江國香織
テンプレート:BLP unsourced テンプレート:Infobox 作家 江國 香織(えくに かおり、1964年3月21日 - )は、日本の小説家、児童文学作家、翻訳家、詩人。
1987年の『草之丞の話』で童話作家として出発、『きらきらひかる』『落下する夕方』『神様のボート』などの小説作品で人気を得る。2004年、『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。詩作のほか、海外の絵本の翻訳も多数。父はエッセイストの江國滋。
目次
来歴・人物
東京都テンプレート:要出典範囲。順心女子学園(現広尾学園中学校・高等学校)、目白学園女子短期大学国語国文学科卒。アテネ・フランセを経て、デラウェア大学に留学。
1985年、20歳で『ユリイカ』に詩作品「綿菓子」を初投稿、「今月の作品」に選ばれ掲載される。1986年、児童文学雑誌『飛ぶ教室』に投稿した「桃子」が入選。翌年に『草之丞の話』で、はないちもんめ小さな童話賞大賞。1989年、アメリカ留学時の体験を題材にした小説『409ラドクリフ』でフェミナ賞受賞。同年に初の短編小説集『つめたいよるに』を刊行。1991年、童話集『こうばしい日々』で産経児童出版文化賞、翌年坪田譲治文学賞受賞。
1992年、アルコール使用障害の妻と同性愛者の夫との生活を描いた『きらきらひかる』で紫式部文学賞を受賞、映画化もされる。1999年、『ぼくの小鳥ちゃん』で路傍の石文学賞受賞。2001年、描き下ろし短編集『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で山本周五郎賞。2004年『号泣する準備はできていた』で直木賞受賞。『がらくた』で島清恋愛文学賞受賞。
小説、エッセイ、絵本、詩の執筆活動を続ける。映画化作品として、『落下する夕方』(1996年)、辻仁成との共作『冷静と情熱のあいだ』(1999年)、『東京タワー』(2001年)、『間宮兄弟』(2004年)、『スイートリトルライズ』(2010年)がある。2013年3月にはNHK BSプレミアムにて『神様のボート』全3話が放送された。
夫は銀行員。喫煙者で、阪神ファンであり、好きな選手は中野佐資(1986年 - 1993年阪神)。ギャンブルでは競艇のファンでもある。チョコレートが大好きで、結婚する際夫に、「他の女性にチョコレートを贈らない」という約束をさせた。雨が大好きで、子どもの頃は雨が降ると母や妹と一緒に眺めていたという。ペットは、アメリカン・コッカー・スパニエルの「雨」(オス)。エッセイ『雨はコーラがのめない』では、雨と音楽との生活を綴っている。
父の江國滋を訪ねてよく遊びに来ていた色川武大を、香織ら子供たちは「色ちゃん」と呼んでいた。
受賞歴
- 1987年 『草之丞の話』ではないちもんめ小さな童話賞大賞。
- 1989年 『409ラドクリフ』で第1回フェミナ賞。
- 1991年 『こうばしい日々』で第38回産経児童出版文化賞。
- 1991年 『こうばしい日々』で第7回坪田譲治文学賞。
- 1992年 『きらきらひかる』で第2回紫式部文学賞。
- 1999年 『ぼくの小鳥ちゃん』で第21回路傍の石文学賞。
- 2002年 『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』で第15回山本周五郎賞。
- 2004年 『号泣する準備はできていた』で第130回直木賞。
- 2007年 『がらくた』で第14回島清恋愛文学賞。
- 2010年 『真昼なのに昏い部屋』で第5回中央公論文芸賞。
- 2012年 「犬とハモニカ」(『新潮』2011年6月号)で第38回川端康成文学賞。
著書
小説・童話
長編
- きらきらひかる(新潮社、1991年5月)のち文庫
- ホリーガーデン(新潮社、1994年9月)のち文庫
- なつのひかり(集英社、1995年11月2日)のち文庫
- 流しのしたの骨(マガジンハウス、1996年7月)のち新潮文庫
- 落下する夕方(角川書店、1996年11月)のち文庫
- ぼくの小鳥ちゃん(あかね書房、1997年11月)のち新潮文庫
- 神様のボート(新潮社、1999年7月)のち文庫
- 冷静と情熱のあいだ Rosso(角川書店、1999年10月)のち文庫
- 辻仁成が男性側の視点から「Blue」を描く。辻とのコラボレーション小説。
