ベルサイユのばら
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『ベルサイユのばら』は、池田理代子による日本の漫画作品。通称「ベルばら」。フランス革命前から革命前期を舞台に、男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットらの人生を描く、史実を基にしたフィクション作品。ベルサイユとはヴェルサイユ宮殿のこと。
目次
概要
1972年21号から1973年まで『週刊マーガレット』(集英社)にて連載。フランス・ブルボン朝後期、ルイ15世末期からフランス革命でのアントワネット処刑までを描いている。前半はオスカルとアントワネットの2人を中心に描き、中盤以降はオスカルを主人公として、フランス革命に至る悲劇を描いた。
宝塚歌劇団による舞台化の大成功が作品のヒットに拍車をかけ、テレビアニメ、劇場版アニメなどが制作されて社会現象化した。2010年現在も新作劇場版アニメの制作が進行しており、パイロットフィルムが公開されている。
オーストリアの作家・シュテファン・ツヴァイクの小説『マリー・アントワネット』に感銘を受けた池田が、同小説を(史実部分の多くは訳文から)参考にして描いた作品。作中で描かれたオスカルのフランス衛兵隊ベルサイユ常駐部隊長時代の軍服は、フランス革命期のものではなく、より豪華絢爛なナポレオン帝政期のものを基にしたとされている[1]。
新書版・文庫版・愛蔵版など多くの単行本が発売され、現在は2005年から2006年にかけて刊行された完全版コミックスが発売中。
2014年8月25日に集英社から40年ぶりに新エピソードの単行本が発売される[2][3]。『新エピソード』ではアンドレ編を15ページ加筆[4]。更に2014年7月1日にマーガレットコミックス1~10巻を復刻発売した[4]。
あらすじ
1755年、ヨーロッパの3つのちがった国々に、やがてフランスのベルサイユで宿命的なであいを持つことになる3人の人間が生まれた。
1770年春。オーストリア帝国・ハプスブルグ家の皇女マリー・アントワネットは14歳でフランスのブルボン家に嫁いできた。王太子妃を護衛するのは近衛士官オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ。彼女は由緒ある将軍家の末娘でありながら、後継ぎとして剣も学問も修め、軍人として育てられた男装の麗人だった。異国の宮廷で孤独をつのらせるアントワネットはパリ・オペラ座の仮面舞踏会でスウェーデンの貴公子フェルゼン伯爵と知り合い恋におちる。3人は共に18歳。運命の出会いの夜だった。
国王ルイ15世が逝去して孫のルイ16世が即位した。アントワネットはついにフランスの王妃となった。自己の栄達ばかりを願う人々に取り巻かれて、おしゃれで遊び好きな王妃の浪費ぶりは、国家の財政難に拍車をかけていく。重税と貧困にあえぐフランス民衆の非難の目はオーストリア生まれの王妃に向けられ、折からのフェルゼンとの不倫の噂は一層その憎悪をあおりたてた。道ならぬ恋に苦しむ二人を見守るオスカルも、秘めたる愛に耐えていた。
宮廷中の貴婦人たちの憧れの的、オスカルの初めての恋、王妃の恋人フェルゼンへの想いは叶うことがなかった。彼女の悲しみをそっと見守る、オスカルの乳母の孫、アンドレ・グランディエ。二人は幼い時から兄弟以上に魂を寄せ合い、青春のすべてを分かち合って生きてきた。そして何時しかアンドレはオスカルを深く愛していた。その頃、貴族の屋敷を襲う“黒い騎士”と名乗る盗賊を捕えたオスカルは、その男から民衆の不満の高まりを思いしらされる。不穏な社会情勢は次第に緊迫してきていた。
黒い騎士ベルナールらの訴えでパリ民衆の悲惨な状態を知ったオスカルは、王宮守護の近衛隊を辞め、衛兵隊を志願した。貧しくすさんだ荒らくれ男たちと格闘の末、心を開かせ部隊を掌握したオスカルに、父の将軍は結婚話を持ちかける。1789年5月5日。僧侶、貴族、平民からなる三部会が開かれた。国王、貴族と平民議員の対立は激化し、革命の色を帯びていく。7月13日、衛兵隊にパリ出動命令が下った。オスカルは長年影のように添い、愛し続けてくれたアンドレの想いを受け入れる。出動前夜、永遠の愛を誓い二人は結ばれた。
フランス人民は自由、平等、友愛を旗印に雄々しく立ち上がり、革命の焔は全土に燃え広がっていく。オスカルは衛兵隊を民衆側につけ、国王軍と闘う決心をする。激しい戦闘のさなか、アンドレが、次いでオスカルが銃弾に倒れた。1789年7月14日。バスティーユ陥落。民衆の勝利の歓声のなかでオスカルは静かに息絶えた。革命軍は、ベルサイユから国王一家をパリに移し監禁した。幽閉された王妃アントワネットの前にフェルゼンが現れた。革命の嵐の中で一瞬の生を悔いなく生きた恋人たちの物語。
登場人物
本編
実在の人物は、各リンク先も併せて参照のこと。
メインキャラクター
- オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
- 主人公。男性として育られ、フランス軍人として生きる麗人。
- アンドレ・グランディエ
- オスカルの従卒。
- マリー・アントワネット
- フランス国王ルイ16世の王妃。オーストリア皇女として生まれ、14歳でフランスへ嫁ぐ。美しく誇り高く、人を惹き付ける天性の魅力を持つ。オスカルを親友のように思い何でも打ち明け頼りにしている。王妃の公務や世継ぎ誕生への重圧から逃れるため、自由で贅沢な生活を送るが、王女誕生後は落ち着き、ようやく本来の気高さに目覚めるもすでに遅く、断頭台で処刑された。
- オーストリア皇女時代のドイツ語名は「マリア・アントニア」だが、ここでは最初から「マリー・アントワネット」である[5]。
- ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
- スウェーデン貴族。容姿端麗で思慮深く知性的。オスカルとは親友。アントワネットとの秘めた恋を貫き、終始彼女に忠誠を尽くす。
- ロザリー・ラ・モリエール
- オスカルが下町で出会った娘。オスカルに恋心を抱く。
ジャルジェ家
- レニエ・ド・ジャルジェ将軍(fr)
- オスカルの父。ジャルジェ伯爵家当主で、フランス王家に忠誠を捧げる将軍。オスカルを跡継ぎの男子として厳しく育てる。
- ジャルジェ夫人
- オスカルの母。物静かで心優しい貴婦人。アントワネットの首席侍女。
- マロン・グラッセ・モンブラン
