総務省

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テンプレート:行政官庁 総務省(そうむしょう、英訳名: Ministry of Internal Affairs and Communications, MIC)は、日本の行政機関の一つ。

総務省は、行政の基本的な制度の管理及び運営を通じた行政の総合的かつ効率的な実施の確保、地方自治の本旨の実現及び民主政治の基盤の確立、自立的な地域社会の形成、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡協調、情報の電磁的方式による適正かつ円滑な流通の確保及び増進、電波の公平かつ能率的な利用の確保及び増進、郵政事業の適正かつ確実な実施の確保、公害に係る紛争の迅速かつ適正な解決、鉱業、採石業又は砂利採取業と一般公益又は各種の産業との調整並びに消防を通じた国民の生命、身体及び財産の保護を図り、並びに他の行政機関の所掌に属しない行政事務及び法律で総務省に属させられた行政事務を遂行することを任務とする(総務省設置法第3条)。

概要

総務省設置法3条の任務(上記)を達成するため、行政組織、公務員制度、地方行財政、選挙、消防防災、情報通信、郵政事業、統計など、国家の基本的仕組みに関わる諸制度、国民の経済・社会活動を支える基本的システムを所管する。2001年(平成13年)の中央省庁再編により、総務庁郵政省自治省を統合して設置された。総務省という名称は戦後、名称変更を迫られた内務省で考案された名称でもある。

英訳表記は、当初「Ministry of Public Management, Home Affairs, Posts and Telecommunications」(公共管理・自治(または内務)・郵政(または郵便・遠隔通信)省)であったが、2004年(平成16年)9月から現行の「Ministry of Internal Affairs and Communications」(MIC)(内務・通信省)に変更された。理由は、「長すぎて分かりにくい」との意見があったことや、一つの組織としての一体性を醸成していく必要があったためとされる。また、2005年(平成17年)4月1日から、省の理念のアピール及び職員の一体感を醸成していくことを目的として、シンボルマークを制定するとともに、「実はここにも総務省」というキャッチフレーズを策定した。

国家行政組織法別表第1では、総務省が各省の筆頭に掲げられており、閣僚名簿においても原則として総務大臣内閣総理大臣の次に列せられる。

広報誌として『総務省』を月刊で発行している[1]

沿革

[2][3]

所掌事務

上記の総務省設置法3条に示された任務を達成するため、同法4条は計99号の所掌事務を規定している。具体的には以下などに関することがある[4]テンプレート:Col-begin テンプレート:Col-2

  • 恩給(6・7号)
  • 行政制度一般に関する基本的事項の企画及び立案(9号)
  • 行政機関の機構、定員及び運営に関する企画及び立案並びに調整(10号)
  • 各行政機関の機構の新設、改正及び廃止並びに定員の設置、増減及び廃止に関する審査(11号)
  • 行政機関が共用する情報システムの整備及び管理(12号)
  • 独立行政法人国立大学法人大学共同利用機関法人及び日本司法支援センターに関する共通的な制度(13号)
  • 独立行政法人等の新設、改廃に関する審査(14号)
  • 特殊法人及び特別民間法人等の新設、改廃に関する審査(15号)
  • 政策評価に関する基本的事項並びに各府省の事務の総括(16号)
  • 各府省の政策についての統一的若しくは総合的な評価(17号)
  • 行政機関、独立行政法人、特種法人等の業務の実施状況の評価及び監視(行政評価)(18~21号)
  • 行政相談委員(22号)
  • 地方自治及び民主政治の普及徹底(23号)
  • 国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡調整(24号)
  • 地方公共団体の求めに応じて当該地方公共団体の行政及び財政に関する総合的な調査を行うこと(25号)
  • 地方自治に係る政策で地域の振興に関するもの(26号)
  • 豪雪地帯の雪害の防除及び振興(27号)
  • 公有地の拡大の推進に関する法律の規定による土地開発公社及び土地の先買いに関する事務(28号)
  • 地方自治に影響を及ぼす国の施策に関し、必要な意見を関係行政機関の長に述べること(29号)
  • 地方公共団体の組織及び運営の合理化について必要な助言・協力を行うこと(30号)
  • 地方自治の調査及び研究(31号)
  • 地方公共団体の組織及び運営に関する制度(32号)
  • 市町村の合併、広域行政その他地方公共団体の機能の充実に関する政策(33号)
  • 住民基本台帳(34号)
  • 住居表示(35号)
  • 行政書士(36号)
  • 地方公務員制度(37号)
  • 地方公共団体の人事行政(38号)
  • 地方公務員の共済制度及び災害補償制度(39号)
  • 公職選挙法に基づく選挙制度(40号)
  • 各種選挙、国民審査及び投票制度、施行の準備、普及及び宣伝(41~43号)
  • 政党その他の政治団体、政治資金及び政党助成(44号)
  • 地方交付税(49号)