- 薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木(集英社、2000年4月)のち文庫
- ウエハースの椅子(角川春樹事務所、2001年1月)のちハルキ文庫、新潮文庫
- ホテルカクタス(ビリケン出版、2001年4月)のち集英社文庫
- 東京タワー(マガジンハウス、2001年12月)のち新潮文庫
- スイートリトルライズ(幻冬舎、2004年3月)のち文庫
- 思いわずらうことなく愉しく生きよ(光文社、2004年6月19日)のち文庫
- 間宮兄弟(小学館、2004年9月29日)のち文庫
- すきまのおともだちたち 絵:こみねゆら(白泉社、2005年6月)のち集英社文庫
- がらくた(新潮社、2007年5月)のち文庫
- 左岸(集英社、2008年10月11日)のち文庫
- 対する男性側「右岸」を辻仁成が描く。辻とのコラボレーション小説第二弾。
- 雪だるまの雪子ちゃん 絵:山本容子(偕成社、2009年9月)のち文庫
- 真昼なのに昏い部屋(講談社、2010年3月25日)のち文庫
- 抱擁、あるいはライスには塩を(集英社、2010年11月5日)
- 金米糖の降るところ(小学館、2011年9月28日)のち文庫
- ちょうちんそで(新潮社、2013年1月31日)
- はだかんぼうたち(角川書店、2013年3月26日)
短編集
- つめたいよるに(理論社、1989年8月)のちサイズを変更して再刊行(1991年7月)のち新潮文庫
- こうばしい日々(あかね書房、1990年10月)のち新潮文庫
- 綿菓子(理論社、1991年2月)のち新装版(1993年3月)新潮文庫『こうばしい日々』に併録
- 温かなお皿(理論社、1993年6月)
- すいかの匂い(新潮社、1998年1月)のち文庫
- 江國香織とっておき作品集(マガジンハウス、2001年8月)
- 泳ぐのに、安全でも適切でもありません ホーム社、2002年3月5日)のち集英社文庫
- いつか記憶からこぼれおちるとしても(朝日新聞社、2002年11月)のち文庫
- 号泣する準備はできていた(新潮社、2003年11月19日)のち文庫
- 赤い長靴(文藝春秋、2005年1月15日)のち文庫
- ぬるい眠り(新潮文庫、2007年2月28日)
- 犬とハモニカ(新潮社、2012年9月28日)
エッセイ
- 都の子(文化出版局、1994年6月)のち集英社文庫
- 泣かない子供(大和書房、1996年5月)のち角川文庫
- 絵本を抱えて部屋のすみへ(白泉社、1997年6月)のち新潮文庫
- いくつもの週末(世界文化社、1997年10月)のち集英社文庫
- 十五歳の残像(新潮社、1998年10月)
- 泣く大人(世界文化社、2001年7月)のち角川文庫
- 日のあたる白い壁(白泉社、2001年7月)のち集英社文庫
- とるにたらないものもの(集英社、2003年7月25日)のち文庫
- 雨はコーラがのめない(大和書房、2004年5月)のち新潮文庫
- やわらかなレタス(文藝春秋、2011年2月25日)のち文庫
絵本
- あかるい箱 絵:宇野亜喜良(マガジンハウス、1992年6月)のち2002年10月に復刊
- モンテロッソのピンクの壁 絵:荒井良二(ほるぷ出版、1992年12月)のち集英社文庫
- 夕闇の川のざくろ 絵:守屋恵子(八曜社、1993年6月)のちポプラ文庫
- デューク 絵:山本容子(講談社、2000年11月8日)
- 桃子 絵:飯野和好(旬報社、2000年11月)
- 草之丞の話 絵:飯野和好(旬報社、2001年7月)
- おさんぽ 絵:こみねゆら(白泉社、2002年7月12日)
- ジャミパン 絵:宇野亜喜良(アートン、2004年9月)
- いつか、ずっと昔 絵:荒井良二(アートン、2004年12月)
- ふりむく 絵:松尾たいこ(マガジンハウス、2005年9月15日)
- カエルの王さま―あるいは鉄のハインリヒ グリム童話 絵:宇野亜喜良(フェリシモ出版、2009年7月17日)
- ちょうちょ 絵:松田奈那子(白水社、2013年9月20日)
詩集
- すみれの花の砂糖漬け(理論社、1999年11月)のち新潮文庫
- 活発な暗闇(いそっぷ社、2003年4月)
- パンプルムース! 絵:いわさきちひろ(講談社、2005年2月24日)のち文庫
- いちねんせいになったあなたへ 絵:井口真吾(小学館、2011年3月1日)
その他
- 僕はジャングルに住みたい(全国学校図書館協議会、2003年4月)
