先輩

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テンプレート:独自研究 テンプレート:Amboxテンプレート:DMC 先輩(せんぱい)とは、学校会社などにおいて、その組織に先に加入したものを指す言葉で、それが同じ者は同輩(どうはい)または等輩(とうはい)などと言う。

日本や韓国朝鮮などのマジョリティーイデオロギーでは、特権として後輩差別する権利を保障されており、「後輩」に対する見下し表現(いわゆるタメ語)の使用権と、服従表現(いわゆる敬語)の要求権を保持している[1][2][3]

また、場合によっては、PL学園で起こったように、「後輩」の嫌がることを命令する権利(パワハラ)や、「後輩」を暴行する権利を、集団内で暗黙の裡に認められることや、それを実際に行使することもある[4][5]。同様の事件は、天理大学でも起こっている[6]

しかし、同時に「後輩」からは、陰で怨嗟の対象として陰口をたたかれることもあり、また、社会規範上「先輩」の立場を強要された場合、本人がその差別を嫌がって、対等な友達として仲良くお付き合いさせてほしくとも、「後輩」という立場を与えられた人々から、「先輩」「目上」[7]として逆差別を受け、友達になれないこともある。日本の規範主義イデオロギーが強いところでは、「先輩」になってしまうと、中学に入った途端、それまで仲良しだった友達が、たとえ自身が望んでいなくとも、「後輩」として友達ではなくなっていくのを経験させられることもある。

先輩による、後輩への支配大権の一例

各部活、各学校によって違うが、極端な例として、日体大女子バレー部では、マニュアルとして、下級生がやるべきことが300項目もあり、『「汗でぬれた床は素早く拭く。その時、監督がいるベンチに尻を向けてはいけない」「移動で『タクシー』といわれたら、1年生全員で停めにいく」 「お茶は1年生が自腹で買う」「病気で練習を休むときは、4年生全員に電話をする」』といった内容が含まれているという報道があり[8]、先輩の、後輩への強大な支配大権が存在したという。2013年8月現在、理不尽な行動(仕来り)などは見直されている。

先輩による後輩への差別・支配隷属関係を背景とした事件

  • 2013年7月16日、山形県酒田市の市立中学校で、当時3年の男子生徒2人が、当時14歳だった2年の男子生徒1人に暴行し、その鼻の骨を折るけがをさせた。この3年生2人は、この2年生がLINEに「3年生は怖くない」という趣旨の書き込みをしたことで、この3年生2人が「上下関係を軽んじられて頭にきた」ことを、その暴行の大義名分として述べた[9]
  • 2011年12月18日、青森山田高校の野球部の当時2年生だったある1人の部員が、同高校敷地内の野球部寮の部屋で、同部所属のある1人の当時1年生の部員を暴行した。この暴行された部員は死亡した。この事件では2012年1月、青森署がこの元上級生を暴行容疑で書類送検した[10]
  • 2011年6月1日、天理高校野球部の、ある4人の当時3年生の部員が、同部活に所属するある3人の当時2年生の部員に対し、その練習中の態度に問題があったことへの制裁として、殴打を加えた。その結果として、その内の1人は右頬骨折や耳の鼓膜が破れるケガを負い、他の2人も軽傷を負った。この殴られた部員たちは、「練習中にボールが当たったと言え」と、殴った部員たちから命令された[11]
  • 2013年10月上旬、延岡学園野球部の、ある1人の当時2年生の部員が、別のある1人の当時1年生の部員に対し、暴行を加えた[12]。この暴行を加えた部員は、書類送検を受けた。この暴行を受けた部員は、退部退学を行った。
  • 2014年4月から7月にかけて、斉美高校野球部で、複数の2年生部員が、複数の1年生部員に対し、その太腿を蹴り、尻をバットで殴り、カメムシや灯油の飲食をさせようとするなどの行為を行った[13]。日本高野連は、一定期間対外試合禁止をさせる方向で処分を検討し始めた[14]

日本や韓国朝鮮以外の諸社会における先輩後輩の差別・支配隷属関係

アメリカ合衆国マジョリティー社会は、一般に日本や韓国朝鮮のマジョリティー社会のように、1年度刻みの家父長制的エイジズムに基づく支配隷属関係を、待遇表現上も、行動上も、社会規範として奨励美化することは少ないが、しかしながら、大学の新入生いじめや、プロスポーツにおける新人いじめなど、その社会内部の少なからぬ小社会で、日本や韓国朝鮮のマジョリティー社会のそれと同様の差別・虐待・支配隷属関係が存在する。その激しい例としては、NFLで、マイアミ・ドルフィンズのある一人の選手であるリッチー・インコグニートは、自身よりチーム加入の新しい別のある一人の選手(日本や韓国朝鮮のマジョリティーイデオロギーにおける、『後輩』)であるジョナサン・マーティンに対し、人種差別を含む激しいいじめを行ったと報道された[15][16]

