将太の寿司

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists将太の寿司』(しょうたのすし)は、寺沢大介による日本漫画作品(料理漫画)、およびそこから派生したドラマ・アニメ・小説作品。この項目では、直後に開始された続編『将太の寿司〜全国大会編〜』(しょうたのすし ぜんこくたいかいへん)、次世代編『将太の寿司2 World Stage』についても扱う。

概要

将太の寿司』は1992年から1997年の『マガジンSPECIAL』および『週刊少年マガジン』(共に講談社)誌上で連載され、単行本が全27巻(文庫では全14巻)刊行されている。続編『将太の寿司〜全国大会編〜』も1997年より2000年まで同誌に連載され、こちらは単行本が全17巻(文庫では全8巻)刊行されている。

第1作『将太の寿司』は第20回講談社漫画賞少年部門を1996年に受賞するとともに、テレビドラマ・アニメ・小説など各種メディアでも展開された。

東京の名店「鳳寿司」で働く関口将太が、創意工夫を凝らした寿司によって新人寿司職人コンクールを勝ち進むというストーリーを主軸に、寿司によって人間関係を修復したり悪人を倒したりなどのエピソードが挿入される構成を基本としている。

『全国大会編』では、アニメ版『ミスター味っ子』ほどではないにせよ、寿司を食べた者の過剰なリアクションが散見された(審査員が想像の中で空を飛ぶなど)。

宮廷女官チャングムの誓いの原作者がこのマンガから料理勝負の着想を得たことでも知られている。

2013年イブニング』(講談社)第20号より続編『将太の寿司2 World Stage』の連載が開始した。

あらすじ

『将太の寿司』(『マガジンSPECIAL』連載)

『マガジンSPECIAL』に連載。巴寿司・小樽の面々・佐治やシンコなどの存在しないパイロット版である。 将太は東京出身の高校2年生で陸上に打ち込んでいたが、父親が入院し家計を支えるために3年への進級間際に中退し、寿司職人を目指す設定になっている。大政・親方も既婚であり妻子を持っているが後の連載版とは異なった家族構成になっている。KCコミックスでは1巻から2巻、文庫版では14巻に収録されている。

東京の名店「鳳寿司」の追い回し(雑用係)として働く関口将太と、彼を取り巻く職人たちのドラマを描いた短編・中編集となっている。最終エピソードである大政の寿司握りコンテスト出場から独立までの話には、今後の週刊連載での縦糸とる「寿司バトル漫画」の骨格がみられる。また初回から最終話までの中で、マグロ尽くしや魚の目利きが勝敗を左右するエピソード、手数の差を克服するエピソードなど後の週刊誌での連載の重要な役割を果たすアイディアも既に垣間見ることが出来る。

『将太の寿司』(『週刊少年マガジン』連載)

『週刊少年マガジン』に連載。舞台は北海道小樽から始まる。中学3年生の将太の実家は「巴寿司」という寿司店を営んでいたが、巨大チェーン店の「笹寿司」による度重なる嫌がらせのせいで最低の材料しか手に入らず、店は廃れていた。将太は笹寿司の鼻をあかすために「寿司握りコンテスト」の出場を父・源治に提案し、源治はネタを獲るために漁船に乗り込むが、笹寿司の謀略による転覆で重傷を負う。代わりにコンテストに出場した将太は、東京の名店「鳳寿司」の親方である鳳征五郎に職人としての心がけを認められ、高校には進学せず(中卒)一人前の寿司職人になるため単身東京へ向かう。

鳳寿司にて修行を続ける将太に、征五郎親方は「新人寿司職人コンクール」出場を勧める。先輩・佐治安人との出場権を賭けた四番勝負に将太は勝利し、佐治は「入りたての新人に負けたとあってはメンツが立たない」と言い残して鳳寿司を去っていった。強敵たちとの戦いをくぐり抜ける最中、再び登場した佐治によって将太は、この大会が全国新人寿司職人コンクールの東京大会であったことを知らされる。

決勝戦・プレーオフと勝ち進み全国大会への切符を手に入れ、将太はついに鳳寿司のツケ場に立つことを許された。未だ見ぬ寿司職人との戦いを、そして京都代表・佐治安人との再戦の日を待ちながら、将太は寿司を握るのであった。

『将太の寿司〜全国大会編〜』

『将太の寿司』に引き続き、『週刊少年マガジン』に連載。全国大会に参加した将太を待ち受けていたのは、孤高のハイパー寿司職人・大年寺三郎太を始めとする圧倒的なライバル達、強化される勝負の課題、そして笹寿司の魔手であった。

笹寿司の一人息子・笹木剛志は、将太の行く先々に待ち受けて材料を買い占めるなどの妨害を行い、またコンクールの勝利と将太の破滅の為に「笹寿司四包丁」なる凄腕の職人たちをも雇っていた。数々の苦境を跳ね返し、将太はより強靱な職人へと成長する。終盤、笹寿司との対決に勝利し、日本一を勝ち取り故帰郷。家族で巴寿司を再建させ大団円を迎えた。

連載終了後の読切

韓国編

『週刊少年マガジン』2000年44号に掲載された読切作品。当初は『全国大会編』に組み込む予定であったが、諸事情により果たせなかった(全国大会決勝戦でその設定があったことが伺える)。『全国大会編』最終巻(KCコミックス17巻・文庫8巻)に併載。

かつての悪事によって業績が悪化した笹寿司が奮起しようと韓国へ進出したものの結果が思わしくなく、最終回で将太と和解した笹木剛志がかつての宿敵だった将太に助けを求めたところ将太はそれに応じて韓国へ向かった。そこで雑用に不満を持つ新入り職人の泰志(テジ)と共に新しい食材を求めて奔走する。

創刊50周年特別編

『週刊少年マガジン』50周年特別企画として2008年19号に掲載された読切作品。連載終了から8年が経過しているため同時期に連載していた「ミスター味っ子II」同様に作画タッチが大幅に変化している。連載終了時点から3年後が舞台で、将太と源治、久美子との物語が描かれている。コンテストの観客の中に作者の別作品である『喰いタン』の高野聖也、並びに出水京子と思われる人物が描かれている。こちらは2014年現在、単行本などには収録されていない。

『将太の寿司2 World Stage』

『イブニング』2013年20号から連載開始。『マガジン』での読切からおよそ18年が経過してからの世界を描く。鳳寿司本店の2代目親方となった佐治安人の下で修業する、将太の息子・関口将太朗と、安人の息子・佐治将太。そこにフランス人の寿司職人・ダビッド・デュカスが現れる…。