- 通称ばあや。アンドレの母方の祖母で、オスカルの乳母。口やかましく心配性だが、心からオスカルを愛している。主人であるジャルジェ将軍が、オスカルを男として育てる方針に真っ先に反対した。
王家の人たち
- ルイ16世
- フランス国王。アントワネットの夫。ルイ15世の崩御により即位。趣味は読書と鍛冶と狩猟。小太りでおとなしく優柔不断だが、真面目で家庭的な優しい性格で、国民からも慕われていた。しかし、ヴァレンヌ事件をきっかけに国民の信頼を失い処刑される。
- ルイ15世
- ルイ16世の祖父。国民のことは省みず、宮殿で贅沢な毎日を送っている。愛らしいアントワネットが孫嫁となり満足するが、彼女と愛妾デュ・バリー夫人の対立に頭を痛める。天然痘で崩御する。
- デュ・バリー夫人
- ルイ15世の愛妾。下町で娼婦をしていたが、美貌と肉体を武器に国王の寵姫の座を手に入れた。アントワネットと対立し、一時はアントワネットを屈服させるほどの権勢を誇っていたが、ルイ15世の危篤に伴い、司祭の命により宮廷から追放される。
- アデライード内親王・ヴィクトワール内親王・ソフィー内親王
- ルイ15世の娘で、ルイ16世には叔母にあたる3姉妹。父の愛妾であるデュ・バリー夫人を毛嫌いし、アントワネットにデュ・バリー夫人を無視するよう吹き込む。
- オルレアン公フィリップ
- フランスの王族。居城のパレ・ロワイヤルを平民の文化人たちに解放している。テレビアニメ版ではアントワネットのフランス入り阻止を企むなど、王位を狙って様々な策謀を巡らす。
- エリザベス内親王
- ルイ16世の妹。王弟でありながら亡命後、各国へフランスへの攻撃を唆した次兄プロヴァンズ伯と三兄アルトワ伯を憎悪し、革命勃発後も兄国王一家と行動を共にする。処刑直前のアントワネットが手紙を送ろうとした人物。原作のみの登場。史実上の名はエリザベート。
- マリー・テレーズ
- フランス王女。アントワネットの長女。
- ルイ・ジョゼフ
- 王太子。アントワネットの長男。病弱だが聡明な少年で、オスカルに憧れている。三部会会期中に脊椎カリエスで死亡する。
- ルイ・シャルル
- アントワネットの次男。ノルマンディー公。兄の死後、王太子となる。父王の処刑後、アントワネットと引き離される。
- マリア・テレジア
- アントワネットの母親。オーストリア女帝。フランスとの戦争終結のため、末娘のアントワネットを王太子妃として送り出す。臨終までアントワネットの未来を心配していた。
貴族たち
- ポリニャック伯夫人
- アントワネットから寵愛されている貴婦人。言葉巧みに親族の昇進をねだったり、賭博をすすめて大金を巻き上げたりと、優しげに見えてかなりの野心家。邪魔者であるオスカルの殺害も何度か計っている。娘・ロザリーと再会し、自分が馬車で轢き殺した女性こそ、15歳の時に生んだロザリーを引き取り育てた恩人であった事を知る。
- ジャンヌが起こした事件でロザリーを脅し、ポリニャック家へ引き取る。だが徐々にアントワネットの寵愛を失い、危機感を抱きロザリーをド・ギーシュ公の元へ嫁がせようとするが、ロザリーが家を出てしまう。フランス革命が本格化してきた頃、一族でフランスから亡命した。
- シャルロット
- ポリニャック伯夫人の娘。母の権力を背景に、舞踏会では高飛車な態度で振舞う。
- オスカルに思いを寄せており、母の決めた結婚を嫌悪し自殺する。ロザリーの異父妹。
- ド・ギーシュ公爵(ローラン・ド・ギーシュ)
- 会計検査庁長官で、国王の信頼も厚い。ボナージュ地方のほぼ全域を領有している大貴族。若い娘が好みで、ポリニャック伯夫人から提示されたシャルロットとの結婚に乗り気でいた。
- シャルロットの自殺後は彼女の姉、ロザリーとの結婚を心待ちにしていたが逃げられる。本人が登場するのはテレビアニメ版のみ(原作では名前のみの登場)。
- ド・ゲネメ公爵(アンリ・サルバドール・ド・ゲネメ)
- フランスの大貴族。オルレアン公の派閥で、王族限定の晩餐会にも列席する。尊大で高慢、身分の低い者を虫けら呼ばわりし、笑いながら騙し討ちをする残忍な卑劣漢。
- ピエール坊や(後述)を銃殺した件を、国王夫妻との晩餐会でオスカルから暴露され、あわや決闘寸前になるが、アントワネットに止められ、内心ホッとしていた。『二都物語』のエブレモンド侯爵がモデル。
- ノアイユ伯夫人(en)
- フランス王室に嫁いだアントワネットの教育係。渾名は「エチケット夫人」。アントワネットを心から心配している。ほぼ全ての貴婦人達を網羅しているため、オスカルやアンドレからも頼られる時がある。
- メルシー伯(en)
- アントワネットを心配したマリア・テレジアが派遣したオーストリア大使。アントワネットの教育係でもある。耳の痛い小言ばかり言うが、アントワネットを心配しての事であり、真の忠誠心をもって仕えている。
- カウニッツ
- オーストリアの総理大臣。ヨーロッパの平和のためにアントワネットのフランスへの輿入れを提案した。女帝の意を挺し、フランス宮廷の公式寵姫であるデュバリー夫人への態度を改めるようアントワネットに訓令を出した。渾名は「カウニッツのがりがりじじぃ」。
- リアンクール公(en)
- ルイ16世の側近。バスティーユ襲撃を報告する時、暴動かと訝る国王に「いいえ陛下、革命にございます!」と言上した。原作のみ登場。
- ソフィア(en)
- フェルゼンの妹。オスカルに魅了されるが、兄に「あの方は長生きできないタイプだ」と印象を漏らす。
- ラ・ファイエット侯
- 物語後半・三部会で、平民議員が議場から排除されそうになる場面で登場。ロベスピエールたちを庇い、議場に向かって来る近衛兵を立ち退かせようと、他の青年貴族達と共に近衛兵の前に立ちはだかった。
- フランス革命が本格化した頃、バスティーユ牢獄陥落で武装した平民達を正式に兵隊として採用。その後、国民衛兵司令官として革命派に付くが、その後の政争などを経て将軍職を辞任。
- ドルーブレゼ候(fr)
- 三部会の進行役である儀典長を務める。議場入口で点呼をとりながら議員たちを入場させる中、故意に平民議員を正面から入場させず、彼らに裏口から入場するよう示唆、治安を与るオスカルやロベスピエール議員と対峙する。
- ミラボー伯
- 第1巻から登場。「酒や女におぼれていた、放蕩児」(オスカル談)だったが、後に革命派となり三部会では平民議員として当選。
- フランス革命が本格化した、1791年4月。密かに革命を裏切りフランス王室側についていたが、死去した。
軍関係者
- アラン・ド・ソワソン
- フランス衛兵隊B中隊班長。
- ジェローデル少佐(ヴィクトール・クレマン・ド・ジェローデル)
