東北電力

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テンプレート:Infobox 東北電力株式会社(とうほくでんりょく)は、東北地方6県(青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県)と、新潟県を営業区域とする電力会社。本店所在地は宮城県仙台市

概要

ファイル:電力会社事業地域図.png
東北電力の営業区域(茶色に塗られた7県)

東北6県と新潟県(以下、便宜上「東北7県」と記す)を事業地域とする電力会社である。

電源周波数50Hzであるが、新潟県においては、佐渡市佐渡島)全域、ならびに糸魚川市(旧青海町)の一部と、妙高市(旧妙高村)の一部の計3地域では、60Hzで供給している。この中で佐渡市は、市内にある同社の発電所(火力(内燃力発電)・水力)からの独自供給にて、また糸魚川市と妙高市の”60Hz地域”では、北陸電力中部電力から電力融通を受けて管轄している。なお新潟県湯沢町の一部は、東京電力から50Hzの電力融通を受けて管轄している。

東京電力関西電力中部電力に次いで売上高が大きく、また、東京都より北に本社を置く企業の中では最大の企業である。そのため、「東北7県」の企業が加盟する東北経済連合会ではリーダーシップを執っている。同社の影響力によりつくられる「東北7県」という枠組みについては、「東北地方#新潟県を東北地方に含む場合」を参照。

略称は「東北電」である(「東電」とも「北電」とも略せない。東北大学なども同様)が、事業地域内では「電力」あるいは「電力さん」と略されることがしばしばである。東電テプコ(TEPCO)関電ケプコ(KEPCO)中電がかつて利用していたセプコ(CEPCO)、また北海道電力がかつて利用していたヘプコ(HEPCO)のように、東北エプコ(TOHOKU-EPCO)(ごくまれにトエプコ(TOEPCO)、またはエネプコ(ENEPCO(EASTERN NORTH:東北+EPCO))の場合も)と略されることもあるが一般的ではない(主に、HPのドメインに使用されている程度)。

電気事業連合会加盟の他社がCIを次々と導入するなか、現時点では従来のロゴタイプ(アルファベットの「T」と「D」("T"ohoku "D"enryoku)を丸型に合わせたもの)・社名の字体を今も唯一使用している。関電はロゴタイプを変えていないが、社名の字体を改めている。

東北電力の「電」の字は「雨冠」の4本の点が2本の縦棒となっている。

東北電力のホームページには、他の電力会社と異なり常設で停電情報は掲載されていない。

創立60周年を迎える2011年に、コーポレートスローガンとして「地域とともに未来をひらく」が制定された。

沿革

歴代社長

氏名 期間 備考
1 内ヶ﨑贇五郎 1951年5月 - 1960年5月
2 堀豁 1960年5月 - 1962年12月 1902年1996年没 九州帝大工卒 長岡市出身
3 平井寛一郎 1962年11月 - 1969年11月 電源開発副総裁、元関西電力副社長
4 若林彊 1969年11月 - 1983年6月 1909年1983年没 北海道帝大電気科卒 山形県出身
5 玉川敏雄 1983年6月 - 1987年6月 1916年1994年没 早大専門部商科卒 山形市出身
6 明間輝行 1987年6月 - 1993年6月 1925年2005年没 東北大法卒 仙台市出身
7 八島俊章 1993年6月 - 2001年6月
8 幕田圭一 2001年6月 - 2005年6月
9 高橋宏明 2005年6月 - 2010年6月
10 海輪誠 2010年6月 - 現職

歴代会長

氏名 期間
1 白洲次郎 1951年5月 - 1959年10月
2 平井寛一郎 1969年11月 - 1977年6月
3 若林彊 1983年6月 - 1983年10月
4 玉川敏雄 1987年6月 - 1993年6月
5 明間輝行 1993年6月 - 2001年6月
6 八島俊章 2001年6月 - 2005年6月
7 幕田圭一 2005年6月 - 2010年6月
8 高橋宏明 2010年6月 -

経営環境

首都圏への電力供給

東北電力と東京電力は、互いに多くの電力融通をおこなっている。これは東北電力管内では冬の電力需要が多く、夏の電力需要に対しては若干の供給の余裕があるという事情がある。夏季は多くの電力を東京電力に融通し、多額の売電収入を得ている。一方、厳冬期は、かつて東北電力管内にある東京電力の火力発電所から電力の融通を受けていたが、1990年代中頃から大幅に発電能力が引き揚げられ、現在の受電量はさほど大きくない。東北電力と東京電力が、共に50Hzである一方、東京電力に隣接するもう一方の中部電力は60Hzであり、変換所を経由しなければならないことから、東北電力からの供給に比べて融通しにくい。

