西区 (大阪市)
テンプレート:Pathnav テンプレート:日本の行政区 西区(にしく)は、大阪市を構成する24区のうちの1つ。市の都心中西部に位置する。
目次
概要
現在、西区は大阪市内でも職住近接に適した有数の良質なマンションや集合住宅が立ち並ぶ高層住宅地として再開発が進んでおり、特に区東部の新町から堀江(北堀江・南堀江)にかけてのエリアでは小学校の教室が不足するなど人口の急増ぶりが際立っている。こういった事から、老年人口の比率が大阪の区の中では最も低くなっている。日本各地の市にある「西区」を名乗る行政区の中では最古のもので、「西区」としての歴史は市制施行以前にさかのぼる。
地理
区域は東を西横堀川(埋立。阪神高速1号環状線北行き)、南を道頓堀川・岩崎運河、西を境川運河(埋立)、北を土佐堀川・安治川に囲まれた矩形をしている。おおむね中央を南流する木津川を境に、東西に大別される。
東部
下船場(西船場)や堀江といった江戸時代からの市街地で構成される西区東部は、かつては江戸堀川・京町堀川・海部堀川・阿波堀川・薩摩堀川・立売堀川・長堀川・堀江川・百間堀川といった堀川が巡らされ、船運が主体の町であったが、現在これらの堀川は全て埋め立てられている。長堀川(長堀通)を境に、北が西船場、南が堀江となる。
- 下船場(西船場) - 土佐堀・江戸堀・京町堀・靱・阿波座・立売堀
- オフィス街となっており、カフェ・レストラン・服飾店・インテリアショップ・雑貨店などファッショナブルな店舗の新しい集積地となっている。
- 靱公園周辺
- 緑の少ない都心のオアシスとして名高い靭公園やオリックス劇場(旧・大阪厚生年金会館)など、オフィス街でありながら憩いの場やアートなど様々な面を持ち合わせているエリア。
- 江之子島(えのこじま)
- 西は木津川、東は新なにわ筋、南は中央大通に囲まれた地域で西船場の西端に位置する。江戸堀川から分流し、木津川に合流する百間堀川に向けて東側から立売堀川が流れ込んでいたが、1964年埋め立てられた。1874年から1926年まで大阪府庁が、1889年の大阪市制施行から1912年まで大阪市役所が存在した。
- 西長堀
- 長堀通の西端で区役所や大阪市立中央図書館がある。町名は新町4丁目・北堀江4丁目にあたる。
- 堀江 - 北堀江・南堀江
- 立花通り沿いの商店、四ツ橋筋にある新築の大規模ビル、路地裏の町家・長屋など多様な顔を持つ。面状の広がりを見せ、業種も服やインテリア、カフェのみならずますます多様化、細分化している。地域の東端は心斎橋や難波に隣接し、そこに湊町リバープレイスやJR難波駅(大阪シティエアターミナル)がある。
西部
安治川左岸の富島・古川や、木津川右岸の寺島など早くから市街化していた地域もあるが、大半を旧 西成郡九条村が占めていた西区西部は、駅周辺以外は商業地が少なく、概して住宅地域で居住人口が多い。
- 九条地区
九条地区は西区の西部を形成し、九条・九条南・安治川・境川からなるが、阪神なんば線と地下鉄中央線により難波へのアクセスが極めて良い。駅周辺を除けば、概して住宅と工場が混じる下町の住宅地が広がっている。九条駅を挟んでナインモール九条とキララ九条商店街の2つの商店街がある。
- 川口・本田
川口に存在した川口居留地は川底が浅く大型商船が入らないため、外国商人は間もなく神戸に移っていったが、代わって中国商人が入り、日中戦争の激化までは中華街が存在していた。
- 京セラドーム大阪付近(千代崎)
1997年2月に京セラドーム大阪(当時:大阪ドーム)が開業した。地下鉄長堀鶴見緑地線ドーム前千代崎駅と阪神なんば線ドーム前駅があり、野球試合やイベント開催時には観客で混雑する。その他大阪市交通局、西消防署を併設大阪市消防局の庁舎、大阪ガス大阪リビング営業部がある。 テンプレート:節stub
歴史
1869年、江戸期以来の大坂三郷を再編して発足した四大組のひとつである西大組の流れを汲む。1875年の大区小区制施行により西大組は第3大区となり、1879年の郡区町村編制法施行により第3大区が西区となった。1889年の市制施行により区域と名称はそのまま大阪市の行政区へ移行した。1897年に西成郡九条村・川南村の木津川以西・川北村の伝法川以南を編入。1925年に港区と此花区を分区。この際、川口・本田地区を除く旧九条村は一旦港区となり、それまで北区だった富島・古川地区も港区となった。1943年より現在の区域となる。
