日本ヒューレット・パッカード
テンプレート:Infobox 日本ヒューレット・パッカード株式会社(にほんヒューレット・パッカード)は、日本のコンピュータ関連企業。1963年に、日本の横河電機とアメリカ合衆国のヒューレット・パッカード(Hewlett-Packard Company:HP)との合弁企業、横河ヒューレット・パッカード(YHP)として設立された。横河電機との合弁は1999年に解消となり、以降アメリカのヒューレット・パッカードの100%子会社の日本法人である。アメリカのヒューレット・パッカードは、日本を含む連結決算による総売上高で2007年に1,000億ドルを超え、世界第1位のIT企業となった。
沿革
- 1963年 - 横河ヒューレット・パッカード(株)創立(横河電機51%、HP社49%出資)。
- 1969年 - コンピュータ分野に参入。
- 1995年 - 日本ヒューレット・パッカード(株)へ社名変更。
- 1999年 - 横河電機との合弁を解消し、HPの100%子会社となる。計測器部門をアジレント・テクノロジーとして分割した。
- 2002年 - 米国ヒューレット・パッカードがコンパックコンピュータ(Compaq Computer Corporation)を合併したことに伴い、日本HPもコンパック日本法人と合併した。COMPAQはPCのブランドとして存続。
- 2009年 - 米国ヒューレット・パッカードがElectronic Data Systems(EDS)を合併したことに伴い、日本HPもEDSジャパンを合併した。
特徴
外資系企業であるが、輸送コストや輸送時における衝撃、振動による故障トラブルの軽減のためにデスクトップパソコン、ワークステーション、サーバを昭島工場(東京都昭島市)で生産しており、「MADE IN TOKYO」のラベルが製品に付けられている。元は1999年に旧コンパックがあきる野市(旧日本DEC)にて国内生産を開始し、HPとの合併後に昭島市へとラインを移している。
BTO(受注生産方式:既製品を注文に基づいて生産)、CTO(注文仕様生産:製品仕様を自由にカスタマイズ)する2つのビジネスモデルを持つ。前者は代理店経由での販売方法が主、後者は直販が主となる。
2002年に個人向けPCの店頭販売から撤退していたが、2008年5月から再開している。
横河電機との合弁会社で創業した関係で、ラグビー部の強化が図られ、全国社会人ラグビー大会への出場もある。また、元社員には、ラグビー日本代表やラグビー協会役員もいた。特に有名なのは、早稲田大学ラグビー部で、主将および監督として、日本一を獲得した木本健二である。
主要拠点
日本HPは国内に39か所のセールス/サポート拠点を持つ。東京都江東区大島に1フロアの面積としては都内最大級の自社ビルを建設し2011年2月2日に竣工した。本社を移転し、東京都内に分散している拠点(八王子事業所、昭島工場を除く)を集約し業務の効率化を図るのが狙いで、市ヶ谷、荻窪、高井戸、新宿の4拠点がここに集約され、正社員、契約社員、派遣社員を含めて約6500人を収容する。同年5月16日に開所。
- 主要事業所および支店
- 本社
- 八王子事業所
- 中部支店
- 西日本支店
- 営業所
- 札幌営業所
- 仙台営業所
- 福岡営業所
- 研究所
- HP日本研究所
- 工場
- 昭島工場
主な製品
日本HPの主な製品は、以下に大別できる。
- コンピュータ
- ソフトウェア
- オペレーティングシステム
- 管理ソフトウェア(HP Software)
- システム運用管理(OpenView, OpenCall)
- 情報ライフサイクル管理
- プリンタ、デジタル・イメージング(ヒューレット・パッカードのプリンターの項を参照)
- カラーインクジェットプリンタ
- 大判インクジェットプリンタ
- レーザープリンタ
- デジタル印刷機
- サプライ品(プリンタ用紙、プリンタ用インク)
- バーチャル会議システム
- ソリューション
- システム・ネットワーク管理ソフトウェア
- ビジネス・ITコンサルティング
- システムインテグレーション
- ネットワークインテグレーション
- セキュリティソリューション
- ミッションクリティカル・サービス
- システム監視・管理サービス
- アプリケーション管理サービス
- ヘルプデスクサービス
MVNO(HP Mobile Broadband)
テンプレート:Infobox データ通信専用端末の仕様表 同社ではノートPCに、FOMA対応通信モジュールとSIMカードを組み込んだ「HP Mobile Broadbandモデル」を2009年9月より提供している。これはNTTドコモのFOMAハイスピード網を使い、同社が仮想移動体通信事業者(MVNO)としてパソコンだけでなく、通信回線も合わせて提供している。FOMAハイスピードを利用したMVNOのため、エリアや通信速度も、FOMAハイスピードエリアに準じ、エリアは人口カバー率100%、通信速度も下り最大7.2Mbps、上り最大5.8Mbpsとなる。利用料金はプリペイド方式を採用し、1分10円という時間制の課金となる[1]。
また2010年11月には同社製のモバイルWi-FiルータをMVNO回線とあわせて発売を開始している(HP Mobile WiFi)。端末自体はSIMフリーとなる。</br>同製品の利用料金は月額固定性で、1ヶ月/6ヶ月/1年の3タイプの料金プランが用意されている。通信速度は最大下り7.2Mbps、上り5.8Mbpsの高速通信が利用可能だが、日本HPが提供するSIMカードを利用すると、通信速度は300KBpsとなる。利用料金は以下のとおりとなる。また同時接続数は5台となる。
料金プラン | 料金 |
---|---|
3G定額1ヶ月 | 2,940円 |
3G定額6ヶ月 | 14,700円 |
3G定額12ヶ月 | 29,400円 |
不祥事
- 2010年8月 - 東京国税局より、470億円の申告漏れを指摘されていたことが判明[2]。
- 2012年4月27日 - 2008年に精神疾患で欠勤した社員を諭旨解雇した問題で、最高裁第2小法廷は会社の治療の義務を認め、解雇を無効とした[3]。
関係人物
- 横河正三 - 初代社長 - 横河電機株式会社社長、会長、名誉会長を歴任 - 慶應義塾評議員
- 樋口泰行 - マイクロソフト株式会社 代表執行役社長 - 元・日本ヒューレット・パッカード株式会社社長
- 有村智恵 - 女子プロゴルファー - 所属契約[4]
- クルム伊達公子 - 女子プロテニスプレーヤー - スポンサー契約[5]
- 寺澤正雄 - 日本オラクル株式会社 取締役 - 元・代表取締役社長
- 高柳肇 - 株式会社ハイ・アベイラビリティ・システムズ 代表取締役社長 - 元・代表取締役社長
- 小田晋吾 - 元・代表取締役社長
- 馬場真 - 元・代表取締役副社長
- 石積尚幸 - 日本オラクル株式会社 常務執行役員 カスタマーサービス統括本部長 - 元・取締役副社長
- 木本建治 - 元人事部部長 - 元早稲田大学ラグビー部主将、監督 - 1987年度日本一
脚注
関連項目
- Electronic Data Systems(EDS)
- ジャパン女子オープンテニス(2009年新設の女子プロテニス大会。冠大会「HPオープン」として開催)