スルッとKANSAI
テンプレート:Infobox スルッとKANSAI(スルッとかんさい)とは、近畿圏の公共交通機関のストアードフェアシステム及び周遊券のネットワーク、または大阪府大阪市中央区に本社を置くその協議会の筆頭会社である。筆頭会社の正式な商号は株式会社スルッとKANSAI[1]である。
スルッとKANSAIはシステムの名称であり、カードの名称は発行社局により異なる。
目次
概要
1992年4月1日に阪急電鉄がそれまで乗車券購入や運賃精算用として販売していたラガールカードを用いたストアードフェアシステム「ラガールスルー」の運用を開始し、1994年には能勢電鉄が自社のパストラルカードとラガールカードを共通化する形で参加。そしてこれをベースとして当時自動改札機の更新を予定していた阪神電気鉄道、大阪市交通局、北大阪急行電鉄の3社局にも拡張対応させ、1996年3月20日から「スルッとKANSAI」の統一名称を用いての運用を開始した。
当初、スルッとKANSAIに関わる業務は加盟各社局が分担して行っていたが、加盟社局の増加により、業務の効率化を図るため、専任事務局として株式会社スルッとカンサイが2000年7月18日に設立された。
スルッとKANSAIでは、ストアードフェアシステムの提携のみにとどまらず、各種チケットや、グッズ制作販売会社とともに加盟各社のグッズなどの企画を行い、各社主要駅などでバンダイや明治製菓(現:明治)などと共同で企画した玩具やチューインガムなどを販売している。共同企画の玩具やCDやバンダイから発売されているBトレインショーティーの限定版は、基本的に一度販売されれば再発売しない方式を貫いている[2]。また、乗車券用紙などの資材の一括調達も行っている(ただし、入札によることが要求される公営交通機関はこの一括調達から外れる)。
2004年からは非接触型ICカード「PiTaPa」が導入された。これによりスルッとKANSAI協議会には近畿圏の交通事業者だけではなく、岡山地区や静岡県の交通事業者も加盟して「PiTaPa」を導入するようになった。また、「PiTaPa」は電子マネーとしても利用できることから、自治体なども参加している(参加事業者・導入時期は「PiTaPa」の項目を参照)。
奈良県・兵庫県のバス事業者でシェアの大きい奈良交通や神姫バス、リムジンバスの大阪空港交通では使用できないが、これらの事業者も協議会には加盟しており、ICカードPiTaPaを介した共通化が図られている(大阪空港交通は伊丹空港発着便のみで、共同運行会社は一部不可の事業者あり)。水間鉄道と京阪京都交通については後に加盟し、京阪京都交通は2008年3月1日から(「PiTaPa」を同時に導入)、水間鉄道・バスに関しては2009年6月1日に「PiTaPa」のみ導入した。また、滋賀県湖西地区の江若交通は協議会に加盟の上、2011年11月1日より堅田営業所の路線バス(一部をのぞく)にPiTaPaを導入した[3]。
大阪南部に路線網を有する南海グループの路面電車である阪堺電気軌道は、2010年11月12日に協議会に加盟したのち、2014年4月1日より「PiTaPa」のみ導入を行った。また南海バスでも同日より、堺営業所・東山営業所管内の路線バス(南海ウイングバス金岡運行分を含む)より、PiTaPaが追加導入された。
スルッとKANSAIの導入初期から利用可能であった阪急バス・阪急田園バスの両社については、2012年4月1日に両社専用(阪神バスも利用可能)のIC乗車カード「hanica」を導入した(3社のバス路線には先行して「PiTaPa」が並行導入されていた)ことで、同年5月31日にスルッとKANSAI対応カードの発売を終了した後、同年9月30日に同カードの利用を終了した(唐櫃営業所管轄の路線バスとオレンジゆずるバスは2013年4月30日まで利用可能だった。阪神バスでは同年10月1日以降も、同カードの発売・利用を継続)。
また、自治体などが自主運行するコミュニティバスに関しては、加盟社局であっても利用できない路線もある。
なお、2005年6月30日には大阪港トランスポートシステムが大阪市交通局へ鉄軌道事業の運営を譲渡し、2006年3月31日には京阪宇治交通とその子会社である京阪宇治交通田辺が京阪バスに吸収合併されたため、それぞれスルッとKANSAI協議会から脱退したが、加盟社局内での譲渡・合併であり、いずれの路線においても以前と変わりなくスルッとKANSAI対応カードを使用できた。
