、3ドアモデルが廃止され、新たに1.5L HR型エンジン搭載モデルの追加された。3ドアモデル廃止に伴い12SRも5ドアベースに変更を受ける。4ATも型番変更され、MC前の4ATで発生していた1速→2速への変速ショックが改善されている。同時にオーテックジャパンによるSRシリーズに1.5LエンジンにエクストロニックCVTが組み合わされた「SR-A」が追加された。
- 2005年9月
- フランクフルトモーターショーに生産型「マイクラC+C」および「マイクラ160SR」を出展。
- 2005年11月
- 欧州市場で「マイクラC+C」を販売開始。
- 2006年6月1日
- コンランショップとのコラボレーションモデル「プラスコンラン」を9月まで限定発売。専用のフロントグリルやシートが装備された。
- 2006年10月4日
- 装備充実の「ワンタッチコレクション」、「ワンタッチコレクションプラスナビ」を設定。インテリジェントキーやリア可倒式シート、プライバシーガラスなどが装備された。
- 2007年6月5日
- マイナーチェンジ。フロントマスクのデザインが変更。これまでフロントグリルに設置されていたウインカーランプがヘッドライト内に移動された。この変更により、ボレロはヘッドライトとウインカーランプが別になっていたため、フロントバンパーの穴に丸型のウインカーランプが装着されていたが、後期型はかつてのウインカー用の穴はフタで塞がれている。フロントバンパーについては中期型の上級グレードに装着されていたものに統一された。内外装に新色を設定。同時に特別仕様車「Plus navi HDD」発売。
- 2007年7月23日
- マイクラC+Cを日本で1500台限定販売(1月に導入発表)。このモデルのみ、日本でも「マーチ」ではなく「マイクラ」を名乗る。
- 2007年10月9日
- マーチ誕生25周年を記念して、過去の人気色「ショコラ」「パプリカオレンジ」とインターネットのアンケート投票で一番人気だった「アクアブルー」を採用した「12E/14E FOUR リミテッドカラー」をインターネット予約販売で各色250台限り限定復刻。
- 2007年11月8日
- 誕生25周年記念特別仕様車「25th Happiness(ニーゴー ハピネス」、「Plus Safety」、「KISEKAE」を発売。「25th Happiness」にはオートライトシステムなどが、「Plus Safety」には各種安全装備が、「KISEKAE」には2種類の専用シートカバー、専用フィニッシャー、専用キッキングプレートなどが装備された。
- 2008年5月27日
- 特別仕様車「12E/14E FOUR Plus navi HDD SP」と「12S/14S FOUR コレット」を期間限定発売。後者は購入でカーボンオフセット活動に参加したとみなされる特典が付く。
- 2008年10月7日
- 特別仕様車「12E/14E FOUR Iyashi Interior(いやしインテリア)」を発売。シルフィに採用されているHADASARA加工クロス(シートとドアトリム)や、プラズマクラスターイオンフルオートエアコンの特別装備を追加。これと同時に、プライバシーガラスと6:4分割リア可倒式シートを一部グレードに標準装備とする仕様変更を行った。
- 2009年5月12日
- 「12S」、「14S FOUR」をベースに、リヤ可倒式シート、プライバシーガラスを標準装備し、オーディオレス仕様としたことでお買い得価格に設定した特別仕様車「12S/14S FOUR コレットテンプレート:Sharp(シャープ)」を発売。同時にボディカラーの新色に「クリスタルライラックチタンパールメタリック」を設定(12Bを除く)し、「12E/14E FOUR/15E」にはスクエアインテリアパッケージの装備(スクエアインテリアシート、助手席シートアンダートレイ、助手席シートバックポケット)が標準化された。
- 2010年2月3日
- 特別仕様車「12S/14S FOUR コレットf(エフ)」を発売。インテリジェントキーとカラードドアハンドル、プライバシーガラスの特別装備を追加した代わりに、オーディオレス化、リア可倒式シートをベンチタイプにするなどして2WDモデルで100万を切る価格設定にした。
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14S(前期型)
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マーチラフィート(中期型)
