薬剤師
薬剤師(やくざいし)とは、調剤、医薬品の供給、その他薬事衛生を司る医療従事者。
名称
アメリカ合衆国等では Pharmacist という名称が用いられるが、イギリスを初めとする英連邦諸国では伝統的に Chemist あるいは、Dispensing chemist という名称が用いられる。
歴史
東洋では、薬が医療の中心であったため、「薬師如来」としてあるように医師と薬剤師の区別はなかった。
一方で、西洋では1240年頃フリードリヒ2世によって医師が薬局を持つことを禁止した法令が交付され、これが医薬分業と薬剤師の起源とされている。これは処方と調剤を分離し、自己の暗殺を防止することが目的であったという説が有力である。これは現在においても、医師の過剰処方による患者の薬漬けや処方ミスの防止を目的に世界的に行われている。
日本では古来からの医薬同一の医療体制を近代化するため、ドイツの医療制度を翻案し1874年(明治7年)8月「医制」が公布され、近代的な医療制度が初めて導入された。これにより「医師たる者は自ら薬をひさぐことを禁ず」とされ、医師開業試験と薬舗開業試験が規定された。薬舗を開業するものは薬舗主とされ、これが日本の薬剤師の原形となった。さらに1889年(明治22年)には薬品営業並薬品取扱規則(薬律)が公布され、「薬舗」は薬局、「薬舗主」は薬剤師と定義された。
世界各国の薬剤師制度
英国
英国では、医薬品法で薬事の専門職として認められているのは薬剤師のみであり、病気の治療と健康管理への貢献から最も国民に身近な医療人として位置づけられている[1]。英国の病院薬剤部では、調剤補助員が調剤や混注業務を行い、薬剤師はその業務の最終監査を行う[1]。医薬品は可能な限り28錠や30錠の小包装で販売され、散剤や軟膏剤、水剤の混合は禁止されているが、そのことによって調剤ミスを防いでおり、調剤補助員による調剤を可能としている[1]。
薬剤師資格は4年制の薬学教育と1年の必須実務研修を終了し薬剤師免許国家試験を通過した者に与えられる[1]。実務実習は学部生としてではなく登録前の薬剤師(Pre-registration pharmacist、通称「プレ・レジ」)としての雇用関係の中で行われ、学生の希望を考慮して地域薬局や病院で行う[1]。薬剤師となるためは実務実習の間に調剤補助員のすべての業務を習得する必要があり、これを実務実習の前半6か月で行う[1]。プレ・レジの指導は先輩の薬剤師のみならず調剤補助員も行う[1]。実務実習の後半は病棟での研修を行い、実習の10か月目に当たる6月には薬剤師免許国家試験を受験する[1]。なお、この国家試験に不合格でも9月に再度試験を受験できるが、2回不合格となった場合には3回目の受験までに6か月の実習が求められる[1]。実習の最後の2か月は病棟で担当を持ち病棟薬剤師監督下で業務を行うとともに、研修の仕上げとして調剤業務でも監査練習を行う[1]。
また、1年間の実務実習中には、月に1-2回、プレ・レジ勉強会に出席する必要がある[1]。この勉強会は、実務に役立つ知識から国家試験対策まで多岐にわたる学習を行い、国家試験模試の受験もある[1]。さらには、研究プロジェクトに参加し、薬剤部から与えられたテーマについてデータ収集及びレポートを行い発表する必要がある[1]。
日本
テンプレート:資格 日本において、薬剤師とは、「調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによって、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を確保する任務者」であり(薬剤師法第一条)、医薬関係者(薬事法)・医療関係者及び医療従事者としての担い手である(医療法第一条の2)。現在日本でこの資格を得るには6年制の薬学部を卒業後、薬剤師国家試験に合格しなければならない。