木津川および百間堀川より東の下船場・堀江は、江戸時代以来多くの堀川が整備され、雑喉場魚市場、海産物などの問屋街、土佐藩・薩摩藩・徳山藩などの蔵屋敷が立地して栄え、船運が発達した地域であった。また、新町遊廓や堀江新地など遊興の場も作られた。木津川より西の九条は淀川河口の中洲だったが、江戸時代初期に農地として開発され「衢壌(くじょう)島」と名づけられ、後に九条と改められた。安治川と木津川の分流点である九条の北端は大坂船手の屋敷地となった。
明治時代には船手屋敷跡地の川口が、外国人居留地の設置(1868年 - 1899年)により大阪の文明開化の象徴となった。その木津川対岸の江之子島には大阪府庁・大阪市役所が建設されるなど、大正時代まで大阪の行政の中心地であった。川口居留地は川底が浅く大型商船が入らないため、外国商人は間もなく神戸に移っていったが、代わって中国商人が入り、日中戦争の激化までは中華街が存在した。一方、江之子島の南、尻無川(埋立部分)と木津川に挟まれた寺島には明治以降新町遊郭から遊郭が移転し松島遊廓となり、堀江新地も引き続き遊興地として繁栄した。松島に近い九条新道(九条商店街)は「西の心斎橋」と呼ばれたこともあった。
しかし、下船場の市場の機能はより大きな市場に集約されてゆく。雑喉場魚市場と靱の海産物問屋街は1931年に開設した大阪市中央卸売市場に移転統合され、問屋街の跡地は大阪大空襲で壊滅のうえ占領軍の飛行場にされ(現在の靱公園)、松島新地や堀江新地は戦後廃止された。また、御堂筋の開通により、梅田と難波を初めて結んだ四つ橋筋は相対的に地位が低下した。材木商、陶器商、機械金属商なども高度成長期以降、都心の渋滞を避けて郊外に移転し、流通の簡素化で問屋業が衰退するなど、かつてほどの活気はなくなった。
しかし、近年の都心回帰により、堂島や中之島などの都心ビジネス街に隣接した住宅エリアとしての利便性が見直され、高層マンションの相次ぐ建設などで人口が急増すると共に、堀江・新町・靱公園周辺などがカフェ・レストラン・服飾店・インテリアショップ・雑貨店などファッショナブルな店舗の新しい集積地となった。また、江戸堀・京町堀・新町に数多く残る、大正~昭和初期築の近代建築や雑居ビルがギャラリーなど文化情報発信の拠点として活用され続けているなど、街への魅力から近年訪れたり店を開く若者が増加している。
2005年に実施された国勢調査において、人口増加率が隣接する中央区に次いで高い14.5%増を記録した。これは政令指定都市の行政区の中では大阪市中央区、横浜市都筑区に次いで3番目に高い数値である。1889年の市制施行時の東南西北4区のうち、東区と南区は合併して中央区になり、北区は北隣の大淀区と合併して新たな北区となったため、市制施行時から単独で存在する区としては西区が最古ということになるが、現在の西区は都心回帰による再開発によって関西の文化・流行の最先端を進む区に変貌しつつあり、進取の気風を重んじる大阪らしさを象徴する地域となっている。
交通
鉄道
かつて西区を経由する鉄道路線は大阪市営地下鉄のみだったが、2009年3月20日開業の阪神なんば線がこの区で初めての民営路線となった。
また、大阪環状線が大正駅 - 弁天町駅間でごく僅かながら西区(千代崎三丁目・境川一丁目)を通過しており、車内から京セラドーム大阪が俯瞰できる。
バス
- 大阪市営バス - 交通局本庁舎は当区九条西にある。また以前は本庁舎および大阪ドームに隣接して市バス九条営業所があった。また、ドーム前千代崎にバスターミナルがある。
道路
教育
専門学校
- 大阪ブライダル専門学校
- ホスピタリティ ツーリズム専門学校大阪
- 大阪コミュニケーションアート専門学校
- 大阪スクールオブミュージック専門学校
- 大阪ダンス&アクターズ専門学校
高等学校
中学校
小学校
幼稚園
名所・旧跡・施設
- 靱公園
- 大阪科学技術館
- 京セラドーム大阪
- 大阪市立中央図書館
- 楠永神社
- 金光教玉水教会(国の登録有形文化財)