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リア(中期型)
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マーチボレロ(後期型)
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車内(後期型)
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マイクラ(欧州仕様、前期型)
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マイクラ(後期型、2008年-)
4代目 K13型系(2010年 - )
2010年7月におよそ8年半ぶり、3度目のフルモデルチェンジを受ける。今回は日本国内生産ではなく、タイ・中国・インド・メキシコ・台湾の各工場での生産となる。また、2014年にはブラジルでの生産も予定している。日本仕様は追浜工場製からタイのタイ日産(旧:サイアム日産オートモービル)製に変更された(なお、日本向け仕様については追浜工場にてPDIが行われる)。日本での月間販売目標台数は4000台と発表された。
プラットフォームはレイアウトの最適化とシンプルなボディ構造を追及し新開発されたVプラットフォームを採用。低重心化とタイヤを四隅に配列したデザインとしたことでリアトレッドを拡大すると共に、シル部も外側へ張り出したことでコンパクトでありながら踏ん張り感のあるプロポーションとした。また、後端はわずかに跳ね上がるような流線型のルーフラインとしたことで空力性能を高め、燃費向上に貢献した。また、特徴の一つである丸型ヘッドランプやアーチを描くサイドウィンドウはマーチのDNAである「フレンドリー」を継承する為、先代のK12型に近いデザインとした。
エンジンは軽量・コンパクトで優れた燃費効率を持つ新開発のHR12DE型直列3気筒DOHC12バルブエンジンに変更となり、トランスミッションはCVTに2段変速の副変速機を組み合わせた「新世代エクストロニックCVT」を全グレードに採用。また、「12X」と「12G」には信号待ちなどの停車時にエンジンを自動停止するアイドリングストップ機構を備える。このアイドリングストップ機構はアイドリングストップ作動中にステアリングを進行方向に切り始めるとエンジンが再始動するため、ドライバーの意図に合ったスムーズな発進を可能にしており、また、ブレーキペダルの緩め方一つでエンジンの再始動やアイドリングストップの維持などを車両が最適な判断を行うことで違和感を低減している。これらにより、「12X」・「12G」は26.0km/L(10・15モード)の低燃費を達成。アイドリングストップ機構を搭載しないグレードを含めて全車「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(☆☆☆☆)」と「平成22年度燃費基準+25%」を同時に達成した。なお、日産では既存のエンジン車に次世代環境技術を搭載した"エンジン進化型エコカー"として「PURE DRIVE(ピュアドライブ)」を展開しており、4代目マーチは「PURE DRIVE」の第1弾として展開する。その証として、「12X」と「12G」にはリアに「PURE DRIVE」エンブレムが装着される。
グレード体系は装備を充実しながら100万円を切ったスタンダード仕様の「12S」、アイドリングストップ機構に加え、インテリジェントキー、カラードドアハンドル等を装備した充実仕様の「12X」、UVカット機能付プライバシーガラス(リアドア・バックドア)、オートライトシステム(フロントワイパー連動、薄暮れ感知機能付)、タコメーター、オゾンセーフフルオートエアコン、SRSカーテンエアバッグシステム等を装備した上級仕様の「12G」の3グレードを用意し、「12X」と「12G」には4WD車も設定される(4WD車のグレード名称は「12X FOUR」と「12G FOUR」)。また、オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」もモデルチェンジを行い、同日に販売を開始した。販売開始当初、ボディカラーは9色(うち、オプションカラー3色)が設定されていたが、「12S」は「バーニングレッド」、「パシフィックブルーパールメタリック」、「シャンパーニュゴールドメタリック」を除く6色、「ボレロ」は4色であった。
なお、3点式シートベルト(前席のみプリテンショナー機構、ロードリミッター機構も付く)、EBD付きABSが全グレードで全席標準装備。「12G」以外でもオプションでサイド・カーテンエアバッグが選択できる。