オリジナルにある『基本』『努力』を根底から否定し、世界の最新寿司事情を盛り込んだ新たな物語である。

登場人物

カッコ内は異名/読み仮名(異名の無いキャラクターは読み仮名のみ)。

鳳寿司

関口将太(せきぐち しょうた)
北海道は小樽の寿司屋「巴寿司」の長男。連載版は小樽市立北陽中学3年生として登場し、笹寿司の妨害で荒れた生活を送る父・源治を気に掛けて自分には何ができるのか深く悩み、寝坊や学校の机で寝るなど不眠気味となっていた(同級生から「きのうやりすぎたかー」とからかわれる)。街中のポスターで知った「小樽寿司握りコンテスト」へ笹寿司の謀略で重傷を負った父親の代わりに出場し、家業を継ぐ決心を固め、鳳征五郎のスカウトもあり中学卒業と同時に東京の「鳳寿司」へ修行に入る。同級生の渡辺久美子に好意を抱いており、卒業後は遠距離恋愛の仲となる。源治や征五郎を非常に尊敬している。
スポ根ものに通じる努力の才能を持っており、技術や知識の習得に余念がなく、経験の浅さを創意工夫と努力で補うことを信条とする負けず嫌いな性格である。源治からは大学進学を嘱望され、笹木以外のクラスメイトからも慕われる優等生タイプでもあり、何度となく中学の同窓生に助けられている他、笹寿司の横暴に苦しむ人々にとって彼の存在は希望となっている。修行入り後は家族・同級生や慎吾以外とはタメ口は使わず敬語で話している。
『全国大会編』では東京代表として参加し、数多くの寿司職人達と誇りを賭けた戦いに勝ち抜き、終盤でついに優勝を果たす。鳳寿司での修行を終えて巴寿司へ錦を飾り、大団円を迎えた。
『全国大会編』の3年後を描いた2008年の読み切りでは、久美子と結婚し巴寿司の若旦那として切り盛りしている。久美子とは夫婦水入らずの仲で妊娠が告げられて父親になる予定。『全国大会編』最終話では和解した笹木との関係も北海道に進出する東京のチェーン寿司店の手口を「汚い」と評する彼に対し「お前が言うな」と的確なツッコミを入れている辺り、連載時の険悪な関係は感じられない。
『2』では40歳前後の白髪交じりの落ち着いた中年となり、味吉陽一と異なり連載当初の面影は殆ど無くなっている。巴寿司2代目として一人息子の将太朗を巴寿司のツケ場に入れて育てている。新たな修行の場にと佐治を伝って鳳寿司へ修行に行かせた。また、佐治ともども日本寿司協会の会長職を要請されていたが固辞している。
読切版では、陸上競技に打ち込む恋愛感情に鈍感な東京に住む普通の高校2年生だったが、父親が倒れたことで家計を支える為、3年への進級前に中退し寿司の世界に入り1年経過したという設定となっており、18歳という年齢を反映してか連載版よりも青年の顔つきとなっている。
ドラマ版では、高校卒業後に寿司の世界に入るという設定であり、多少やんちゃな性格で血の気が多い部分がある。「日本一!」を決め台詞にもつ。
小畑慎吾(シンコ/おばた しんご)
鳳寿司の追い回し(雑用係)で、将太よりは半年ぶん先輩。将太にとっては苦しい修行の中、苦心を分かち合える盟友である。「コハダになっていない」という意味合いで、名前をもじって「シンコ」と先輩や将太からは呼ばれている(作中でシンコを下魚とみなすシーンがあるが、実際には超高級寿司ダネなので注意)[1]。山口県の農家出身。追い回しとしての仕事には手抜きがなく誠実だが、精神的に脆い面があり、将太に対する劣等感失敗を佐治に咎められたことを気に病んで逃亡したり、お客に出すためのウニの管理を誤って店を辞めようとしたことがある。将太の説得により鳳寿司に復帰した後は職人になるため一層の努力を行っている。その仕事ぶりは征五郎に「ワシにとっては、上得意のお客様を失うよりも慎吾を失うことのほうが遥かに辛い」と言わしめるほどで『全国大会編』ではその成果を見ることができ、コンクールにも出場。1回戦で溶けたウニを使うと言うハンデの中で溝口の柏手を出させる寿司を作り、満点トップ通過するも2回戦で敗退した。連載の最終回ではその仕事が実を結んで、ツケ場に立った。
『2』では第一線の寿司職人として鳳寿司のツケ場に立っており、若手のホープとして期待されている。20年が経過して「GENESIS(ジェネシス)」に敵愾心を持つほどの意地っぱりになった。
ドラマ版では半人前扱いされて辛い思いをするシーンが増え、また、必死の努力の末に見事な笹切りを作る包丁技術を披露した。
吾子飛男(あこ とびお)
将太の後に入ってきた鳳寿司の追い回し。素行不良で高校を中退し、母親からの要望で鳳寿司に入ってきた。甘やかされて育ったため[2]に当初は自分勝手でこらえ性がなく、ジャンクフード漬けで寿司の味が分からない、隠れて煙草を吸う、失敗にふて腐れて飲酒をするなど、問題の多い少年であったが、将太のフォローや叱咤などの様々な出来事によって真っすぐな性根を取り戻し「天下の鳳寿司のパシリ」を自認するようになる。『全国大会編』では将太の助手を務めることが多かった。
タレントとして芽が出ずにやさぐれていた先輩・北岡を「叩いて香りを立てた紫蘇の実と歯ごたえがよくなるように切った刺身のツマ(大根)をシソの葉で巻いた」物を食べさせて「努力すれば普段は大したことなくても直に芽が出る」と立証させて立ち直らせるなど、将太や大政からも「いい刺身のツマになった」と褒められるほどになった。最終回では佐治のマンツーマンの指導で魚の捌き方の特訓中の様子が見受けられた。
『2』ではツケ場に立っており、慎吾共々若手のホープとして期待を寄せられている。お調子者の性格は相変わらず。「GENESIS(ジェネシス)」の経営に同調して慎吾からタコ殴りにされた。
鳳征五郎(おおとり せいごろう)
当代の名人と言われた鳳寿司の親方。創業者ではなく婿入りして店を継いだ。話によって五代目だったり六代目だったりしている。いずれにせよ創業70年の店で五代目ないし六代目であることから代替わりが多かったことが窺える。妻は病弱のため店には出てこない。征五郎本人も身体の衰えによって既に一線を退いており、将太がツケ場に立ってからはほとんど寿司を握らなくなる。ただし、その握りは今なお岩崎民次が褒め称えるほどのもの。
将太が初めて作ったマグロ尽くしに感動し、自身の店への入門を勧めた。その後は、厳しくも暖かく将太を鍛えていくこととなる。
『全国大会編』にて右手の痺れから白魚の尾を折ったことで引退を決意し、大政小政の独立に合わせて店を畳む予定だったが、鳳寿司に戻ってきた佐治を親方へ迎え入れたことにより安心して隠居生活を送る一方、岩崎民次の熱望により本人の後を継いで「全日本寿司協会会長」の職につく。その初仕事は、佐治と将太の決勝戦の審判をすることであった。
『2』では全日本寿司協会会長を退任して隠居生活を送っている。現役時代に患った病は回復していないが足腰は問題ないらしく、妻と自由気ままに旅行をするなど今の生活を楽しんでいる。
ドラマ版では厳しさが強くやや頑固なイメージがある。
藤田政二(大政/ふじた せいじ)
親方に次ぐ年長の職人。「大政(おおまさ)」または「政(まさ)」と呼ばれている。作中ではあまり料理の腕を振るうシーンは無いが、鳳寿司での「盛り込み」(いわゆる職人お任せの寿司の盛り合わせ)の制作が許されているのは征五郎と彼だけである、片手一回だけで鮨を握る「小手返し一手」も実は習得しているなどその腕は確か。体が大きく厳ついため怖く思われがちだが性格は温和そのもので、苦境から子供を道連れに自殺を考えていた男を、自身で作った鮭とイクラの親子丼に準えて鮭の親としての偉大さを語って自殺を止めたこともある。既婚で娘が1人いる。『全国大会編』の最終回にて「下北沢 鳳寿司」としての屋号を引き継ぎ下北沢で独立。
『2』では娘・みのりの夫を婿に迎え入れて二人で「下北沢 鳳寿司」を繁盛させている。
ドラマ版では動物園とダジャレが好きな設定が追加されている。
岡村秀政(小政/おかむら ひでまさ)
大政と並んで鳳寿司を支える職人。「小政(こまさ)」または「秀(ひで)」と呼ばれる(ドラマでは「小政」は会話の中で一度登場しただけで、ドラマでは一貫して「秀」)。自身が参加していたコンクールの東京大会決勝ではかんぴょうを使った海苔巻きを締めに使って優勝した(審査員だけでなく、世間のかんぴょうの扱いに絶望してかんぴょう作りを辞めると言っていた職人の心をも揺さぶった)。
売られたケンカは必ず買う熱い性根と仕事に対する真摯な態度を併せ持つ。第1部終盤で雅子の財産目当てで近付いてきた高山信一郎と婚約者の座を賭けての寿司対決を見せた。このときはあくまで「雅子を高山と結婚させないために婚約者を演じる」立場であったにもかかわらず、雅子の父親が経営する豆腐料理店まで出向き、父親の人柄、仕事ぶりを勉強した上で、父親が作る豆腐を使ったサバ寿司を作り出し、オレンジを使った高山のサバ寿司に勝利した。それをキッカケに雅子と付き合うようになる。
『全国大会編』の最終回にて雅子と結婚し、「谷中 鳳寿司」として屋号を引き継いで谷中の雅子の実家の隣に「谷中 鳳寿司」として独立。
『2』では5人の子供の父親となったが、店の売れ行きは上々である。
ドラマ版では、江戸っ子を名乗る大阪人として登場。短気で、何か問題があると責任放棄してまで店を飛び出してしまうことがあった。
佐治安人(さじ あんと)
将太より5年先輩だがツケ場には入っておらず、材料の仕込みや米炊きを担当していた。
当初はかなりの自信家で将太のことが気に食わず、勝手の分からぬ将太にいきなり米炊きを命じて放置する、小樽からの将太への手紙を勝手に処分するなど、見下すように陰険な嫌がらせを繰り返すが、2年かけてアナゴのツメを作るなど人知れぬ努力もしていた。新人寿司職人コンクールの出場権を賭けて将太と激しい三番勝負を繰り広げるうちに、将太を一人の寿司職人として認めるようになり、敗北を契機に鳳寿司を去る。その後は各地を放浪したのち(北海道で将太の父関口源治とも会っている)京都へ流れ着き、ここから改めて京都市代表として新人寿司職人コンクールへ出場する。
『全国大会編』の終盤からは、塩一粒の差異も見逃さぬ「絶対味覚」を習得し、将太の前へ再び立ちはだかる。また、決勝戦間近で味覚だけでなく寿司職人に必要な五感の鋭さも増して、さらにはの寿司というまったく新しい寿司を作る事にも成功する。
実家は千葉で海苔の生産業を営んでおり、既に死亡した父・重人(なお、叔父の高人がいる)とは母の死をきっかけに絶縁したままであったが、勝負をきっかけに父を理解する。『全国大会編』では切島傀の妨害でアサクサノリが使用不能になった際、海岸に漂着したアサクサノリを絶対味覚で選び分けて精製したこともある。
コンクール終了後は、征五郎や職人達の強い要望により鳳寿司に復帰、親方となる。
『2』では親方歴が20年になり、腕は全く錆びついていない。5年連続でミシュランの3つ星をもらうなど、鳳寿司を名実共に日本を代表する寿司屋にした。一人息子の佐治将太を鳳寿司で雇っており、それもあって彼の問題行動に余り強く言えていない。また(関口)将太のことも「関口」と呼ぶようになっていた(同じような例に後述の奥万倉新一があるが、息子に同じ名前が付いているために将太と呼ばなくなったのか、他に事情があるのかは定かではない)。
その激しい性格から、慎吾によると「サージェント(軍曹)」の綽名を持つが、初登場時の紹介以外では、ごく小さいコマにて一度しか使われておらず、それ以降は専ら「安(ヤス)」と呼ばれている。
名前の表記に揺れが多く、単行本初版では「やすと」だったり「あんと」だったりと一定していなかった。
ドラマ版では悪役らしさが強調されており、時には店の迷惑も厭わずに将太、慎吾に嫌がらせを行うことがあった。しかし、「寿司では嘘をつかない」という信念を持つ。
富山雅子(とみやま まさこ)
配膳係の女性。はっきりと物を言う気っ風のいい性格をしている。
実家は谷中にある老舗の豆腐料理屋。第1部の終盤にて実家の財産目当てで近付いてきた高山信一郎との婚約を父親に迫られ、断る口実を作るために小政を引き合いに出した(ドラマでは逆の立場でのエピソードが描かれている)。
小政の高山との寿司対決勝利後、互いに妙な雰囲気になって付き合うようになったとのことで、『全国大会編』の最終回では小政と結婚する。
『2』では5人の子の母親として「谷中 鳳寿司」を小政と二人で支えている。
ドラマ版では、昔火事で家が焼けて思い出の品が燃えてしまったことで、ことあるごとに記念写真を撮るのを趣味にしている。そして、それを知らぬ者が理由を尋ねると錯乱する。
鳳八千代
名前はドラマ版から。先代の親方の娘。確執のある寿司玄の嫌がらせに苦しむ夫征五郎のために、寿司の屋台を引いて助ける健気な気質を持つが、その時の無理のせいで病弱になりめったに店には出てこない。ドラマ版ではそのようなことはなく、むしろ年の割に活発でまた天然なキャラクターである。
鳳さゆり
ドラマオリジナルキャラクター。親方夫婦の娘だが、最初のうちは寿司が嫌いだといい、前半は一生懸命頑張る将太に対して冷めた意見を連発していたが…。