2009年3月20日の阪神なんば線の開業により近鉄-阪神-神戸高速-阪急-大阪市営地下鉄-近鉄-京都市営地下鉄-京阪(大津線系統)と路線がつながり、乗車経路がこれらの路線の多くの駅で複数になるが、近鉄生駒駅にけいはんな線と奈良線・生駒線の連絡改札があり、その改札の通過の有無(通過していない場合阪神なんば線経由となる)で乗車経路の確認が可能となっている。
2009年4月より、関東大手私鉄である西武鉄道、小田急電鉄、箱根登山鉄道の3社がスルッとKANSAI協議会と提携し、各種資材の共同購入を行うことが発表された[4]。
目的
スルッとKANSAIの目的は以下の通りである。
- 乗車用プリペイドカードを導入し、別途乗車券(切符)を買わなくても乗車できるようにする。
- 乗車用プリペイドカードと乗車券購入用のプリペイドカードに同じものを使えるようにする。
- 乗車用及び乗車券購入用プリペイドカードを、スルッとKANSAI参加社局間では共通に使えるようにする。
このことにより、加盟社局がカバーするエリアの乗客は、スルッとKANSAI加盟社局が発行した「スルッとKANSAI」対応カードさえ持てば、複数の交通機関で共通の「金券 兼 切符」として使用することができる。
「スルッとKANSAI」対応カード
額面
スルッとKANSAI対応カードの発売額面は以下の通りである。なお、社局によっては取り扱いのない額面がある。また、いずれのカードも有効期限は設定されていない。
- 大人用カード
- 500円(オーダーメイドカードのみ)
- 1,000円
- 2,000円
- 3,000円(後述の偽造問題により一部の社を除いて販売を中止している)
- 5,000円(同)
- 小人用カード
- 500円
- 1,000円
- 1,500円
- 2,000円
- 2,500円(後述の偽造問題により一部の社を除いて販売を中止している)
- 大人用カード
- 1,000円
- 1,500円
- 2,000円
- 小児用カード
- 500円
- 750円
発売体制
鉄道の駅においては駅窓口及び自動券売機での発売、近鉄などでは駅構内にスルッとKANSAIだけを発売する専用の自動券売機を設置したり、大阪線(大和八木以西)、橿原線、京都線等の特急車内で車掌が販売を行ったり、阪急に至っては主要駅の構内に専用のブースを設け、駅係員が自ら販売するなど積極的に販売活動を行っている。また各社の一部の駅売店でも販売されている。
しかし、近年では後述の偽造カードの発覚や、IC乗車カード(PiTaPa・ICOCA(京阪・近鉄の2社(いずれも一部路線・区間を除く)での発売))の普及により、発売箇所を自動券売機のみに縮小する社局が出てきている。
金券ショップでは、実発売額より安価(1000円のカードが990円など)で販売していることがあるので、同所で購入すればPiTaPaやICOCAよりわずかな差ではあるが安く乗車できる。その一方で2008年12月29日に偽造レインボーカード(大阪市交通局)の使用が発覚したため、一部社局は5,000円カードの発売を中止した[5]。また、2009年4月22日に近鉄が自社の偽造スルッとKANSAIカードが発見されたことを発表した(磁気情報はレインボーカードのもの)[6]。なお、偽造カードを使用したとして東大阪市に住む韓国人2人が逮捕された。大阪府警は背後に偽造グループが存在するとみて捜査を進めている。その後の調べで韓国内で偽造機械を、中国で偽造カードをそれぞれ製造し、日本に送ったことが判明している。
偽造問題の他にも、大阪メトロサービスの特約店によるレインボーカードの金券ショップへの横流し問題が2010年に発覚したことによる、同カードの流通量の減少もあり、一部の金券ショップでは取り扱いを終了したところもある。
システム
スルッとKANSAI対応カードは、縦85mm×横57.5mm(サイバネ規格)厚さ約0.3mmのポリエステル製で、テレホンカードよりわずかに横方向に大きい(磁気定期券と同じ大きさ)カードである。
情報は磁気で記録されており、カードリーダーや自動改札機(※専用の機種)で書き換えることができる。裏面の印字(感熱皮膜破壊、または感熱発色方式)もカードリーダーや自動改札機で追記することができる。
発売されたカードには一定の金額に相当する度数が書き込まれており、出札機や改札機に通して乗車や乗車券購入に使用する度に、必要金額に相当する度数を減算されたデータに書き換えられる。