後期型では新たにジュークやZ34型フェアレディZに続くプレミアムスポーツバージョン(実質的にコンプリートカー扱い)である「NISMO」を設定することが発表された。マーチNISMOでは他の車種と異なり、モータースポーツファンやスポーツドライビング志向のユーザーのみならず、より幅広い層のクルマ好きユーザーにも提供できるよう、「NISMO」および「NISMO S」の2グレードが設定された。「NISMO」は、「X」をベースとした低燃費・エコ志向の1.2L・CVT車[19]。「NISMO S」は、「S」をベースとして海外向けに設定されているHR15DE型エンジンにチューニングを施して出力・トルク共に大幅アップさせた専用仕様のエンジンを搭載し、車体剛性のアップも行ったパフォーマンス志向の1.5L・5MT車(なお、5MT車は海外向けでは設定があるものの、日本国内向けでは4代目にフルモデルチェンジされてから設定されておらず、今回の「NISMO S」が日本国内向けでは唯一の5MT車となる[20])。ボディカラーは既存の「ピュアブラックパールメタリック」と「ブリリアントシルバーメタリック」に加えて、NISMO専用色の「ブリリアントホワイトパール3コートパール(オプションカラー)」の3色展開となる。この「ブリリアントホワイトパール3コートパール」は2014年5月の一部仕様向上に伴い、他のグレードでも設定できるようになった。
受賞歴
- 2010年12月 - スプリンググリーン外装+ブラック×アイボリー内装が、オートカラーアウォード2011ファッションカラー賞を受賞。
年表
- 2010年3月2日
- 2010年ジュネーブモーターショーにて4代目「マイクラ」を世界初披露。欧州向け仕様ではトランスミッションに日本では販売開始当初設定されていなかった5速MTの設定がある。
- 2010年3月12日
- タイ日産自動車の工場にてオフライン式を挙行。タイでは翌13日より予約注文を受け付け、同月26日より販売を開始した。
- 2010年4月23日
- 北京モーターショーにて中国向け「マーチ」(中国名「瑪馳」)を披露。中国市場への導入は初めてで、エンジンは1.5L・直4のHR15DE型が搭載されている。
- 2010年5月24日
- インド日産がルノー・日産アライアンスのチェンナイ工場にてインド向け「マイクラ」の生産を開始。
- 2010年6月
- タイ国外向け輸出を開始。
- 2010年7月13日
- 日本国内仕様をフルモデルチェンジ。同時にリアのナンバープレート位置がバックドア上からバンパー上に変更された。
- 2010年8月30日
- 中国にて販売開始。生産は現地合弁会社、東風汽車有限公司。
- 2011年3月4日
- メキシコ日産のアグアスカリエンテス工場にて「マーチ」の生産を開始[21]。
- 2011年6月22日
- 2011年5月末時点で初代モデル発売開始からの累計販売台数が600万台(派生車のマイクラC+Cを含む)を達成したことを発表[22]。
- 2011年6月30日
- 一部仕様変更。12X/12X FOURで装備内容の見直しを行い、車両本体価格を30,450円値下げ。ボディカラーは12X/12X FOUR、12G/12G FOUR専用色で入れ替えが行われ、「シャンパーニュゴールドメタリック」を廃止する替わりに新色の「サンライトオレンジメタリック(オプションカラー)」を追加。さらに、「12S」をベースに、電動格納式リモコンカラードドアミラー、電源ソケット(DC12V)、UVカット断熱グリーンガラス(フロントドア)などを装備した「12S Vパッケージ」を新設した。
- 2011年10月29日
- インドにてルノーがマイクラ(マーチ)をベースとする小型車「パルス」 (Pulse) を発表。フルエンス、コレオスに続くルノー・インディア三番目の車種となり、マイクラとは異なるグリルデザインが与えられている。エンジンはK9K型1.5Lディーゼルのみの設定となる(追って、マーチと同じHR12DE(ルノーにおける呼称:XH5)も用意されている)。製造はマイクラ同様チェンナイ工場にて行われる[23]。
- 2011年12月
- 裕隆日産汽車を通じて台湾で生産・発売開始(K11型からのフルモデルチェンジとなる)。
- 2012年4月24日
- 仕様変更。「12X」・「12G」においてCVTのさらなる高効率化などによって燃費を向上。これにより、「平成27年度燃費基準+10%」を達成。併せて、「12S」は「12S Vパッケージ」への統合により廃止された。
- 2012年5月23日