『将太の寿司』の寿司職人たち

清川流也(きよかわ りゅうや)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場した「牛若丸」の異名を持つ寿司職人。名店「寿司玄」の店主で「愛宕の大天狗」と呼ばれる父・参次郎から5歳の頃からスパルタ指導を受け、10歳でツケ場に立ち、大会参加時にはベテラン職人の小政でさえ「化け物」と呼ぶほど凄腕の職人になっていた。性格は「天狗」と呼ばれる父に似て傲慢でエリート意識が強く、自分の作った寿司の味は凡人には分からないと考えている。
流也の父の参治朗はかつて鳳寿司で働いており、征五郎の兄弟子だった。しかし先代の親方は傲慢な参治朗ではなく征五郎を跡継ぎに選んだ。参治朗は征五郎を恨んで、30年以上も鳳寿司にたび重なる嫌がらせをしてきた。息子の流也も父の憎しみを受け継いでおり、対決が始まる前は将太を完全に見下していた。
将太とは新人コンクール2回戦・早握り勝負で対決。普通の職人は寿司を5手で握るが、流也は長年の修行で体得した「小手返し」という技を使って3手で握る。そのため、早握り勝負では流也が圧倒的に有利かと思われたが、新たな技「たて返し」を会得した将太は流也と互角の勝負を行う。その結果、数ではわずかに流也が上回ったが、味では早握りの中でも寿司を握る際の基本を守った将太が勝っており、流也は敗北した。敗れた流也を参治郎は罵倒と共に激しく打ち据え、それを見ていた審査員に、親子共々「実の親子でありながら修羅の心で戦いに明け暮れるばかり」と評された。
将太達の前に完全なる敵として現れ、勝負後に改心した様子が見られなかった、作中では稀有なキャラクターでもある[3]
下山鉄雄(しもやま てつお)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している将太と同年代の母親思いの職人で「芝浜鮨」にて修行。物心付く頃から父親の漁船でエビに触れるようになり、父親が他界してからは海女をしている母親を助けるべくエビの勉強をしていた(彼のその生い立ちに将太は彼も自分と同じだと涙した)。その結果、エビの見立てと扱いに関しては百目の辰も一目置くほどのエビ名人となった。中学卒業と共に海女を続けて心臓が弱くなった母親を楽にさせてあげたいと、生活のために得た知識を生かせる寿司職人を目指して、芝浜鮨で修行を始めた。
将太と勝負する前はエビについて気楽に考えて、質の落ちたエビばかりを選んでいた将太を叱咤した。将太との勝負で使ったクルマエビとボタンエビは共に母親から送られてきたものである。エビ対決で将太に不覚を取ったが、将太は下山に対しての感謝の言葉を述べている。
将太との勝負は鮮度の差で敗れ、母親のために寿司職人を辞める決意を固めていたが、応援に駆けつけた母親の説得により思い留まった。
『全国大会編』の終盤でも登場し、母親と一緒に「鮨しもやま」を経営している。
紺屋碧悟(こうや へきご)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している、高級寿司割烹「碧寿司(みどりずし)」の2代目店主兼寿司職人。
父親義郎は技術と共に人間性に優れていたが、息子の碧悟は幼い頃から甘やかされて育ったために手に負えないくらいワガママになり、その結果、天才的な技術と欲求のためには手段を選ばない上に負かした相手をも徹底的に罵倒する高慢な心を持つ職人になった(小学生時代、自分より足が速かったというだけで同級生を階段から突き落としたことすらあった)。
コンクールではその技術を(恫喝混じりに)見せつけることで相手を棄権負けに追い込み、将太との勝負ではテーマの「光りもの」を築地中から買い占め、さらに将太達が苦労して取って来た黄金のサバが入っている冷蔵庫のコンセントを抜いて腐らせようとした。自身は鯛の子供カスゴを使った姿寿司で挑むも材料の良さとテクニックへの自惚れにより敗北(碧寿司の常連であった五十嵐大臣に「今の碧悟は親の七光りをまとっている未熟なカスゴでしかない」と評された)。さらにそれに激高して自身の悪事を思わず白状してしまったために寿司協会から追放され、結果、碧寿司を廃業することとなった。
その後は日本料理界に身を置き(ここでも自分をしごいた先輩職人が気に食わず、車で大怪我させた)、武藤鶴栄の力を借りて料理番組で将太と対決した。その際にも自ら指定したテーマの「サンマ」を築地中から買い占め、番組の打ち合わせを騙って部下の黒スーツの男達(二人おり、コンクールの時点ですでに登場している。片方はサングラスを掛け、もう一方を「牧さん」と呼んだ)に将太を自身の車に乗せてドアで左手を挟んで怪我をさせ、さらに一般審査員を金で買収した。しかしながらサンマを自分で獲る、右手だけで寿司を握ると言った将太の頑張りに黒スーツの男達は心を揺さぶられ、インチキの採点(1人5点の3人の審査員は全て将太の寿司にポイントを入れていたが、1人1点の一般審査員30人を買収していた)で碧悟が勝利した後に彼が働いた悪事の全てを白状した。その結果、日本料理界からも追放されるハメになった。
『全国大会編』の終盤にもわずかに登場し、ここでは高いプライドと上記の悪事が災いして職にもありつけずどん底の生活を送っていたところ、たまたまテレビ中継されていた新人寿司職人コンクールでの将太の努力に触発され、再起する決意を固めている。
奥万倉新一(おくまぐら しんいち)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している包丁の名人で、落ち着いた雰囲気の漂う長身の若者。包丁技術を生かした細工寿司を得意とする。家庭の事情から不良になっていたところを「磯銀」の親方に救われ、寿司の道に入った。
東京大会の開会式で将太と隣同士になり、緊張のあまりアクシデントで飲み物を上着にこぼしてしまい、涙目でオロオロする将太に自分の上着を貸して慰め、そのおかげで将太は落ち着きを取り戻す。
さらに一回戦でいきなり将太と対戦するが、包丁技術の向上のみにとらわれていた将太と違い、味の点にまで心を配る余裕があり、勝負は奥万倉の完勝。本来なら将太はここで敗退するはずだったが、将太自身の包丁技術も一回戦で落とすには忍びない腕と評価され、特例で二回戦進出を許され、九死に一生を得る。[4]
その後も勝ち進み、決勝戦で将太を始め、清水、藤吉と共に決勝を争うが、他者の技術に(一回戦では全く寄せ付けなかった将太にさえ)驚く描写が多い、藤吉と共に途中経過順位で最下位争いをすることが多いなど、一回戦での余裕ぶりとはあまりに対照的であったが、得意の包丁技術などで最後まで食い下がった。
右利きであるが、亡き後輩・修一の形見である左利き用の包丁も大切に持っている。
幼くして亡くなった息子の面影を自分に重ねていた養父母と縁を切ったことが、長く心のわだかまりとなっていたが、東京大会決勝戦で思い出の炙りイカを作り和解する。
年齢は当初は28歳となっていた(そのため自己紹介でも、28歳でありながら修行はまだ3年、歳が高いのに不思議に思われるでしょうが、と語っている)が、後に23歳と何の告知もなく変更されている。
なお将太のことも当初(東京大会・1回戦前後)は「将太くん」と呼んでいたが決勝で再開してからは「関口くん」と呼んでいる。
木下藤吉(きのした とうきち)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場している海苔作りと米利きの名人で、将太と同年代。元々農家の跡取りで裕福なため傲慢なところがあったが、あるきっかけで自分を変え今に至る。
最初に将太と出会ったのは佐治との巻物勝負で海苔を探していたときである。また、イタリアで苦心する兄弟子のために必死で金を稼いで寿司向けの米を作ってもらうなど、行動はひたむきである。
活発でともすれば不遜とも見られるような性格をしているが、料理人の第一である「食べる者のことを考える」という基本をしっかりと押さえており、課題が得意な米だったのもあり決勝戦前半を大きくリードする。
海苔作りのルーツとなっているのは佐治の父・重人が書いた本。
清水哲也(マグロ哲/しみず てつや)
新人寿司職人コンクール・東京大会に出場しているマグロ寿司の名人で、新人コンクールとしては年嵩な方。「マグロ哲」の通り名は伊達ではなく、マグロのみならずカツオ類の扱いでも他の追随を許さない。
あくどい経営をする「寿司金」の雇われ職人で、マグロを安値で買い叩き高値で売り捌くという非道な商売をしていたが、これは初美という心臓病を抱えた妹の手術費用を稼ぐためのものだった。その寿司金に見捨てられるが、将太達対戦相手や大和寿司の親方の助けによって初美は全快、譲り受けた大和寿司の屋号を「初美寿司」と変え独立し、再び東京大会決勝戦に臨み、将太とのプレーオフでもその実力をいかんなく発揮する。
決勝に残った4人の中で唯一最下位になったことがない実力を持つ。
大和寿司の親方
中国残留孤児の息子・北川潤一を待ち続けてアナゴの寿司を作り続ける老人。佐治との三番勝負のヒント探しに奔走していた将太と知り合って以来、彼を自分の息子のようにかわいがっており、数々の助けを行う。
後に息子との再会を果たし中国へ渡り、内陸部で寿司屋を経営するようになるが、この際に「自分の信頼する将太が助けたいと思っているなら、その者は信頼できる人物である」という理由で初対面の清水哲也に妹の手術費用として数百万円と、無用となった大和寿司の物件を譲渡している。
吉野寿司のお内儀
伊豆半島で亡き夫の跡を継いで寿司職人をしている。代変わりで客が離れる中、小学生の息子裕一が懸命に育てた芽ネギで作った握りで客を呼び戻すが、その息子までも失い生気を失っていた。将太の再現した息子の芽ネギを見て、生きる気力を取り戻す。
富寿司の親方
出前を中心とした寿司屋の職人。鳳征五郎と共に働いたことがある。昔気質で、あまりの指導の厳しさに弟子がつかなかったが、将太は食らいついてきた。ぶっきらぼうではあるが、ひたむきに食べる人間のことを考えている。将太に出前寿司のイロハを叩き込んだ。
武藤剛(むとう つよし)
武藤鶴栄の息子で、自身も優れた料理人である。しかし料理人殺しの異名を持つ父に認められるほどの水準はなく、一時は料理それ自体に挫折していた。
鶴栄が将太に難題を吹っかけていた時期に、関わらないように忠告に鳳寿司に現れた。恋人と父によって引き裂かれていたが、将太とともに父の課題を解きあかして恋人との再会に成功する。その時点で恋人は父に唆されて別の人物と婚約していたが、その婚約者が剛と彼女の再会の様子を目の当たりにして自ら身を引いたため、晴れて結ばれた。
大年寺三郎太(東北の竜/だいねんじ さぶろうた)
作中で「東北の竜」「幻の寿司職人」「ハイパー寿司職人」などと評される超人。佐治安人と並び『将太の寿司』『全国大会編』の二編に跨って将太と対戦する寿司職人である。
『将太の寿司』では、鳳征五郎の命によって仙台寿司コンテストに参加した将太の前に、仙台笹寿司の職人として現れている。コンテストでは将太と同等の寿司を作り二店同時優勝を飾るが、笹木のやり口を知り笹寿司と絶縁。その直後に武藤鶴栄の計らいで将太との三番勝負を行い、大年寺はこれに圧勝。いい勝負だったと語り、将太との再戦を誓う。
その後の『全国大会編』では、宮城県代表として新人寿司職人コンクール・全国大会に参加。将太が乗り越えるべき巨大な壁として立ちはだかる。彼に敗れた後も、ちょくちょく将太の応援に現れる。
無駄も隙もない完璧な技術は長い経験に裏打ちされたもので、25歳にして既に15年の修行期間を経ている。だが実際に寿司職人として店に入っていた期間は短いために定義の上では「新人」であり、新人寿司職人コンクールへの参加資格を持っていると征五郎によって説明されている。
常識外れの体力を持っており、特に『全国大会編』では、「熟れ寿司を作るために寿司を持ったまま数十kmを全力疾走する」「崖から冬の海へと飛び込み素潜りを決行し、5分以上耐えてタコを捕獲する」「濡れた身体を闘気で乾かす」「あまりの握りの早さと正確さに腕がたくさん生えたように見える(千手握り)」「電車にはねられたその日にアンコウを解体して寿司を握る」などの技術もさることながら規格外の精神力と熱意を持ち、その精神力や体力には将太も絶対に近い信頼を置いている。
同じ作者の「ミスター味っ子II」に登場している(キャラの設定や肩書異名なども変わっていない)。
高山信一郎(たかやま しんいちろう)
第一部終盤で登場した雅子の婚約者(ただし親が勝手に決めたことであり、雅子本人は否定している)。フランス料理にも精通しており、パーティーでフォアグラの寿司を披露したり、オレンジに漬け込んだサバでフランスの大統領を絶賛させるなど料理人としての腕前は超一流であるが、パーティーで小政の足を踏みつけながら挑発する、小政の元へオレンジに漬け込んだサバを送りつけた後わざわざ電話をかけてきて嘲笑する、雅子に接近した理由が実は財産目当てであったなど性格の悪さは笹木剛志や紺屋碧悟に匹敵するほどである。
婚約の座を賭けての対決で小政の編み出した豆腐を使ったサバ寿司の前に敗れた挙句、豆腐を馬鹿にしたことで雅子の父親の逆鱗に触れたため叩き出されてしまった。
黒川哲也(くろかわ てつや)
ドラマオリジナルキャラクター。小樽の「司寿司(つかさずし)」で16歳からたった3年でトップに立ち、司寿司が笹寿司に吸収合併された後もすぐそのトップに立った。将太との対決に負けて、寿司の心を取り戻し応援する。
鬼村龍二(おにむら りゅうじ)
ドラマオリジナルキャラクター。笹寿司の職人。黒ずくめの不気味な風体の男だが、黒川を破る程の高い寿司の能力を持つ。彼の握った寿司は原作では藤吉と奥万倉と清水が握ったもの。コンクール一回戦では、原作の奥万倉と同じ方法で将太に勝つが、やはり原作の一回戦と同じ方法で復帰した将太と決勝戦で再戦、敗れ、即笹寿司を見限り去って行った。

