タイガー魔法瓶
テンプレート:Infobox タイガー魔法瓶株式会社(タイガーまほうびん、英称:Tiger Corporation.)とは大阪府門真市速見町に本社を置く主に魔法瓶・炊飯器・家庭用電化製品の製造販売をおこなう企業である。
2005年から、新しいマスコットキャラクターとして、虎の子供の「ティグ」(男の子)と「ティーラ」(女の子)を採用した(詳細)。
目次
歴史
タイガー魔法瓶の創業者・菊池武範(1895年11月~1975年5月)は、愛媛県西宇和郡三島村(その後三瓶町を経て現在は西予市)皆江の実業家に生まれたが、12歳の時に父・武揚の事業が破綻し、加えて父が脳溢血で倒れて闘病の身となったため皆江小学校高等科を中退後、大阪のメリヤス工場に奉公に出たのち仕事を転々として1918年、内職として魔法瓶の製造販売業を始めた。
なお虎印(タイガー)の由来は、父が寅年生まれであったことと、創業当時壊れやすいと思われていた魔法瓶のイメージを払拭するために付けられたものである。関東大震災の際にも、問屋にあった幾つかの魔法瓶の中で虎印魔法瓶だけが1本も割れなかったとのことである。また、虎はアジアでは最強の動物であると言うことから、アジアをはじめとした世界展開においても、最強をめざすためである、とも言われている。
ちなみに、ライバルの象印マホービン(現在は東証2部上場)は、虎に対抗して、アジアでは最も神聖な動物であると言うことから、象の商標を用いた、と言われている。なおタイガー魔法瓶の表記は「タイガー」がカタカナ、「魔法瓶」が漢字であるのに対し、象印マホービンは、「象印」が漢字、「マホービン」がカタカナの表記になっている。
沿革
- 1923年 - 創業者・菊池武範が大阪市西区で「菊池製作所」を設立し、「虎印魔法瓶」の製造・販売を開始
- 1936年 - 菊池製作所を合名会社に改組。
- 1943年 - 合名会社菊池製作所の事業を、業界の戦時統制により設立された「日本魔法瓶統制株式会社」に譲渡(1945年3月の大阪空襲で焼失、事業停止)。
- 1946年 - 菊池製作所、大阪市東成区大今里で事業を再開。
- 1949年 - 菊池製作所を、日新工業株式会社に改組。
- 1953年 - 日新工業株式会社を、タイガー魔法瓶工業株式会社(英訳:Tiger Vacuum-Bottle Industry Co.,Ltd.)に商号変更。
- 1955年 - 大阪市城東区蒲生町に本社・工場を新築。
- 1963年 - 大阪府門真市速見町に本社・工場を移転。
- 1970年 - 販売部門を分離。九州以外はタイガー販売株式会社、九州はタイガー物産株式会社。
- 1983年 - タイガー魔法瓶株式会社(英訳:Tiger Vacuum Bottle Co.,Ltd.)に商号変更、同時にCIも導入。
- 1991年 - タイガー販売株式会社、タイガー物産株式会社を吸収合併。
- 1999年 - タイガー販売株式会社を吸収合併。
- 2006年 - 業界で初めて、内鍋に土鍋を使用したIH炊飯ジャー「タイガー炊きたて 土鍋釜」発売。
取り扱い製品
- 「炊きたて」ブランドのIH炊飯ジャー、マイコン炊飯ジャー、電子ジャー(保温専用)
- ポットではマイコン電動ポット、電気ポット、VE電気まほうびん
- オーブントースター、ホットプレート、グリルなべ
- 「サハラ」ブランドのアウトドア向け魔法瓶(ステンレス製真空二重構造タイプ)
ほか多数
「VE」(Vacuum Electricから)の商標権はライバルの象印マホービンと共有(登録商標日本第4713275号)している。
歴代CM出演者
- 白木みのる
- うつみみどり
- 松坂慶子
- 十朱幸代
- 加藤茶・志村けん
- 渡辺篤史
- 藤谷美和子
- 古手川祐子(1982年 - 1997年、15年にわたり出演)
- 沢口靖子
- 笑福亭鶴瓶
- 中村泰士
- 渡辺正行
- 富田靖子
- 酒井美紀
- 保坂尚輝・高岡早紀夫妻(当時)
- 中山エミリ
- 倉科カナ
- 磯野貴理・陣内智則(提供番組『行列のできる法律相談所』とのコラボCM)
スポンサー番組
テレビ
- 現在(30秒)
- 『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS)
- 『行列のできる法律相談所』(日本テレビ)
- 過去
- 『金の星・銀の星』(MBS)