日本で薬剤師になるには、学校教育法に基づく大学において薬学の正規の課程を修めて卒業し、薬剤師国家試験に合格しなければならない。その後薬剤師名簿に登録申請し厚生労働大臣より薬剤師の免許が与えられる。薬学の正規の課程は、2005年以前に入学した者は4年制、2006年以降に入学した者は6年制である。
日本の薬剤師
薬剤師の業務
薬剤師の業務は非常に多肢に渡る。なかでも薬剤師法で一番にあげられる「調剤」は最も基本的な薬剤師の業務である。
- 調剤;薬剤師は、医師、歯科医師、獣医師が作成した投与が必要な医薬品とその服用量、投与方法を記載した処方箋をもとに調剤をすることができる。テンプレート:Main
薬局等における安全性の比較的低い医療用医薬品の処方監査・投薬業務のほか、安全性の高い医薬品(OTCや漢方薬など)の購入相談業務など内科医的な側面も併せ持つ。
一方で、病院・診療所勤務の薬剤師は、医師の指示のもとに業務を行うコ・メディカルとしての側面ももつ。特に2010年からチーム医療が推進され、医療の質及び医療安全の確保から、積極的に薬学の専門家として薬物療法に参加し[2]、医薬品に起因する問題を防止することがより一層求められている[3][4][5]。
尚、薬局や製薬会社などで薬事業務に従事する薬剤師は独立した専門職である。例えば、薬局等の管理者は薬剤師でなければならない(薬事法第7条の2:医師等他の資格ではできない)。独立した医療系資格の医師、歯科医師、薬剤師を医療3師と呼ぶこともある。他の医療資格と異なり、業務の場が医療機関だけではないのが特徴でもある。
「医薬品の供給」に関する業務においては、開発・製造から、流通、販売におけるまでほぼすべての分野で関与している。また「その他薬事衛生」に関する業務においては、医薬品以外でも世界各国で推進されているセルフメディケーションに関与する唯一の国家資格者としての責任を負っている。
以下、厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査[6] (薬剤師#統計)での薬剤師従事者分類に準拠して薬剤師業務の概要を述べる。
薬局
- 調剤専門薬局
- 在宅患者向けに無菌室を備えた薬局も増えつつあるなど、調剤も幅が広がっている。薬局における処方箋調剤において薬剤師から、医薬品についての説明の他、場合によっては疾患についても聞かれる場合もあるが、薬学的見地から医薬品の適性使用に不可欠のものである。プライバシーの問題等にどのように対応していくかが今後の課題である。なお、薬事法上は調剤専門薬局は存在せず、薬局として分類され、OTCの販売も義務化されている。
- 漢方薬局
- 患者の訴えに応じて調合した漢方薬・西洋薬を、薬局製造販売医薬品として製造販売する。
病院・診療所
病院内で働く薬剤師は医師の指示の下で働くのでコ・メディカルに分類される場合もある。病院内で処方箋に基づき調剤を行なう。薬局と異なり、注射剤などの調剤も多い。このほか、感染制御チーム、治験審査委員会、栄養サポートチームなどのメンバーとしての活動を行なうこともある。一定数の専属の薬剤師を配置しなければ原則として特定機能病院を開設することはできない(医療法第22条の2)。医療法等により病院等には医薬品の適正使用のために医薬品安全管理責任者の設置が義務づけられている。なお、医療法第18条では「病院又は医師が常時三人以上勤務する診療所にあつては」専属の薬剤師を配置する必要があるが、都道府県知事の許可を受けた場合はこの限りではない例外規定がある。
