日本学術会議
テンプレート:行政官庁 日本学術会議(にほんがくじゅつかいぎ、Science Council of Japan)は、日本の内閣府の特別の機関のひとつ。
目次
概要
日本の科学者の内外に対する代表機関であり、科学の向上発達を図り、行政、産業及び国民生活に科学を反映浸透させることを目的とする(日本学術会議法第2条)。
内閣総理大臣が所轄し、その経費は国の予算で負担されるが、活動は政府から独立して行われる(日本学術会議法第1条・第3条)。
優れた研究・業績がある科学者のうちから任命される、210人の会員と約2000人の連携会員により構成される。いずれも任期は6年で、3年毎に約半数が任命替えされる。会員は再任できない(補欠の会員は1回再任可能)が、連携会員は2回まで再任できる。会員は内閣総理大臣から任命され、連携会員は日本学術会議会長から任命される(日本学術会議法第7条・第15条・第17条、日本学術会議法施行令第1条、日本学術会議会則第12条)。
会員の任命から次の任命までの3年間が日本学術会議の活動の一単位となっており、会長・副会長の任期も同じ3年間(再任可)である。この3年間の活動単位が一期となっており、現在は第22期(平成23年10月~26年9月)。
沿革
- 1948年(昭和23年)7月10日 - 日本学術会議法公布
- 1949年(昭和24年)1月20日 - 内閣総理大臣の所轄の下、日本学術会議が設立(前身である学術研究会議は廃止され、日本学士院は日本学術会議の中に置かれる)
- 1949年(昭和24年)6月1日 - 総理府の設置に伴い、総理府の機関となる
- 1956年(昭和31年)4月1日 - 日本学士院が日本学術会議から独立(日本学士院のみ文部大臣の所轄に移る)
- 1984年(昭和59年)5月30日 - 会員選出方法を公選制から学会推薦制へ変更
- 2001年(平成13年)1月6日 - 中央省庁再編に伴い、総務大臣の所轄となり、総務省の特別の機関となる
- 2005年(平成17年)4月1日 - 再び内閣総理大臣の所轄となり、内閣府の特別の機関となる
- 2005年(平成17年)10月1日 - 会員選出方法を日本学術会議が自ら選考する方法へ変更し、7部制から3部制への改組、連携会員の新設などの組織改革を行う
目的及び使命
目的
本会議の設立目的は、日本を代表する科学技術機関として、研究者間の国際連携を行う主体となるほか、情報発信や情報収集を行ったり、科学者の意見などを政策に反映させることを目的とする。この目的の下で、学術会議と各団体との間で緊密な協力関係を持つために、「協力学術研究団体」を認定し、情報提供や後援などを実施している(平成17年から)。
使命
- 科学に関する重要事項を審議して、その実現を図ること。
- 科学に関する研究の連絡を図り、その能率化を実現すること。
役割
- 政策提言、科学に関する審議
- 科学者コミュニティーの連携
- 科学に関する国際交流
- 社会とのコミュニケーション
政策評価結果
行政機関が行う政策の評価に関する法律(政策評価法)に従い、日本学術会議の活動の事後評価は、日本学術会議事務局が自らおこなっている。
2008年(平成20年)度の事後評価[1]のなかで「専門的かつ信頼性のある見解の提示・助言等を通じた政府・関係機関との連携」は達成できたとしている。しかし、この評価の設定は「各期(3年間)の提言等の発出状況や委員会の例年の審議の状況を勘案して目標値を設定した」とのみ記述され、この事前・事後の具体的な数値は記載されていない。
2008年(平成20年)度の日本学術会議の「政府・社会等に対する提言等」には3億8100万円の予算があてられているが、2008年(平成20年)度に日本学術会議が出した提言等の本数は69本であり、1本あたり平均して552万円かかっている計算となる。この69本(勧告2、要望1、答申1、声明1、提言34、報告17、会長談話3、対外報告3、共同声明2)のうち日本学術会議が政府に対して実現を強く望む勧告・要望はわずか3本であり、全体の4%にすぎない。その大半があくまでも意思・意見を発表する提言・報告である。そして、総務省行政評価局が行った2008年(平成20年)度の政策評価に関する評価ではこの日本学術会議に関する記述はない[2]ことから、この事後評価の評価はおこなわれておらず、この妥当性は評価されていない。
組織
- 総会(原則として4月と10月の年2回開催。210名の会員で構成)
- 役員(会長と副会長3名)
- 幹事会(毎月開催。日本学術会議の運営について審議。会長、副会長、各部の部長、副部長、幹事で構成)
- 3つの部(人文・社会科学、生命科学、理学・工学)
- 4つの機能別委員会(選考、科学者、科学と社会、国際)
- 30の学術分野毎の委員会
- 臨時の課題毎の委員会
- 事務局
歴代会議
- 科学者82万人の代表として、連携会員約2000名、その中から210名が会員として選考され、総会を行う。
第20期会議会員
平成18年(2006年)10月1日発令 ~ 平成20年(2008年)9月30日まで。
- 会長(第20期)
- 金澤一郎(臨床医学)
- 副会長(第20期)
- 第一部(人文科学系)
- 人文科学系を中心に部長、副部長、幹事(2名)、会員(69名)、連携会員(674名)で構成されている
- 第二部(生命科学系)
- 生命科学系を中心に部長、副部長、幹事(2名)、会員(60名)、連携会員(698名)で構成されている
- 第三部(理学・工学系)
- 理学・工学系を中心に部長、副部長、幹事(2名)、会員(69名)連携会員(618名)で構成されている
第21期会議会員
平成20年(2008年)10月1日発令 ~ 平成22年(2010年)9月30日まで。
- 会長
- 金澤一郎(再任)
- 副会長
- 第一部
- 第二部
- 第三部
第22期会議会員
平成23年(2011年)10月1日発令 ~ (現在)
- 会長
- 大西隆(土木工学・建築学)
- 副会長
- 第一部
- 第二部
- 第三部
関連項目
脚注
テンプレート:脚注ヘルプ- ↑ 平成20年度内閣府本政策評価書(事後評価)要旨(日本学術会議事務局 2009/08)
- ↑ 平成20年度政策評価等の実施状況及びにこれらの結果の政策への反映状況に関する報告(内閣府)(総務省行政評価局 2008)