東京都立小山台高等学校
東京都立小山台高等学校(とうきょうとりつこやまだいこうとうがっこう)は、東京都品川区小山に所在する都立高等学校。しばしば「おやまだい」と誤読されるが間違いである。
目次
概要
1922年(大正11年)、東京府立第八中学校として創立。東京都立第八中学校、東京都立第八新制高等学校を経て、1950年(昭和25年)に東京都立小山台高等学校と改称する。
都立第八新制高等学校から校名を変更する際、「武蔵」「西陵」「小山」などが新校名の候補となった。所在地の町名から「小山高校」が検討されたが、栃木県立小山高等学校と間違えられる恐れがあるとして、語呂の良い「台」が付けられた。なお「小山台」は、所在地「小山」の隣接町名である。
1950〜1960年代は、連年東京工業大学合格者数全国1位を達成。古くから理工系の大学進学に強い高校として知られている。
1970年代以降は学園紛争や学校群制度の影響で進学実績の低迷が続いたが、2004年(平成16年)度から都の重点支援校として3年間の指定を受けたことを契機に学校改革が推進されている。土曜授業の復活、120講座を超える長期休業中の講習やサテライト講習の導入など進学指導体制の確立を目指した改革が行われ、難関大学への進学実績が大きく向上している。2007年(平成19年)には、難関大学への進学実績向上を目指す高校として駒場・国分寺・新宿・町田の各校と共に「進学指導特別推進校」に指定された。現在、一般入試においては都の共通問題を全科目で使用している。
部活動のことを班活動と呼称し、盛んに活動している。全国大会出場のブラスバンド班、選手権東東京大会ベスト8(2009年・2012年、2009年春季東京大会はベスト4)の野球班、日米共同宇宙実験参加の生物班などが活躍している。
野球班は第86回選抜高等学校野球大会に21世紀枠として出場することが決まった[1]。東京都立高校としては史上初のセンバツ出場となる。
沿革
- 1922年(大正11年)8月24日 - 東京府荏原郡平塚村小山に東京府立第八中学校として設立。
- 1935年(昭和10年) - 東京府立第八夜間中学校(現在の定時制の前身)が設立。
- 1943年(昭和18年)7月1日 - 都制施行により東京都立第八中学校と改称。
- 1948年(昭和23年)4月1日 - 学制改革により東京都立第八新制高等学校となる。普通科を設置。
- 1950年(昭和25年)1月26日 - 東京都立小山台高等学校と改称。男女共学開始。
- 1952年(昭和27年) - 学区合同選抜制度導入。
- 1967年(昭和42年) - 学校群制度導入、田園調布高校と14群を組む。
- 1982年(昭和57年) - グループ合同選抜制度導入、大崎・八潮・大森・田園調布・南・大森東・雪谷・羽田・蒲田の各校と12グループを組む。
- 1994年(平成6年) - 現在の単独選抜制度を導入。
- 2002年(平成14年) - 創立80周年記念式典挙行。
- 2004年(平成16年) - 都の重点支援校に指定(2006年〈平成18年〉まで)。
- 2007年(平成19年) - 進学指導特別推進校に指定。
教育
校歌
- 『東京都立小山台高等学校校歌』(作詞:栗原源七、作曲:平井康三郎)
交通
行事
- 合唱コンクールは例年6月に日比谷公会堂で行われる。全学年課題曲は校歌である。
- 文化祭は、例年9月中旬(の主に平日)に実施される運動会と併せて「寒菊祭」と呼ばれる。文化祭は9月下旬に行われることが多いが、10月1日の都民の日に開催する場合もある。2日間行われ、1日目の午後と2日目が一般公開。
- 運動会では、全生徒が赤、白、青、黄の4つの団に分かれて競技をする。各団による応援合戦が名物となっている。
関連団体
- 公益財団法人 小山台教育財団 - 本校の後援会。小山台会館を持つ。活動の大きな柱である国際交流事業では、小山台生やその卒業生・親族を中心にイギリス・ドイツへの語学研修生・留学生を毎年30名前後3週間派遣する一方、同時期に受け入れ事業を行っている。他にもサテライト授業や小山台高校の各種イベントの協力を行っているほか、地域活動として文化教室などを開催している。
- 菊桜会 - 同窓会
著名な卒業生
政治・行政
- 中川嘉美 - 元衆議院議員、元参議院議員
- 栗原祐幸 - 元労働大臣、元防衛庁長官、元参議院議員、元衆議院議員
- 菅直人 - 元内閣総理大臣、元副総理兼財務大臣、元内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当大臣)、元厚生大臣(宇部高校から転校)
- 原田義昭 - 衆議院議員、元通産省官僚(修猷館高校から転校)
- 最上進 - 元参議院議員
- 福川伸次 -東洋大学理事長、 機械産業記念事業財団会長、日中産学官交流機構理事長、電通顧問、元通産事務次官、元神戸製鋼所副会長、元電通総研社長
- 黒田眞 - 世界経済情報サービス理事長、元通産審議官、元三菱商事副社長
- 大野隆夫 - 元大商専務理事、元工業技術院総務部長