共著・対談集
- 性愛を書く!(ビレッジセンター出版局、1998年10月)
- 恋するために生まれた 辻仁成往復書簡(幻冬舎、2001年5月)
- 愛蔵版 冷静と情熱のあいだ(角川書店、2001年6月)
- 本の話をしよう(晶文社、2002年9月5日)
- 恋の魔法をかけられたら―恋愛対談(角川春樹事務所、2003年7月)のち文庫
- 過ぎゆくもの(マガジンハウス、2007年10月14日)
アンソロジー
「」は収録作。
- いじめの時間(朝日新聞社、1997年4月)のち文庫 「緑の猫」
- LOVE SONGS(幻冬舎、1997年12月)のち文庫 「Cowgirl blues」
- LOVERS(祥伝社、2001年6月)のち文庫 「ほんものの白い鳩」
- 銀座24の物語(文藝春秋、2001年8月)のち文庫 「カステラ」
- Friends(祥伝社、2003年7月)のち文庫 「ザーサイの思い出」
- ナナイロノコイ―恋愛小説(角川春樹事務所、2003年8月)のち文庫 「ドラジェ」
- with you(幻冬舎、2004年3月)のち文庫 「突き進む娘」
- 君へ。―つたえたい気持ち三十七話(メディアファクトリー、2004年3月26日) 「そばにいてくれた?」
- ただならぬ午睡(光文社文庫、2004年5月13日)「十日間の死」
- めぐり逢い―恋愛小説アンソロジー(ハルキ文庫、2005年7月) 「テイスト・オブ・パラダイス」
- 男の涙 女の涙―せつない小説アンソロジー(光文社文庫、2006年1月) 「デューク」
- JOY!(講談社、2008年4月22日) 「テンペスト」
- 甘い記憶―6 Sweet Memories(新潮社、2008年8月)のち文庫 「おそ夏のゆうぐれ」
- 『ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ』(新潮社、2008年10月31日) 「夕顔」
- のち『源氏物語 九つの変奏』に改題して文庫
- 金原瑞人YAセレクション みじかい眠りにつく前にI 真夜中に読みたい10の話(ピュアフル文庫、2008年11月10日) 「十月のルネッサンス」
- Invitation(文藝春秋、2010年1月) 「蛾」
- チーズと塩と豆と(ホーム社、2010年10月5日)のち集英社文庫 「アレンテージョ」
- それはまだヒミツ: 少年少女の物語(新潮文庫、2012年1月28日) 「亮太」
- いつも一緒に: 犬と作家のものがたり(新潮文庫、2012年12月24日) 「アメリカンな雨のこと」
- アンソロジー お弁当。(パルコ、2013年8月31日)「のり弁の日」
- お弁当についての随筆集。
- 読まずにいられぬ名短篇(筑摩書房、2014年5月8日)「デューク」
翻訳
- 天使のクリスマス(ほるぷ出版、1990年)
- てろんてろんちゃん ジョイス・デュンバー(ほるぷ出版、1992年)
- いちにち ハイディ・ゴーネル(PARCO出版局、1992年)
- くまのプーさんのクリスマス ブルース・トーキントン(講談社、1992年)
- ときにはひとりもいいきぶん ハイディ・ゴーネル (PARCO出版局、1992年10月)
- そとはただ春 E・E・カミングス (PARCO出版、1992年)
- ペンギンかもしれないな ハイディ・ゴーネル(PARCO出版、1992年12月)
- おひるねのいえ オードリー・ウッド(ブックローン出版、1993年)
- 1999年6月29日 デイヴィッド・ウィーズナー(ブックローン出版、1993年)
- おおきなペットたち レイン・スミス(ほるぷ出版、1993年)
- おふろじゃおふろじゃ オードリー・ウッド(ブックローン出版、1993年2月)
- こぶたちゃん ドン&オードリー・ウッド(ブックローン出版、1994年)
- おとなになること サラ・ミッダ(ほるぷ出版、1995年)
- 大あらし ディヴィッド・ウィーズナー(ブックローン出版、1995年)
- しろいゆきあかるいゆき アルビン・トレッセルト(ブックローン出版、1995年)
- 夜がくるまでは イヴ・バンティング(ブックローン出版、1996年)
- きつねおくさまのごけっこん ガビン・ビショップ(講談社、1996年4月)
- 海辺のくま クレイ・カーミッシェル(BL出版、1997年7月)
- ふるびたくま クレイ・カーミッシェル(BL出版、1999年8月)