『将太の寿司〜全国大会編〜』の寿司職人たち

坂田利人(さかた としひと)
回転寿司「力寿司」に勤務する大阪府代表。幼い頃に両親が離婚し寂しい思いをしていた際に、同店の親方に励まされたのを切っ掛けに寿司の道へ入った。10年にもわたる地道な修行経験に裏打ちされた技術や精神は伊達ではなく、包丁技、早握りが得意で1回戦の早握り勝負では大年寺と共に最高記録を打ち立てた。子供にも手軽に食べてもらえる100円寿司の職人であることを誇りに思っている。子供が大好きで、子供達からの支持も厚い。全国大会では当初修行経験の少ない将太を見下すような言動が目立ったが将太の実力を見て考えを改め、その後は良い好敵手の一人となる。自身が勤務する寿司店の存続が危ぶまれた時には将太や、慎吾も含めトリオを組んで大王寿司との寿司対決に挑んだり、準決勝で兵庫を訪れた将太の応援に駆けつけ食材探しに同行するなど度々協力関係を築いた。四回戦では切島傀と対決。応援に来た子供の一人が交通事故で重傷を負い、輸血に協力したボロボロの身体で己の寿司職人生命を賭けて挑むが力及ばず敗退した。
切島傀に敗れて包丁を差し出すが、切島傀には包丁を折られた挙句歯牙にもかけられなかった。決勝戦では、仕事をしながら将太の勝負を見ており、寿司職人を続けている。
高田早苗(たかだ さなえ)
デパートの地下食品売り場で持ち帰り専門の寿司店「寿司仙」に勤務する福岡県代表で決勝進出者の一人。宮崎県出身だが、15歳から福岡に上京。現在は福岡暮らしの方が長いため「オイは──」「ばってん」「──とよ」など、福岡の方言を使う。「高田」は親戚の苗字で、旧姓は「宮下」。完全な独学で寿司握りを習得した変わり者だが、漬け込み(特に沖漬け)の技術は相当に高い。決勝では他3名と比べるとやや見劣りしたが、それでも得意分野を生かして最後まで食らいついていた。
かつては家族を助けるべく、“ラッシュ高田”と言う名前でボクシングで世界チャンピオンを目指していたが、不運なパンチで目を痛め、引退を余儀なくされた過去を持つ。
名の由来は、早稲田大学の設立者高田早苗か。女性のような名前のために、将太は対面し名前の書かれた札を見るまで笹寿司四包丁の紅一点ではないかと勘違いしていた。
切島傀(きりしま かい)
北海道「笹寿司」の代表で、笹寿司四包丁以上に笹木が本命と目して後援する職人で、決勝進出者の一人。針麻酔を使い食材を仮死状態にすることで、その鮮度を最高の状態に保つことが出来、殻を剥き頭を外したエビの生命を保たせたり、生きて泳ぐマグロにさえも、直接針を打ち込んで活け作りにしてしまう「瞬殺鮪」(しゅんさつしび)という得意技がある。気性は極めて荒く、氷のような目をしており、将太に敵意をむき出しにする。
額に大きな傷跡が残っており、名前が不明だった頃は「傷の男」という通称で呼ばれていた。
当初は「切島傀」であると思われていたが、飛男と将太の調べによって、弟「切島由太(きりしま ゆうた)」の身体に兄「切島傀」の人格が同居している多重人格者ということが明らかになった。彼らは長崎の寿司割烹「きりしま」に伝わる針麻酔の奥義継承に兄弟揃って挑戦するものの失敗、その際に傀は由太の目の前で父親を道連れに入水自殺してしまった。兄の無念を感じとった由太は「切島傀」を身体に宿し、家を飛び出して独自に修行を続けていたのだった。
決勝にて 人を支配する寿司を否定した将太の人を幸せにする寿司に敗れ腕の腱を切ろうとするが、そんな由太の前に幽霊として傀が現れて、"俺達が目指すべきは関口将太のような人を幸せにする寿司作りだ"と彼を導き、切島傀から本来の切島由太に戻って、幼馴染・天宮万里子と共に新たにやり直すこととなる。
叶崎精二郎(鋼の精二郎/かのうざき せいじろう)
笹寿司四包丁の一人で、「小竹寿司」から参加する高知代表。二回戦で将太と対戦。「おんしゃ──」「──やきに」など高知県の方言が特徴。最初は将太に対して挑発的な言動をしていたが、勝負の中で自分と互角以上に渡り合う将太を気に入り、敗北後は将太との対戦で将太が材料を手に入れられないよう手を回していた笹寿司と決別。
 性格は豪放磊落そのもので、全国大会1回戦では第3課題をサボり(第2課題までで合格点は取れていた)、笹木の「店を取り上げる」という脅しにも熨斗つけてくれてやると返している。また、裏工作の多い笹寿司にあって卑怯戦術とは縁がなく、むしろ笹寿司の裏工作を知って自分も使用素材を変えるなど、正々堂々とした勝負を重んじる。
「鋼の精二郎」の異名は高い包丁技術と焼き物の技術を習得していることの現れである。目にも止まらぬ速さで繰り出される必殺技・秘包丁カマイタチは、切り口の滑らかさから醤油が全て弾かれるほど鋭利な切れ味を持つ。
「アホウが握ったトンマ寿司に、変態じじいが興味を持った」という名ゼリフ(?)も残している。
武市半平(包丁修羅/たけち はんぺい)
笹寿司四包丁の一人。「包丁修羅」の異名を持つ。三回戦で外国人向け寿司創作勝負で世界三大珍味を使った寿司を握る(その際、隆々とした筋肉を発揮した「修羅の包丁」を使用し、高価な材料は自身の武器ではないと心の中で語っている)が、フォアグラ以上の上手さを持つアンキモの握りを作った大年寺に敗れる。
自信があるためか、笹寿司得意の卑怯な手段に対して難色を示すが、大年寺には卑怯者扱いされてしまった。
名前のモチーフは武市半平太と思われる。
加藤以蔵(包丁鬼/かとう いぞう)
笹寿司四包丁の一人。四包丁では首領格と呼ばれ、さらに「包丁鬼」の異名を持つ。四回戦の3番勝負で佐治から圧倒的な1勝を挙げるが、最後は甘海老の沖漬けという離れ業をした佐治に敗れ、首になった。名前のモチーフは岡田以蔵と思われる。
四包丁の女
笹寿司四包丁・最後の一人にして紅一点。武市半平と大年寺の勝負に際し、大年寺を電車のホームに突き落とした[5]その後将太は本人と出会い名を知るまで彼女が「高田早苗」だと勘違いし、福岡の市場で見かけ、その確信を高めたが、後はぱったりと登場しなくなり連載が完結した後も名前や素性は明らかにされなかった(この点は単行本ラストで、作者自身もネタにしている)。
月岡アキラ(つきおか あきら)
新潟県代表の職人。関口将太の全国大会第三回戦の相手。
幼少の頃、実の親から折檻を受け続け家出する。長岡で浮浪者同然になったところを、伝説の寿司職人「握り克」こと岡田克郎に見込まれ、寿司職人を目指すことになる。岡田に仕込まれただけあって、トップクラスの技術を持ち、「神の右手」と称する僅か0.01gの狂いもなく酢飯を握ることができる技術を持つ。
当初は「自らがのし上がるために全国大会に勝ち上がる」という野心を自らの理念としていたため、将太との最初の勝負で引き分けた際には岡田を一度見捨てたが(心臓発作を起こした際にも冷たく突き放すような言い方をしていた)、二度目の勝負で蟹の握りの欠点を見抜けず敗北した際に岡田と和解、2人で心の寿司作りを目指すようになる。