- 貴族の次男で、近衛隊でのオスカルの副官。オスカルがフランス衛兵隊へ去ったのち、近衛連隊長(大佐)を拝命。後日、オスカルの前に求婚者として現れるが、アンドレへの想いをオスカルから聞かされ、静かに身を引く。自分の容姿や家柄に自信を持ち、うぬぼれが強く気障だが、オスカルの女性としての密かな葛藤をも見抜いている。
- ブイエ将軍
- 王党派軍人。陸軍参謀総長→陸軍総司令官。フランス衛兵隊異動後のオスカルの上司。ジャルジェ将軍とは仲が悪い(テレビアニメ版では古い友人)。オスカルに平民議員や市民への発砲を命じる。ヴァレンヌ事件では国王一家救出に失敗した。
- ショワズィエ・ラ・ボーム大佐
- ブイエ将軍の腹心。陸軍大佐。テレビアニメ版のみ登場。ブイエ将軍の命により、議場オテル・デ・ムニュ入場の指揮案内(原作ではドルーブレゼ侯爵)を務める。
- ダグー大佐
- フランス衛兵隊でのオスカルの副官。妻を胸の病で失っており、症状の酷似するオスカルの身を案じる。貴族であるため、B中隊とは袂を分かつことになる。
- ラサール・ドレッセル
- フランス衛兵隊B中隊隊員。軍から支給された剣(テレビアニメ版では制式銃)を売ったことが発覚して憲兵隊に逮捕される。オスカルは平民兵士や民衆がいかに困窮しているかを知る。
- ナポレオン・ボナパルト
- 『栄光のナポレオン-エロイカ』の主人公。本作品登場時はラ・フェール砲兵連隊付き少尉。
- その風貌から、「あれは帝王の目だ…鷲の目だ…!」と、オスカルも畏怖していた。物語終盤登場。アントワネットやロベスピエールたちの処刑等を経て、フランス皇帝に上り詰めている事が描かれている。
革命派
- ベルナール・シャトレ
- 新聞記者。生い立ちから貴族を憎み、義賊「黒い騎士」として貴族から盗みを働く。オスカルに捕えられるが、平民の実態を知ったオスカルは窃盗を止める事を条件にロザリーを託し、街へと帰される。原作とテレビアニメ版ではロザリーとの馴れ初めが異なる。アランと同じく、『栄光のナポレオン-エロイカ』にも登場し、そこではロザリーとの夫婦円満ぶりが描かれている。カミーユ・デムーランがモデル。
- マクシミリアン・ド・ロベスピエール
- オスカルが領地のアラスで出会った弁護士。後にアルトワ州選出議員となり三部会で再会する。原作では貧しい平民の味方で、情熱的な革命家という風に描写されているが、テレビアニメ版では革命の気運が高まるに連れて過激化し、手段を選ばなくなるなど、後の恐怖政治を暗示させる描写も見られる。
- フロレル・ド・サン・ジュスト
- ベルナールの遠縁に当たる青年。その美貌にオスカルも目を止める。エロ小説(本人曰く芸術)『オルガン』を出版したことがきっかけで、警察に追われる身だったが、ピカルディー州選出議員を経てロベスピエールの側近となる。テレビアニメ版では過激で行動的なテロリストとして描かれている。
- エベール
- パリの市議会議員。アントワネット裁判の際、虚偽の事件を仕立て上げてアントワネットを陥れようとしたが、聴衆の女性達から反感をくらい、サン・ジュストにその後の運命を暗示するような発言をされている。原作のみ登場。
- ジャン=バティスト・ドルーエ(en)
- 1763年生まれ。ジャコバンクラブに加入する革命家。宿駅長を務めるサン・ムヌー(en)で国王一家の正体を見破り、先回りをしたヴァレンヌで捕らえ、パリへ帰還させる。原作のみ登場。
首飾り事件関係者
- ジャンヌ・バロア
- ロザリーの異母姉。旧王家バロア家の庶末裔、サン=レミー男爵の落胤。自分の美貌と血筋にふさわしい生活を手に入れるためには手段を選ばない。貴族の養女となり、ローアン大司教を利用して様々な犯罪行為に手を染めた末に首飾り事件を起こす。高等法院で有罪となり、「V」(泥棒の意)の焼き鏝を両肩に捺された上(fr)、終身禁錮刑の判決を受け、サルペトリエール監獄(en)に投獄されたが、何者かの幇助で脱獄し、サベルヌ修道院に身を隠しながら『ジャンヌ・バロア回想録』なる暴露本数巻を捏造して出版、王室を強烈に批判する。
- 最後はニコラスと共に、サベルヌの屋敷に篭城。ベルトレー火薬を仕掛け、抵抗するがアンドレに倒されはずみでニコラスを刺殺。逆上し、バルコニーへ逃げるが転落死した。
- ニコラス・ド・ラ・モット大尉(en)
- ブーレンビリエ家に出入りする平民の軍人で、ジャンヌに惚れ結婚。ローアンの推薦で近衛士官となり伯爵を詐称する。ジャンヌが悪事を計画する度に彼女の大胆さに驚くが、半ば楽しんで加担する。
- 首飾り事件で、宝石商のべメール(後述)から騙し取った、ダイヤモンドの首飾りを切り取ってすぐ、イギリスへ売りさばきに行き、事件発覚後は欠席裁判で指名手配され、終身漕役刑の判決を受けた。
- 最後はジャンヌと共に、サベルヌの屋敷に篭城。抵抗するが、アンドレの反撃で倒されたジャンヌの持っていた剣が刺さり死亡した。
- ローアン大司教
- 教会の高位職にある僧侶。オーストリア大使の経歴があり、放蕩癖と女遊びの激しさから女帝とアントワネットに嫌われていた。王妃アントワネットの高貴な美しさに恋心を抱いているが、相変わらずの放蕩癖で嫌われている。王妃の親友を名乗るジャンヌに付け込まれ、虚言に惑わされて彼女に財産を搾取される。
- 事件発覚後、逮捕され裁判開始までバスティーユ牢獄で留置された。法廷でジャンヌに濡れ衣を着せられるが、判決で無罪を言い渡された。
- ブーレンビリエ侯爵夫人
- 「バロア王朝の末裔の孤児」という言葉を鵜呑みにし、ジャンヌを屋敷に引き取り貴婦人としての教育を受けさせる。宮廷への出入りは認められていなかった様子。実在の人物だが、ジャルジェ夫人の友人、ジャンヌの野望と証拠隠滅のために殺害されたという部分はフィクション。
- レトー・ド・ヴィレット(en)
- 他人の筆跡を真似るのが得意な詐欺師。ジャンヌと共謀し、ブーレンビリエ侯爵夫人の遺言書や王妃のローアン充てラブレターを作成した。判決で、国外追放を言い渡された。
- ニコル・ド・オリバ
- パリ下町の娼婦。アントワネットにうり二つの容姿をジャンヌに利用され、首飾り事件に関与させられる。テレビアニメ版では盲目の設定。
- 裁判のため証人として出廷したところ、あまりにも瓜二つなため、パリ高等法院にいた傍聴人や陪審員を驚かせた。判決では、無罪を言い渡された。
- べメール
- 王室に出入りする宝石商。ルイ15世(前述)の在位中、デュ・バリー夫人(前述)に贈るダイヤモンドの首飾りの注文を受けたが、急逝したため引き取り手がなくなり、しかも値段が160万リーブル(約192億円(連載当時))という高額なため、どこの国の王室も相手にしてくれず、「分割払いでもけっこうですから…」とアントワネットに勧めるが、「ダイヤはいっぱいもっていますし」と断られた。