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  • 地方債(50号)
  • 当せん金付証票(52号)
  • 地方競馬自転車競走及びモーターボート競走を行うことができる市町村の指定(53号)
  • 地方公共団体の経営する企業(54号)
  • 地方財政(45~57号)
  • 地方税(60号)
  • 地方揮発油譲与税石油ガス譲与税自動車重量譲与税特別とん譲与税及び航空機燃料譲与税(61号)
  • 国有資産等所在市町村交付金、国有資産等所在都道府県交付金及び国有提供施設等所在市町村助成交付金(62号)
  • 情報の電磁的流通の規律及び振興(63~65号)
  • 電気通信業及び放送業(66号)
  • 日本放送協会(67号)
  • 非常事態における重要通信の確保(68号)
  • 周波数の割当て及び電波の監督管理(69号)
  • 電波の監視及び電波の質の是正並びに不法に開設された無線局及び不法に設置された高周波利用設備の探査(70号)
  • 電波が無線設備その他のものに及ぼす影響による被害の防止又は軽減(71号)
  • 電波の利用の促進(72号)
  • 周波数標準値の設定、標準電波の発射及び標準時の通報(73号)
  • 有線電気通信設備及び無線設備に関する技術上の規格(74号)
  • 情報の電磁的流通及び電波の利用に関する技術の研究開発(75・77号)
  • 情報通信の高度化に関する事務のうち情報の電磁的流通に係るもの(76号)
  • 情報の電磁的流通及び電波の利用に関する国際的取決めを協議し、及び締結すること並びに国際電気通信連合等と連絡すること(78号)
  • 郵政事業(79号~79号の3)
  • 郵便に関する国際的取決めを協議し、及び締結すること並びに万国郵便連合等と連絡すること(80号)
  • 公的統計(81~86号)
  • 公益信託の監督(87号)
  • 引揚者等に対する特別交付金(89号)
  • 平和条約国籍離脱者等で戦没者遺族等に対する弔慰金等(89の2号)
  • 日本赤十字社救護看護婦及び旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労(90号)
  • 一般戦災死没者に対して追悼の意を表す事務(91号)
  • 静穏を保持することが必要である政党事務所周辺地域の指定(92号)
  • 地方公務員に対する地方自治に関する高度の研修(96号イ)
  • 公務員に対する統計に関する研修(96号ロ)
  • 公害等調整委員会の事務(97号)
  • 消防(98号)

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組織

総務省の内部組織は一般的に、法律の総務省設置法、政令の総務省組織令および省令の総務省組織規則が重層的に規定している。

幹部

内部部局

  • 大臣官房(政令第2条) - 秘書課(政令第20条)、総務課、会計課、企画課、政策評価広報課
  • 行政管理局 - 企画調整課(政令第36条)、行政情報システム企画課
行政組織・定員の管理、独立行政法人・特殊法人の新設・改廃の審査、個人情報保護・情報公開の推進などの業務を行う。
政策評価、行政評価・監視、独立行政法人評価、行政相談等を担当。各都道府県に出先機関(管区行政評価局、行政評価事務所など)を持つ。
  • 自治行政局 - 行政課(政令第45条)、市町村課、合併推進課、地域政策課、地域自立応援課、公務員部(政令第2条第2項)、選挙部
    • 公務員部 - 公務員課(政令第45条第2項)、福利課
    • 選挙部 - 選挙課(政令第45条第3項)、管理課、政治資金課
地方自治制度、地方公務員制度、選挙制度を所掌。
  • 自治財政局 - 財政課(政令第55条)、調整課、交付税課、地方債課、公営企業課、財務調査課
地方交付税制度・地方債制度など、地方自治体の財源の保障・調整を担当する。
  • 自治税務局 - 企画課(政令第62条)、都道府県税課、市町村税課、固定資産税課
地方税制の企画・立案を担当。
  • 情報通信国際戦略局 - 情報通信政策課(政令第67条)、技術政策課、通信規格課、宇宙通信政策課、国際政策課、国際経済課、国際協力課
情報通信政策局総合通信基盤局国際部を再編。情報通信政策における国際戦略及び企画立案などを所掌。
  • 情報流通行政局 - 総務課(政令第76条)、情報流通振興課、情報通信作品振興課、情報通信利用促進課、地域通信振興課、放送政策課、放送技術課、地上放送課、衛星放送課、地域放送課、郵政行政部(政令第2条第2項)
    • 郵政行政部 - 企画課(第76条第2項)、郵便課、貯金保険課、信書便事業課
情報通信政策局郵政行政局を再編。情報(コンテンツ)の流通や利用及び放送行政に関する企画立案及び実施などを所掌。郵政行政部は日本郵政グループの業務及び組織の適正な運営の確保並びに信書便事業などを所掌。
  • 総合通信基盤局 - 総務課(政令第91条)、電気通信事業部(政令第2条第2項)、電波部
    • 電気通信事業部 - 事業政策課(政令第91条第2項)、料金サービス課、データ通信課、電気通信技術システム課、高度通信網振興課、消費者行政課
    • 電波部 - 電波政策課(政令第91条第3項)、基幹通信課、移動通信課、衛星移動通信課、電波環境課
  • 統計局 - 総務課(政令第110条)、統計情報システム課、統計調査部(政令第2条第2項)
    • 統計調査部 - 調査企画課(政令第110条第2項)、国勢統計課、経済統計課、経済基本構造統計課、消費統計課