その他の人々

笹木剛志(ささき たけし)
北海道を中心に全国展開するチェーン店「笹寿司」社長の一人息子で、『将太の寿司』『全国大会編』のほぼ全編を通しての関口将太の宿敵。寿司を握ることはなく、経営陣に編入される形で家業を手伝っている。
同郷・同業かつ学校も学年も同じだった腐れ縁の将太に対してコンプレックスを持っており、何かと目の敵にしているため、巴寿司と将太に対して親子揃っての嫌がらせ(明らかな犯罪[6]を含む。また嫌がらせに興じる余り、店の印象を自ら悪くするような愚行[7]に走る場面もある。しかし、なぜかそれによる店へのマイナスが描かれることはなかった)を続け、かつてのクラスメイト達からも嫌われていた。しかし、上記のような嫌がらせにも決して屈することなく、正当に成長を続ける将太を見ていき、最終決戦中に自分がやっていたことの愚かさに気がついた。
最終話では将太から「お前たちのことを殺したいほどに憎いとも思ったが、お前たちのおかげで成長することもできた」と告げられ、将太の握った寿司を口にして和解。その後を描いた読み切り『韓国編』では笹寿司韓国支店の苦境を打破すべく将太に協力を依頼する。さらに3年後も将太とは友人であり続けているようだ。現在は改心しているため、東京から北海道進出を狙ってコンクールを開催したりする大手チェーン「寿司熊」の手口を何度も「汚い」と評し、そのたび関口兄妹に「お前が言うな(将太)」「おたくもやってたことでしょ(美春)」と突っ込まれている。
佐治ほどではないが、下の名前の読み仮名が初期は「たけし」と「つよし」で不安定だった。そのためか、ドラマ版では「つよし」である。
テレビドラマ版では最終回のコンクール決勝にて、二人のチンピラを将太に差し向け暴行を加えようとしたが小政に死守された。その後逮捕され、悪役のまま終わった。
笹寿司の社長
笹木剛志の父で、自ら立ち上げた笹寿司をあの手この手の「汚いやり方」で拡大していき、北海道はおろか、東京にまで進出させるほどの一大チェーンにまで築き上げた。同じ方法で金を積んで巴寿司を傘下に収めようとし、それを拒否されると息子とともに数々の嫌がらせをしてきた。
息子同様将太の成長に比例し嫌がらせをエスカレートさせていったがことごとく失敗。将太の奮起に心を動かされた息子を殴り飛ばすなど最後まで悪役を貫き通したが、買収した傘下の寿司店に暖簾を返され、愛想を尽かされた幹部に逃げられると、自ら築き上げていった「笹寿司」を崩壊させてしまった。起死回生を狙い韓国に進出するも上手くいかず、『韓国編』では将太や渡辺久美子が唖然とするほど腰が低い人物に変貌している。
テレビドラマ版では先述の息子の悪事から警察に呼び出され退場、最後まで親子で罪の擦り付け合いをしていた。また、名前は「虎雄」。
渡辺久美子(わたなべ くみこ)
将太のクラスメイトだった女性。中学卒業と同時に東京へ渡った将太とは、離れ離れになっても電話や文通で応援を続けている。
『全国大会編』ではウィーンへの音楽留学を果たす。一時期周りのレベルの高さからスランプに陥ったが教師の「ピアノは心で弾くもの」という言葉により自分を取り戻し、賞を獲るまでに成長する。『全国大会編』の3年後の間に将太と結婚、現在彼との間に誕生した新しい命も体に宿っている。
『2』では一人息子の将太朗を育てながら、将太と共に「巴寿司」を切り盛りしている。
ドラマ版では、番組最後の将太によるナレーションは「渡辺」で始まる。
関口源治(せきぐち げんじ)
将太の父親で、巴寿司の親方。若い頃には東京での修行経験もあった。妻の春子とは死別している。小樽一の寿司屋と評判であったが、笹寿司の妨害に遭って店は凋落、一時は生気を失い酒浸りになっていたが、将太らの励ましによって気力を取り戻し、寿司握りコンテストへの出場を決意する。しかし、それから間もなく海難事故で重傷を負い、将太に寿司握りコンテストの出場を託す。
東京へ将太が修行に出てからは、帰る家を守るために痛めた身体を押して店を開けている。
将太が全国大会の決勝戦に進んだある日、身体への無理が祟り昏倒、意識不明となってしまうが、将太の優勝が決まったと同時に回復し、大団円に花を添える。番外編にも登場し、そこでの寿司コンクールでの将太との共闘を最後に引退する決意だったが、孫の存在を知り現役続行を決意する。
『2』では巴寿司本店を将太ら夫婦に任せ、自身は屋台を出して寿司を握っており、高齢ながらその腕前は未だに健在である。
関口美春(せきぐち みはる)
将太の妹。父と共に小樽で将太が修行を終えて店を盛り立ててくれる日を心待ちにしている。
関口春子(せきぐち はるこ)
将太の母親。笹寿司の妨害にあって悩んでいる夫・源治を常にそばで支え続けた理想的な妻。夫同様、料理の腕と知識もなかなかのもの。無理がたたっての過労から若くして逝去。
鶴丸芳喜(つるまる よしき)
関口家とは古くからの付き合いになる、漁師。連載初期は笹寿司の妨害の恐怖から彼らへの協力に躊躇していたが、苦労しながらも笹寿司に立ち向かっていく将太に感銘を受け、全面的な協力をするようになる。性格は豪快かつ情熱的な感動家で、将太の職人としての大成を自分のことのように喜んだ。
『2』でも漁師を続けており、社長と呼ばれている。
神亀鮨(しんかめずし)
北海道出身の寿司屋を経営していた男で、源治の船に細工をして事故を起こさせた張本人。しかしそれは北海道で寿司屋を営んでいた当時、笹寿司に何かといいネタを仕入れてもらっていたが、その代金を支払うように脅されてやむにやまれずにやったことだった。しかも笹寿司の策略によって店まで奪われて北海道を追われてしまう。その後は東京で工事現場の職員として働き、鳳寿司で初めて将太に対面した時は激昂した将太に殴られそうになるが、征五郎に説得された将太と「マグロ尽くし」を介して和解、工事現場の親方からの餞別として受け取った屋台を引いて北海道で再起を図る。
その後、北海道での仕入れの帰りに笹寿司の嫌がらせに遭っている巴寿司の現状を目撃、「自分のせいだ」と屋台を引く意欲を失って、せめてもの償いとして魚河岸に転職して新鮮な魚を店に届けていた。しかし、「寿司屋なら自分の握った寿司で勝負しろ」と源治に諭されて仲間と認められた。
宇崎辰巳(うざき たつみ)
通称・百目の辰。将太とあまり年は変わらないが、築地で知らぬ者はいないという目利きの名人(通称「百目」の由来)。当初は将太を冷たくあしらっていたものの、その熱意を認めてからは(将太の境遇が自分に似ていると感じたため)目利きの技を伝授したり、いい食材を提供したりと積極的に支援している。
彼の父親もまた目利きの名人であったが、食材を提供した店側のミスで1人の女の子が食中毒で死に追いやられ、その責任をなすりつけられたことにより信用を失い、それが元で他界した。彼の父親によれば、責任を自分になすりつけられたことより娘を死に追いやられた母親の表情が頭から離れないとのことで、死ぬ間際には辰巳に目利きの重要さを諭した。
前田貴志(まえだ たかし)
母親と死別した少年。生活は相当に苦しく、親戚が引き取ろうと申し出るほどだが、それでも父親の元にいようとする。将太を兄のように慕っている。母の思い出の卵焼きが好物。
貴志の父
妻・冴子とは死別。借金を抱えて生活は苦しいが、男手一つで息子を育てている。船に乗っていた経験があり、世話になった将太のために嵐の中でも漁をしたりする。貴志の学校の弁当も彼が作るが、一度忙しさにやむなく納豆だけを入れてしまい、それが原因で貴志はしばらく苛めに遭うことになったことも。
ドラマ版では良い夫ではなかったらしく、妻とは別れており(その後事故死)、それが貴志の心に傷をつけている。
北川潤一(きたがわ じゅんいち)
大和寿司の親方の息子。中国残留孤児。中国の内陸部・吉林省で中華料理店を経営する常夫妻に拾われて育てられ、跡取りとなっている。後に親方を中国に招き、その寿司屋の経営を助けている。中国で経営不振に陥った親方の寿司屋を立て直すべく日本の将太に応援を依頼する。
米村昌幸(よねむら まさゆき)
大手寿司チェーン「寿しとぴあ」の社長。富寿司の親方のやり方に反発して店を飛び出し、格安豪華弁当をひっ提げて富寿司の親方と将太にひな祭り対決を挑むものの敗れ、食べる人の心を教えられて反省し富寿司の親方と和解する。
伏見直子(ふしみ なおこ)