- そこで、「王妃と親しい」というジャンヌに、ダイヤの買取りを勧めて欲しいと依頼。ローアン大司教(前述)を保証人にするが、ジャンヌに騙し取られてしまう。後日。騙し取られたとは知らずに、アントワネットへ請求の手紙を送るが、燃やされてしまう。
- 支払いが滞っている事にたまりかねてベルサイユ宮へ行き、カンパン夫人に事の次第を訴えた事から、事件が発覚した。
その他
- ニコール・ラ・モリエール
- ジャンヌの母、ロザリーの養母。バロア家の女中をしていた時、最後の当主との間にジャンヌをもうける。過労とジャンヌの出奔による心労から床に伏す。貴族の馬車に轢かれ、ロザリーに自分の実の娘ではないこと、貴族である彼女の実母の名を言い残して死亡する。
- ピエール坊や
- パリの下町に住む子供でロザリーとは近所同士。貧しさの余りド・ゲネメ公爵の馬車から金を盗んだことから、公爵に背後から銃殺される。
- ディアンヌ・ド・ソワソン
- アランの妹。兄に似ず愛らしく清楚な娘で衛兵隊のアイドル。(原作では)以前、オスカルが着任する前の隊長に司令官室へ無理矢理引っ張り込まれ、乱暴されそうになった事がある(ちなみに「前の隊長の顔に、1発くらわせてやってあごをくだいてやったのさ」(アラン談)とのこと。本来なら銃殺刑だったが、少尉から兵卒へ降格処分だけで済んだ。)。
- 名ばかりの貴族という事と貧しさを理由に婚約者に捨てられ、首を吊る。
- ルブラン夫人
- アントワネットのお抱え画家。妊娠中もアントワネットの肖像画を描き続け、アントワネットに心配された。
- ローズ・ベルタン嬢(en)
- アントワネットの御用達ドレスメーカー。流行の最先端をつくりだしていた。首飾り事件後、経費削減の為に解雇されたという部分はフィクション。
- ガマン先生(fr)
- ルイ16世の趣味である錠前作りの師匠。名前は原作のみ登場。
- 画家の先生
- 小太りの肖像画画家。白馬にまたがるオスカルを描く。マロン・グラッセに恋をしていた。マロン・グラッセいわく「ド近眼のやまあらし」。テレビアニメ版では痩身でアルマンという名だった。
- ジャック・ネッケル
- 大蔵大臣。スイスの銀行家で平民出身。財政危機に及び、三部会を開催することによる王政改革を提案する。しかし、特権階級に課税する案が仇となり、アントワネットに罷免され、(原作では)腹いせに王室の財政赤字を市井に暴露した。これがバスティーユ襲撃のきっかけとなる。テレビアニメ版では彼の失脚がロベスピエールたちの扇動に利用される。娘のスタール夫人は、『栄光のナポレオン』に登場する。
外伝 黒衣の伯爵夫人
「黒い騎士」騒動の頃のエピソードとして、実際の事件をモチーフに描かれている。文庫版の5巻と完全版の8巻に収録。
姉のオルタンスの住む城へ休養に出かけたオスカル・アンドレ・ロザリー。城に着いた彼らを待っていたのは、オルタンスとその娘のル・ルー、そして人々を脅かしている「吸血鬼」の噂だった…。
「黒衣の伯爵夫人」登場キャラクター
- オルタンス・ド・ラ・ローランシー
- オスカルの姉で、ル・ルーの母親。裁縫が下手らしい。
- ローランシー伯
- オルタンスの夫。ル・ルーの父。オスカルからは「義兄上」と呼ばれている。1コマだけの登場。髭が特徴。
- ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
- オルタンスの一人娘で、妙に大人を食ったところがある。オルタンスが作ったル・ルー人形を常に持っている。ロザリーと仲良くなる。
- 爆発したような天然パーマをツインテールにしており、愛嬌がある。
- 後述の『Kids』では誕生日が3月24日。モデルも存在している事も判明している[6]。
- エリザベート・ド・モンテクレール
- モンテクレール城に住む美貌の伯爵夫人。時計技師に無理やり人殺し人形を作らせ、その人形で大勢の少女を殺害。その血で沐浴することで、自らの若さと美を保てると信じていた。エリザベート・バートリがモデル。
- リオネル
- モンテクレール城に住む美しい青年。モンテクレール伯爵夫人の甥という触れ込みだが、その正体は精巧なぜんまい仕掛けの人形で、鉄の身体の上に人間そっくりの皮膚が被せてある。胸飾りの宝石を押すと動き出し、ゆっくりと両手を広げまっすぐに犠牲者に近づき、恐ろしい力で拘束し、胸部から突き出す刃で殺害する。背中の真ん中を押すと停止する。
- カロリーヌ・ド・ルフェビュール
- 貴族の娘。オスカルに付き添うロザリーに嫉妬し、彼女に意地悪を仕掛けるが、モンテクレール伯爵夫人により殺害される。
- アンリ・ジョベール
- フランス一の腕を持つといわれた時計技師。モンテクレール伯爵夫人により脅迫され、リオネルを無理やり作らされた後、オスカルらに救出されるまで目を潰され地下牢に幽閉されていた。
ベルサイユのばら 外伝
雑誌『月刊Jam』(中央公論社刊)にて1984年6月号 - 1985年4月号まで連載された。全4話。「黒衣の伯爵夫人」同様、「黒い騎士」騒動の起こった頃のエピソードとして書かれている。「黒衣の伯爵夫人」にも登場したオスカルの姪・ル・ルーを主人公に据えた、コメディ色の強いシリーズである。中央公論社より、愛蔵版・文庫版(全1巻)が刊行されているほか、完全版の9巻にも収録されている。
外伝登場キャラクター
本編・「黒衣の伯爵夫人」に登場したキャラクターは、追加点のみを述べる。
- ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
- 外伝の主人公。オスカルの姉・オルタンスの一人娘。おしゃべりで好奇心が強く、どこにでも行ってしまうために周囲(主にオスカル)の頭痛の種となっている。非常に勘がよく、機転がきくためオスカルや周囲の人間のピンチを何度も救う。STORY3で初恋を経験するが、相手が男装した女性(オスカルではない)であった事を知り、失恋に終わる。
- オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
- ル・ルーから見れば叔母に当たる。作者の絵柄の変化により、より男性的な体つきになっている。STORY2では、突然現れた弟を前に、自身の存在意義について揺れる事になる。
- アンドレ・グランディエ
- 外伝では、ほぼル・ルーの遊び相手兼おもちゃと化している。だが完全ないじられ役ということもなく、オスカルやル・ルーを守る場面も多い。また、馬の世話をするなど、本編ではあまり描かれなかった使用人としての姿が見られることもある。