東京電力の原子力発電施設が東北電力管内の新潟県柏崎刈羽福島県浜通り、青森県東通村(東通は建設準備中)にあることから、これらの地域で原子力の広報番組は東京・東北の両社のスポンサーで行われる。両会社は密接な関係にある。

ガス供給

テンプレート:Main 子会社である東北天然ガス株式会社が、新潟市~仙台市間 (260km) のパイプラインを保有している[2]新潟東港にはLNGを取り扱う事が出来る施設があり、仙台港にLNG施設を新設するよりも安上がりであるという事情が背景にある。仙台市と隣接地域都市ガス事業を行っている仙台市ガス局は、このパイプラインを通じて供給を受けている。また、山形市福島市郡山市への都市ガス供給目的で、既存のパイプラインから分岐させる形で支線が建設された[3]

  • 新潟・仙台間ガスパイプライン(新潟市~仙台市:260km)

発電施設

合計 228箇所、1,787万2,250kW(2014年8月現在)[4]

  • 総出力には長期計画停止中、定期点検中の号機を含む。廃止された号機、建設中の号機は含まない。

水力発電所

209箇所、約242万kW

  • 主な水力発電所(3万kW以上の発電所)
発電所名 水系名 方式 総出力 所在地
十和田発電所 奥入瀬川 水路式 3.11万kW 青森県十和田市
生保内発電所 雄物川 水路式 3.15万kW 秋田県仙北市
八久和発電所 赤川 ダム水路式 6.03万kW 山形県鶴岡市
本道寺発電所 最上川 ダム水路式 7.5万kW 山形県西村山郡西川町
蓬莢発電所 阿武隈川 ダム水路式 3.85万kW 福島県二本松市福島市
本名発電所 阿賀野川 ダム式 7.8万kW 福島県大沼郡金山町
上田発電所 ダム式 6.39万kW
第二沼沢発電所 ダム式(揚水式 46万kW
宮下発電所 ダム水路式 9.4万kW 福島県大沼郡三島町
柳津発電所 ダム式 7.5万kW 福島県河沼郡柳津町
片門発電所 ダム式 5.7万kW 福島県河沼郡会津坂下町
新郷発電所 ダム式 5.16万kW 福島県喜多方市
第二新郷発電所 ダム式 3.88万kW
山郷発電所 ダム式 4.59万kW
上野尻発電所 ダム式 5.2万kW 福島県耶麻郡西会津町
豊実発電所 ダム式 5.64万kW 新潟県東蒲原郡阿賀町
第二豊実発電所 ダム式 5.71万kW
鹿瀬発電所 ダム式 4.95万kW
第二鹿瀬発電所 ダム式 5.5万kW
揚川発電所 ダム水路式 5.36万kW

火力発電所

12箇所(計画中1箇所)、1,195万0,950kW(緊急設置電源75万9,800kWを含む、関連会社経営の発電所除く)

発電所名 使用燃料 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 備考
八戸火力発電所 重油原油 64.4万kW 3号機 25万kW 1968年8月 青森県八戸市 1・2・4号機は廃止。
軽油 5号機 39.4万kW 2014年8月6日 CC方式。
能代火力発電所 石炭
木質バイオマス
120万kW 1号機
2号機
60万kW
60万kW
1993年5月
1994年12月
秋田県能代市 3号機(60万kW)計画中。
秋田火力発電所 重油、原油 163.3万kW 2号機
3号機
4号機
35万kW
35万kW
60万kW
1972年2月
1974年11月
1980年7月
秋田県秋田市 1号機は廃止。
軽油 5号機 33.3万kW 2012年6月22日 緊急設置電源。ガスタービン発電方式。
仙台火力発電所 LNG 44.6万kW 4号機 44.6万kW 2010年7月29日 宮城県宮城郡七ヶ浜町 4号機はCC方式。1~3号機は廃止。
新仙台火力発電所 重油 35万kW 1号機 35万kW 1971年8月 宮城県仙台市宮城野区 3号系列(CC方式、98万kW)建設中。
2号機は廃止。
原町火力発電所 石炭、
木質バイオマス
200万kW 1号機
2号機
100万kW
100万kW
1997年7月
1998年7月
福島県南相馬市
新潟火力発電所 重油、LNG 39.3万kW 4号機 25万kW 1969年8月 新潟県新潟市東区 1~3号機は廃止。
LNG 5号系列(2基)
6号機
10.9万kW
3.4万kW
2011年7月30日
2012年1月31日
5号系列はCC方式。
6号機は緊急設置電源。ガスタービン発電方式。
東新潟火力発電所 重油、原油、LNG 520.28万kW 港1号機
港2号機
1号機
2号機
35万kW
35万kW
60万kW
60万kW
1972年11月
1975年11月
1977年4月
1983年6月
新潟県北蒲原郡聖籠町
LNG 3号系列(2基)
4号系列(2基)
121万kW
170万kW
1985年10月
2006年12月20日
3・4号系列はCC方式。
軽油 港3号系列(2基) 5.38万kW 2011年8月26日 緊急設置電源。ガスタービン発電方式。
LNG 5号機 33.9万kW 2012年6月21日
上越火力発電所 LNG kW 新潟県上越市 1号機(CC方式、60万kW級予定)計画中。
飛島火力発電所 重油 750kW 山形県酒田市飛島 内燃力発電方式。
粟島火力発電所 重油 900kW 新潟県岩船郡粟島浦村 内燃力発電方式。
両津火力発電所 重油 53,000kW 新潟県佐渡市 内燃力発電方式。60Hzでの供給。
相川火力発電所 重油 27,500kW 新潟県佐渡市 内燃力発電方式。60Hzでの供給。