鳳寿司の常連客・加藤の孫娘。体調を崩し魚が食べられなくなった祖父を貝の寿司で救った将太に一目惚れしている。鳳寿司の慰安旅行に同伴したり、飛男と共に全国大会決勝戦の応援に行くなど登場回数が多かった。
雅子の父
雅子の父親。豆腐職人であり、谷中にある老舗の豆腐料理屋を営む。自分と自分の妻が経済的に苦境してきた経験を踏まえ、格のある料理人で安定した収入を持つ高山信一郎との婚約が雅子の人生にとって良いと判断し、高山との婚約を雅子にさせる。雅子が婚約を断る口実を作るために小政を「恋人」として紹介された当初は「腕はいいが、それ以外の条件を考えると雅子にはふさわしくない」という理由で小政を門前払いしたが、高山が小政との勝負に敗れた際にその本性をあらわにした際は、高山に見切りをつけた。
丸川源介(まるかわ げんすけ)
高級寿司チェーン「大王鮨」の会長。息子の春樹はチェーンの社長である。叶崎精二郎と関口将太の対決の審判を務める。おいしいものを食べると体中から寒いぼが出る。子供っぽい性格をしているが、力寿司を冷徹な経営手段で乗っ取ろうとした息子を厳しくたしなめる一面もある。
丸川春樹(まるかわ はるき)
高級寿司チェーン「大王鮨」の社長。MBAまで習得した経営のプロであり、合理的な思考のもと、冷徹な経営術で大王鮨を大手の全国チェーンまで拡大してきた。人格者の父親の源介とは対照的に拝金主義思想であり、寿司も単なる利益を生み出す道具にしか過ぎないと考えており、「客においしい寿司を食べてもらいたい」という将太や坂田の理念とは真っ向から対立する。力寿司を手に入れるため坂田との寿司勝負を画策したが、坂田や将太の創意工夫された寿司の前に敗れる。笹寿司の社長同様、自らの利益のためなら手段も選ばない一面も持つ。坂田と同様大阪弁を話す。
岡田克郎(おかだ かつろう)
月岡アキラの師匠。若い頃は日本一の寿司職人「握り克」と言われていた。
流れ職人の頃、鳳寿司で修行をしたことがある。あまりの技術の高さに鳳寿司の客、若い職人達は驚き、それを感じた克郎は、征五郎を除く鳳寿司の職人全員(この頃政、秀、佐治達はまだいない)を引き抜き、鳳寿司を辞め独立した。開店当初は連日満員であったが、次第に客足が遠のき、最終的に閉店に追いやられる。閉店がきっかけで昼、夜構わず酒を呑むようになり、心臓を悪くした上に腕が利かなくなり、全国大会第三回戦の最中に倒れたところを、皮肉にも征五郎の弟子である将太に助けられる。
征五郎とは寿司に対する考え方が全く異なり、征五郎が客の好みや、体調の良否、食欲の有無に気を使って寿司を握っていたのに対し、岡田は己の技術の高さを誇っており、自分の思い通りの寿司を握っていれば客は満足してくれると考えていた。この価値観に加え「鳳寿司への敵意」という思いも交わり、アキラに技術ばかりを指導してきた。しかし将太に助けられたことで、それが間違いだと気付く。
アキラに一度は見捨てられながらも、アキラが自分の二の舞にならぬように将太に懇願したほどにアキラを思っており、後に2人で心の寿司作りを目指すようになる。
加納弥平(かのう やへい)
「加納鮨」の親方。築地で働く人間の中では伝説的な目利きの達人で隠してある最高級アワビさえ嗅ぎ付けてしまう能力がある。東京大空襲で店と後継者の息子を失ったが、佐治との決勝を控えた将太を後継者と見定め、目利きを鍛える。
田辺容堂(たなべ ようどう)
人間国宝の刀鍛冶職人。東京大会の優勝賞品である4本の包丁をもらい恐縮する将太に対し、包丁は宝物ではなく使ってこそ意味があることを教える。
有津柿太郎(ありつ かきたろう)
人間国宝の焼物職人、全国大会決勝戦の審査員も務めた。課題用として提供した1枚500万円の皿を切島由太に割られ謝罪する将太に対し「皿は使うためにある、使えば割れるのは当然」と言って許し、代わりに課題用の皿以上の価値のある白い皿を貸し与えた。
切島由太と切島傀の父親
長崎の寿司割烹「きりしま」を営む寿司職人。子である由太と傀に折檻も含めたスパルタ式の厳しい修行を行っていた。ある日代々切島家に伝わる針麻酔の奥義継承に兄弟揃って挑戦するものの失敗、その際に傀を罵倒し、それに激高して我を忘れた傀は由太の目の前で父親を道連れに入水自殺してしまった。
溝口安二郎(柏手の安/みぞぐち やすじろう)
新人寿司職人コンクールの東京大会では審査委員長を務め、その後も度々登場する食通。全国握り寿司協会創立者の息子であり、小さい頃から修行していたエリート。現在は父の跡を継いで全国握り寿司協会会長。味覚の水準は同じ素材の1時間の鮮度差を見破るほどに鋭い。「柏手の安」という通り名を持っており、うまい物を食べるとつい「パァン!」と柏手を打ってしまう(雅子に「上手いぞパァン!の柏手の安」とも呼ばれた。また本人はこの癖を恥ずかしく思っている)。穏和な性格で、ある理由でコンクールをすっぽかした将太たちを見逃す度量も持っているが、不正行為や不誠実な仕事には厳しい。東京大会以来の付き合い故か、有津の元に共に行ったり深夜まで将太の目利きを見届けるなど、将太に若干甘い。
『2』では審査委員長を退任し、武藤と共に全日本寿司教会の要職を務めている。将太と佐治に会長職を要請したが固辞されている。
武藤鶴栄(料理人殺し/むとう つるえ)
東京大会に優勝した将太の元へ現れ、無理難題を吹っ掛ける食通。「探味塾」塾頭。辛辣極まりない評論で「料理人殺し(りょうりにんキラー)」と呼ばれ各界より恐れられている。その異名の通り、生半可な料理を出す料理人に対しては二度と復帰できなくなるほどの社会的評価を下すが、料理に対する知識量と味覚の水準は極めて高い。ただし、紺屋碧悟を担ぎ出して関口将太と対決させ、碧悟が不正をしたために、審査員だった作家・水上勉太郎から一時評論を慎むよう宣告されるなど、味以外の点はお粗末な側面もある。その極めて攻撃的な性格ゆえに息子・剛とは不仲であり、和解することはなかった。
『全国大会編』では審査員としてたびたび登場し、やはり将太たち出場者に難問を課す。
目を付けた料理人への厳しい態度は、その者の成長を願う心からくるものであり、そうなったきっかけとして、生まれ故郷のある港町が都市開発による環境破壊を受け、豊かな自然と豊穣な食材・料理が完全に消え去っていたことに心底落胆した経験があったことを告白している。そのため、単に料理人をこき下ろすだけではなく、認めた料理人には正当な評価を与えるほか、ダメな料理人であっても評価を受け入れ向上心を持つ者であればヒントを与えた上で再挑戦の場を与えたりもする。しかし武藤自身はそれを敢えて口にも態度にも表すことは無いため作中においての理解者は少ない上、単なる料理人潰しのための口実にしていた時期もあった。
当初はアボカド寿司を食べに来た外国人に「味も分からない野蛮人」と陰口を叩いたり、「寿司は日本料理や中華に遠く及ばない」と寿司業界を激しく非難したり(溝口審査委員長は挑発と推察したが)と完全な悪人として登場。幾度となく将太達に煮え湯を飲まされ、大和寿司絡みの一件でようやく己の愚かさに気づき、少しは反省した。それ以降は厳しい態度こそ変わらないものの以前のような妨害をすることはなく、純粋に将太の成長を願い、見守っている。佐治との一戦での溝口の「どう見ても将太に状況は不利」という呟きに対して「関口将太はきっと負けん」と遂に将太の腕を認めた。最終話で新作を出版するが、奇しくも題名は『将太の寿司』であった。その印税を巴寿司に渡し、借金返済の原資にさせる。
『2』では審査委員長を退任し、溝口と共に全日本寿司教会の要職を務めている。将太と佐治に会長職を要請したが固辞されている。
岩崎民次(識味/いわさき たみじ)
全日本寿司協会の会長を務める老人で、「識味(あじしる)」の異名を持つ。プライドの高い武藤ですら頭の上がらない大人物。
15歳で寿司の道に入って70年が経過している。寿司職人だった若い頃に激務と修行によって盲目となっており、その際に異常なまでの感覚を体得している。特に味覚は「絶対味覚」と呼ばれ、武藤や溝口でさえ言われないと感づかない、ほんの僅かな味の差異を敏感に感じ取る。嗅覚も多数の弁当に埋もれた焼肉弁当の存在を嗅ぎ当て、触っただけでシブダイとシロシブダイを区別するなど、味覚以外の感覚も凄まじい。
常に目を閉じているが、真にうまいものを食べた時のみ目が開き、眉を跳ね上げる反応を示す(うまさによって片眉・両眉と差があるが、両眉を上げたのは30年近くないという)。