- ロザリー
- 本編より一層、おっとりした部分・天然ボケな部分が強調されている。周囲の人間が皆渋る中、唯一ル・ルーの来訪を喜んだ人。
- マロン・グラッセ
- 腰痛のおかげで事件に巻き込まれかける。アンドレへのヤキは健在。
- レニエ・ド・ジャルジェ
- 平民の旦那の様だと嘲られるほど妻一筋の堅物。の、筈が。思わぬ隠し子登場にたじたじとなる。
- ジャルジェ伯夫人
- 友人達から不謹慎と言われる程の貞淑な良妻賢母。
- モーリス
- オスカルの父・レニエの子どもであると名乗り出てきた少年。彼の出現により、レニエは家庭内で微妙な立場に立たされる。途中で、ある事実に気づく。
- オルタンス・ド・ラ・ローランシー
- 行儀見習いの為に娘のル・ルーを母に預ける。巻頭の序章に拠ると、オスカルの一番上の姉。
新エピソード
概要
『フェルゼン』編はかつて池田が「描いてみたい」とインタビューで公言していた作品[7]で、新エピソードにおいて実現した。
新エピソード登場キャラクター
- オスカル・フランソワ・ド・ジャルジェ
- 殆どのエピソードに登場するが回想シーンのみの登場。
- マリー・アントワネット
- 殆どのエピソードに登場するが回想シーンのみの登場。オーストリア皇女の姿でも登場する。
- アンドレ・グランディエ
- 第1話『アンドレ編』の主人公。
- ジェローデル
- 第2話『ジェローデル編』の主人公。本編でオスカルを「マドモアゼル」と呼んだ唯一の人物[8]。
- ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン
- 第3話『フェルゼン編』に登場する。オーストリアの宮殿でマリー・テレーズ出会う。
- マリー・テレーズ
- 第3話に登場。表紙やストーリーが母・マリーから別れてオーストリアへ行く。
- レニエ・ド・ジャルジェ
- 第3話と第4話に登場し、3話ではフェルゼン、4話ではアランと会話している。
- ジャルジェ伯夫人
- 第3話と第4話に登場するが、レニエからこの人物の話が出る程度。
- アラン・ド・ソワソン
- 第4話『アラン編』の主人公。
- ベルナール・シャトレ
- 第4話に登場するロザリーの夫。
- ロザリー・シャトレ[9]
- 第4話に登場。ベルナールの妻。革命で亡命貴族狩りが目立つ中で市民から「ローランシー」の名前が出てル・ルーを案じる。
- ル・ルー・ド・ラ・ローランシー
- 第4話に登場。ベルギーの親戚に会いに行く途中、亡命貴族狩りにあうが彼女が足止めをしてる。「黒衣の伯爵夫人」の時に「将来はオスカルおねえちゃまみたいに綺麗になれると思う」とアンドレに述べている。幼い頃の綺麗なオスカルを知っているアンドレからは「無理だと思う」と突っ込まれていたが、新エピソード登場時にオスカル似の容姿[10]に変化している。
- オルタンス・ド・ラ・ローランシー
- 第4話登場。ベルギーの親戚に会いに行くが市民から足止めを食らう。しかしある人物からバスティーユ襲撃に関連した人物の親族である事で難を逃れる。
- ローランシー伯
- 第4話登場。オルタンスの夫。ル・ルーの父。「黒衣の伯爵夫人」の時にあった髭が無くなっている。今回も1コマだけの登場。
- ディアンヌ・ド・ソワソン
- 第4話登場のアランの妹。既に他界している。
宝塚歌劇
テンプレート:Main 宝塚歌劇団で公演された演劇作品。1974年初演。
テレビアニメ
1979年10月10日から1980年9月3日まで、日本テレビ系列およびクロスネット局の青森放送、山形放送、山口放送(いずれもテレビ朝日系列、山形放送は1980年4月以降)、テレビ大分、鹿児島テレビ放送(いずれもフジテレビ系列)で放送されたテレビアニメ。全40話。
1980年から、日本テレビはプロ野球中継を19:00 - 20:54と30分拡大したため、ナイターシーズン中はプロ野球中継のため度々中断、特に5月と6月はわずか2回ずつしか放送されなかった。
なお、フランス・イタリアでは『Lady Oscar』のタイトルで放映された。
2014年5月からは、アニメ専門チャンネルのアニマックスでデジタルリマスター版の放送を開始。同年9月にはBlu-rayボックスの発売も予定されている。
原作との相違点
原作に散見されたギャグタッチを排し、全編にわたり重厚なシリアスドラマとして構成されている。一方、ルイ15世臨終時の天然痘に冒された醜い姿や、アランの妹ディアンヌの無残な屍等、原作にあったグロテスクな表現等はソフトな表現に緩和されている。一方で第35話内に宇宙戦艦ヤマトのデスラー総統とおぼしき人物が青い肌色のまま登場するなど、スタッフによる悪ふざけも垣間見られる。原作ではジャルジェ将軍と犬猿の仲とされたブイエ将軍を親友同士にする等、人物設定を原作から変更されている人物も多く、ロベスピエールに至っては容姿も性格付けも別人になっている。オルレアン公は元々原作から容姿が変更されている上、市川治が演じた時と仁内建之が演じた時では容姿が更に変更されている。 第20話からセーヌ河畔で手風琴を弾く隻眼隻脚の吟遊詩人が登場するが、(終盤の主人公格ともいえる)庶民の代弁者という位置づけだった。
キャスト
- 主要人物
- ジャルジェ家
- 王家の人たち
- 貴族たち
- 軍関係者
- 革命派
- 首飾り事件関係者
- 市井の人々
- その他
スタッフ
- 原作 - 池田理代子
- 企画 - 梅谷茂(日本テレビ)、山本又一朗(キティ・フィルム)
- 音楽 - 馬飼野康二
- キャラクターデザイン・作画監督 - 荒木伸吾、姫野美智
- 美術監督 - 窪田忠雄、川井憲( - 第18話)、水谷利春(第19話 - )
- 撮影監督 - 高橋宏固、宮内征雄
- 録音監督 - 山田悦司(第13話 - )
- 選曲 - 鈴木清司
- 文芸担当 - 本間一行
- 制作担当 - 青野史郎
- 総監督 - 長浜忠夫( - 第12話)
- チーフディレクター - 出崎統(第19話 - )
- プロデューサー - 銀谷精一(日本テレビ)、加藤俊三(東京ムービー新社)
- 作画 - 荒木プロダクション、スタジオジュニオ、スタジオZ、スタジオコクピット、もぐらプロ、マジックバス
- 仕上 - グループジョイ、スタジオジュニオ、信映、イージーワールド
- 美術補 - 松宮正純、高野正道
- 背景 - アトリエローク、ムクオスタジオ
- 撮影 - 高橋プロダクション
- 録音演出 - 河村常平( - 第15話)、長浜忠夫(第2話 - 第10話)
- 録音技術 - 飯塚秀保