使用した度数を視認できるよう、カード使用時に支出状況を裏面に21回まで追記で印字していくようになっている。追記される内容は、社局名、使用した駅・車両、使用目的(乗車区間あるいは乗車券購入など)、日時、残額、などである。印字が満杯になった場合はカードを発売する券売機に挿入すると残額を引き継いだ新しいカードが再発行される。この場合、元のカードには最終残額表示に二重取り消し線が上書きされ、残額情報が0円の状態で返却される。
また南海電気鉄道では、有料特急の特急券を購入することができる(一部の窓口及び車内を除く)。
現行のシステムでは、度数がなくなったカードを(追加支払いで度数を購入するなどで)再利用するサービスは想定されておらず、各カードは基本的に使い切りである。但し、使い切ったカードはそのままゴミ箱に捨てるのではなく、各駅の回収箱に投函することにより回収され、国内および海外のカードコレクターに販売されている。
当初、阪急電鉄が単独でラガールカードを導入した際は残額が初乗り金額未満の場合に入場できなかったが、スルッとKANSAIの開始とともに10円でも残額があれば入場できるようになった。ICカード導入とともに初乗り金額の前引きやチェックを行わない社局も増えてきたものの、日本においてこのような取り扱いを始めたのは、スルッとKANSAIが初めてである。
これについては、鉄道営業法第15条「旅客ハ営業上別段ノ定アル場合ノ外運賃ヲ支払ヒ乗車券ヲ受クルニ非サレハ乗車スルコトヲ得ス」という条文に則っているためだが、スルッとKANSAIを含む関西の鉄道事業者が発行するカードでは、これを運輸省に掛け合い、「別段ノ定アル場合」としてカード残額が初乗り運賃に満たなくても入場可能となっている。利用者からすれば、残額が初乗り運賃未満のカードを所有していたとしてもそのまま乗車することが可能であり、特に発車間際の場合には有利になりえる。2枚投入可能な改札機がまだ開発されていなかった当時にこのような取り扱いを始めたスルッとKANSAIやJスルーカードを中心とした関西事業者系カードは、利用者の視点に立った取り扱いを採用したといえる。
導入事業者・発行カード一覧
- 導入日はその事業者の路線でスルッとKANSAI対応カードが利用可能になった最初の日。その日以前にもすでに3dayチケットなどに限って利用可能であった事業者・路線もある。
- 漢字略号は、乗車駅の社局名としてカード裏面に印字される文字。
- 英字略号は、降車駅の社局名としてカード裏面に印字される文字。―は、設定がないことを示す。
- 鉄道利用時は、乗車時および券売機・精算機等利用時は、社局名漢字略号に続いて駅名が3文字で、降車時は社局名英字略号に続いて駅名が2文字で印字される。
- バス利用時は、社局名印字に続いて最大4桁の数字(英字の場合もある)が表示される。
- ICカード「PiTaPa」導入事業者・路線についてはPiTaPaを参照のこと。
- カード名に括弧が付されているものは、自社でのカード発売を行わない社局を示す。
- 薄青色にて表示された事業者は、現在スルッとKANSAIに対応していないことを示す。
- スルッとKANSAIという名称からか、関西のどの交通機関でも利用できるように思えるが、下記の通りJR西日本では利用はできない
鉄道
事業者名 | 漢字略号 | 英字 略号 |
カード名 | 導入日 |
---|---|---|---|---|
阪急電鉄 | 阪急 | HK | ラガールカード | 1996年3月20日 |
能勢電鉄 | 能勢 | NS | パストラルカード | |
阪神電気鉄道※8 | 阪神 | HS | らくやんカード | |
大阪市交通局 | 大交 | OC | レインボーカード | |
北大阪急行電鉄 | 北急 | KE | レジオンカード(ラガールカード) | |
大阪港トランスポートシステム※1 | OTS | TS | レインボーカード | 1997年12月18日- 2005年6月30日 |
南海電気鉄道 ※2 | 南海 | NK | コンパスカード | 1999年4月1日 |
京阪電気鉄道 ※3 | 京阪 | KH | スルッとKANSAI Kカード | |
泉北高速鉄道 | 泉北 | SB | ブルーライナーカード | |
神戸電鉄 | 神鉄 | KB | すずらんカード | 1999年10月1日 |
神戸市交通局 | 神交 | SC | スルッとKANSAIこうべカード | |
神戸高速鉄道 | 神高 | KK | ラガールカード | |
