介護支援専門員

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介護支援専門員(かいごしえんせんもんいん)は、介護保険法において要支援・要介護認定を受けた人からの相談を受け、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、他の介護サービス事業者との連絡、調整等を取りまとめる者。通称ケアマネジャー。略称ケアマネ。

概要

介護保険法第7条第5項に定める介護支援専門員は居宅介護支援事業所・介護予防支援事業所・介護保険施設グループホーム小規模多機能型居宅介護事業所等に所属する。

利用者の介護全般に関する相談援助や関係機関との連絡調整を行うが援助の流れは、利用希望者、家族はどのような介護サービスの希望をするか面接(インテーク)、どのような介護サービスが必要かを査定(アセスメント)、介護保険が利用できるようにサービス計画、個別支援計画を作成(プランニング)する。そしてサービスの利用開始後も提供されている介護サービスが適切か否かを定期的に評価(モニタリング)して要介護者と介護者の状況に合わせて再びアセスメント、プランニングをおこなう。

平成19年度より、介護支援専門員としての登録については、5年毎に所定の研修を受けることで登録を更新する更新制度が導入されることになった。 毎年10月に試験は開催され、第1回は合格率5割弱であったが、その後、ケアマネージャーの供給過剰もあり年々逓減し、2011年第14回試験では15%まで合格率は低下した。

資格取得方法

介護支援専門員として登録・任用されるには都道府県の実施する「介護支援専門員実務研修受講試験」に合格し、「介護支援専門員実務研修」の全日程を休まず全て受講したうえで、レポートを提出する必要がある。

「介護支援専門員実務研修受講試験」の受験資格としては、大まかに下記の様に、法定資格所持者等は5年以上の、それ以外の者は10年以上の実務経験が必要とされる。

ア)法定資格(社会福祉士精神保健福祉士介護福祉士医師歯科医師薬剤師保健師助産師看護師准看護師理学療法士作業療法士視能訓練士義肢装具士歯科衛生士言語聴覚士あん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師柔道整復師栄養士管理栄養士を含む。))を所持している者が、5年以上の実務経験を有する者。現状では試験合格者の半数弱は介護福祉士である。

イ)社会福祉主事任用資格ホームヘルパー2級課程修了、介護職員初任者研修課程修了の、いずれかの資格を所持している者で、5年以上の実務経験を有する者。

ウ)上記の資格または研修修了の資格を、1つも所持していない場合は、所定の福祉施設等での相談援助・介護等に従事した期間が10年以上の者

研修科目

介護支援分野
  1. 基本視点
  2. 介護保険制度
  3. 要介護・要支援認定特論
  4. 介護支援サービス機能・要介護認定方法論
保健医療福祉サービス分野
  1. 高齢者の身体的・精神的特長と高齢期の疾病・障害
  2. 訪問介護方法論
  3. 通所介護方法論
  4. 短期入所生活介護方法論
  5. 福祉用具、住宅改修方法論
  6. 指定介護老人福祉施設サービス方法論
  7. 公的サービス、社会資源導入方法論

法定資格の所持内容によっては、介護福祉士など介護分野の資格所持者は介護分野の試験免除などが受けられることがあります。

実務経験証明書偽造事件

2012年には、過去の試験において規定の実務経験年数・日数を詐称した証明書により受験に臨み合格したことが発覚し、埼玉県、神奈川県などで合格の取消が頻発した。

外部リンク