現在の薬は、薬効が強く出るため用量調節が難しいことがあるうえ、一昔前であれば、死亡していた重篤な疾患(腎不全、肝不全など)を合併している患者への投与が必要になることがある。このような場合には、薬物動態理論や臨床薬理に関する膨大かつ専門的な知識が必要となる。このため、薬を処方するためだけの専門家が必要になりつつある。米国では、すでに、日本型(旧来型)の薬剤師の養成は中止しており、変わりにen:Pharm.D. と呼ばれる新たな薬剤師を薬学部が養成して、医師とほぼ同じ給与で病院に送り込み、医師の負担を大幅に軽減している。これは、時代の流れと共に、内科医が呼吸器科や循環器に分かれてきた流れと同じであるテンプレート:疑問点。 。実際、現在、看護師団体が、処方の補助を申し出ており、米国でも最高ランクの看護師は、簡易的な処方権を有している。内閣府に所属する日本学術会議は、日本の薬剤師も現在の役割だけでなく、将来は医師の処方を補助する専門家にもなるべきであると結論を出している[7]。
医薬品関係企業
- 医薬品製造販売業・製造業
- 薬事法第17条により、医薬品の製造販売にあっては薬剤師を置かなければならず、これは医師・歯科医師・看護師・獣医師など他の者が代わることができない。従って、法令上薬剤師は日本の医薬品供給に不可欠である。この規定から製薬メーカーでは、薬事法の規定で工場ごとに薬剤師を置いている。なお、製薬メーカーが医療機関への営業活動の際に商品に関する専門的な情報提供を行う医薬情報担当者(MR)と呼ばれる職種があるが、この職種で薬剤師が占める割合は1割程度で、文系出身者および他の理系出身者がその大半を占めている [8]。
- 医薬品販売業
- 2008年度まで
- 処方箋による調剤を行う「薬局」のみならず、調剤を行わず一般用医薬品のみを販売する「一般販売業」(2009年度より「店舗販売業」)においても、営業時間内は店舗に薬剤師を配置することが薬事法及び「薬局及び一般販売業の薬剤師の員数を定める省令」によって義務付けられている。薬剤師の配置が義務付けられているにもかかわらず、一般販売業における営業時間内の薬剤師の不在という違法事例が頻発したため、1998年に厚生省から禁止を徹底させる局長通知が出された。但し、ドラッグストアの一部にある薬種商販売業や、乗り物酔いや簡便な医薬品を販売する空港・港湾の売店や離島などの特例販売業、そして配置販売業には配置義務はない。薬剤師配置義務のないものは医薬品の安全管理ができないため、販売できる医薬品が制限される。
- 2009年度より
- 卸売一般販売業
- 医薬品の卸売業にも薬剤師の配置が薬事法により義務付けられている。
学校薬剤師
学校保健安全法の定めにより大学を除く学校に置くことが義務づけられている。専任の場合は殆どなく、薬局などの薬剤師が兼務している。水質・照度・空気の検査や給食施設の衛生管理等を行うほか、薬物乱用防止教育などを行う場合もある。
その他
このほか薬剤師免許は必須ではないが、以下のような所で薬剤師としての知識と技能を生かして働く者もある。
- 麻薬取締官
- 厚生労働省医系審議官
- 薬学部教員
- 新薬の研究開発
- 新薬の研究開発は総合科学であらゆる学部出身者が関わっており、薬学出身者の数が飛び抜けて多い訳ではないが、薬剤師も積極的に新薬の研究開発に関わっている。なお、新薬上市前の治験業務は臨床現場の薬剤師・医師・看護師等が中心となって推進される。
- 保健所職員
- 薬局や病院の開設許可業務、食品衛生監視業務や環境・衛生に関する分析業務などを行う。
- 科学捜査研究所所員
- 高等学校教諭
薬剤師に付与される資格
- 無試験・講習(薬剤師資格があることにより付与される資格)
- 有試験(受験資格が付与される資格)
- 甲種危険物取扱者/労働衛生コンサルタント など
- 有試験(選択科目が免除される資格)
医薬分業の進展
前述のように政府は医師による調剤を禁止して欧米式の完全な医薬分業へ移行しようとした。しかし急激な移行は薬剤師の不足からうまくいかず、医師の自己調剤を認めざるを得なくなった。これにより日本では医師より薬剤を交付されることが当然のこととなり、国民は他の先進国では当たり前の医薬分業の意義を知らずにきた。院内処方を受けた方が利便性が高い上、自己負担が低いために過剰に薬剤を処方されても薬剤料に対する負担感が希薄で、一般用医薬品を購入するより安く済むことすらあることも医薬分業が浸透しなかった一因である。