北神急行電鉄 | 北神 | HE | すずらんカード | |
山陽電気鉄道 | 山陽 | SY | エスコートカード | |
神戸新交通 | 神新 | KS | スルッとKANSAIこうべカード | |
大阪高速鉄道(大阪モノレール) | 大モ | OM | モノカード | 2000年2月1日 |
京都市交通局 | 京交 | KC | スルッとKANSAI都カード | 2000年3月1日 |
近畿日本鉄道 ※4 | 近鉄 | KT | スルッとKANSAIカード | 2001年2月1日 |
京福電気鉄道(嵐電) | 京福※5 | ― | スルッとKANSAI Kカード | 2002年7月1日 |
比叡山鉄道(比叡山坂本ケーブル) | 比叡山※6 | ― | 2003年4月1日 | |
叡山電鉄 | 叡山※7 | EZ | 2004年3月1日 |
- ※1 大阪港トランスポートシステム
- 2005年7月1日より路線が大阪市交通局に編入されている。
- ※2 南海電気鉄道
- ※3 京阪電気鉄道
- 石山坂本線では使用できない(3dayチケットは呈示で利用可、PiTaPaは同線を含めて使用可)。
- ※4 近畿日本鉄道
- ※5 京福電気鉄道(嵐電)
- ※6 比叡山鉄道(比叡山坂本ケーブル)
- 駅改札口に設置したカード読み取り機でバス式の印字が行われ、「比叡山」と表示される。
- ※7 叡山電鉄
- 車内のカード読み取り機で印字した場合でも鉄道式の印字となる。
- ※8 阪神電気鉄道
バス
事業者名 | 印字 | カード名 | 導入日 |
---|---|---|---|
大阪市営バス | 大交バス※1 | レインボーカード | 1996年3月20日 |
阪急バス※10 | 阪急バス | ラガールカード | 1997年9月1日- 2012年9月30日 |
大阪空港交通※6 | OKKバス | (ラガールカード) | 1999年3月15日- 2009年9月30日 |
和歌山バス | 和バス | コンパスカード | 1999年4月1日 |
和歌山バス那賀 | 和那バス | ||
京阪バス※2 | 京阪バス | (スルッとKASNAI Kカード) | 1999年10月1日 |
京阪シティバス※3 | 京阪バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2003年3月1日- 2014年3月31日 |
神戸市バス | 神交バス | スルッとKANSAIこうべカード | 1999年10月1日 |
尼崎市交通局(尼崎市営バス) | 尼市バス | らくやんカード | 2000年3月1日 |
伊丹市交通局(伊丹市営バス) | 伊市バス | ラガールカード | |
京都市営バス | 京市バス | スルッとKANSAI都カード | |
南海バス | 南海バス | (コンパスカード) | |
神鉄バス | 神鉄バス | すずらんカード | 2000年5月1日 |
阪急田園バス※10 | 田園バス | ラガールカード | 2000年5月1日- 2012年9月30日 |
近鉄バス | 近鉄バス | (スルッとKANSAIカード) | 2000年8月1日 |
南海りんかんバス | りんかん | (コンパスカード) | 2000年10月1日 |
京都バス | 京都バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2001年10月20日 |
南海ウイングバス金岡 | 南海バス | (コンパスカード) | 2001年12月1日 |
大阪シティバス※11 | 大交バス | (レインボーカード) | 2002年1月27日 |
京阪宇治交通※7 | 宇交バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2002年3月1日- 2006年3月31日 |
南海ウイングバス南部 | 南海バス | (コンパスカード) | 2002年3月1日 |
阪神電気鉄道(バス)※8 | 阪神バス | (らくやんカード) | 2002年3月1日- 2009年3月31日 |
神戸交通振興※4 | 神交バス | (スルッとKANSAIこうべカード) | 2002年8月1日 |
高槻市交通部(高槻市営バス) | 高槻バス | (ラガールカード) | 2003年3月17日 |
山陽電気鉄道(バス)※9 | 山陽バス | (エスコートカード) | 2003年3月21日- 2011年2月28日 |