- 音響効果 - 東洋音響
- 編集 - 鶴渕允寿、高橋和子
- タイトル - 高具秀雄
- 動画チェック - 堀越新太郎
- 色指定 - 山名公枝、伊藤純子
- 制作進行 - 横溝隆久、尾崎穏通、土岐友二、水島定昭、水沼健二
- 録音 - 東北新社
- 現像 - 東洋現像所
- 制作 - 東京ムービー新社
主題歌
- オープニングテーマ「薔薇は美しく散る」
- 作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 鈴木宏子
- エンディングテーマ「愛の光と影」
- 作詞 - 山上路夫 / 作曲・編曲 - 馬飼野康二 / 歌 - 鈴木宏子 / ナレーション - 志垣太郎( - 第21話)
これら2曲とBGMが、CDアルバム『ベルサイユのばら 薔薇は美しく散る オリジナル・サウンドトラック&名場面音楽集』に収められている。
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1979年 10月10日 |
オスカル! バラの運命 | 篠崎好 | 小田響堂 | 山吉康夫 |
第2話 | 10月17日 | 舞え! オーストリアの蝶 | 今沢哲男 | ||
第3話 | 10月24日 | ベルサイユに火花散る | 山田正弘 | 岡崎稔 | |
第4話 | 10月31日 | バラと酒とたくらみと | 永丘昭典 | ||
第5話 | 11月7日 | 高貴さを涙にこめて | 山吉康夫 | ||
第6話 | 11月14日 | 絹のドレスとボロ服 | 杉江慧子 | 高屋敷英夫 | 出崎哲 |
第7話 | 11月21日 | 愛の手紙は誰の手で | 永丘昭典 | ||
第8話 | 11月28日 | 我が心のオスカル | 篠崎好 | 出崎哲 | |
第9話 | 12月5日 | 陽は沈み陽は昇る | 永丘昭典 | ||
第10話 | 12月12日 | 美しい悪魔ジャンヌ | 山田正弘 | 山吉康夫 | |
第11話 | 12月19日 | フェルゼン北国へ去る | 高屋敷英夫 | ||
第12話 | 12月26日 | 決闘の朝オスカルは…? | 杉江慧子 | ||
第13話 | 1980年 1月9日 |
アラスの風よ応えて… | 永丘昭典 | ||
第14話 | 1月16日 | 天使の秘密 | 篠崎好 | 関根芳久 | 山吉康夫 |
第15話 | 1月23日 | カジノの伯爵夫人 | 今沢哲男 | ||
第16話 | 1月30日 | 母、その人の名は…? | 山田正弘 | 山吉康夫 | |
第17話 | 2月6日 | 今めぐり逢いの時 | 永丘昭典 | ||
第18話 | 2月13日 | 突然イカルスのように | 杉江慧子 | 高屋敷英夫 | 山吉康夫 |
第19話 | 2月20日 | さよなら、妹よ! | さきまくら | 竹内啓雄 | |
第20話 | 2月27日 | フェルゼン名残りの輪舞 | 篠崎好 | ||
第21話 | 3月5日 | 黒ばらは夜ひらく | |||
第22話 | 3月12日 | 首飾りは不吉な輝き | 山田正弘 | ||
第23話 | 3月19日 | ずる賢くてたくましく! | |||
第24話 | 3月26日 | アデュウわたしの青春 | 杉江慧子 | ||
第25話 | 4月2日 | かた恋のメヌエット | 竹内啓雄 西久保瑞穂 | ||
第26話 | 4月9日[11] | 黒い騎士に会いたい! | 篠崎好 | ||
第27話 | 4月16日 | たとえ光を失うとも... | |||
第28話 | 4月30日 | アンドレ青いレモン | 山田正弘 | ||
第29話 | 5月14日 | 歩き始めた人形 | |||
第30話 | 5月21日 | お前は光俺は影 | 杉江慧子 | 竹内啓雄 西久保瑞穂 大賀俊二 | |
第31話 | 6月4日 | 兵営に咲くリラの花[12] | |||
第32話 | 6月18日 | 嵐のプレリュード | 篠崎好 | ||
第33話 | 7月2日 | たそがれに弔鐘は鳴る | |||
第34話 | 7月9日 | 今“テニス・コートの誓い” | 山田正弘 | ||
第35話 | 7月23日 | オスカル、今、巣離れの時 | |||
第36話 | 7月30日 | 合言葉は“サヨナラ” | 杉江慧子 | ||
第37話 | 8月6日 | 熱き誓いの夜に | |||
第38話 | 8月20日 | 運命の扉の前で | 篠崎好 | ||
第39話 | 8月27日 | あの微笑はもう還らない! | |||
第40話 テンプレート:Small |
9月3日 | さようならわが愛しのオスカル | 山田正弘 | ||
第41話 テンプレート:Small |
9月10日 | ベルサイユのばらと女たち |
放送休止理由
1980年01月02日:正月特番「'80おめでとう!!日本テレビ番組対抗かくし芸大会」(1830-2054)
1980年04月23日:プロ野球中継 巨人-ヤクルト~平和台球場(1900-2054)
1980年05月07日:プロ野球中継 巨人-中日~後楽園球場(1900-2054)
1980年05月28日:プロ野球中継 巨人-大洋~後楽園球場(1900-2054)
1980年06月11日:プロ野球中継 巨人-広島~後楽園球場(1900-2054)
1980年06月25日:プロ野球中継 巨人-阪神~後楽園球場(1900-2054)
1980年07月16日:プロ野球中継 巨人-中日~後楽園球場(1900-2054)
1980年08月13日:プロ野球中継 巨人-中日~後楽園球場(1900-2054)
幻の第24話「燃えつきたバラの肖像」
本作は視聴率が振るわなかった一部地域では第24話で放送が打ち切られており、キー局の内容とは異なる打ち切り用の最終回「燃えつきたバラの肖像」という回が放送された。 このエピソードは本来の第24話「アデュウわたしの青春」の内容とは全く異なる。資料によっては総集編とされることがあるが、回想シーンを除く大半は新作画となっており、本来の3クール目に相当する内容をダイジェストで描かれている[13]。
「燃えつきたバラの肖像」はその後再放送されることもなく、DVDなどのビデオソフトにも一切収録されていない。
逸話
テレビアニメ『巨人の星』の監督であり、『ベルサイユのばら』テレビアニメの12話まで総監督を担当した長浜忠夫は、『巨人の星』でも用いられた独特の「長浜調」の演出を行なった。長浜の後任となった出崎統は対照的に、「詩的で繊細な「出崎調」の演出を心がけたため、『ベルばら』はアニメファンのあいだで熱烈な支持を得るようになった」と山本はコメントしている[14]。
