コ・メディカル
コ・メディカル(和製英語: co-medical、テンプレート:Lang-en-short)とは、医師や歯科医師の指示の下に業務を行う医療従事者を指す。コメディカルスタッフとも呼ばれる。2010年の厚生労働省による「チーム医療の推進に関する検討会」の報告がまとめられた。以降、コ・メディカルの活用は国家的にも提案されることがある[1]。
概要
通例は医師・歯科医師以外の看護師を含む医療従事者の総称として用いられ、具体的には下記の職種を指し示す。しかし概念的定義として捉えられることが多く、発言者や文脈によっては職種を限定する場合もある。 ちなみに歯科衛生士や歯科技工士などは、歯科医療における類義語であるコ・デンタルとも呼ばれる。
現代は、医療の高度化・複雑化にともない、以前は医師のみが行っていた業務の細分化・分業化が進んでいる。従って、当該コ・メディカルには、高度な専門性の追究と日々の自己研鑽を重ね、有機的に連携しチーム医療を実現することが求められる。
呼称
英語圏では paramedic(テンプレート:IPA-en パラメディク)、または、paramedical staff と呼ばれ、日本でも英語にならって「パラメディカル」「パラメディカルスタッフ」との呼称が用いられていた。接頭辞の "para-" は「補足する」「従属する」という意味であり、パラメディカルは医師の補助をする職種を指している[2]。
1982年(昭和57年)、第1回糖尿病患者教育担当者セミナーの講演において、阿部正和東京慈恵会医科大学学長(当時)が、患者教育には医師のみならず全ての関係スタッフの協力が不可欠として、医師以外の関係スタッフを卑下したパラメディカルとの呼称を止め、「協同」を意味する接頭辞の "co-" を用いた「コ・メディカル」(co-medical、テンプレート:IPA-en コウメディカル)との呼称の使用を提唱した[3]。「コ・メディカル」という名称は、後に定着する「チーム医療」の考えと合致し[3]、日本の医療業界に広く受け入れられた。
また、チーム医療の考え方(すべての医療従事者は対等な立場である)が浸透してきていることもあり、医師以外の医療職をコ・メディカルと区別せず、医療従事者をまとめて「メディカルスタッフ」と称することもある。
なお、英語には comedical(テンプレート:IPA-en カミーディカル) という単語があり、「喜劇的な」を意味する[4]。そのため、日本で言う「コ・メディカル」を英語の中で用いる場合には、綴りや発音に注意を要する。
該当職種の例
- 看護師
- 病院勤務の薬剤師
- 臨床検査技師
- 診療放射線技師
- 臨床工学技士
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 義肢装具士
- 臨床心理士
- 管理栄養士
- 栄養士
- 歯科衛生士
- 保健師
- 助産師
- 衛生管理者
- 衛生検査技師
- 救急救命士
- 精神保健福祉士
- 社会福祉士
- 介護支援専門員
- 介護福祉士
- 保育士
- 歯科技工士
- はり師
- きゅう師
- あん摩マッサージ指圧師
- 柔道整復師
- 診療情報管理士
- 歯科助手
- 医療事務
脚注
関連項目
- コ・デンタル - 歯科医療分野における類義語
- チーム医療
- ナースプラクティショナー
- コンサルテーション・リエゾン・サービス
- 衛生兵
- 特技兵/技術陸曹
- 介補-アメリカ統治下の沖縄に存在した僻地限定の医療資格及びその業務従事者
- 衛生管理者/船舶衛生管理者-後者は限定的な医療行為を行うことが認められている
- 公衆衛生看護婦
- パラリーガルテンプレート:Asboxテンプレート:Job-stub
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ 福原麻希(医療ジャーナリスト)「チーム医療とコメディカル」(医療ジャーナリスト・福原麻希。(スポニチ大阪)
- ↑ 3.0 3.1 定期刊行物紹介『DITN』(メディカル・ジャーナル社)
- ↑ http://dictionary.reference.com/browse/comedical