模擬試験

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模擬試験(もぎしけん)とは、入学試験や資格試験の事前に受験者の能力を測定するなどの目的で行われる試験のことである。略称は模試(もし)。

入学試験の模試

ある程度の人数が集まる進学塾予備校では、データを集めて統計処理を行いやすいため、模擬試験を行うことによって受験生と受験校(志望校)の学力偏差値と、受験生の合格可能性をある程度正確に判定することができる。特に、河合塾が実施する全統模試は、年間300万人近くが受験する最大の模擬試験であり、170万人が受験するTOEIC、250万人が受験する英検をも超える受験者を集めているため、強い影響力を持つ[1][2]

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高校受験においては、業者テストの廃止の影響で、大規模な模試が行えなくなったといわれる。しかしながら、合格判定の材料として模試は根強く利用されている。

大学受験の場合、模試は総合模試・志望大学別模試・センター模試の3つに大きく分類され、マーク模試と記述模試のダブル受験でドッキング判定ができる。

模試の代わりに本物の入学試験を受ける例もある。例えば中学受験においては、東京都神奈川県の私立中学校は相互協定のために2月1日以降でないと一般入試を実施できないが、それ以外の地域の中学校は1月入試があるため、東京会場で行われる場合は、本番のリハーサルとして受けられることも多い。この場合は、近畿や四国の中学校も対象になるが、そういった遠隔地の学校に合格したとしても通わない場合が多い。そういった地域の私立中学校では、こういった「力試し受験」の受験料収入も結構うまみがある。

模試と内申点

一般的な高校受験模試では、模試会場で測られた学力を偏差値あるいは得点として算出し、それを基にして各学校の合格基準を算出しているが、受験生の内申点は加味されないため、学力が合格基準よりも高くても内申点が低いために不合格となる場合もある。一般的な模試では、学力が高い受験生は内申点も高く、学力が低い受験生は内申点も低いという前提でデータを出しているため、内申と学力がかなり乖離している受験生は、合格可能性の判断にはよりいっそう注意が必要である。ただし、近年は生徒の内申点も加味した合否判定を行う模試も出てきている。なお、一般の高校受験案内雑誌には、多くの出版社では学校の学力偏差値のみを合格基準として載せているにとどまっているが、一部の出版社では、内申点が高い場合・低い場合にも対応した合否規準を載せている。ただし、私立高校が主体の受験案内であれば、学力偏差値のみで合否判定をしていたとしても必ずしも不正確であると非難できない。

また、ごくまれ(その年に1問あるかないか)にであるが、本番の試験に模試に出された問題がほぼ完全な形で出題されることがある。そのような場合は、その問題を出題した模試を運営している業者がWeb上などで問題の的中を発表することがある。

代表的な模試

中学受験

高校受験

大学受験

オンライン模試

資格試験の模試

  • 高卒認定
    • 全国統一高認模試(第一高等学院)

それ以外の試験の模試

企業の入社試験では、YG性格検査内田クレペリン精神検査などの性格検査が行われる場合があり、それに対するマニュアルが書籍として売られている。

脚注

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関連項目

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  1. 「大学を指導する予備校『河合塾』―中京資本の恐るべき『実力』」 選択 2005年7月号
  2. 「名古屋が日本を支配する―『河合塾』から『牡丹と薔薇』まで、止まらぬ勢い」 AERA 2004年5月17日号
  3. 「全国学力テスト」は2009年度から「統一学力テスト」に名称が変更された。
  4. 2007年度までは、北大路書房が実施していた。2008年度は五ツ木書房により、「五ツ木・北大路模擬テスト」として実施されたが、2009年度から名称が変更された。