血と骨
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『血と骨』(ちとほね)は、梁石日(ヤン・ソギル)の小説。また、それを原作とした映画および漫画。
原作小説
1930年代の大阪を舞台とし、作者の実父をモデルに、その体躯と凶暴性で極道からも畏れられた男・金俊平(キム・しゅんぺい)の、蒲鉾製造業や高利貸しによる事業の成功やその裏での実の家族に対する暴力、そしてその後の愛人との結婚による転落、遂には「故郷」である北朝鮮での孤独な死までを描いた小説。第11回の山本周五郎賞を受賞し、その後第119回直木賞にもノミネートされた。
登場人物
- 金俊平
- 主人公。猜疑心が強く極端に自己中心的な性格で何事も暴力に物を言わせて従わせようとする粗暴な人間。巨漢で暴力団員にも恐れられる膂力の持ち主。
- 李英姫
- 故郷を出奔した後に娘一人を連れ、飲み屋を営んでいた女性。金俊平に押しかけられ、有無を言わさず結婚させられた上、俊平の放蕩と暴力で心身を磨り減らすことになる。
- 高信義
- 俊平の従兄弟の蒲鉾職人。俊平の数少ない理解者で謹厳実直な人物だが、在日朝鮮人を取り巻く社会情勢にも高い意識を持つ。俊平が巻き起こすさまざまなトラブルの尻拭いのために奔走する。
- 金成漢
- 俊平と英姫の息子。幼少時から俊平の暴力に苦しむが、成長するに従いその暴力をやり過ごす術を身につけ、反抗するようになる。
- 山梨清子
- 英姫との生活が破綻した後に同棲した愛人。病魔に冒され俊平の重荷となっていく。
- 梁石日『血と骨』 幻冬舎、1998年、ISBN 9784877282103
- 文庫版 (上) - 幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2001年、ISBN 9784344401051
- 文庫版 (下) - 幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2001年、ISBN 9784344401068
映画
2004年に公開された。ビートたけし主演で話題を呼ぶ。キネマ旬報ベストテン2位、脚本賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞(オダギリジョー)、毎日映画コンクール作品賞、日刊スポーツ映画大賞作品賞。第78回アカデミー外国語映画賞の日本代表に選出され、出品されたが、本選のノミネート5作品に選出されなかった。
出演
- 金俊平 - ビートたけし(子供時代:伊藤淳史)
- 李英姫 - 鈴木京香
- 金正雄 - 新井浩文(子供時代:森田直幸)
- 金花子 - 田畑智子(子供時代:竹崎由佳)
- 朴武 - オダギリジョー
- 高信義 - 松重豊
- 趙永生 - 國村隼
- 金成貴 - 塩見三省
- 朴希範 - 寺島進
- 山梨清子 - 中村優子
- 鳥谷定子 - 濱田マリ
- 元山吉男 - 北村一輝
- 金春美 - 唯野未歩子
- 張賛明 - 柏原収史
- 金容洙 - 仁科貴
- 金泰洙 - 佐藤貢三
- 大谷早苗 - 中村麻美
- 鳥谷ゆき子 - 平岩紙
- 鄭烈 - 眞島秀和
- 朴鉄煥 - 朱源実
- 崔栄植 - 三浦誠己
- 玄昌休 - 斎藤歩
- 姜明美 - 洪仁順
- 朴英恵 - 向井理恵
- 大山 - 塩見三省
- 徳山 - 喜安浩平
- 木元 - 寺井健人
- 藤田 - 伊藤洋三郎
- 国本 - 飯島大介
- 酒屋の主人 - トミーズ雅
- 藤田の妻 - 岩崎幸子
- 警官 - 小林太樹
ほか
スタッフ
- 製作:石川富康、西村嘉郎、沼田宏樹
- 企画:泉英次、和田省一
- 製作総指揮:若杉正明
- プロデュース:榎望、中嶋竹彦
- アソシエイト・プロデューサー:原克子
- 監督:崔洋一
- 脚本:崔洋一、鄭義信
- 撮影:浜田毅
- 音楽:岩代太郎
- 製作委員会:ビーワイルド、アーティストフィルム、ショウゲート、衛星劇場、朝日放送、ザナドゥー
- 配給:松竹、ザナドゥー
テンプレート:崔洋一監督作品 テンプレート:毎日映画コンクール日本映画大賞
漫画
古沢優により漫画化されている。幻冬舎〈幻冬舎コミックス〉、2004年、全3巻。
- ISBN 9784344804562
- ISBN 9784344804692
- ISBN 9784344804852