- 光岡自動車に「ビュート」として、ベース車供給開始。ビュートは、K11~K12型もベースにしていた。
- 2012年10月31日
- マーチ発売30周年を記念して、特別仕様車「12X/12X FOUR 30th Happiness」を発表(12月4日発売)。「12X」・「12X FOUR」をベースに、リアドアとバックドアにプライバシーガラス(UVカット断熱機能付)を装備するとともに、フロントバンパーロアグリル・アウトサイドドアハンドル・インナードアハンドルにメッキ加飾を施した。
- 併せて、一部仕様の見直しを行い、「12X」・「12X FOUR」は従来、プライバシーガラスとセットでメーカーオプション設定となっていたカーテンエアバッグの単体設定が可能になり、ボディカラーは12X/12X FOUR・12G/12G FOURで変更が行われ、「パシフィックブルーパールメタリック」を廃止、赤系は「バーニングレッド」から「ラディアントレッドパールメタリック」に差し替えとなった(「12S」・「ボレロ」は変更なし)。
- 2013年3月23日
- タイ日産がマーチをフェイスリフトして発売開始[24]。フロントデザインを一新し、フロントグリルにはVシェイプのメッキ加飾を(併せて、フロントの日産CIはフロントグリルに組み込まれる)、ヘッドランプにはクロームアクセントをそれぞれ加え、フロントバンパーとフロントバンパーロアグリルのデザインも変更された。リアデザインはハイマウントストップランプをLED式に変更するとともに、リアコンビランプとリアバンパーのデザインも変更された。
- 2013年6月4日
- フェイスリフトした欧州向けマイクラが発表される[25]。
- 2013年6月24日
- 日本でマイナーチェンジして発売開始。
- 外観上の変更は先に発表されたタイ仕様に準ずる。ボディカラーは「スプリンググリーンパールメタリック(オプションカラー)」を廃止する替わりに、新色の「ナデシコピンクパールメタリック」と「オリーブゴールドメタリック(オプションカラー)」を追加した。内装ではシートとドアのスウェード調クロスにエンボスパターンを採用し、センタークラスターのデザインを変更した。グレード体系は新たに「X Vセレクション」・「X FOUR Vセレクション」を追加するとともに、既存グレードは「12S Vパッケージ」は「S」に名称を戻すとともに、他の既存グレードも排気量を示す数字を省いたグレード名称となった。
- 最上位グレードの「G」・「G FOUR」は上記変更に加え、アウトサイドドアハンドル、エアコンセンター吹き出し口ノブ、インナードアハンドルをメッキ化するとともに、シートにシルバー色のステッチを追加し、スピードメーター廻りにクロームリングを追加。内装色にはプラムが設定され、ピアノ調センタークラスターフィニッシャーとオゾンセーフフルオートエアコンのセットオプションが新たに設定された。
- オーテックジャパン扱いのカスタムカー「ボレロ」もマイナーチェンジを行い、カタロググレードでは「G」・「G FOUR」に装備されるメッキアウトサイドドアハンドルが追加されたほか、オプションには専用リヤバンパーモールや専用ホイールデカールを設定した。また、ボディカラーは「ピュアブラックパールメタリック」に替わり、新色の「ナデシコピンクパールメタリック」が設定された。
- さらに、「マーチNISMO」を12月に発売することを発表し、同日から受注受付が開始された[26]。尚、「NISMO」シリーズについては半完成車状態[27]でタイから輸入されて追浜工場でPDIを受けた後、オーテックジャパンに移されてNISMOがデザインした専用前後バンパー+サイドシルプロテクター+ルーフスポイラー、デイライト、レイズ製アルミホイール、専用チューニングのサスペンションなどを装着する。加えて、「NISMO S」は1.5LのHR15DE+5速MT、専用スポーツシートや専用アルミペダル、専用チューニングコンピュータ、車体剛性強化などメカニズム面も大幅に強化された上で出荷される。
- 2013年7月3日
- インド日産がフェイスリフトしたマイクラを発売。MTに加えてCVTも設定されたが、これは同国のプレミアムハッチバック市場で初めてのことである。価格は47.9万ルピーからとなる[28]。
- また、廉価版のマイクラアクティブも併せて発売開始された。フェイスリフト前のマイクラをベースに新デザインのフロントグリルおよびバンパー(フォグライトなし)が与えられている。パワートレーンは1.2Lガソリンエンジンと5速MTの組み合わせのみとなり、4グレードが設定される。価格は35万ルピーからとなる[28][29]。