京都京阪バス※5※12 | 宇治バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2003年12月1日 |
京阪宇治交通田辺※7 | 宇田バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2003年12月1日- 2006年3月31日 |
尼崎交通事業振興 | 尼市バス | (らくやんカード) | 2004年4月1日 |
阪神バス | 阪神バス | 2006年6月14日 | |
京阪京都交通※5 | 京阪バス | (スルッとKANSAI Kカード) | 2008年3月1日 |
山陽バス | 山陽バス | (エスコートカード) | 2011年3月1日 |
- ※1 大阪市営バス
- 赤バス乗車時の印字は「大交BUS」となる。
- ※2 京阪バス
- コミュニティバスなど一部の路線は利用不可。
- ※3 京阪シティバス
- 2014年4月1日より京阪宇治バスを社名変更した京都京阪バスに吸収合併された。
- ※4 神戸交通振興
- 山手線・ポーアイキャンパス線(同社運行便のみ)[7]で利用可能。
- ※5 京阪京都交通・京都京阪バス
- 立命館大学 (BKC) 線など一部の路線は利用不可。
- ※6 大阪空港交通
- 2009年9月30日をもって、唯一のスルッとKANSAI対応路線であった川西線が廃止となった。
- ※7 京阪宇治交通・京阪宇治交通田辺
- 2006年4月1日より京阪バスに吸収合併された。
- ※8 阪神電鉄バス
- 2009年4月1日をもって阪神バスに全ての直営路線を譲渡。
- ※9 山陽電鉄バス
- 2011年3月1日をもって山陽バスに全ての直営路線を譲渡。
- ※10 阪急バス・阪急田園バス
- 2012年4月1日の共通ICカード乗車券「hanica」(阪神バスも利用可能)の導入に伴い、同年5月31日をもってカードの発売を終了し、9月30日をもってスルッとKANSAIの利用を終了した。なお、10月1日以降もスルッとKANSAI 2day・3dayチケットは券面提示によることで使用可能である。運行を神鉄バスに委託している唐櫃営業所所属車両、及び阪急バスが箕面市から運行を受託されているオレンジゆずるバスも10月1日以降利用可能であったが、これらも2013年4月30日をもって取扱を終了(2014年4月1日時点でスルッとKANSAI 2day・3dayチケットも券面提示利用も不可になっている)した。また、唐櫃営業所については翌日から神戸市バスのカードも利用できなくなった[8][9]。
- ※11 大阪シティバス
- 2014年4月1日に大阪運輸振興より社名変更。
- ※12 京都京阪バス
- 2014年4月1日より京阪宇治バスより社名変更。
なお、各社とも高速バスや定期観光バスでは利用できない。また、深夜急行バスでは南海バスのみ利用可。
チケット
スルッとKANSAI協議会加盟社局で利用することのできる周遊券が発売されている。但し、チケットによって利用可能な社局やエリアが限定される場合がある。 下記に記載している価格はすべて2014年3月31日までのものであり,2014年4月1日以降は発売価格等が変更になることに注意。
- 3dayチケット(全国通年発売版)
- 連続する3日間乗り放題で、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人5,000円(1,667円/日)・小児2,500円。2シーズン[10]に分かれての発売であるが、有効期間があるので、購入・使用の際には注意が必要である。旅行代理店など(近畿2府4県と三重県を除く)でクーポン券を購入し、エリア内の引換場所で交換する。直接購入できるチケット発売場所もある。
- このチケットは日本国外の旅行代理店などでは「KANSAI THRU PASS」の名称で発売されている。払い戻しは不可。
- 2dayチケット(全国通年発売版)
- 連続する2日間乗り放題で、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人3,800円(1,900円/日)・小児1,900円。2シーズンに分かれての発売であるが、有効期限があるので購入・使用の際には注意が必要である。発売方法は3dayチケット(全国通年発売版)と同じ。払い戻しは不可。一時期は任意の(連続していなくても可)2日間有効で発売していた。