劇場版アニメ
テンプレート:Infobox Film テレビアニメ版の再編集作品で、当初はビデオ作品として1987年5月21日に発売された。声優を変更して新たに収録し直された(ただし、マリー・アントワネット役の上田など共通する声優も見られる)。1990年公開。
キャスト
- オスカル - 戸田恵子
- アンドレ - 水島裕
- マリー・アントワネット - 上田みゆき
- フェルゼン - 富山敬
- ジャンヌ - 吉田理保子
- ジャルジェ将軍 - 内海賢二
- アラン - キートン山田
- 語り手 - 武藤礼子
スタッフ
- 監督 - こだま兼嗣/竹内啓雄
- 製作 - 藤岡豊
- プロデューサー - 加藤俊三
- 原作 - 池田理代子
- 脚本 - 山田正弘/篠崎好/杉江慧子
- 企画 - 梅谷茂/山本又一朗
- キャラクターデザイン - 姫野美智
- 作画監督 - 荒木伸吾
- 撮影 - 高橋宏固
- 音楽 - 馬飼野康二
- 美術 - 水谷利春/窪田忠雄/川井憲
- 録音 - 山田悦司
- 構成 - 竹内啓雄
劇場版アニメ(21世紀版)
東京国際アニメフェア2007にて、パイロット版が上映された。キャスト・公開時期は2013年3月現在、一切不明(行われない可能性もある)。
スタッフ
実写版映画
テンプレート:Infobox Film 1979年3月公開の実写映画で、タイアップは資生堂。ラストシーンでオスカルが群集にまぎれて戦いも死にもしない等、ストーリー展開は原作と大幅に異なる。監督・音楽にジャック・ドゥミ、ミシェル・ルグラン フランス政府の協力によりヴェルサイユ宮殿での撮影が特別に許可された。総制作費を10億円かけた割りに配給収入は9億3000万と振るわなかった。佐藤忠男は「キネマ旬報」別冊で、日本映画としては大予算でも海外では使いでがないことを指摘、群衆場面のみすぼらしさやドゥミの精気のない演出を批判している。
キャスト
- オスカル - カトリオーナ・マッコール(汀夏子) / パッツィ・ケンジット(幼少時代)
- アンドレ - バリー・ストークス(堀勝之祐)
- マリー・アントワネット - クリスティーナ・ボーム
- フェルゼン - ジョナス・ベルクシュトローム
※カッコ内は1980年10月8日に日本テレビ「水曜ロードショー」で放映された時の吹き替えキャスト
スタッフ
関連項目
ドラマCD
- ベルサイユのばら ドラマCD vol.1 -忘れ得ぬ人・オスカル- (2003年7月21日発売) GPCV-1001
- ベルサイユのばら サウンドシアター・ドラマCD (2010年4月22日発売) BJCA-151
- ベルサイユのばらII サウンドシアター・ドラマCD (2010年8月26日発売) MOMO-8002
- ベルサイユのばらFIN サウンドシアター・ドラマCD (2010年12月23日発売) MOMO-8006
梅田コマ劇場ミュージカル版
昭和50年(1975年)4月に、宝塚初演の成功を受け、俳優女優の出演によって制作されたミュージカル。 梅田コマ劇場(現・梅田芸術劇場)にて上演された。 大人の恋愛劇の趣きが強く、フェルゼンとアンドレをにしきのあきら(現・錦野旦)が一人二役で演じるなど独特の演出がなされたが、公演期間は2週間に満たなかった。
キャスト
ベルばらKids
2005年10月より朝日新聞土曜日別冊朝刊『be on Saturday・エンターテインメント』に掲載されている、池田作画の4コマ漫画とコラムから成るミニコーナー。
4コマ漫画はギャグテイストになっており、オスカル達が現代日本の視点で話すなど、ベルばら本編のパロディ的側面も持った独自の内容。ルイ16世が相撲好きであるなど、独自の設定も存在する。
アンドレの母など、本編には登場しなかったキャラクターも登場。キャラクターは全員が3頭身だが、例外的にオスカルとアンドレとフェルゼンが通常頭身で登場したことがある。
連載開始から2009年4月までは毎回2作の漫画が掲載されていたが、現在は1作。2012年4月7日以降からは、赤beから青beに移動し、同時に初期からコラムに使用していた原作のイラストが削除となった[15]。
単行本化され、現在7巻までが発売されている。2巻では懸賞プレゼント。4巻から6巻まで初回特典が追加された。
2013年3月30日をもって連載終了。ベルばらKids7巻の最終漫画は2012年11月24日までしか掲載していない。
Kids限定キャラクター
- 作者
- 漫画本編では「作者」と呼ばれているが、コラムでは池田の名前を挙げている。登場は身体の一部、本人は登場していないが漫画内で実際にあったイベントでどこに登場したのかをコラムで解説されたり、東日本大震災後の漫画では最初から最後まで登場し出展するイベントでのイラストの販売宣伝まで行っていた。
英訳版
1981年に三友社出版が全7作の英訳版の刊行を企画し、同7月に The Rose of Versailles Vol.1、11月に The Rose of Versailles Vol.2 が発行されたが、以後、企画が頓挫しており、復刊ドットコムなどでファンから完結が待ち望まれている。訳者は、『ニッポンマンガ論 ― 日本マンガにはまったアメリカ人の熱血マンガ論』(マール社、1998年)などの著者フレデリック・L. ショット。
その他
- TVアニメ版が放映開始される直前の1979年9月17日に放送された『ルパン三世』第101話「ベルサイユは愛に燃えた」にオスカル(声優:二木てるみ)が登場する。この話はルパン三世100回記念のシナリオ公募作品であった。
- 2000年にLAREINE(ラレーヌ)が、アニメ版の主題歌「薔薇は美しく散る」をカバー。原作者の池田理代子もコーラスで参加。初回限定盤のジャケットイラストには池田の描き下ろしLAREINEのイラストが描かれている。
- 2004年2月4日放送の『トリビアの泉』(フジテレビ)にて原作の絵の一部が用いられ、オスカルとアンドレの声をテレビアニメ版の田島令子と志垣太郎があてていた。
- ヴァレンヌ逃亡によりマリー・アントワネットが恐怖のあまり一夜で白髪になるという描写がある[16]が、マリーが一晩で白髪になったと記した文献や伝承は見られない。また一度空想科学読本シリーズで検証されたが人間が一夜で白髪になることは生物学上あり得ないという結論に達している。むしろ本作によって日本では『マリー・アントワネットは白髪になった』という誤解が根付いたのではないか[17]というテレビ番組すら放映されたことがある。