関連会社運営

発電所名 使用燃料 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 運営会社 備考
酒田共同火力発電所 石炭、
木質バイオマス
70万kW 1号機
2号機
35万kW
35万kW
1977年10月
1978年10月
山形県酒田市 酒田共同火力発電 全発電量を東北電力へ供給。
新地発電所* 石炭 200万kW 1号機
2号機
100万kW
100万kW
1994年7月
1995年7月
福島県相馬郡新地町 相馬共同火力発電
勿来発電所* 重油 187.5万kW 6号機 17.5万kW 1966年11月 福島県いわき市 常磐共同火力 1~5号機は廃止。
石炭、重油、
炭化燃料、
木質バイオマス
7号機
8号機
9号機
25万kW
60万kW
60万kW
1970年10月
1983年9月
1983年12月
石炭 10号機 25万kW 2013年4月1日 10号機はIGCC方式。

* 新地発電所、勿来発電所は東北電力、東京電力双方に送電を行っている。

原子力発電所

2箇所、327万4,000kW

発電所名 原子炉型式 総出力 号機 出力 運転開始 所在地 備考
女川原子力発電所 沸騰水型軽水炉 217.4万kW 1号機
2号機
3号機
52.4万kW
82.5万kW
82.5万kW
1984年6月1日
1995年7月28日
2002年1月30日
宮城県石巻市女川町 東北地方太平洋沖地震により全号機停止中。
東通原子力発電所 沸騰水型軽水炉 110万kW 1号機 110万kW 2005年12月8日 青森県東通村 2号機計画中。東北地方太平洋沖地震により全号機停止中。

新エネルギー

6箇所(建設中1箇所)、22万7,300kW

発電所名 方式 総出力 運転開始 所在地 備考
葛根田地熱発電所 地熱発電 8万kW 1号:1978年3月
2号:1996年3月
岩手県雫石町
上の岱地熱発電所 地熱発電 2.88万kW 1994年3月 秋田県湯沢市
澄川地熱発電所 地熱発電 5万kW 1995年3月 秋田県鹿角市
柳津西山地熱発電所 地熱発電 6.5万kW 1995年5月 福島県河沼郡柳津町
八戸太陽光発電所 太陽光発電 0.15万kW 2011年12月20日 青森県八戸市 八戸火力発電所構内。
仙台太陽光発電所 太陽光発電 0.2万kW 2012年5月25日 宮城県宮城郡七ヶ浜町 仙台火力発電所構内。
原町太陽光発電所 太陽光発電 kW 福島県南相馬市 原町火力発電所構内に建設中、0.1万kW予定。

過去および建設中止された発電施設

火力発電所

発電所名 使用燃料 総出力 廃止時期 所在地 備考
佐渡火力発電所 重油 8,150kW 2012年 新潟県佐渡市 内燃力発電方式。60Hzでの供給。

原子力発電所

発電所名 原子炉型式 総出力 廃止時期 所在地 備考
巻原子力発電所 計画中止 新潟県西蒲原郡巻町(現・新潟市西蒲区 2004年原子炉設置許可申請を取り下げ。
浪江・小高原子力発電所 沸騰水型軽水炉 82.5万kW 建設中止 福島県南相馬市小高区双葉郡浪江町 福島第一原子力発電所事故の影響により2013年3月建設中止。

電源調達入札制度について

  • 1995年(平成7年)の電気事業制度改革において電源調達入札制度が創設され、卸供給事業者(IPP・独立系発電事業者)4社と供給契約を結んでいる[5]

