松島町
テンプレート:Infobox 宮城県の松島町(まつしままち)は、日本の東北地方の一角である宮城県の沿岸地域中部に所在する町。松島湾によって太平洋に面する地域で、日本三景の一つ「松島」の観光拠点として広く知られている。
目次
地理
自然
宮城県中部に位置し、奥羽山脈から太平洋にまで至る舌状台地である松島丘陵が海に没する松島湾に面してある。松島丘陵、および、松島湾の多島海によって成る景観は、風光明媚として古くから知られており、古代以来、歌枕として、そして近世中期以降、とりわけ近現代では観光地として旅行者を引き寄せている。
隣接する市町村
- cf. 宮城県の市町村全図 :≪外部リンク≫ テンプレート:Cite web
歴史
縄文時代には、日本最大の貝塚である大木囲貝塚が造られた七ヶ浜一円と共に、松島一円は当時における“日本の中心地”の一つであった。 テンプレート:See also
- 伝・大同2年(807年) :征夷大将軍・坂上田村麻呂が奥州遠征(蝦夷征討)の際、毘沙門堂(現在の五大堂の前身)を建立。
- 伝・天長5年(828年) :延福寺(瑞巌寺の前身)、創建。[注 1][2]
- 9世紀 :源重之が「松島や テンプレート:Anchor(をじま)の磯にあさりせし あまの袖こそ かくは濡れしか[注 2]」と和歌に詠む(後拾遺和歌集)。
- 12世紀半ば :女流歌人・殷富門院大輔が源重之の歌を本歌取りし、「見せばやな 雄島(をじま)の蜑(あま)の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変わらず[注 3]」と詠む(千載和歌集)。
- 17世紀初頭 :伊達政宗が太閤・豊臣秀吉から伏見桃山城にあった茶室を譲り受け、月見をするための観瀾亭(月見御殿)を建造。
- 慶長9年(1604年) :仙台藩藩祖・伊達政宗が五大堂を再建(現存)。
- 寛永20年(1643年) :儒学者・林春斎が『日本国事跡考』において、松島を天橋立・厳島と共に「三処奇観」と風景評価した。これが後世知られる「日本三景」の端緒とされる。
- 正保4年(1647年) :円通院、創建。
- 元禄2年5月9日(1689年6月25日) :俳人・松尾芭蕉が弟子・河合曾良と共に塩竈から船で松島海岸に到着。瑞巌寺など名所・旧蹟も拝観した。cf. おくのほそ道#松島。
- 元禄2年(1689年) :儒学者・貝原益軒が『己巳紀行』において、史上初めて「日本三景」に言及。なお、名勝「松島」に係る様々な評価については「松島#指定など」を参照のこと。
- 近代以降
- 1894年(明治23年)4月16日 :地域初(松島村初)の鉄道駅として日本鉄道 松島駅(現在のJR東北本線 松島駅の前身)が開業。
- 1922年(大正11年)12月3日 :来日中であったアルベルト・アインシュタインが、月見をするために松島を訪れる。
- 1927年(昭和2年)4月1日 :宮城電気鉄道の地域内(松島村内)4駅(現・JR仙石線4駅の前身)が開業。また、これに合わせてマリンピア松島水族館も開館。
- 1932年(昭和7年)12月26日 :日本鉄道 品井沼駅(現・JR東北本線 品井沼駅の前身)が開業。
- 1962年(昭和37年)7月1日 :日本鉄道 愛宕駅(現・JR東北本線 愛宕駅の前身)が開業。
- 1963年(昭和38年)12月16日:町章を制定する。[3]
- 1980年(昭和55年)9月4日 :フランス領ニューカレドニアのイル・デ・パン島と姉妹都市提携 (#)。
- 1984年(昭和59年)4月 :「みちのく伊達政宗歴史館」が開館。
- 1987年(昭和62年)春 :藤田喬平ガラス美術館が開館。
- 1987年(昭和62年)8月1日 :象潟町(秋田県、現・にかほ市)と“夫婦町”(姉妹都市)提携。
- 1988年(昭和63年)10月16日 :熊本県の松島町(現・上天草市)と“友好町”(姉妹都市)提携。
- 2002年(平成14年)10月14日 :鉄道の日、松島海岸駅が東北の駅百選に選定される。
- 2008年(平成20年)10月10日 :ベルギー王国の協力の下、松島オルゴール博物館がベルギーオルゲールミュージアムに生まれ変わり、開館する。
- 2011年(平成23年)3月11日 :東日本大震災により被災
行政区域の変遷(市町村制施行以後)
- テンプレート:Anchor1889年(明治22年)4月1日 :村制が施行され、松島村・高城本郷・桜渡戸村・磯崎村・初原村・根廻村・手樽村・幡谷村・竹谷村・北小泉村が合併。新生の松島村(まつしまむら)が誕生した。