- 2014年1月9日
- カナダ市場にマイクラが21年ぶりに再投入されることが発表された。16日から開催されるモントリオール国際オートショーにて正式にデビューする[30]。
- 2014年5月19日
- 日本で一部仕様向上[31]。
- 既存の廉価グレード「S」をベースに、最上位グレードである「G」や「G FOUR」と同じプラムの内装色を採用するとともに、シルバーフィニッシャーを随所に配し、フロントにドアトリムを追加したことでインテリアの質感を高め、フロントバンパーロアグリルやアウトサイドドアハンドルにメッキ加飾を施した上質感のあるエクステリアを組み合わせ、後席を6:4分割の可倒式シートに変更した新グレード「S PLUM interior(プラムインテリア)」を追加。
- さらに、全車にVDCが標準装備されたほか、ボディカラーはオプションカラーで変更を行い、X/X FOUR・G/G FOUR専用色の「サンライトオレンジメタリック」を廃止する替わりに新色の「カプリブルーメタリック」を追加し、白系は「ホワイトパール3コートパール」から「NISMO」専用色だった「ブリリアントホワイトパール3コートパール」に差し替え。「ラディアントレッドパールメタリック」は「S」でも設定ができるようになった。
- Nissan-MarchK13interior.jpg
12X 前期型・車内
- Nissan-Marchk13Bolero.jpg
ボレロ(前期型)
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ボレロ(前期型・リア)
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12X
30th Happiness - Nissan March 12X 30th Happiness rear.jpg
12X
30th Happiness
リア - Nissan March 12X 30th Happiness interior.jpg
12X
30th Happiness
室内 - Nissan March (Thailand, 2).jpg
タイ仕様 リア
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12X Vセレクション(後期型・リア)
- K13 NISMO S 03.jpg
NISMO S リア
- K13 NISMO S 02.jpg
NISMO S インテリア
- K13 NISMO S 04.jpg
「NISMO S」エンブレムと「AUTECH」エンブレム
車名の由来
- 「マーチ」 (MARCH) は、英語で「行進曲」「行進」「3月」の意である。[32]同社のサニーも同じように一般公募で命名された。しかし、商標登録上の問題はないとはいえ当時最大のレーシングカーメーカーだったマーチの名を車名に使うことには批判があった。
- そのためもあってか欧州ではマーチの名は用いず、「Micra」(マイクラ、しばしばミクラとも発音されるが、日産の公式文書及び日本名ではマイクラ)の車名で販売されている。これは英語でごく小さな長さの単位であるMicron(ミクロン)の複数形である。
派生車種
- 日産・マーチターボ - 初代派生車種
- 日産・マーチスーパーターボ - (同上)
- 日産・マーチR - (同上)
- 日産・Be-1 - (同上)[33]
- 日産・パオ - (同上)[33]
- 日産・フィガロ -(同上)[33]
- 日産・マーチBOX - 2代目派生車種
- 日産・MujiCar1000 - 2代目派生車種
- 日産・マイクラC+C - 3代目派生車種
関連項目
脚注
外部リンク
- 日産ミュージアム「マーチ」
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K11・前期型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K11・中期型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K11・後期型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K12・前期I型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K12・前期II型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K12・中期型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K12・後期型)