- 土佐稲荷神社
- 御霊神社堀江行宮
- サムハラ神社
- 茨住吉神社
- あみだ池(和光寺)
- オリックス劇場
- 旧川口居留地
- 日本聖公会川口基督教会(国の登録有形文化財)
- 川口アパート
- 日本基督教団大阪教会(国の登録有形文化財)
- 日本キリスト教会大阪西教会
- 山内ビル(国の登録有形文化財)
- 日生病院
- 大野記念病院
バファローズのお膝元
1997年に近鉄バファローズのホームスタジアムとして大阪ドーム(2006年・命名権取得のため「京セラドーム大阪」に改称)が完成すると、球場の最寄の商店街の一つである当区のナインモール九条商店街もバファローズのお膝元として地域に密着したチーム作りを応援する体制を整えるようになった。これをきっかけに「バファロード」なる愛称も付いた。
しかし、2004年シーズン中にオリックス・ブルーウェーブとの合併計画が発覚したことをきっかけに、同商店街では合併の撤回運動を展開したが、合併決定は覆らなかった。だが2005年度以後もチーム名にバファローズが残ること、大阪ドーム(京セラドーム大阪)を本拠(専用球場、2006年のみ神戸スカイマークスタジアム(当時)に変更)とすることから今後も同商店街はバファローズのお膝元の商店街と位置づけて様々な応援キャンペーンを続けている。
西区に本社を置く企業
- ENWA - 首相官邸、消費者庁、テレビ朝日をはじめ官公庁、大手企業に最新のテレビ会議(ビデオ会議、WEB会議)システムを納入している。
- 扇谷 - 非鉄金属を主力とする産業資材の商社。
- オージス総研 - 大阪ガスグループのIT企業。
- 大八洲
- ダイソー - 化学薬品製造の会社。100円ショップのザ・ダイソーを運営する会社ではない。
- フルベール化粧品
- 大同生命保険
- 石原産業
- 長瀬産業
- 栗本鐵工所
- 山善
- 杉本商事
- トラスコ中山
- 立花エレテック
- アスワン
- 大日本除虫菊 - 金鳥ブランドで知られる。
- 因幡電機産業
- 大阪トヨペット
- 日本総合研究所
- 住友倉庫
- 奥本製粉 -「スキー」ブランドのパスタでその名を知られる製粉会社。神戸物産の運営する「業務スーパー」でも取り扱われている。
- 丸一鋼管
- 東洋ゴム工業 - タイヤのシェアで国内第4位。
- NTN
- JSOL(大阪本社)
- 銭高組
- 大阪屋
- サカタインクス
- オー・エム・コーポレーション
- GIZA studio
- 日本交通
- 水空間
- フーセンウサギ
- 非破壊検査
- 神戸生絲
- ACジャパン - ここが発祥の地。
- モンベル - 1975年に辰野勇が創業した日本では数少なかったアウトドア総合メーカー。
- シティホーム建物管理
- ビューティーラボラトリー
- フジキン - バルブや継手のメーカー。日本の企業で唯一チョウザメの研究を行い、人工孵化にも成功している。
- テラモト
- 長谷川工業
- 大幸薬品 - 『正露丸』で有名な製薬会社。2014年3月に吹田市から本社機能を移転。なお吹田市の本社は登記上の本店として存続。
かつては、大阪銀行が西区内に本店を置いていたが、合併して現在の近畿大阪銀行になった際に、法人格は旧大阪銀行を継承したものの、本店を旧近畿銀行側に設置したため、現在の本店は中央区となっている。旧本店の窓口は、現在は本町営業部となっているが、2004年に西区内の別位置に移転したため、所在地は大阪銀行時代の位置とは異なるものの、現在も存続している。
大阪発祥の企業であるサントリーと大阪瓦斯と象印マホービンとタイガー魔法瓶とコクヨはこの西区が発祥地であるが、大阪瓦斯の方は、現在京セラ大阪ドームの近接地に「ドームシティーガスビル」という大阪ガス所有のビジネスビルがある。
- 四つ橋筋江戸堀1交差点.JPG
四つ橋筋 江戸堀一丁目交差点
- Headquarter of Non-Destructive Inspection Co., Ltd..JPG
非破壊検査
- Headquarter of Dainihon Jochugiku Company, Limited 1.JPG
出身有名人
関連項目
- 西区 - 全国の西区の一覧