宇月原晴明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
宇月原 晴明(うつきばら はるあき、1963年12月15日 - )は、日本の小説家。本名の永原孝道(ながはら たかみち)名義でも書評や評論などの活動をしている。
来歴・人物
早稲田大学在学中、『早稲田文学』に重松清らと一緒に携わる。卒業後は出版社に勤務。当初は『現代詩手帖』を中心に現代詩の作家・批評家として活動した。1999年、永原孝道名義で書いた「お伽ばなしの王様-青山二郎論のために」(『死の骨董』)で第6回三田文学新人賞を受賞。その後宇月原晴明名義で、織田信長が実は両性具有(ふたなり)だったという、奇抜な発想の『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』でデビュー、同作品で、第11回日本ファンタジーノベル大賞を受賞。そのあと2006年に、壇ノ浦の戦いで入水した安徳天皇を、その御霊を鎮めようとする若き詩人の王源実朝、そしてマルコ・ポーロの二人の視点から描いた幻想歴史小説『安徳天皇漂海記』で第19回山本周五郎賞を受賞する。
作品リスト
宇月原晴明名義
- 『信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』(新潮社、1999 のち新潮文庫)
- 『聚楽 太閤の錬金窟(グロッタ)』(新潮社 2002 のち新潮文庫)
- 『黎明に叛くもの』(中央公論新社 2003 のち中公文庫)
- 1 『平蜘蛛の妖し夢』(C★NOVELS、2004)
- 2 『堕天の明星』
- 3 『風林火山を誘え』
- 4 『本能寺の禍星』
- 『天王船』(中公文庫、2006 上記のノベルス版に収録された外伝を集めた文庫版)
- 『安徳天皇漂海記』(中央公論新社、2006)のち文庫
- 『廃帝綺譚』(中央公論新社、2007)のち文庫
- 『かがやく月の宮』新潮社、2013