審議会等

前身は年金業務・社会保険庁監視等委員会。
各管区行政評価局、沖縄行政評価事務所、四国行政評価支局、各行政評価事務所、各行政評価分室に一つずつ設置

施設等機関

特別の機関

日本学術会議2005年4月1日、内閣府に移管した。

地方支分部局

総務省の地方支分部局には以下の4区分がある。

管区行政評価局

総務省設置法第24条に基づき設置された地方支分部局の区分である。前身は管区行政監察局国の行政機関の政策評価、業務実施状況の評価及び監視、独立行政法人、地方公共団体の法定受託事務の実施状況の調査、各行政機関・地方公共団体の業務に関する苦情の申出についてのあっせん、行政相談委員、地方自治及び民主政治の普及徹底、国と地方公共団体及び地方公共団体相互間の連絡調整など、総務省設置法第4条に列記された所掌事務のうち、第16号から第22号までに掲げる事務を当該管区において所掌する。

総合通信局

外局

公正取引委員会2003年(平成15年)4月9日内閣府の外局へ移行した。

所管法人

総務省が主管する独立行政法人は2012年4月1日現在、情報通信研究機構統計センター平和祈念事業特別基金郵便貯金・簡易生命保険管理機構の4法人である[5]。統計センターは特定独立行政法人であり、職員は国家公務員の一般職の身分を有する。

主管する特殊法人は2012年10月1日現在、日本電信電話株式会社東日本電信電話株式会社西日本電信電話株式会社日本放送協会日本郵政株式会社日本郵便株式会社の6法人である[6]。また文部科学省が主務省の放送大学学園も共管している。

特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)には2012年4月1日現在、日本消防検定協会危険物保安技術協会消防団員等公務災害補償等共済基金および日本行政書士会連合会の4法人がある[7]。また、地方公共団体が主体となって業務運営を行う法人(地方共同法人)として地方公務員災害補償基金および地方公共団体金融機構を所管する。共済組合には、地方公務員共済組合連合会全国市町村職員共済組合連合会地方職員共済組合東京都職員共済組合、札幌市職員共済組合、横浜市職員共済組合、川崎市職員共済組合、名古屋市職員共済組合、京都市職員共済組合、大阪市職員共済組合、神戸市職員共済組合、広島市職員共済組合、北九州市職員共済組合、福岡市職員共済組合、都道府県議会議員共済会、市議会議員共済会および町村議会議員共済会の17法人がある。

総務省所管の財団法人に関しては「Category:財団法人_(総務省所管)」を、社団法人に関して「Category:社団法人_(総務省所管)」を参照。

財政

2012年度(平成24年度)一般会計当初予算における総務省所管予算は17兆4526億600万円である[8]。組織別の内訳は総務本省が17兆4122億4900万円と全体の約99.8%を占め、以下、管区行政評価局が148億6700万円、総合通信局が125億7000万円、公害等調整委員会が5億2600万円、消防庁が123億9400万円と続く。本省予算のうち地方交付税交付金が16兆4665億4400万円と大半を占める。

また、一般会計とはべつに、交付税及び譲与税配付金特別会計を主管する(内閣府・財務省と共管)。

職員

一般職の在職者数は2011年1月15日現在、総務省全体で5367人(うち、女性916人)である[9]。本省(外局以外の部分)および外局別の人数は本省が5175人(898人)、公害等調整委員会35人(3人)、消防庁157人となっている。