- 『ごろんぼ波止場』(ABC・一社提供)
- 『今週の花嫁花婿』(ABC・一社提供)
- 『全国対抗歌合戦』(ABC・一社提供)
- 『白頭巾参上』(ABC・一社提供)
- 『3・3が9イズ』(ABC・一社提供)
- 『8時だョ!全員集合』(TBS)
- 『女はつらいよ』(TBS・一社提供)
- 『ドン!アタック』(TBS・一社提供)
- 『スター総登場!』(TBS・一社提供)
- 『カアちゃんがんばれ』(よみうりテレビ・一社提供)
- 『おはこ寄席』(よみうりテレビ・一社提供)
- 『巨泉まとめて百万円』(よみうりテレビ・一社提供)
- 『巨泉のチャレンジクイズ』(よみうりテレビ)
- 『ああ結婚』(よみうりテレビ)
- 『びっくり日本新記録』(よみうりテレビ)
- 『THE・恋ピューター』(よみうりテレビ)
- 『ザッツ!好奇心』(よみうりテレビ)
- 『どっちDOTCH!』(よみうりテレビ)
- 『欽ちゃんの週刊欽曜日』(TBS)
- 『TBS金曜9時枠の連続ドラマ』(TBS)
- 『EXE』(TBS)
- 『火曜劇場』(日本テレビ)
- 『誇りの報酬』(日本テレビ)
- 『あぶない刑事』(日本テレビ)
- 『ワールドクイズ ザ・びっくり地球人!』(日本テレビ)
- 『巨泉のこんなモノいらない!?』(日本テレビ)
- 『知ってるつもり?!』(日本テレビ・筆頭提供)
- 『不可思議探偵団』(日本テレビ)
- 『三丁目のポスト』(テレビ大阪)
- 『ザ・プロ野球燃えよドラゴンズ!』(3時間サービス放送のみ、CBC)
- 『ビタミンTV』(HBC)
- 『Hana*テレビ』(HBC)
など
ラジオ
その他
- Jリーグユース選手権大会(2005年度 「Jユース・サハラカップ」として開催=サハラは携帯魔法瓶ブランド名)
裁判
労使関係を巡る裁判
派遣社員として約5年間勤務していた女性が大阪労働局へ労使関係のことで相談、同局側が1年以上派遣社員として勤務を続けた場合正社員として正規雇用の義務がある旨タイガー魔法瓶側に是正指導したところ女性は指導が行なわれた1週間後に契約解除を言い渡された。2007年2月26日、同社を相手取り正規雇用の義務の不履行・「偽装請負」を理由として大阪地裁に提訴[1][2]。原告の主張によれば職員証もロッカーの鍵も手元にあり、直属の社員と派遣会社が入場を拒否している状態だという[3]。
商標を巡る紛争
タイガー魔法瓶は登録商標「TIGERS」を保有していたが、2003年に阪神タイガースが特許庁にこの商標登録の無効を申し立て、認められた。これに対してタイガー魔法瓶は特許庁の判断の取消を求める訴えを東京高等裁判所に起こしたがタイガー魔法瓶は「TIGER」、阪神タイガースは「TIGERS」を使用することで和解が成立した。
著名な出身人物
- 山野直子 - ガールズバンド「少年ナイフ」ギター・ボーカル
- 中谷美智枝 - ガールズバンド「少年ナイフ」元ベース・ボーカル
参考資料
- タイガー魔法瓶70年のあゆみ(1993年発行、非売品、所蔵している公共図書館あり)
- 「こども伝記まんが 『アイディアに生きる』―6人の社長の創業物語」(久保田千太郎・今道英治著、小学館、1990年発行。小学校中・高学年向け)
- 学年誌に連載された作品をまとめたもの。菊池武範以外には安藤百福(日清食品)、江崎利一(江崎グリコ)、早川徳次(シャープ)、松下幸之助(パナソニック)、佐藤安太(タカラトミー)、御木本幸吉(ミキモト)、小林一三(阪急電鉄)、本田宗一郎(ホンダ)、田宮義雄(タミヤ)、伊藤雅俊(イトーヨーカドー)、水野利八(ミズノ)が掲載。
脚注
- ↑ 「偽装請負」訴え契約解除、元派遣社員がタイガー魔法瓶提訴 日本経済新聞社
- ↑ 「偽装請負で精神的苦痛」 タイガー魔法瓶を女性が提訴 asahi.com
- ↑ ハケンのたたかい タイガー魔法瓶を相手に裁判 この仕事が好きやからポイ捨ては許せない!しんぶん赤旗
関連項目
- 象印マホービン(ライバルで東証2部上場企業)
- 三瓶町(創業者の出身地)
- 米・食味分析鑑定コンクール:国際大会(出品された新米の審査用に当社の炊飯器が使用される)
- 阪神タイガース - 大阪府に本拠地を置き、マスコットキャラクターにトラを起用する共通点のあるプロ野球チームで、甲子園球場に広告を出したり、コラボグッズを発売するなど、関わりが深い。