『将太の寿司2 World Stage』の登場人物

佐治将太(さじ しょうた)
佐治安人の一人息子で寿司職人。鳳寿司で修行をしている。母親に当たる昔の恋人の手紙を持って訪ねてくるまでは佐治自身も存在を知らなかった。
亡くなった母親の遺言に従い、将太朗より半年ほど早く店に勤めたが、性格がいい加減で魚の塩の加減も「どうせそんな些細な味の違いが分かる客なんて滅多にいない」と言い放つ問題児。佐治もあまり強く言えず、慎吾と飛男に「親方の息子じゃなければ殴ってる」と言わしめる。しかし、その傲岸不遜で根拠のない自信に満ちた性格は、若き日の佐治に共通するものがある。
性格が真反対とも言える将太朗とは相容れず、上述の発言に対し「その些細な客が来るときの為に絶えず努力と工夫が必要」と言い放つ彼とは諍いが絶えない。
デュカスの暴言や、彼の作る「寿司とは呼べない寿司」に腹を立て、世界に日本の寿司を知らしめる為と称して、何の当ても計画も無く、さらに就労ビザ労働許可証を持っていないままフランスパリに飛び立つ。
当初(しいて言えば初陣)は「HI-SUSHI」に親方直伝の寿司(エビ・マグロの赤身・タイの昆布締め・イカ・サーモンの握り・鉄火巻・カッパ巻き。合計16貫)を新メニューとして提供したが、相手にされず不採用になった。しかし即、気を取り直して向かい側の「モナミ鮨」に流れ着き、ピエールら5人の常連客から店の立て直しを依頼され、無謀にも「モナミ鮨」の乗っ取りを目論む「HI-SUSHI」にジャパンフェスタでの寿司売上げ対決を申し込む。勝負では、見た目の美しく作るのも簡単な手毬寿司や、覆面レスラー「モナミSUSHI」による宣伝、ジャパンフェスタ最終日には、外国人向けに日本式の食べ方を教える「お寿司の学校」と言った奇策でHI-SUSHI相手に肉薄。何とか店を守ることに成功し、マリーから正式な従業員として雇用された。
ダニー・Kとの応酬を繰り広げながらではあるが、売上向上と共に、フランス語も徐々に習得しつつある最中に、ピエールから不法就労就労ビザ労働許可証を持っていないままの就労による違反)と告げられ、「モナミ鮨」に更なる存亡の危機と、「鳳寿司」の責任問題の危機に陥れてしまった。それを防ぐ為急遽、西堀順一が定期的に参加しているフェット(フランスのホームパーティー)を通じてそれらの取得に向かう。
関口将太朗(せきぐち しょうたろう)
関口将太の一人息子で寿司職人。父親のDNAを受け継ぎ、18歳にして巴寿司のツケ場に立つほど、その腕は一流。
新たな修行の場に、と佐治を伝って鳳寿司へ修行に出た。父親同様、仕事には至って真面目な性格で、店では半年先輩の佐治将太とは諍いが絶えず、複雑な感情を抱いている。彼を名前で呼ぶことはなく(父親と親方の名前であるため)、「将太(仮)さん」と呼んだりしている。
「GENESIS(ジェネシス)」からの帰途に「岩寿司」での親子の喧嘩に出くわし、その立て直しの手伝いを志願し、佐治安人から2~3日程休みをいただき「岩寿司」に一時入店する(佐治安人からは、若い時の父親と一緒と感心している。)。岩田真治を連れ戻すために自腹で「GENESIS(ジェネシス)」に単身来店し説得を試みるが、本人からは相手にされなかった。すぐ近くにいたサハルから一目惚れされていまい、そのまま同盟を結ぶ(モテモテ度も父親ゆずり)。
岩寿司の親方に「クレームを利用しての接客術」「生簀の設置」「釣り客からの素材買い取り」を提案。見事に商売繁盛へと導き大願を果たす。
ダビッド・デュカス
「日本の寿司を殲滅するため」にやって来た謎のフランス人で寿司職人。味覚と料理センスは本物の天才だが、伝統を罵倒する言動が多い。寿司コンクールで欧米では一般的な斬新な寿司(酢飯ではなくポレンタを使ったもの)を作るが、審査員から「おいしいが、寿司とはいえない」と失格扱いされ、「旧態依然でガラパゴス化した日本の寿司はいずれ滅びる」と言い捨てて帰って行った。1週間後に再来日し日本・銀座で個人寿司職人向けの巨大寿司店「GENESIS(ジェネシス)」を立ち上げる。
イノベーションを第一に考える合理主義思想であり、日本の寿司屋を毛嫌いするのも、経営者の高齢化や後継者不足、魚の乱獲による物価高騰などで悩みながら伝統に固執する姿勢を好ましく思っていないためである。反面、佐治安人とは強い友好性を示している。
千成駒子 (せんなり こまこ)
ダビッド・デュカスと共にフランス・パリで寿司屋を営んでいる日本人女性。
日本の寿司の伝統を見下すデュカスの思想に共感する一方、老舗寿司店の倒産とその家族、常連客の行く末を案ずるやさしさを持っている。
デュカスが参加した寿司コンクールの翌日からジャパンフェスタでの寿司売り上げ対決期間までの10日間フランスパリに滞在。帰国の翌日に再び鳳寿司に来店し、「商売抜きならおたくの寿司が一番好き」を宣言の上、佐治将太が開設した「お寿司の学校」の成功を佐治安人に報告した。
初登場からパリ訪問までは乱髪ではあるが、2度目の鳳寿司への来店は髪を後ろに束ねており若返った表情をしている。現在も鳳寿司の支持を続け、佐治将太と関口将太朗に日本の寿司の将来を託している。
サハル
「GENESIS(ジェネシス)」で働く寿司職人。中東方面出身の若い女性で、経験の浅い新人だが「大切なのは技術よりも心」という思いを持ち、その情熱とセンス、独創性と客一人一人の細かい情報収集力で店のナンバー1職人の座に立っている。初登場時までの半年間で200の洋風日替わり寿司を習得している。岩田真司を連れ戻そうとして「GENESIS(ジェネシス)」に単身来店してきた将太朗に一目惚れし、そのまま「岩寿司」を訪問。彼女自らのセオリーである「客一人一人の細かい情報収集力」の必要性を親方に伝えた(後に将太朗が「クレームを利用しての接客術」を提案した基となる)。
数人前もの寿司を大食いしているため、佐治安人に匹敵する程の「絶対味覚」を習得している。また趣味が船釣りであるため素材の確保には余念がない(後に将太朗が「生簀の設置」「釣り客からの素材買い取り」を提案した基となる)。岩寿司の親方から「トントン寿司」を習得(真意については「岩田真治」を参照)するなど、日本全国の寿司にも精通しており、この意味では大年寺三郎太と同レベルともいえる。非常識な男性客からのセクハラにも動じず、同僚からも「女王様」と呼ばれている。
真治の「生アナゴ塩レモン〆の握り」(材料はペットであるはずの大型アナゴ大五郎)の開発に協力し、彼を岩寿司への凱旋に導いて見事に盟友将太朗と共に大願を果たす。ちなみに彼女の居住場所であるマンションは「GENESIS(ジェネシス)」でのランクイン特典として手配されていると思われる。
アラン
「GENESIS(ジェネシス)」で働く武闘型の大柄な男性。不愛想であるため寿司職人には不向きではあるが、雑用と警備を合わせた役割で店内の安全を守っている。サハルに対する非常識な男性客のセクハラ発言を地獄耳で感知し、自らの体格と鋭い眼光でそれを排除する程の強い存在感を示している。
岩田の親方
 「GENESIS(ジェネシス)」の近くにある創業25年の老舗寿司店「岩寿司」の親方。職人歴40年のベテランである。商売敵である「GENESIS(ジェネシス)」に入店した真治を連れ戻そうとしたが固辞されて苦悩している。店の立て直しを志願した将太朗に「特上寿司3800円」をおごり盟友として迎え入れる。更に将太朗の紹介で来店してきたサハルも盟友として迎え入れる。サハルのセオリーである「客一人一人の細かい情報収集力」の必要性を導入し、彼女に礼の意味で「トントン寿司」を伝授する。そのかいもあり柔軟な接客イノベーション、生簀の設置と釣り客からの素材買い取りを導入して、見事に商売繁盛となった。
岩田真治(いわた しんじ)
岩寿司の跡取り息子。幼い頃から魚の目利きを修得しながら親方を支えてきた。岩寿司の立て直しのために、親方の反対を押し切って「GENESIS(ジェネシス)」に入店した。指名が全くなく苦戦してい最中に親方に代わってサハルが「トントン寿司」を店頭に出したのを見て「手本にすべきは親父の寿司」と思い直し、岩寿司再建に向けた看板メニューとして「生アナゴ塩レモン〆の握り」を盟友サハルと共同で開発。親方と共に店を支える決意を胸に岩寿司へ凱旋する。
西堀順一(にしぼり じゅんいち)
フランスパリに滞在経験のある実在のエッセイ漫画家がモデル。将太より一年前にバンドデシネの修業のためワーキング・ホリデーフランスパリを旅行する青年。チンピラに絡まれたところを将太に助けられ、共に「モナミ鮨」の立て直しを続けている。普段は「響子食品」という日本食材店でアルバイトをしている。エマからは「ジャン」と呼ばれている。将太が就労ビザと労働許可証を持っていない為、定期的に参加しているフェットの仲間を通じてそれらの取得に向かう。
エマ
西堀順一と共に「響子食品」という日本食材店でアルバイトをしている若い女性。商品をいじりまくり、西堀順一の家に居候する将太に厳しくあたる。
小谷清志郎(こたに せいしろう)
フランスパリに居を構える「モナミ鮨」の店主。若いころは日本大使館付き料理人として同地で働いていた。退職後は妻と共に「モナミ鮨」を開店したが、困窮と無理が続いた末に妻がいち早く死去した。酒浸りとなり一人娘のナオミが家出して孤独の人生を送っていたが、彼女の娘と思われるマリーを引き取り店を続けた。「HI-SHUSHI」の卑劣な乗っ取りに苦しみ、入院に至る。マリーの紹介を受けた佐治将太と出会い、マリーの世話と店の経営を彼に託す。
ナオミ
小谷清志郎の一人娘。15歳の時に酒浸りの父親に愛想をつかして家出した。マリーの母親と思われる。現在も消息不明となっているが「HI-SHUSHI」による「モナミ鮨」乗っ取りの真相に関わる重要参考人と考えられている。
マリー
小谷清志郎の幼い孫娘。クロスガードの使用など格闘技の実力が高い。ライバルの「HI-SUSHI」の卑劣な乗っ取りに苦しんでいる。ナオミの娘らしいが、父親の顔を知らず、母親に捨てられ、小谷清志郎の元を訪れそのまま彼に育てられた。その2つの影響で毒舌家かつ攻撃的な性格をしており、誰に対しても厳しくあたる。反面、常連客の意見には弱い。「モナミ鮨」を守った佐治将太を礼の意味で正式な従業員として雇用した。
将太に対する執拗な毒舌の裏には何かの希望が込められているが、将太にはまだ伝わっていない。
ピエール
アート関連の仕事をしている「モナミ鮨」の常連客。ほかに4人の常連客がいる。ジャパンフェスタでは屋台確保に努め、さらにマリーの反対を押し切って佐治将太の手毬寿司を支持した。勝負では、将太の指揮下で手毬寿司を常連客総動員で握る。
セイボン・トレービア
フランス人グルマン。自らをフランスの須原椎造と呼んでいる。ジャパンフェスタでの寿司売上げ対決初日に「HI-SUSHI」の特製フルーツ3点盛りを称賛したが、最終日では「お寿司の学校」を逆賞賛してHI-SUSHI相手に肉薄するきっかけを作った。
モナミSUSHI
全日本プロレスに所属する実在のマスクマンがモデル。正統派を目指しているがうまくいっておらず、フランスでの巡業中に将太の奇策に利用され、マスクマンとなった。SUSHI本人がこのキャラクターに対してヤジを入れたことで作者と対立、後に和解した。ジャパンフェスタでの寿司売上げ対決の終盤では、「全日本プロレス腹ペコ隊」のメンバーとしてセイボン・トレービアに続き「モナミ鮨」を援護購買してHI-SUSHI相手に肉薄するきっかけを作った。
ダニー・K
フランスパリを拠点にチェーン店を増やす「HI-SUSHI」の店長。「モナミ鮨」の乗っ取りをもくろみ、店主を入院に追いやる。
今回のジャパンフェスタでの寿司売上対決では、半年前から研究開発した下記の特製フルーツ3点盛りを販売した
・胡瓜・海老巻きのイチゴ・クリームチーズ乗せ
・アボガド・サーモンのマンゴー桂剥き巻き
ココナッツミルクライスで巻いた焼きバナナロールのドラゴンフルーツ・トマト・キウイソースかけ
ちなみにジャパンフェスタでの売り上げは創立以来ナンバー1である。今回の寿司売上げ対決も20€差で「HI-SUSHI」の勝ちとなった(千成駒子が将太の「お寿司の学校」から寿司を買っていれば「モナミ鮨」の逆転勝ちは必定?)。「モナミ鮨」を乗っ取れる状況ではあるが、佐治将太が開設した「お寿司の学校」の将来性を認め、特に覆面レスラー「モナミSUSHI」による宣伝で「HI-SUSHI」の売り上げが例年より5割以上アップした為、礼の意味であえてそれを猶予した(部下には、それを利用し、自らの店の宣伝にしようという説明もしている)。かつて日本で寿司を勉強していたが、日本人寿司職人がパリで失敗して逃げ帰ったことが多いため、極度に日本人が嫌い。「ダニー・K」は渾名である。しかしジャパンフェスタでの寿司売上げ対決をきっかけに、将太の出した数人前の寿司セットを大食いするなど、意地の張り合いを続けている。またマリーに対しても曖昧な恫喝(セリフの中に「?」が含まれている)がある事から、マリーと何らかの接点もあると考えられている。

