島本理生
島本 理生(しまもと りお、女性、1983年5月18日 - )は、日本の小説家。
経歴
東京都板橋区生まれ。母は舞踏家・鍼灸師の長岡ゆり。高校時代に両親が離婚し、母子家庭で育つ。母子家庭の経験はのちに「リトル・バイ・リトル」に反映されている。
小学生のころから小説を書き始める。1998年、15歳のときに「ヨル」が『鳩よ!』掌編小説コンクール第2期10月号に当選、年間MVPを受賞する。
2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作となる。2003年「リトル・バイ・リトル」が芥川龍之介賞候補。同年、東京都立新宿山吹高等学校を卒業し、立教大学文学部に入学(2006年に中退)、『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。受賞時20歳で、同賞史上最年少の受賞となる。
2004年、「生まれる森」が第130回芥川龍之介賞候補となる。2005年『ナラタージュ』が第18回山本周五郎賞候補となる。同作品は「この恋愛小説がすごい! 2006年版」(宝島社)第1位、23万部を超えるベストセラーとなった。なおこの作品の執筆で半年間キーボードを叩き続けたため腱鞘炎になったという。2006年、3月12日放送の『王様のブランチ』で『ナラタージュ』特集が組まれ、初めてテレビに出演。同年、「大きな熊が来る前に、おやすみ。」が第135回芥川龍之介賞候補。同年末に佐藤友哉と結婚(その後離婚[1]するも、2010年末に再婚)。
2007年「Birthday」が第33回川端康成文学賞候補となる。2008年、雑誌『ViVi』(講談社刊)で2003年から2006年まで連載された自身初のエッセイ『CHICAライフ』が単行本化される。2011年『アンダスタンド・メイビー』で第145回直木三十五賞候補。
その他
シンガーソングライターの柳田久美子とは親交があり、柳田のミニアルバム『リトル・バイ・リトル』のタイトルは島本の小説に由来する。
作品リスト
単行本
- 『シルエット』(2001年、講談社) のち文庫
- 『リトル・バイ・リトル』(2003年、講談社) のち文庫
- 初出: 『群像』2002年11月号
- 『生まれる森』(2004年、講談社) のち文庫
- 初出: 『群像』2003年10月号
- 『ナラタージュ』(2005年、角川書店) のち文庫
- 初出: 書き下ろし
- 『一千一秒の日々』(2005年、マガジンハウス) のち角川文庫
- 『大きな熊が来る前に、おやすみ。』(2007年、新潮社) のち文庫
- 大きな熊が来る前に、おやすみ。(『新潮』2006年1月号、単行本収録にあたり大幅改稿)
- クロコダイルの午睡(『新潮』2006年9月号)
- 猫と君のとなり(書き下ろし)
- 『あなたの呼吸が止まるまで』(2007年、新潮社) のち文庫
- 初出: 『新潮』2007年3月号
- 『クローバー』(2007年、角川書店) のち文庫
- 初出: 『野性時代』2005年12月号、2006年5月号、7月号、9月号、11月号、2007年1月号、3月号、5月号
- 『波打ち際の蛍』(2008年、角川書店) のち文庫
- 初出: 『野性時代』2007年12月号 - 2008年4月号
- 『君が降る日』(2009年、幻冬舎) のち文庫
- 君が降る日(『papyrus』vol.4、vol.17、vol.19)
- 冬の動物園(『papyrus』vol.9)
- 野ばら(『papyrus』vol.14)
- 『真綿荘の住人たち』(2010年、文藝春秋)のち文庫
- 青少年のための手引き(『別册文藝春秋』第278号(2008年11月号))
- 清潔な視線(『別册文藝春秋』第279号(2009年1月号))
- シスター(『別册文藝春秋』第280号(2009年3月号))
- 海へ向かう魚たち(『別册文藝春秋』第281号、第282号(2009年5月号、7月号))
- 押し入れの傍観者(『別册文藝春秋』第283号(2009年9月号))
- 真綿荘の恋人(『別册文藝春秋』第284号(2009年11月号))
- 『あられもない祈り』(2010年、河出書房新社)のち文庫
- 初出: 『文藝』2010年春季号
- 『アンダスタンド・メイビー』(2010年、中央公論新社)のち文庫
- 初出: 書き下ろし
- 『よだかの片想い』 (2013年、集英社)
- 『週末は彼女たちのもの』 (2013年、幻冬舎)
単行本未収録作品
- 水の花火(『群像』2001年11月号)
- Inside(『小説推理』2004年7月号)
- 最後の教室(『野性時代』2004年3月号)
- アンソロジー『コイノカオリ』(2004年12月20日、角川書店、ISBN 9784048735773)に収録。
- 雪の夜に帰る(『野性時代』2004年12月号)
- アンソロジー『クリスマス・ストーリーズ』(2005年11月30日、角川書店、ISBN 9784048736671)に収録。
- 1/2の手紙(電子書籍配信サイトTimebook Town 2005年3月1日配本)
- 遠ざかる夜(書き下ろし)
- アンソロジー『私らしくあの場所へ』(2006年3月24日、講談社、ISBN 9784062133920)に収録。
- 初恋(『non-no』2006年5月号)
- Birthday(『群像』2006年10月号)
- ゆうなぎ(『小説宝石』2007年1月号)
- 瞳は君ゆえに(『SEVENTEEN』2007年6月30日号(No.16) - 7月14日号(No.17))
- ココア(『papyrus』vol.16)
- アンソロジー『スタートライン―始まりをめぐる19の物語』(2010年4月6日、幻冬舎、ISBN 9784344414532)に収録。
- さよなら、猫(書き下ろし)
- アンソロジー『こどものころにみた夢』(2008年6月9日、講談社、ISBN 9784062147651)に収録。
- 七緒のために(『群像』2010年1月号)
- 匿名者のためのスピカ(『Feel Love』vol.10より連載)
- 捨て子たちの午後(『STORY BOX』別冊)
- ときめき(『yom yom』vol.18)
- アンソロジー『最後の恋 プレミアム―つまり、自分史上最高の恋。―』(2011年12月1日、新潮社、ISBN 9784101201245)に収録。
- オクターヴを駆け抜けて(『野性時代』2011年1月号 - 5月号(第1部)、2012年7月号 - (第2部))
- きよしこの夜(『小説すばる』2011年8月号)
- アンソロジー『いつか、君へ Girls』(2012年6月26日、集英社、ISBN 9784087468441)に収録。
- たそがれ(『群像』2012年1月号)
脚注
- ↑ 『文藝』2010年春季号、p.19