しかし現在の健康保険制度のもとでは高齢化社会の到来により国民全体の医療費増大が懸念されるため、薬剤の過剰な処方を防ぐためにも処方箋料の増額、かかりつけ薬局制度の推進などで金銭面から医薬分業への誘導が進められ、現在の医薬分業率は60%を超えている[11]。
専門性の向上
医療技術の高度化に伴い薬学的側面から処方の提案や監査が必要となり、病棟で医師、看護師と一緒に医療チームとして働く病棟薬剤師が配属されるようになり、入院患者に対する指導料も大幅に増額となった。こうした変化に対応するため、他の先進国並の薬学部6年制が導入され、薬剤師認定制度の充実も進んでいる。 さらに薬局においても、後発医薬品・スイッチOTCの普及が推進されているため、医薬品適正使用に関する専門知識が求められる場面が増えている。
そのための基本的な情報源として、最新の添付文書や医薬品インタビューフォームは重要であり[2]、それ以外にも最新のエビデンスレベルの高い情報を提供することが求められている[2]。
薬剤師の過剰予想
医薬分業の進展により薬局等での需要が増えているが、医薬分業率は70から80%で頭打ちになると予想されること、2009年の登録販売者制度の導入により第二類および第三類一般用医薬品を販売するには登録販売者がいれば薬剤師の常駐が不要となること、等から薬剤師の需要は頭打ちになるのではないかとの意見がある。もともと、人口1000人あたりの薬剤師数は1.21と、先進国中では最も高い[12]。厚生労働省は「薬剤師問題検討会」を組織し2002年に「薬剤師需給の予測について」の報告書をとりまとめた[13]。その後の「粗い試算」によれば、2027年には薬剤師は40万人となるが、需要は29万人として11万人の余剰が出ると予測されている[14]。
一方、2003年就実大学と九州保健福祉大学が約20年ぶりに薬学部を開設、その後も学生数を確保するため薬学部を新設する大学が相次ぎ、2007年までに新たに26大学・学部が新設された。その結果、2007年の薬学科の入学定員は12010人となり、5年間で5000人以上増加した [15]。薬学部の新設はその後も続いている(ただし、2009年度は薬学部を設置した大学はない)。厚生労働省では「薬剤師需給の将来動向に関する検討会」[16]を組織しているが、こうした現状に関係者から懸念が表明されている。
チーム医療推進策
2010年厚生労働省は医療スタッフの協働・連携の在り方等について検討した報告書 [17]を元に、「チーム医療において薬剤の専門家である薬剤師が主体的に薬物療法に参加する」ため現行法令により実施可能な薬剤師業務として下記の9点をあげ都道府県知事に周知方通達した(医政発0430第1号)[18]。
- 薬剤の種類、投薬量、投与方法、投与期間等の変更や検査のオーダーについて、医師・薬剤師等により事前に作成・合意されたプロトコールに基づき、専門的知見の活用を通じて、医師等と協働して実施すること。
- 薬剤選択、投与量、投与方法、投与期間等について、医師に対し、積極的に処方を提案すること。
- 薬物療法を受けている患者(在宅の患者を含む。)に対し、薬学的管理(患者の副作用の状況の把握、服薬指導等)を行うこと。
- 薬物の血中濃度や副作用のモニタリング等に基づき、副作用の発現状況や有効性の確認を行うとともに、医師に対し、必要に応じて薬剤の変更等を提案すること。
- 薬物療法の経過等を確認した上で、医師に対し、前回の処方内容と同一の内容の処方を提案すること。
- 外来化学療法を受けている患者に対し、医師等と協働してインフォームドコンセントを実施するとともに、薬学的管理を行うこと。
- 入院患者の持参薬の内容を確認した上で、医師に対し、服薬計画を提案するなど、当該患者に対する薬学的管理を行うこと。
- 定期的に患者の副作用の発現状況の確認等を行うため、処方内容を分割して調剤すること。