関口将太の全寿司勝負

第一回小樽寿司握りコンテスト(将太の寿司3巻)
優勝 笹寿司(将太は巴寿司代表で出場し、「マグロ尽くし」で善戦したが、笹寿司による審査員の買収により敗退)
新人寿司職人コンクール鳳寿司代表戦 対佐治安人(将太の寿司4巻 - 7巻)
一番勝負 鯛 勝者…関口将太
二番勝負 アナゴ 勝者…佐治安人
三番勝負 光りもの 引き分け
四番勝負 巻きもの 勝者…関口将太
(この勝負で将太は、新人寿司職人コンクール鳳寿司代表となり、佐治は鳳寿司から去り、寿司修行の旅に出る)
小樽すずらん祭 ちらし寿司大会(将太の寿司7巻 - 8巻)
優勝 巴寿司
新人寿司職人コンクール 東京大会(将太の寿司8巻 - 10巻)
一回戦 細工寿司 二回戦進出者…奥万倉新一、関口将太(ただし将太は敗者復活で二回戦進出)
二回戦 握り 対清川流也(寿司玄) 勝者…関口将太
三回戦 エビ 対下山鉄雄(芝浜鮨) 引き分け
三回戦 エビ(クルマエビ以外)対下山鉄雄(芝浜鮨) 勝者…関口将太
準決勝 光りもの 対紺屋碧吾(碧寿司) 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 東京大会決勝(将太の寿司11巻 -
決勝進出者…関口将太(鳳寿司)、奥万倉新一(磯銀)、木下藤吉(銀寿司)、清水哲也(寿司金)
第一課題 米の目利き 勝者…木下藤吉
水の目利き 勝者…関口将太
炊飯 勝者…木下藤吉
第二課題 トロ 勝者…関口将太、清水哲也
赤身のヅケ 勝者…清水哲也
(第二課題終了後に清水哲也が寿司金を解雇され、初美寿司としてコンクールに参加)
第三課題 アオリイカ 勝者…関口将太
ハマチ 勝者…奥万倉新一
第四課題 カツオ 勝者…清水哲也
第五課題 赤貝 勝者…木下藤吉
貝(自由課題) 勝者…関口将太
<この時点での順位>将太…73P、清水…70P、藤吉…66P、奥万倉…65P
最終課題-一人前の寿司-
一品目 将太…ハッカク、清水…ヒラメ昆布じめ、藤吉…アナゴ、奥万倉…星ガレイ
二品目 将太…太刀魚、 清水…ヒラメのエンガワ、藤吉…タイの湯霜造り、奥万倉…コハダ
三品目 将太…ブリトロ、清水…サーモン、藤吉…煮イカ、奥万倉…マグロのヅケ
<中間得点>藤吉…96P、将太…93P、清水…85P、奥万倉…80P
四品目 藤吉…ウニの軍艦巻き、将太…ウニの握り、清水…タイラガイ、奥万倉…煮ハマグリ
五品目 藤吉…タコ、将太…タコの桜煮、清水…タコ、奥万倉…タコ
六品目 藤吉…関アジ、将太…コハダ、清水…シメサバ、奥万倉…サヨリ
<中間得点>将太…123P、藤吉…116P、清水…110P、奥万倉…100P
七品目 藤吉…シャコ、将太…芝海老おぼろ、清水…クルマエビ、奥万倉…炙りイカ
八品目 藤吉…車エビ、将太…小柱軍艦、清水…マグロの皮、奥万倉…海老のケン細工寿司
九品目 藤吉…あぶり大トロ、将太…大トロステーキ、清水…大トロステーキ、奥万倉…大トロ
十品目 藤吉…桜葉の塩漬け、将太…芽ネギ、清水…シソの葉、奥万倉…シイタケ
プレーオフ'
ヒラメ尽くし 対清水哲也 勝者…関口将太(優勝)
新人寿司職人コンクール 全国大会一回戦(千葉県千倉町高家神社
第一課題 マンダイのキッツケ 10点満点
第二課題 玉子焼き 0点(20点満点)
第三課題 マグロ勝負 10点満点
総合得点が40点満点中20点で二回戦進出(19点以下は失格)
新人寿司職人コンクール 全国大会二回戦 対叶崎精二郎(高知代表)(和歌山県那智勝浦町
第一課題 マグロ尽くし 勝者…関口将太
第二課題 クジラ 勝者…叶崎精二郎
第三課題 エビ 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会三回戦 対月岡アキラ(新潟代表)(石川県金沢市
課題 白魚の握り 引き分け
延長戦 カニの握り 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会四回戦 対大年寺三郎太(宮城代表)(兵庫県明石市
先に2連勝した方が勝者
第一課題 ネタ当て 勝者…大年寺三郎太
第二課題 タイ 勝者…関口将太
第三課題 牛肉 勝者…大年寺三郎太
第四課題 タコ 勝者…関口将太
第五課題 島の幸 勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会決勝(福岡県→九州全域)
決勝進出者…関口将太(東京代表)、佐治安人(京都代表)、切島傀(北海道代表)、高田早苗(福岡代表)
8戦行ううち、上位2名が最終決戦進出
第一課題(福岡県) 白身の寿司の再現 勝者…佐治安人
  • 寿司の味そのものは将太が勝っていた
第二課題(博多発 - 大分行特別列車) 駅弁対決 勝者…関口将太
第三課題(大分県) 県内の海域で獲れる魚 勝者…切島傀
第四課題(宮崎県) ちらし寿司(色指定) 勝者…高田早苗
第五課題(鹿児島県) 魚あて(鯛三種) → シブダイの握り(将太対切島) 勝者…関口将太
第六課題(熊本県) 未知のエビ寿司 勝者…佐治安人
第七課題(佐賀県)寿司の盛り込み(巻き寿司限定) 勝者…佐治安人
この時点で佐治が最終決戦進出確定
第八課題(長崎県/豪華客船) 一人前の寿司(外国人も審査)勝者…関口将太
新人寿司職人コンクール 全国大会最終決戦 対佐治安人(東京都・築地市場
課題 一人前の寿司 勝者…関口将太(優勝)

テレビドラマ

テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 1996年4月19日から9月20日まで、フジテレビで金曜20時(金曜19:58 - 20:54)から柏原崇主演でドラマ化された。全16話、平均視聴率11.1%。放送終了後は再放送・ビデオソフト(VHS・DVD)化されておらず、関連商品として主題歌とサウンドトラックCDのみ発売されている。

当時、ヤクルト横浜中日戦(主に神宮球場・横浜スタジアム・ナゴヤ球場での対巨人戦ホームゲーム)を中心としたプロ野球の中継(さらに関西テレビでは阪神オリックス戦に、テレビ新広島では広島戦に、テレビ西日本ではダイエー(現:ソフトバンク)戦に差し替えの場合あり、またこれらの局では巨人戦ビジター以外でも本番組を平日午後または週末に後日放送として中継する場合もあった)と特番の乱発の影響で、放送回数が少なく、最大1カ月放送されなかった時期もあった。

なお本作を以てCX金曜20時枠のドラマは、2013年10月25日開始の『金曜ドラマ[8] 家族の裏事情』まで17年間中断する。

キャスト

スタッフ

主題歌

サブタイトル

  1. 究極の大トロ!!父と子の涙
  2. シャリの謎!?涙の握り
  3. 想い出の玉子焼き
  4. 炎の対決幻の一手握り
  5. 巻物対決約束の菜の花
  6. アジ対決名店の危機!!
  7. 鯛勝負!!兄と妹の涙
  8. 故郷の恋のり巻の誓い
  9. 職人失格!?アナゴ対決
  10. 母の涙とバッテラ対決
  11. VS宿敵!!炎の寿司合戦
  12. 最終勝負さらば友よ!
  13. 涙の握り宿敵の逆襲!!
  14. 最終決戦さらば佐治!!
  15. 全国決戦VS最強の敵!!
  16. 約束

物語は、原作の序盤の佐治との勝負をメインに、マガジン本誌連載前のマガジンスペシャル版でのエピソードや、オリジナルの展開を加えたものとなっている。そのため大政の娘の名前も「みのり」ではなく「ちえ」である。

テンプレート:前後番組 テンプレート:フジテレビ金曜8時枠の連続ドラマ

小説

1996年12月に講談社のマガジン・ノベルスのシリーズから発売された。

  • 将太の寿司 子連れ将太〜みちのく激闘編〜 ISBN 4-06-324317-6

テレビアニメ

将太の寿司 心にひびくシャリの味」のタイトルでアニメ化。農林水産省政府広報番組であり、スポンサーも同省の一社提供である。1999年10月11日体育の日)11:00-11:54にテレビ東京でスペシャル番組として放送された。

少年マガジン連載版のプロローグ部分を中心とした構成であるが、原作にはない食糧自給率など農林水産分野の政策問題を一部取り上げている。

アニメーション制作陣は超発明BOYカニパンのスタッフ・キャストが一部続投していたが、動画・作画の多くを海外に外注し作画崩壊が見られた。政府公報番組であるものの、ビデオソフト化はされていない。

キャスト

スタッフ

モバイルゲーム

  • 将太の寿司 タイピングゲーム(2003年) - 講談社モバイル

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

テンプレート:イブニング連載中 テンプレート:講談社漫画賞少年部門 テンプレート:Asbox テンプレート:Asbox

  1. 連載の終盤では佐治からは普通に「慎吾」と呼ばれるようになった。
  2. 理由は、夫妻が共働きゆえ、幼少期から寂しい思いばかりをさせてきたという自責の念を両親が持っていたため。
  3. このようなキャラクターは他には高山信一郎しかおらず、将太と直接対決した中では唯一である。
  4. もっともこの際の審査委員長の話によると参加者は152名で、将太のような「例外」「特例」なしで大会を運営すると次戦がベスト16(勝ち残るのは152人からせいぜい約15人)になり、3回戦がベスト8でその次に決勝戦(ベスト4)を行うことになる。所が実際には4回戦の後に決勝(ベスト4)を行っていることから1回戦から32人が勝ち残らないとその後の展開とつじつまが合わなくなる。従って将太のような「特例」での2位での通過が多くあったか敗者復活の制度があった蓋然性が高い。なお下山との試合でこれ以上2名通過は難しいと言っていることからこの制度は一回戦のみに適用したと考えられる。
  5. この件に関しては武市は一切関与しておらず、余計なことをとぼやいていた。
  6. 侮辱罪をはじめ、営業妨害窃盗暴行殺人未遂放火詐欺恐喝器物破損など
  7. コンクールでの罵倒、店を視察に来た際に他の客の前で腐った食材を突き付けるなど
  8. TBS版NHK版とは無関係。