- 1928年(昭和3年)1月1日:町制が施行され、松島村が松島町に変わる。
- 1992年(平成4年)6月1日:黒川郡大郷町と境界変更。
- 1995年(平成7年)9月11日:志田郡鹿島台町と境界変更。
行政
経済
産業
郵便局
- 松島郵便局
- 松島海岸郵便局
- 初原郵便局
- 品井沼駅前郵便局
姉妹都市・提携都市
- 日本国内
- テンプレート:Flagicon象潟町(秋田県、現・にかほ市) :1987年(昭和62年)8月1日、“夫婦町”(姉妹都市)提携。
- テンプレート:Flagicon熊本県の松島町(現・上天草市) :1988年(昭和63年)10月16日、“友好町”(姉妹都市)提携。
- 日本国外
地域
人口
健康
- 松島町温水プール 美遊
教育
- 高等学校
- 中学校
- 小学校
- ※松島町立松島第三小学校・第四小学校は、第二小学校に統廃合となった。
- 幼稚園
- 現在、小学校の再編成に伴い、幼稚園も統廃合となっている。
- 資料館
交通
- 鉄道
- 松島海岸駅にのみ駅長・助役が配置され、他の6駅を管轄している。松島海岸・松島の両駅が社員配置駅(直営駅)、高城町駅が業務委託駅(東北総合サービスへ委託)、品井沼駅が簡易委託駅(町の関連会社である品井沼ステーションサービスへ委託)、愛宕駅・手樽駅・陸前富山駅が無人駅である。
- バス
- 道路
- 港湾
津波に備え、歩道橋を待避所として使用するために、町内随所に歩道橋までの距離を表す標識がある。
名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事
- 名所
- 神社仏閣
- 博物館等
- マリンピア松島水族館
- 藤田喬平ガラス美術館
- みちのく伊達政宗歴史館 :1984年(昭和59年)4月開館。[注 4][注 5]
- 公園
- 松島公園
- 明治潜穴公園
- かつてあった施設
- 松島オルゴール博物館
- ベルギーオルゲールミュージアム:東日本大震災で被災し、展示物の被害は軽微であったものの、2011年(平成23年)4月18日に再興断念を発表。前身にあたる松島オルゴール博物館の開館以来、約20年の歴史に幕を閉じた。[4][5]
- 祭り
- イベント
- 日本三景松島園遊茶会(10月第1日曜日)
- 松島ハーフマラソン(体育の日の前日に行われることが多い)
- 松島芭蕉祭並びに全国俳句大会(11月第2日曜日)
出身著名人
東日本大震災
2011年(平成23年)3月11日、マグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生し、松島町は震度6弱(観測地点:松島町高城)を記録した[6][注 6]。さらにこの地震が引き起こした大津波は東北地方の太平洋沿岸部全域に未曾有の被害をもたらしたが、松島一帯は遠浅の多島海という松島湾の地勢が津波の威力を減衰させたと見られ、周辺地域との比較の上では軽微と言える被害に留まった[7][8]。ただし、あくまでも他地域の被害状況が激甚であるために言われているのであって、一件の災害として小さいわけではない。犠牲者を含む被災者、養殖施設・史跡・観光施設・船舶などの破壊・流失・浸水、自然地形の崩壊などといった被害が、島嶼部と沿岸部にあった[8][7][1][9]。 cf. 東日本大震災。
- 4月18日 :被害の大きかったベルギーオルゲールミュージアムが復旧再興を断念し、閉館を発表。
- 4月21日 :この時点で死者2人、行方不明者7人、避難者270人(東松島市からの避難者160人を含む)。
脚注
出典
関連項目
参考文献
- 新野一浩「瑞巌寺境内遺跡とその周辺」、テンプレート:Cite book
外部リンク
テンプレート:Navbox- ↑ 1.0 1.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 新野・TCK (2006)
- ↑ 図典 日本の市町村章 p37
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:Cite news
- ↑ 8.0 8.1 テンプレート:Cite news:被災状況全図。
- ↑ テンプレート:Cite news
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