アカマンボウ
アカマンボウ(赤翻車魚、学名:Lampris guttatus、英名:opah)とは、アカマンボウ目アカマンボウ科 (Lampridae) に属する深海魚。別名、マンダイ。体型はマンボウ (Mola mola) に似るが、マンボウの仲間ではない。リュウグウノツカイに近縁の魚である。
特徴
全長2 m、体重270 kgほどにもなる大型魚である。体は円盤形で、左右から押しつぶされたように平たい。口は前に少し突き出ていて、歯がない。体はタチウオのように銀色で、白いまだら模様があり、小さくて剥げやすい鱗に覆われる。ひれと口元、目の周りは鮮やかな赤色で、胸びれ、背びれの前端部、腹びれが鎌状に長く発達する。側線は胸びれの上で背中側に大きく曲がっている。
外見や生態は和名のとおりマンボウにも似ているが、分類上はまったく別の魚である。マンボウと違って尾びれをもち、胸びれが垂直ではなく水平に長く発達している。なお、ラテン語での目名、科名、属名は、「輝かしい」「明確な」という意味のギリシャ語 lampros に由来し、名のとおり鮮やかな外見の魚といえる。
世界中の熱帯・温帯の海に広く分布し、外洋域の水深500 mまでの表層・中層に生息する。ただし人目に触れない環境に生息しているため、生態についてはほとんどが不明である。
マグロなどと同様に、胸びれと尾びれを使って泳ぎながら生活していると考えられている。食性は肉食性で、クラゲ、イカ、オキアミ、小魚などを捕食する。いっぽう、敵はアオザメやホホジロザメといった外洋性の大型のサメである。
稚魚は細長く、リュウグウノツカイの稚魚に似ているが、背びれと腹びれが長く伸びないので区別される。やがて体が円盤状になり、成魚の姿へと変わってゆく。
食材
味がよく、食用にされ、ハワイや沖縄などでは珍重されている。アカマンボウは需要が低く、またその特異な体型から運搬、調理の際に一般的な規格(発泡スチロールやまな板の大きさなど)が通用しないため、専門に漁獲されることはないが、延縄などでマグロに混じって漁獲される。
身の色は淡く綺麗なオレンジ色で、かつ肉は繊維質の赤身であり、刺身や燻製などで食べられる。ただし、その身はマグロの身のような色で食味も似ている為、日本でもテンプレート:要出典範囲。
調理については、腹側を刺身で、背側をムニエルなどの加熱調理用とすると良い。
別名
マンダイ、マンボウ、ヒャクマンダイ、金魚とも呼ばれている。
近縁種
南半球には Lampris immaculatus(英名:southern opah)という種類が分布している。全長1 mほどで、アカマンボウより小型である。
アカマンボウ目には多くの魚が分類されるが、その中のアカマンボウ科には1属2種しかいない。