- 抗がん剤等の適切な無菌調剤を行うこと。
従来の「調剤」「服薬指導」「薬学管理」のみならず、事前プロトコールに基づく独自の「処方設計の実施」、あるいは提案権に基づいた「処方設計の提案」まで言及する内容となっている。
ハイリスク薬の情報提供や副作用の状況を把握した際の診療報酬加算も追加され、仕組みのレベルからチーム医療への参加が求められている[4][5]。
薬剤師認定制度
処方箋・調剤等に関する例外規定
薬剤師法第19条の規定により、原則的に薬剤師でない者は、販売又は授与の目的で調剤してはならないこととされている。ただし例外として以下の場合における医師・歯科医師や、獣医師は、自己の処方箋により自ら調剤を行うことができることとされている。
- 患者又は現にその看護に当たつている者が特にその医師又は歯科医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合
- 暗示的効果を期待する場合において、処方箋を交付することがその目的の達成を妨げるおそれがある場合
- 処方箋を交付することが診療又は疾病の予後について患者に不安を与え、その疾病の治療を困難にするおそれがある場合
- 病状の短時間ごとの変化に即応して薬剤を投与する場合
- 診断又は治療方法の決定していない場合
- 治療上必要な応急の措置として薬剤を投与する場合
- 安静を要する患者以外に薬剤の交付を受けることができる者がいない場合
- 覚醒剤を投与する場合
- 薬剤師が乗り組んでいない船舶内において薬剤を投与する場合
この規定の一方で、「患者が申し出ていないにもかかわらず、医師等から薬剤を交付される」「診察を受けた医師等とは違う医師等から薬剤を交付される」「看護師や事務員より服用方法を指導される」「歯科医院で会計の時、鎮痛剤や抗菌薬を手渡しされる」といった例外規定を逸脱した行為が行われている場合があるテンプレート:疑問点。
なお、医師・歯科医師は、医師法第22条・歯科医師法第21条の規定により、投薬の必要があるときは、患者等が交付を必要としない旨を申し出た場合や、上述の例外規定による自己の処方箋により自ら調剤する場合を除き、処方箋の交付をしなければならない。これにも罰則も設けられている。
薬剤師資格確認検索
厚生労働省では2008年4月より「良質な医療を提供する体制の確立を図るため、平成18年に薬剤師法が改正され、国民による薬剤師の資格の確認及び医療に関する適切な選択に資するよう、薬剤師の氏名等を公表することとなりました。」として薬剤師資格の確認検索を可能にするシステムを運用している[19]。
統計
薬剤師法では、2年ごとの年に薬剤師届出(薬剤師名簿登録番号、氏名、住所その他厚生労働省令で定める事項の届出)が義務づけられている。平成22年現在の届出薬剤師数の概数は次の通り[6]。なおこの調査は医師、歯科医師についても同時に行われており、人口10万対薬剤師数は215.9人、医師数は230.4人、歯科医師数は79.3人となっている[6]。
- 総数 276,500人
- 薬局の従事者(開設者、法人代表者、勤務者) 145,600人
- 病院・診療所の従事者(調剤・検査・その他業務) 52,000人
- 医薬品関係企業の従事者(医薬品製造販売業・製造業、医薬品販売業) 47,200人
- その他(大学の従事者、衛生行政機関・保健衛生施設の従事者、その他業務の従事者、無職) 31,700人
薬剤師数における業種別割合(%) | ||||||
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調査年 | 薬剤師数 | 男 | 女 | 薬局 | 病院・診療所 | 医薬品製販・製造業 |
1955(昭和30年) | 52,418 | 35,504 | 16,914 | 39.0 | 15.3 | - |