参照

  1. 三輪(2000:93-94)では、この当時の日本標準語の待遇表現についての認識を示したものとして、非相互的な敬語使用は、上司部下だけでなく、上級生下級生、先輩後輩の間にもあり、特に部活の先輩後輩には顕著なようであるという内容を提示している。そのあとで、三輪は、「そして上に対して丁重な敬語を使うものは往々にして下にたいしてぞんざい尊大な話しぶりになり、しかも下からは丁重な敬語を要求して、その些細な誤りでも咎めだてするところがある。日本語敬語は上位者にとっては心地よい言語であろうが、下位者にとっては不愉快なことの多い言語である。上司部下と先輩後輩との言葉遣いの非相互性は、後輩が上司になったり、逆に先輩が部下になったりした時、双方にしばしば深刻な感情問題を引き起こすこともよく知られる。」と、日本標準語規範主義待遇表現を、「日本語敬語」と位置付けて、その支配従属関係の明示性が、社会上屈服させられ劣位におかれたものの自尊心を傷つけることを指摘している。
  2. 蒲谷他(1998:8)では、後輩(後に入ったもの)を『-1』、先輩(先に入ったもの)を『+1』に位置づける場合があるとして、より明確に組織に入った順番で固定的な支配権ポイントを自動的に割り振る日本標準イデオロギーを述べている。
  3. 『人間を年齢や学年で区別し「上下関係を規定する」コミュニケーションを止めるる(規範主義的日本語では、『止める』だが、ママ)ということです。先輩には「ですます調」で話し、後輩には「だ、である調」を基調とした権威的な話法で通す、下から上への「異議」は認めない、「先輩」の自尊心は守られ「後輩」は自尊心上の譲歩を強いられるという「無意味なヒエラルキー」』留年させるなら先輩後輩カルチャーも止めるべきでは?冷泉彰彦執筆NewsweekJapan2012年02月24日付け
  4. 『2人のうち1人に対して、目の前にいる上級生をからかうように指令。渋々従った1年生に対して、怒った2年生が殴る、蹴るの暴行を加えた。さらに、上級生はこの1年生に、別の2年生のところにも行って、同じようにからかうように指令。指示に従うしかなかった1年生は、最後は鼻の上に飛び乗られるなど、1度目を上回る激しい暴行を受けた。』「明らかないじめ」PL学園部内暴力詳細 nikkansportsウェブ版2013年4月9日付のアーカイブ
  5. 『同校寮内で、当時2年生部員4人が1年生部員の腹の上に膝蹴りを加えるなどの暴行。1年生部員はけいれんを起こすなどして、救急搬送された。』PL学園・河野監督が辞任 暴力事件で対外試合禁止中 スポーツ報知ウェブ版2013年4月28日付のアーカイブ
  6. 『5月中旬、1年生数人が練習中に水を飲んだとして4年生4人が十数人の1年生に平手打ちの暴行を加えたほか、7月上旬にかけて特定の1年生の尻を木刀でたたくなどしたという。この1年生は左耳の鼓膜が破れるけがを負い、その後退部を申し出たことで暴行が発覚した。』【柔道】天理大で部内暴力 4年生4人が1年生に暴行スポーツ報知、2013年9月4日10時43分配信、2013年9月4日閲覧
  7. 日本標準語で、支配者、社会的権力や権威の優越者を示す用語。「先輩」も、「目上」の一つ
  8. 日体大の危機感「染みついた体罰・パワハラ体質」雑巾がけやお茶買いなど下級生いじめJ-cast2013年6月14日15時43分配信
  9. LINE記述巡り中3の2人が下級生を暴行、山形日本経済新聞2013年7月19日13時47分付、共同通信社配信、2013年9月5日閲覧
  10. 青森山田の暴行死亡事件 両親が元上級生を告訴スポニチAnnex2012年6月21日11時55分配信、2013年10月20日閲覧
  11. 天理が出場辞退 部内暴力発覚…被害者1人は重傷スポニチAnnex2011年6月24日06時00分配信、2013年10月20日閲覧
  12. 昨夏甲子園準V 延岡学園で暴行事件日刊スポーツweb版、2014年1月23日14時46分配信、2014年1月23日閲覧
  13. 済美高野球部でいじめ、高野連に報告 バットで尻たたく朝日新聞デジタル、2014年8月15日21時54分執筆、2014年8月26日閲覧
  14. 高野連 済美いじめ問題を上申へデイリースポーツ、2014年8月20日執筆、2014年8月26日閲覧
  15. ドルフィンズHC、Gインコグニート出場停止処分に言及NFL JAPAN.COM、2013年11月05日11時25分配信、2014年1月23日閲覧
  16. NFLでも”かわいがり”? 米プロフットボール界に急浮上した「イジメ問題」三国大洋著、マイナビニュース、2013年11月08日付配信、2014年1月23日閲覧

参考文献

  • 蒲谷宏、川口義一、坂本恵(1998)『敬語表現』東京、大修館書店.
  • 三輪正(2000)『人称詞と敬語-言語倫理学的考察』東京、人文書院.

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