日本の選挙
テンプレート:Ambox テンプレート:Sidebar with heading backgrounds 日本の選挙(にっぽんのせんきょ)では、日本における選挙制度について述べる。
歴史
前史(「入札」時代)
- 731年(天平3年) 役人たちの投票によって参議を任命した。
- 中世以後、惣村などの発達に伴って「入札」(いれふだ)と呼ばれる投票によって村の代表が選出されるケースが現れる。江戸時代には庄屋などの村役人・町役人の選出において、広く行われて領主権力からも黙認された。
- 1868年(明治元年) 榎本武揚の蝦夷共和国において、政権参加者が入札によって政権幹部を選出した。
近代・選挙制度
- 1878年(明治11年) 府県会規則が布告され、制限選挙ながら初の地方議会選挙を実施
- 1889年(明治22年) 満25歳以上の男性で直接国税15円以上を納めている者に選挙権付与(制限選挙)
- 1900年(明治33年) 納税条件が10円以上に引下げ
- 1919年(大正8年) 納税条件が3円以上に引下げ
- 1925年(大正14年) 納税条件撤廃。満25歳以上の男性全員(総人口の20.12%)に選挙権付与(狭義の普通選挙・男子普通選挙)
- 1945年(昭和20年) 満20歳以上の男女に選挙権付与(広義の普通選挙・完全普通選挙)
- 1946年(昭和21年) 衆議院議員総選挙で大選挙区制限連記制が採用(4月、この1回のみ)
- 1947年(昭和22年) 地方長官、市町村長の公選制の導入(日本国憲法施行に伴い地方長官は都道府県知事に移行)、日本国憲法の施行、衆議院議員総選挙で中選挙区制の復活、初の参議院議員通常選挙(全国区、地方区で選出)
- 1950年(昭和25年) 公職選挙法の公布、施行
- 1952年(昭和27年) 特別区の区長の公選制の廃止、選任制の導入
- 1974年(昭和49年)特別区長の公選制の復活(1975年から適用)
- 1982年(昭和57年) 参議院議員通常選挙の全国区制を拘束名簿式比例代表制へ変更(1983年の参議院議員通常選挙から適用)
- 1994年(平成6年) 衆議院議員総選挙の中選挙区制を小選挙区比例代表並立制へ変更(1996年の衆議院議員総選挙から適用)
- 2000年(平成12年) 国政選挙に在外選挙の導入、参議院議員通常選挙の拘束名簿式比例代表制を非拘束名簿式比例代表制へ変更(2001年の参議院議員通常選挙から適用)
- 2003年(平成15年) 選挙期間中のマニフェストの配布を緩和する。
選挙権
満20歳以上(投票日の翌日が20歳の誕生日の場合まで含む)の日本国民に与えられる。地方選挙に関しては、3か月以上当該選挙区内に住んでいることが必要とされる。ただし、満20歳以上であっても、犯罪を行った場合等で選挙権が停止されることもある(公民権の停止)。
なお、日本国籍を持たない人にも選挙権を与えるべきとの主張があるが、日本国籍者以外への選挙権付与は、日本国憲法第15条に定める「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」の項目に違反するとの指摘もある。
また、日本国憲法の改正手続に関する法律附則において、選挙権年齢を18歳以上となるよう法制上の措置を講ずることが盛り込まれた。
被選挙権
参議院議員や都道府県知事の場合は満30歳以上の日本国民に与えられ、衆議院議員や市町村長の場合は満25歳以上の日本国民に与えられる。地方議会議員の場合は、満25歳以上かつ、その選挙についての選挙権を有する日本国民に与えられる。選挙権と同様、犯罪を行った場合等で被選挙権が停止されることもあり、また候補者の関係者が選挙違反を行った場合、候補者が選挙違反に直接関与していなくても当選無効、当該選挙区から5年間立候補が禁止されることがある。
選挙の運動期間
日本においては、選挙の際に活動できる期間が規定され、この期間に候補者と政党は制限付きの選挙活動を行うことができる。期間は公職選挙法が規定するが、選挙の種類により期間は異なっている。運動期間は選挙告示日(公示日)から始まるテンプレート:要出典。
- 国会議員の選挙については参議院議員が17日間、衆議院議員は12日間
- 都道府県知事の選挙は17日間
- 政令指定都市の市長選挙は14日間
- 都道府県および政令指定都市の議会議員選挙は9日間
- 政令指定都市以外の市および東京都特別区の首長および議会議員選挙は7日間
- 町および村の首長および議会議員選挙は5日間
通常、投票日前日の選挙の街頭運動時間は20時(日本時間)までとなる。日本以外の国ではこのような特別な活動期間は設定されておらず、また戸別訪問の禁止や文書等の配布の制限なども日本は著しく厳しいテンプレート:要出典。通常投票日は日曜日に設定されている。ただし、一部離島の地域では日曜日に悪天候で投票箱の輸送ができなくなるのを避けるため通常投票日の3日前~前日に繰り上げ投票が行われる。
備考
- 総選挙
- 通常、衆議院議員の任期満了または衆議院解散による選挙をいう(公職選挙法第31条)。
- なお、日本国憲法第7条第4号に「国会議員の総選挙」という記述があるが、ここでいう「総選挙」には参議院議員通常選挙を含む(憲法草案では一院制を想定していたため「国会議員の総選挙」としており、両院制への改正案が出た後も「国会議員の総選挙」という記述はそのままだったためとされる)。
- 通常選挙
- 参議院議員の任期満了に伴う選挙をいう(公職選挙法第32条)。
- 一般選挙
- 地方議会議員の任期満了、解散および地方公共団体の設置による選挙をいう(公職選挙法第33条)。
- 最下位当選者の票数が同数の場合
- 最下位の当選において得票数を得た同数得票者が2人以上いた場合(定数が1人の場合は最高得票者が同数得票数の場合)、くじで当選人を決定する。1946年以前の選挙では、年長者を当選人としていた。
- 国政選挙に係る地方自治体の費用
- 国政選挙に係る地方公共団体の費用は国庫から支出され、「国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律施行令」に基づく「選挙執行委託費」などという[1]。一例として第21回参議院議員通常選挙の予算額は526億円[2]。2009年11月17日には総務省の選挙関連経費として開票作業費等、啓発推進経費、明るい選挙推進費のそれぞれの費用が事業仕分けされた[3]。
脚注
- ↑ 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律施行令
- ↑ 選挙執行委託費(財務省)(PDFファイル)
- ↑ 2009年11月17日、第1会場評価結果・議事概要選挙関連経費(総務省)
関連項目
- 選挙
- 投票
- 公職選挙法
- 選挙管理委員会
- 衆議院議員総選挙
- 参議院議員通常選挙
- 補欠選挙
- 再選挙
- 設置選挙
- 増員選挙
- 衆参同日選挙
- ボートマッチ
- 衆議院解散
- 統一地方選挙
- 最高裁判所裁判官国民審査
- 期日前投票制度
- 落下傘候補
- 1区現象
- 供託金
- 不在者投票制度
- 平日投票
- 在外選挙
- 一票の格差
- 無投票当選
- 無風選挙
- 弔い選挙
- みそぎ選挙
- 信任投票
- タレント政治家
- 泡沫候補
- 惜敗率
- 重複立候補制度
- 政見放送
- 選挙公報
- ミニ政党
- 日本における外国人参政権
- 投票済証明書
外部リンク
- 選挙制度改革(総務省)
- 都道府県選挙管理委員会連合会