1960(昭和35年) | 60,257 | 37,867 | 22,390 | 38.7 | 15.9 | - |
1965(昭和40年) | 68,674 | 40,040 | 28,634 | 35.2 | 16.5 | - |
1970(昭和45年) | 79,393 | 42,327 | 37,066 | 34.9 | 18.4 | - |
1975(昭和50年) | 94,362 | 46,373 | 47,989 | 32.3 | 20.6 | 10.6 |
1980(昭和55年) | 116,056 | 52,678 | 63,378 | 31.6 | 23.3 | 9.6 |
1984(昭和59年) | 129,700 | 56,862 | 72,838 | 32.5 | 25.1 | 9.7 |
1986(昭和61年) | 135,990 | 59,220 | 76,770 | 32.2 | 25.6 | 10.4 |
1988(昭和63年) | 143,429 | 61,109 | 82,320 | 32.0 | 26.7 | 10.6 |
1990(平成2年) | 150,627 | 62,901 | 87,726 | 32.4 | 27.4 | 11.2 |
1992(平成4年) | 162,021 | 67,089 | 94,932 | 32.2 | 26.8 | 12.8 |
1994(平成6年) | 176,871 | 72,461 | 104,410 | 34.4 | 25.8 | 14.8 |
1996(平成8年) | 194,300 | 79,069 | 115,231 | 36.0 | 25.2 | 15.2 |
1998(平成10年) | 205,953 | 82,950 | 123,003 | 39.4 | 23.8 | 14.3 |
2000(平成12年) | 217,477 | 86,357 | 131,120 | 43.6 | 22.1 | 13.1 |
2002(平成14年) | 229,744 | 90,827 | 138,917 | 46.5 | 20.7 | 12.9 |
2004(平成16年) | 241,369 | 94,794 | 146,575 | 48.2 | 19.9 | 12.4 |
2006(平成18年) | 252,533 | 98,802 | 153,731 | 49.6 | 19.4 | 11.9 |
2008(平成20年) | 267,751 | 104,578 | 163,173 | 50.7 | 18.8 | 11.5 |
2010(平成22年) | 276,517 | 108,068 | 168,449 | 52.7 | 18.8 | 11.5 |
2012(平成24年) | 280,052 | 109,264 | 170,788 | 54.6 | 18.8 | 11.2 |
賃金
労働者である薬剤師の賃金は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると2013年現在で、月給(きまって支給する現金給与額)は37万600円、賞与(年間賞与その他特別給与額)は87万9400円である(企業規模10人以上計、平均年齢39.1歳)[20]。一般労働者は月給32万4000円、賞与80万1300円(42.0歳)なので、年収換算で比較すると60万円以上高い。企業規模別にみると、1000人以上で月給37万7600円、賞与91万4200円、100人~999人で月給33万1300円、賞与85万5000円、10人~99人で月給41万7100円、賞与87万2600円などとなっている。また性別では、男性が月給39万2200円、特別給91万7900円(平均年齢37.8歳)なのに対し、女性は36万1100円、86万2500円(39.6歳)となっており、男性の方が高い。