- WEBカタログバックナンバー マーチ(K13・前期型)
- MARCH CUP
テンプレート:Sister テンプレート:Sister テンプレート:NISSAN テンプレート:NISSAN Timeline
テンプレート:自動車- ↑ なおマーチの場合、次期モデルまでのモデルチェンジまでの期間は、平均して10年。
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ ちなみに一般公募による第1位は「ポニー」であったが、当時、審査員を務めた岡本太郎、坂本九、石原裕次郎、王貞治などの有名・著名人の多くが「マーチ」と投票していた。
- ↑ 荻窪事業所は旧・プリンス自動車工業の開発拠点であり、日産初のFF車、チェリー(後のパルサー)、ローレル(C31型迄)、スカイライン(R30型迄)、プレーリー(初代M10型)、レパード(初代F30型)も手がけている。
- ↑ 荻窪事業所の成り立ちは中島飛行機東京工場時代から続くプリンス自工の製造開発拠点で、戦後GHQの命により中島飛行機が解体され、その中の一つが富士産業→富士精密工業となり荻窪に残った事による。自動車の開発拠点としては、主にスカイラインをはじめプリンス時代から続くブランドの車や、チェリーを端緒とするFF車の開発を担当していたが、1981年11月に神奈川県厚木市に落成した大型研究開発施設のテクニカルセンターへ日産旧来の開発拠点であった鶴見の横浜事業所らと共に集約され、自動車の開発拠点としての使命は終わった。ただし日産はプリンスが中島飛行機時代から荻窪で行っていたロケット開発を引き継いで宇宙航空事業に参入しており、1998年に宇宙航空事業部が群馬県へ移転するまで荻窪事業所は存在していた(その後、宇宙航空事業部は2000年に石川島播磨重工業へ部門ごと売却され、現在のIHI・エアロスペースとなる)。
- ↑ 歴史の中のイノベーション - N-Link(日産自動車)
- ↑ 日本国外ではMA12S 1235ccエンジンを搭載した車種や、Micra super(マイクラスーパー)などの独自車両も存在した。
- ↑ 日産テクニカルセンターの略。
- ↑ 現・デザイン本部。
- ↑ 生産はオープンカーの製造を得意とする高田工業が受託。
- ↑ 当初2000年の発売を目指して「ほぼ」開発は終了していたが、ルノーとプラットフォームの共通化のため発売が大幅に遅れたといわれている。
- ↑ ルノーとのプラットフォームの共通化に伴い、給油口がこれまでの日産FF車の定位置であった左側からBプラットフォーム標準の右側に変更された。但しVプラットフォームを採用した次期型では再び左に戻されている
- ↑ ベストカー2012年9月10日
- ↑ それより前に発表された車種は着任前すでに開発が始まっていた。
- ↑ 日産社内からもノートが登場した。
- ↑ K12系ベースの新世代に移行した後も、旧型がK11型マーチの中古車をベースに継続生産され、「メイクアップビュート」と名前を変えて販売されている。
- ↑ グッドウッドパーク・マーチハービー
- ↑ フリード・マーチリッツ
- ↑ ちなみにスポーティー仕様にも関わらず、ベースとなった「X」同様、タコメーターは標準装備されていない。
- ↑ このほか、「NISMO S」にはNISMOロゴの刻印が入ったタコメーター、および220km/hまで表示されたスピードメーターが付いた2眼式コンビネーションメーターなどが装備される。
- ↑ 日産自動車、メキシコで「マーチ」の生産を開始 - 日産自動車 プレスリリース 2011年3月7日(2011年11月4日閲覧)
- ↑ マーチ/マイクラの世界販売台数600万台達成 - 日産自動車 プレスリリース 2011年6月22日(2011年7月7日閲覧)
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 「フェアレディZ NISMO」を発売、あわせて「マーチNISMO」を発表 - 日産自動車 ニュースリリース 2013年6月24日
- ↑ 海外からの輸送のため、ボレロ同様、ライトやバンパーはレスではなく仮装着の状態である。
- ↑ 28.0 28.1 テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 日産:車名の由来参照
- ↑ 33.0 33.1 33.2 パイクカーの一種である