行政機関職員定員令に定められた総務省の定員は特別職1人を含めて5280人である[10]。本省及び各外局別の定員は省令の総務省定員規則に定められており、本省5079人、消防庁166人、合計5245人となっている[11]

総務省の一般職職員は非現業の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として、国公法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国公法第108条の2第3項)。

2011年3月31日現在、人事院に登録された職員団体の数は単一体4、支部30の計34団体となっている[12]。組合員数は1683人で組織率は39.7%である。現存する主な労働組合は総務省人事・恩給局職員組合、全行管職員組合(全行管)、全自治職員組合、全情報通信労働組合(全通信)および統計職員労働組合(統計職組)である。人事・恩給局および統計局が旧総理府の系譜を引くことから、人事・恩給局職組と統計職組は内閣府の旧総理府関係組合とともに連合体である総理府労連を形成している。総理府労連、全行管および全通信は国公労連全労連系)に加盟している。

歴代事務次官

氏名 出身 在任期間 前職 退任後の役職
1 嶋津昭 自治省 2001年(平成13年)1月6日
- 2002年(平成14年)1月8日
自治省財政局長 全国知事会事務総長
地域総合整備財団理事長
2 金澤薫 郵政省 2002年(平成14年)1月8日
- 2003年(平成15年)1月17日
総務審議官 日本電信電話副社長
3 西村正紀 行政管理庁 2003年(平成15年)1月17日
- 2004年(平成16年)1月6日
総務審議官 会計検査院
4 香山充弘 自治省 2004年(平成16年)1月6日
- 2005年(平成17年)8月15日
総務審議官 学校法人自治医科大学理事長
5 林省吾 自治省 2005年(平成17年)8月15日
- 2006年(平成18年)7月21日
消防庁長官 財団法人地域創造理事長
6 松田隆利 行政管理庁 2006年(平成18年)7月21日
- 2007年(平成19年)7月6日
行政改革推進本部事務局長 国家公務員制度改革推進本部事務局次長
7 瀧野欣彌 自治省 2007年(平成19年)7月6日
- 2009年(平成21年)7月14日
総務審議官 内閣官房副長官(事務)
8 鈴木康雄 郵政省 2009年(平成21年)7月14日
- 2010年(平成22年)1月15日
総務審議官 総務省顧問、日本郵政副社長
9 岡本保 自治省 2010年(平成22年)1月15日
- 2012年(平成24年)9月11日
総務審議官
10 小笠原倫明 郵政省 2012年(平成24年)9月11日
- 2013年(平成25年)6月28日
総務審議官
11 岡崎浩巳 自治省 2013年(平成25年)6月28日
- 2014年(平成26年)7月22日
消防庁長官
12 大石利雄 自治省 2014年(平成26年)7月22日- 消防庁長官

脚注

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関連項目

外部リンク

テンプレート:中央省庁 テンプレート:総務省 テンプレート:通信と放送に関する制度

テンプレート:日本のサイバー犯罪対策
  1. 総務省広報誌
  2. 官制沿革表、国立国会図書館。
  3. 省庁組織変遷図、国立公文書館。
  4. 総務省設置法 (平成十一年七月十六日法律第九十一号)」(最終改正:平成二四年六月二七日法律第四〇号)
  5. 独立行政法人一覧(平成24年4月1日現在)」 総務省。
  6. 所管府省別特殊法人一覧(平成24年10月1日現在)
  7. 特別の法律により設立される民間法人一覧(平成24年4月1日現在:38法人)」 総務省
  8. 単位:100万円。2012年度(平成24年度)当初予算 - 一般会計(内閣 「平成24年度予算書関連」 財務省)。
  9. 人事院 「参考資料;6 - 一般職国家公務員府省別在職者数」『公務員白書-平成24年版』 日経印刷、2011年6月、p.244。2011年1月15日現在。
  10. 行政機関職員定員令(昭和四十四年五月十六日政令第百二十一号)」(最終改正:平成二四年四月六日政令第一二〇号)
  11. 総務省定員規則(平成十三年一月六日総務省令第四号)」(最終改正:平成二四年四月六日総務省令第三七号)
  12. 人事院 「第1編第3部第6章:職員団体 - 資料6-2;職員団体の登録状況」『公務員白書-平成24年版』 日経印刷、2011年6月、p.185。2012年3月31日現在。