一方、人事院の「職種別民間給与実態調査」によると2014年4月の月例給は薬局長(部下に薬剤師2人以上)は49万4,533円、一般の薬剤師は34万8,091円となっている[21]。また、新卒薬剤師の初任給は22万1088円である。国家公務員の薬剤師の初任給は医療職俸給表(二)の2級15号俸と格付けされおり、金額は2011年度以降は20万800円となっている(人事院規則九―八 ワ 医療職俸給表(二)初任給基準表)。
登録販売者について
テンプレート:Main 2009年施行の改正薬事法により薬剤師以外の医薬品販売者として登録販売者の資格が設けられた。登録販売者は一般用医薬品のうち比較的リスクの低い第二類医薬品及び第三類医薬品を販売出来る。尚、第一類医薬品の販売及び授与は薬剤師の管理・指導の下で可能である。この改正に伴い従前の薬種商販売業の資格は消滅し、一般販売業と薬種商販売業は店舗販売業に統合された[22]。
著名な薬剤師・薬学者
日本
- 福原有信 資生堂創業者、元日本薬剤師会会長
- 石井絹治郎 大正製薬創業者
- 山田安民 ロート製薬創始者
- 藤山朗 藤沢薬品工業会長
- 松本南海雄 マツモトキヨシホールディングス社長
- 三津原博 日本調剤代表取締役社長
- 長井長義 日本薬学会初代会頭、元東京帝国大学教授
- 柴田承桂 薬学博士、元東京医学校教授
- 下山順一郎 薬学博士、元東京帝国大学教授、元日本薬剤師会会長
- 丹波敬三 元東京帝国大学教授、元日本薬剤師会会長
- 大井玄洞 元東京薬学校校長
- 田原良純 薬学博士、元東京衛生試験所所長
- 近藤平三郎 薬学博士、元東京帝国大学教授、元日本薬剤師会会長
- 朝比奈泰彦 薬学博士、元東京帝国大学教授
- 清水藤太郎 薬学博士、元東邦大学教授
- 落合英二 薬学博士、元東京帝国大学教授
- 石館守三 薬学博士、東京大学薬学部初代学部長、元日本薬剤師会会長
- 益富壽之助 薬学博士、鉱物学者
- 津田恭介 薬学博士、元東京大学教授
- 高木敬次郎 元東京大学教授、元日本薬剤師会会長、元日本病院薬剤師会会長
- 田村善蔵 薬学博士、元東京大学教授、元日本病院薬剤師会会長
- 全田浩 元日本病院薬剤師会会長
- 下村脩 ノーベル化学賞受賞者、理学博士、元ウッズホール海洋生物学研究所上席研究員
- 橋本嘉幸 薬学博士、医学博士、東北大学名誉教授
- 中谷喜洋 ハーバード大学教授、ダナファーバー癌研究所
- 石井道子 元参議院議員、元環境庁長官
- 三井辨雄 元衆議院議員、元厚生労働大臣
- 松本純 衆議院議員
- 樋口俊一 元衆議院議員、薬学博士
- 逢坂誠二 元衆議院議員
- 渡嘉敷奈緒美 衆議院議員
- 藤井基之 参議院議員、薬学博士
- 常田享詳 前参議院議員
- 小川友三 元参議院議員
- 山本正和 元参議院議員
- 沼川洋一 元衆議院議員
- 肥田美代子 元衆議院議員、児童文学作家
- 長峯基 元参議院議員
- 横溝正史 小説家
- 本多勝一 ジャーナリスト
- 瀬名秀明 SF作家、薬学博士、元東北大学特任教授
- 池谷裕二 脳科学者、薬学博士、東京大学准教授
- 小谷真理 作家
- 柏葉幸子 作家
- 高田崇史 作家
- 林柳波 詩人
- 武内直子 漫画家
- 星野めみ 漫画家
- 山下友美 漫画家
- 松田浩二 ゲームデザイナー
- 中山嘉太郎 冒険家
- 久保恵子 女優
- 野村昭子 女優
- 大久保一久 フォークシンガー
- Ryo ミュージシャン
- 大蔵 ミュージシャン
- 大木伸夫 ミュージシャン
- 山口亜紀 アナウンサー
- 友成由紀 アナウンサー
- 小林美幸 アナウンサー
- 榎美沙子 女性解放運動家
- 古川のぼる 教育評論家
- 佐々木真奈美 ローカルタレント
- 徳田秀子 医療法人元役員
日本以外
- ジョン・ペンバートン コカ・コーラ開発者
- ケイレブ・ブラッドハム ペプシコーラ開発者
- チャールズ・ファイザー 製薬会社ファイザー創業者
- オー・ヘンリー 小説家
- アガサ・クリスティ 推理作家