- 姉崎直己 - 元日本自動車輸入組合副理事長、元日本航空宇宙工業会専務理事、元特許庁総務部長
- 鈴木孝男 - 三菱ふそう副会長、元中小企業基盤整備機構理事長、元自工会副会長・専務理事、元通商産業省環境立地局長
- 髙橋晴樹 - 全国中小企業団体中央会専務理事、元日本ガス協会副会長・専務理事、元関東経済産業局長
- 藤田公郎 - 元JICA総裁、元駐インドネシア・オランダ大使、元内閣外政審議室長
- 大堀太千男 - 元警視総監
- 松川隆志 - 元北海道開発事務次官、元大蔵官僚
- 栢原英郎 - 土木学会会長、日本港湾協会会長、元運輸省技術総括審議官、元港湾局長
- 庄司宏 - 元外交官・通産事務官、ラストヴォロフ事件で逮捕されてのち救援連絡センター代表弁護士
- 皆川芳嗣 - 農林水産省事務次官
経済
- 若井恒雄 - 元東京三菱銀行頭取
- 御手洗肇 - 元キヤノン社長
- 御手洗冨士夫 - キヤノン社長兼最高経営責任者(CEO)、前日本経団連会長、鉄道貨物協会会長 (佐伯鶴城高校から転校)
- 勝田泰久 - 元りそなホールディングス社長、元りそな銀行頭取
- 今村治輔 - 元清水建設社長
- 橋元雅司 - 初代JR貨物社長、元国鉄副総裁
- 水野幸男 - 元NEC副社長、元情報処理学会会長
- 小田晋吾 - 元日本ヒューレット・パッカード社長
- 伊東勇 - パルコ取締役 取締役会議長
- 城森倫雄 - 元伊勢丹会長
- 真鍋圭作 - 元キリンビール会長・社長
- 遠藤陽太郎 - 四国コカ・コーラボトリング社長
- 細貝理栄 - 第一屋製パン社長
- 原毅 - 日本道路会長
- 宗岡正二 - 新日鐵住金代表取締役会長兼CEO、全日本柔道連盟第4代会長
- 野上正夫 - 元沖電気工業顧問・副社長
- 一柳東一郎 - 元朝日新聞社社長
- 馬渡一真 - 元日本テレコム(現ソフトバンクテレコム)社長、元国鉄副総裁
- 中西宏明 - 日立製作所社長
- 金成憲道 - ドイツ証券会長、元ユニオンバンク社長会長、元三菱東京UFJ銀行副頭取、小山台教育財団理事長
法曹
ジャーナリズム
- 筑紫哲也 - キャスター(沼津東高校から転校)
- 宮川泰夫 - フリーアナウンサー、元NHKアナウンサー
- 高橋民夫 - 文化放送アナウンサー
- 金澤利夫 - 元NHKアナウンサー
- 牛尾淳 - フリーアナウンサー
- 朝岡聡 - フリーアナウンサー、元テレビ朝日アナウンサー
- ジョージ・フィールズ - 評論家
- 高成田享 - 朝日新聞記者
- 板垣恭助 - 共同通信記者、著作家
- 山川千秋 - 元フジテレビアナウンサー
- 和田郁夫 - 元NHK記者
学問
- 青木昌彦 - スタンフォード大学名誉教授、京大名誉教授、中国人民大学名誉教授
- 佐田登志夫 - 理化学研究所副理事長、豊田工大副学長
- 楠本史郎 - キリスト教神学者、北陸学院大学学院長
- 玉木久夫 - 情報工学者、明大教授
- 内田貴 - 民法学者、東大教授
- 斎藤茂太 - 精神科医・作家
- 皆川達夫 - 音楽学者、立大名誉教授
- 菅野卓雄 - 電子工学者、元東洋大学長、紫綬褒章
- 長谷川正安 - 憲法学者、立大名誉教授
- 海老坂武 - フランス文学者
- 奈良和重 - 慶大名誉教授
芸能・文化
- 双葉十三郎 - 映画評論家
- 渡邉暁雄 - 指揮者
- 秋山庄太郎 - 写真家
- 熊倉一雄 - 男性俳優、声優、演出家
- 渡辺祐介 - 映画監督
- 関屋晋 - 合唱指揮者
- 平井照敏 - 俳人
- 山田洋次 - 映画監督
- 小林道夫 - チェンバロ奏者
- 雁屋哲(本名:戸塚哲也) - 漫画原作者
- 田代しんたろう - 漫画家
- 押井守 - アニメーション作家
- 田代久雄 - 俳優
- 久保こーじ - 音楽家
- 山崎バニラ - 活弁士
スポーツ
- 鈴木保男 - 元サッカー選手、日本代表
- 加納孝 - 元サッカー選手、日本代表
- 三村恪一 - 元サッカー選手、日本代表
- 村形繁明 - 元サッカー審判員、第1回日本サッカー殿堂入り、元三井物産カルカッタ支店長
その他
著名な教員
- 加藤楸邨(本名:加藤健雄) - 元国語科教諭(1940年 - 1942年)、俳人、のち青山学院女子短大教授
- 西尾孝 - 元英語科教諭(1940年 - 1947年)、『西尾の実戦シリーズ』著者
- 鵜川昇 - 元国語科教諭(1949年 - 1960年)、のち桐蔭学園理事長・学校長・学長、元茗渓会理事長
- 小隅黎(本名:柴野拓美) - 元数学科講師(定時制、1970年 - 1971年)、翻訳家・小説家(主にSF小説の翻訳・評論・創作)
- 斑目文雄 - 元校長(1973年 - 1976年)、のち大妻中学高等学校校長、大妻女子大学教授
- 平山美知子 - 元理科教諭、NHK高校講座化学講師
- 向山洋一 - 元小学校教師、TOSS(Teacher's Organization of Skill Sharing)代表、日本教育技術学会会長、『教え方のプロ 向山洋一全集』著者