山本周五郎賞
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山本周五郎賞(やまもとしゅうごろうしょう)は、日本の文学賞。
目次
概要
主に大衆文学・時代小説の分野で昭和期に活躍した山本周五郎にちなみ、すぐれた物語性を有する小説・文芸書に贈られる文学賞である。主催は新潮文芸振興会、後援は新潮社。
長年にわたり新潮社が開催した日本文学大賞の後継イベントとして、純文学を主とする三島由紀夫賞とともに1988年に創設された。略称は主に「山本賞」や「山周賞」(「山本賞」という名称の賞は他のジャンルにも存在しているので区別するため)と呼ばれている。
受賞は、選考委員の合議によって決定され、年1回5月に発表される。受賞者には正賞として記念品、副賞として100万円(2006年現在)が授与される。選考対象は、前年4月から当年3月までに発表された小説とされているが、実際はその期間に発行された単行本が対象になることが大半である。
第4期までは選考会の全記録を文章化して、結果発表の場である『小説新潮』に掲載するなど、直木賞との違いを明確に打ち出していた(第5期から選考委員一人ずつの選評に変わったが、それでも他の雑誌と違い一人3ページずつと長めに掲載されている)。
ちなみに、山本周五郎は、直木三十五賞において授賞決定後に辞退をした史上唯一の人物である(第17回『日本婦道記』にて)。
選考委員
- 第1期(第1回から第4回):井上ひさし、田辺聖子、野坂昭如、藤沢周平、山口瞳
- 第2期(第5回から第8回):井上ひさし、阿刀田高、逢坂剛、長部日出雄、山田太一
- 第3期(第9回から第12回):同上
- 第4期(第13回から第16回):北原亞以子、久世光彦、長部日出雄、花村萬月、山田詠美
- 第5期(第17回から第20回):浅田次郎、北村薫、小池真理子、重松清、篠田節子
- 第6期(第21回から第24回):同上
- 第7期(第25回から):石田衣良、角田光代、佐々木譲、白石一文、唯川恵
受賞作一覧
第1期(第1回から第4回)
第2期(第5回から第8回)
第3期(第9回から第12回)
第4期(第13回から第16回)
第5期(第17回から第20回)
第6期(第21回から第24回)
- 第21回(2008年)
- 受賞作:今野敏 『果断 隠蔽捜査2』、伊坂幸太郎 『ゴールデンスランバー』
- 候補作
- 海堂尊 『ブラックペアン1988』
- 北重人 『月芝居』
- 道尾秀介 『ラットマン』
- 第22回(2009年)
- 第23回(2010年)
- 第24回(2011年)
第7期(第25回から)
外部リンク
- 山本周五郎賞(新潮社)