- 連載当時にはオスカルのファンクラブも結成されていた。『ばらベルサイユ』という機関紙が発行されており、現在ではその一部を2002年発行の『ベルサイユのばら大事典』で見ることができる。ちなみに機関紙を中心となって編集していたのは作中、舞踏会のシーンにプラカードを持って登場したこともあるエミリという女性。
- 本作ではオスカルの死後、バスティーユ陥落からアントワネットの処刑までが10回の連載となっているのは、一番人気のオスカルが退場することによって人気が落ちることを懸念した編集部の意向によるものであったことを作者自身が明らかにしている[18]。
- 原作者の池田理代子はテレビアニメ版のビデオを購入はしたものの、「眼が疲れる」という理由で一度も通して見たことがない。また、人づてに聞いたアランのその後が気に入らず、後に自身の作品「エロイカ」に登場させるきっかけとなった[18]。
関連商品
- 2006年の春にタキイ種苗から「ベルサイユのばら」と名付けられたペチュニアの新品種が発売されている。また発売記念グッズにベルばらのイラストが使われた。
- 2007年から「CRベルサイユのばら」シリーズが発売され店舗に置かれている。
- 2008年、バンダイの化粧品ブランド「Creer Beaute(クレアボーテ)」において「ベルサイユのばらシリーズ」を展開[1]。アイライナーやマスカラに続いてパックや入浴剤、2012年にはコラーゲンドリンクも発売されている。
- 2009年、バンダイより万歩計「遊歩計 ベルサイユのバラ ~歩いて自分革命 生まれてきてよかった!!~」発売。
- 2010年、大和葡萄酒から「ベルサイユのばら」オスカル・スパークリングワインが発売された。
- 2010年11月、集英社より「ベルサイユのばらカルタ」発売。
- 2011年10月4日よりビジュアライズからGREEにて「ベルサイユのばらif ~幻想の日々~」という恋愛シミュレーションゲームが提供された。同年12月20日よりmixiゲームからもサービスが提供され、こちらは翌年3月にはスマホのも対応している。オスカルの屋敷に住みこむことになる少女がプレイヤーの分身となってシナリオが進むノベルゲームで池田理代子プロダクションの監修のもと新たに書き起こした「if」の物語となっている。
- 2011年11月、湖池屋「すっぱムーチョ」(バラ香るビネガー味・さっぱり梅味・さっぱりビネガー味)のパッケージにバラを銜えたオスカルのイラストが採用された。
- 2011年6月10日、日本郵政が発行した記念切手「アニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ」の 第16集に「ベルサイユのばら」が採用された[19]。1,500万枚限定。姫野美智が描き下ろしている。
- 2012年3月16日、京成バラ園芸からフランスの育種業者メイアン社が開発した「ベルサイユのばら」と名付けられたバラの新品種が発表された。同日より、同社ECサイトにて先行予約を開始ししたが、わずか1日で完売となった。5月12日に第14回国際バラとガーデニングショウ(西武ドーム)にて、一般公開された[20]。
- 2012年5月、エース電研の人気パチンコ『CRベルサイユのばら 薔薇の運命』が発表となった[21]。
- 2012年8月、婦人下着メーカーピーチジョンがアントワネットを2012年秋のイメージキャラクターに起用。ロココ時代の女性美にオマージュを捧げた「エアボムトリニティブラ」を発売。
- 富山産コシヒカリのパッケージに採用されている。
- 他にもガイドブックやぬり絵、初級者向けフランス語参考書など数多くコラボレーションしている。また台湾ではアニメ全話収録・吹き替え付きのDVD-BOXが発売されている。
- 2013年11月24日、第1回ベルサイユのばら検定が開催[22]。検定に合わせて公式問題集が発売された。[23]
- 2014年5月、エステティックサロン「ソシエ」とタイアップ、『オスカルとアントワネットの美的生活2014』と銘打ち、“美の革命”「マリー アントワネットコース」「オスカルコース」を発売(期間限定)[3]。また特設サイトにはweb限定の漫画も掲載されている。
脚注
外部リンク
- 池田理代子オフィシャルサイト
- ベルサイユのばら 完全版
- 劇場版アニメ
- 実写版映画
テンプレート:ベルサイユのばら テンプレート:こだま兼嗣監督作品 テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
- ↑ 『愛蔵版ベルサイユのばら上巻』(中央公論社1987年)著者前書きより。
- ↑ マーガレット2014年12号表紙より。
- ↑ 引用エラー: 無効な
<ref>
タグです。 「SIN
」という名前の引用句に対するテキストが指定されていません - ↑ 4.0 4.1 マーガレット2014年14号ベルばら単行本の宣伝広告よりより。
- ↑ 単行本9巻170頁「ベルサイユのばら 連載を終えて…」参考。
- ↑ 2009年5月9日朝日新聞『be』「ベルばらKids」より。解説者・石塚知子が池田に問い合わせによる、解答から。
- ↑ マーガレット2014年15号「ベルばらFan Room」より。
- ↑ マーガレット2014年16号「ベルばらFan Room」より。
- ↑ マーガレットコミックス1~10巻中にベルナールの元へ行く時に、既にオスカルから「シャトレ夫人」と呼ばれている為。
- ↑ マーガレット2014年13号「ベルばらFan Room」の編集者のル・ルーの紹介の記述より。
- ↑ この回の1986年11月27日の再放送時には17.0%の最高視聴率を記録した。
- ↑ 予告ナレーションでは「兵営に咲いたリラの花」。デジタルリマスター版では「咲く」に修正された。
- ↑ WEBアニメスタイル 更新情報とミニニュース 編集長のヒトコト 燃えつきたバラの肖像
- ↑ 『テレビアニメ魂』(p.178-180)
- ↑ 但し、単行本版ではイラストが継続していた。
- ↑ 単行本9巻65頁。
- ↑ 19世紀に書かれた世界的に有名な児童小説である小公女において、白髪になったとの記述がすでにある。
- ↑ 18.0 18.1 『ベルサイユのばら大辞典』作者インタビューより
- ↑ 日本郵便切手SHOP より
- ↑ 千葉)オスカル、アンドレ…「ベルばら」のバラ5種誕生
- ↑ CRベルサイユのばら 薔薇の運命
- ↑ ベルサイユのばら検定
- ↑ ベルサイユのばら検定公式問題集