投票

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:WikipediaPage

テンプレート:選挙

ファイル:Election MG 3455.JPG
投票は民主主義において多用される方法である(フランス

投票(とうひょう)とは、ある集団での各成員(選挙会議学級会の参加者など)の意思表示を行うための方法の一つである。集団内の意思が統一されない場合、多数決によって物事を決定することが多い。そのようなときに行う。あるいは意思の分布を調べるために行う。

挙手によって行う方法、紙に書いてそれを投じる方法、投票券を用いる方法などがある。

投票の方法

ほとんどの民主主義の体制で、共通した投票手順による民意が認められる。

  • 個人の登録と選挙資格の取得をする。
  • 投票期間(期日前投票制度投票時間平日投票など)を設定する。
  • 既定の投票場所で有権者の登録をする。
  • 候補、争点、選択肢が書かれた投票用紙を配布する(記号式投票の場合。自書式投票の方法も含まれる。)。
  • 好みの選択をする(しばしば無記名式投票において達成される)。
  • 公平さを保つよう、厳重な票の集計をする。
  • その政府の民意として、投票者の意思を公表する。

投票と選挙

民主主義において、投票は一般に選挙のことを意味している。選挙とは有権者がその職にふさわしい人物を候補の中から選ぶことである。政治において投票は、民主主義による有権者がその政府の代表者を任命することである。

票とは、個人の投票行動のことであり、特定の動議、特定の候補、または特定の候補者の選抜に対する支持や選好が表明される。無記名投票は、秘密投票の原則を守る標準的な方法であり、たいてい投票所で行われる。(記名投票である不在者投票制度と比較のこと。)投票行動は多くの国で任意であるが、オーストラリアベルギーブラジルなどでは、義務投票制が採用されている。これらの国では投票率が非常に高くなる。

票の類型

異なる投票方式では、票の種類が異なる。ある選挙で、昭宏、和夫、太郎、瑞穂、一郎の選択肢があるとする。

単票 (single vote)・単記投票
投票者は5人のうち最もよいと思う1人を選べる。単純小選挙区制は単票を使っている。だから、ある投票者は太郎に投票するかもしれない。この投票者はほかの候補者に投票することはできない。
決選投票
単票制が改良されたもので、勝者は50%プラス1票(絶対多数と呼ばれる)を獲得しなければならない。もし次点以降の候補の票が生かされなければならないのなら、最小得票の票もしくは他の候補への移譲を望む票が、その投票用紙から移され、結果的な単記投票になる。
無投票(without a vote)
選挙で候補者が1人で候補し何方も候補選挙管理委員会に受付届け)しないで選挙日(日本では公示告示)から投票日に1人でも候補があらわれなかったらその候補者が当選になる事。これは首長市長選補欠選挙など)選挙の場合。
複票 (multiple vote) ・連記投票
投票者はどの選択肢のどの組でも選ぶことができる。だから、ある投票者は昭宏、和夫、太郎に投票し、瑞穂と一郎を拒否するかもしれない。認定投票ではこのような複票を使う。
ランキング投票 (ranked vote) ・優先順位投票
投票者は選好順序に従って選択肢にランク付けをしなければならない。例えば、第1位は和夫に、その次に一郎、次に昭宏、次に瑞穂、そして最下位は太郎に投票するかもしれない。多くの投票方式でランキング投票が使われている。
採点投票 (scored vote) ・レイティング投票
投票者は各々の選択肢に一から十までの範囲で点数(上限と下限の数字は異なることがある)をつける。つまり、投票者は候補者に対して審査員のように採点を行う。範囲投票を参照のこと。
累積投票 (cumulative voting)
投票者は票の価値を複数の候補に分散させたり、1つの候補に集中させたりといった選び方ができる。例えば、ある投票者は和夫に票の価値の60%を投票し、一郎に票の価値の40%を投票するかもしれない。
取締役の選任(会社法第342条
ドメイン投票 (demeny voting)
未成年者の親権を持つ投票者は、扶養する未成年者の数だけ投票できる。成人すれば親権者の投票権はその分失われることになる。出生率を上昇させる1つの方法として期待されている。
インターネット投票(Internet voting)
インターネット候補者クリックで押して決める投票のこと。
日本では民間にでの各種アンケート調査で実現されているが、国政選挙など[1]ではセキュリティやなりすましなどの課題から一度も行われておらず、今後も(以下の電子投票と同様に)永久に行われることはない。
インターネット投票による選挙が実用化されたのは、2008年アメリカ合衆国大統領選挙における一部の州の選挙人の投票である。
電子投票(electronic voting)
票を入れる行為を電子化した投票(方式)のこと、 あるいはそのような投票を行うことをいう。投票所における投票で電子機器を用いて行う投票のほか、インターネットなどのネットワークを介しての投票などが含まれる。
詳しくは、電子投票を参照のこと。

関連項目

関連書

  • 『選挙のパラドクス』なぜあの人が選ばれるのか? ウィリアム・パウンドストーン 篠儀直子訳 青土社 2008年(平成20年) ISBN 978-4-7917-6415-0

脚注

  1. テンプレート:要出典範囲

外部リンク