- しょうぼう馬のマックス サラ・ロンドン(岩波書店、1998年11月)
- レターズ・フロム・ヘヴン レイチェル・アンダーソン(講談社、1999年)
- 心の小鳥 ミハル・スヌニット(河出書房新社、1999年)
- マーサのいぬまに ブルース・イングマン(小学館、1999年)
- きんいろのとき アルビン・トレッセルト(ほるぷ出版、1999年)
- シェイカー通りの人びと アリス&マーティン・プロベンセン(ほるぷ出版、1999年)
- くまのプーさんのクリスマス(講談社、2000年)
- マドレーヌのクリスマス ルドウィッヒ・ベーメルマンス BL出版、2000年11月)
- あたしの一生 猫のダルシーの物語 ディー・レディー(飛鳥新社、2000年)
- おおきなあかいなや マーガレット・ワイズ・ブラウン(偕成社、2001年9月)
- ロンドンのマドレーヌ ルドウィッヒ・ベーメルマンス(BL出版、2001年11月)
- ねこたちの夜 ブルース・イングマン(小学館、2001年)
- どうして犬が好きかっていうとね キム・レヴィン(竹書房、2002年)
- 3びきのぶたたち デイヴィッド・ウィーズナー(BL出版、2002年11月)
- おひさまパン エリサ・クレヴェン(金の星社、2003年7月)
- ホンドとファビアン ピーター・マッカーティ(岩崎書店、2003年9月)
- カプチーヌ(小峰書店、2003年10月)
- 小さな魔女のカプチーヌ タンギー・グレバン(小峰書店、2003年10月)
- しつれいですが、魔女さんですか エミリー・ホーン(小峰書店、2003年)
- ゆきのひのステラ メアリー=ルイーズ・ゲイ(光村教育図書、2003年)
- オキーフの家 マイロン・ウッド(メディアファクトリー、2003年)
- ステラもりへいく(光村教育図書、2003年7月)
- イングリッシュローズィズ マドンナ(ホーム社、2003年11月)
- おはようサム(光村教育図書、2004年)
- おやすみサム(光村教育図書、2004年4月)
- うみべのステラ(光村教育図書、2004年)
- ジベルニィのシャーロット ジョアン・マックファイル・ナイト(BL出版、2004年4月)
- さびしいくま(BL出版、2004年8月)
- おへやのなかのおとのほん(ほるぷ出版、2004年9月)
- アメリカのマドレーヌ(BL出版、2004年10月)
- マドレーヌのメルシーブック(BL出版、2005年4月)
- なつのいなかのおとのほん(ほるぷ出版、2005年7月)
- ステラのほしぞら(光村教育図書、2005年)
- いやはや(光村教育図書、2006年5月)
- とんでもないおいかけっこ クレメント・ハード(BL出版、2006年5月)
- マドレーヌとどうぶつたち ジョン・ベーメルマンス・マルシアーノ(BL出版、2006年7月)
- クリスマスのまえのばん クレメント・クラーク・ムーア(BL出版、2006年10月)
- おぞましいりゅう(BL出版、2006年10月)
- イングリッシュローズィズ2(とてもほんとうとは思えないくらいすてき) マドンナ(ホーム社、2007年2月)
- なにしてるの、サム?(光村教育図書、2007年6月)
- うみべのおとのほん(ほるぷ出版、2007年8月)
- マリーのお人形(BL出版、2007年8月)
- 竹取物語(現代語訳)かぐや姫の物語(新潮社、2008年)
- オズの魔法使い(BL出版、2008年11月)のち単行本(小学館、2013年3月15日)
- マドレーヌとローマのねこたち(BL出版、2009年7月)
- ステラがうんとちいさかったころ(光村教育図書、2010年2月)
- よくぞごぶじで(BL出版、2010年10月)
- しんとしずかな、ほん(光村教育図書、2011年1月)
- マドレーヌ、ホワイトハウスにいく(BL出版、2011年3月)
- にぎやかな ほん!(光村教育図書、2011年4月)
- ゴールデン・バスケットホテル(BL出版、2011年4月)
- アートとマックス―ゴキゲンなゲイジュツ―(BL出版、2011年8月)
- バティストさんとハンガーブルグ=ハンガーブルグ伯爵のおはなし(BL出版、2012年1月)
- しずかな、クリスマスの ほん(光村教育図書、2012年11月12日)
- マールとおばあちゃん(ブロンズ新社、2013年4月17日)
- 新装版 青い鳥 モーリス・メーテルリンク(講談社、2013年10月11日)青い鳥文庫版も同時刊行。