4箇所、31万9,300kW

卸供給事業者 契約電力 供給開始 所在地 備考
大平洋金属(北沼発電所) 4.4万kW 2000年7月 青森県八戸市 現:大平洋エネルギーセンター
新日本製鐵釜石製鐵所 13.6万kW 2000年7月 岩手県釜石市 現:新日鐵住金
ニチメン(佐和田火力発電所) 0.53万kW 2000年6月 新潟県佐渡市 現:双日佐和田火力
日本セメント糸魚川発電所 13.4万kW 2001年7月 新潟県糸魚川市 現:糸魚川発電
  • 事業者名はいずれも契約当時。

関連会社

太字連結子会社斜体文持分法適用会社

建設
製造
  • 北日本電線株式会社
  • 東北ポール株式会社
  • 通研電気工業株式会社
  • 東北電機製造株式会社
  • 東北計器工業株式会社
  • 能代吉野石膏株式会社
  • 株式会社アグリパワー
情報処理・電気通信
不動産
  • 東日本興業株式会社(資産管理・リース業等)
  • 東北用地株式会社
電気事業
燃料
サービス
  • 株式会社エルクオール電化等の電化事業)
  • 株式会社東北電広社(電柱広告)
  • 東北エネルギーサービス株式会社
  • 名取スポーツパーク企画(東北電力名取スポーツパークの運営管理)
  • 株式会社ジェプロ
  • 株式会社エルタス東北(資産管理)
  • 株式会社オフィスライフサービス(東日本興業の子会社、ヴィ・ド・フランスのフランチャイズ運営など)
  • 東北エアサービス株式会社ヘリコプター業務)
  • トーホク・パワー・インベストメント・カンパニーオランダアムステルダム、投資事業)

本店ビル

現在、本店は「エナジースクエア」(東北電力本店ビル)に入居している。

旧本店は「電力ビル」にあったが、現在子会社・関連会社が入居している。電力ビルの主な施設として、グリーンプラザと電力ホールがあり、グリーンプラザはイベント会場や市民の待ち合わせ場所・休憩場所などとして利用されている。電力ホールは仙台市内の主なホールのひとつであり、コンサートや芸術のイベントに利用されている。「電力ビル前」からは市内・都市間高速の多くのバス路線が発着している。

なお、電力ビル、および、エナジースクエアは、いずれも関連会社である東日本興業の所有ビルであるため、厳密にはいずれも東北電力の自社ビルではない。

スポンサー番組

東北電力が提供する番組は、営業区域の「東北7県」でブロックネット放送されており(番組内では「東北6県と新潟県」と言う(同社発行の広報誌(紙)も同様に記載))、他の多くのブロックネット番組が新潟県を除く東北6県で放送されているのと対照をなす(→参照)。

なお、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)に伴い、2012年2月現在、以下の番組での東北電力の番組提供はすべて見合わせている(番組によっては休止しているものがある)。該当する番組における通常のCMの放送は行われておらず、CM枠はACジャパンへの差し替え、または節電のお願いを伝える社告形式のCM等に変更されている。

2011年3月時点で提供扱いとなっていた番組

東北7県ブロックネット
全国放送の東北7県分

過去に放送されていた番組

企業CMに使用された楽曲

  • 岡村孝子夢をあきらめないで」(1987年2月4日発売)
  • 大貫妙子「ピーターラビットとわたし」(1982年9月21日発売)
  • 忍者「瞳は未来を映してる」(シングル「日本」のカップリング曲・1993年2月24日発売) 非売品のシングルが制作されたこともある[1]
  • 河島英五「元気ですか!」 現在も放送中 東北電力の企業イメージCMの折りには、ワンコーラス分の楽曲を耳にできる。かつては非売品として、会社からカセットテープを送られてきたとの報告もあった[2]が、現在はCDリリースされたため、テープの送付は行っていない。またスポンサーを務めた全国花火競技大会 (秋田県大仙市)では、会場でほぼ全編が放送されることもある。
  • ゴスペラーズ「Armonia」(アルバム『Hurray!』内・2009年3月11日発売)

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

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テンプレート:TOPIX 100
  1. 仙台火力発電所4号機の営業運転開始について 2010年7月29日
  2. 東北天然ガス供給ネットワーク(東北天然ガス)
  3. 白石・郡山間ガスパイプラインの運用開始について(東北電力)
  4. 東北電力 概要
  5. 参考資料:テンプレート:PDFlink 内閣府 規制改革会議 第3回 IT・エネルギー・運輸TF(平成19年4月25日)