- 3dayチケット(関西駅売限定版)
- 任意の(連続していなくても可)3日間乗り放題、かつ指定された施設で割引などの特典を受けられる。大人5,000円(1,667円/日)・小児2,500円。春・夏・秋の3シーズンのみの発売であるが、利用日が限定されている。加盟社局の主要駅などで発売。払い戻しは、未使用の場合に限りすべて揃った状態で手数料を支払うことで可能である。
- 2dayチケット・3dayチケットでは、本来の利用範囲以外にも、阪急バス・阪急田園バス(いずれも一部路線を除く)や京阪石山坂本線など、若干だが利用範囲が広がる。一方で各バス会社が受託運行する地方自治体のコミュニティバスには制約がある。
- 大阪周遊パス
- 大阪市内エリア(堺市と尼崎市の一部も含む)の電車・バスに1日乗り放題。28施設にそれぞれ1回まで無料で入場できる他、割引を受けられる施設や店舗も利用できる。2,000円(大阪エリア版、大人のみ)。2シーズンに分かれての発売で発売期間の翌月末まで利用可。加盟社局のフリー区間を加えたエリア拡大版(2,200円から)もある。さらに海遊館の入場券も組み込まれた「大阪海遊パス」も発売されている。
- 神戸街めぐり1dayクーポン
- 神戸エリアの電車に1日乗り放題[11]と神戸市内の観光施設で利用できる650円分の「神戸街遊券」がセットになっている。金額は900円(大人のみ)。2シーズンに分かれての発売で、発売期間と有効期間が同じである。他に阪急・阪神・山陽・神鉄(北神急行[12])・近鉄拡大版[13]も発売されている。以前は「神戸観光1dayクーポン」の名称で販売されており、当時は利用エリアは現在販売のものよりも広く神戸市内のほとんどの駅[14]やバス[15]でも利用できた。
また冬季を中心に「有馬温泉 太閤の湯」の入場料が組み込まれた「有馬温泉ゆけむりチケット」が発売されることもある。
上記以外にもスルッとKANSAI協議会加盟各社局では時季によって企画ものとして、2社局以上を跨ぐフリー切符が発売されている。 なお、過去には発売期間が「通年販売」のものが存在したが、現在はスルッとKANSAI 3day・2dayチケット(全国通年発売版)等を除き4月1日開始となる年度ごとの発売・利用期間となっており、年度をまたがっての利用はできなくなっている。
主な未加盟・未導入事業者
「スルッとKANSAI対応カード」は関西一円共通カードシステムを謳っているが、使用できない範囲も京阪神地区以外の地域を中心に多く、各府県全域で普及しているわけではない。スルッとKANSAI協議会に加盟していない事業者、また協議会には加盟していても、未導入の主な事業者は次の通り。
大阪府
- 関西空港交通(南海グループ)
- 中日臨海バス(大阪堺支店管轄のコミュニティバス〈ミニループバスみさきなど〉)
- 金剛バス
- 日本城バス
- 大阪バス(高速乗合バス:京都特急ニュースター号など)
- 北港観光バス(日本タクシーグループ:舞洲アクティブバスなど)
- 金剛山ロープウェイ(千早赤阪村営)
- WILLER EXPRESS西日本(梅田 - USJ路線など)
兵庫県
- 六甲摩耶鉄道(阪急阪神東宝グループ:鉄道・バスとも)
- 神戸すまいまちづくり公社(摩耶ケーブル・ロープウェイ各線とも)
- 神戸リゾートサービス(神戸布引ロープウェイ)
- 須磨浦ロープウェイ(山陽電気鉄道グループ)
- 書写山ロープウェイ(姫路市が運営:運行は神姫バスが担当)
- 淡路交通
- 全但バス(元阪急東宝グループ)
- 神戸フェリーバス(フェリーターミナル行連絡バスなど)
- みなと観光バス (神戸市)(六甲アイランドシティバスなど)
- みなと観光バス (南あわじ市)(らん・らんバスなど)
- 北条鉄道(第3セクター)
- 智頭急行(同)
京都府
- 叡山ケーブル(京福電気鉄道が運営)
- 叡山ロープウェイ(同上)
- 嵯峨野観光鉄道(JR西日本グループ:嵯峨野観光線:トロッコ列車)
- ヤサカバス(ヤサカグループ:醍醐コミュニティバスなど)
- 京北ふるさとバス(きょうと京北ふるさと公社が運営)
- 京都急行バス(プリンセスラインバス)
- 京都らくなんエクスプレス(京都大学が主導で実験運行中の路線バス)
- 丹後海陸交通(阪急阪神東宝グループ)
- 西日本ジェイアールバス(高雄・京北線、園福線)
- 京都交通 (舞鶴)(日本交通グループ)
- 北近畿タンゴ鉄道(第3セクター)
滋賀県
- 近江鉄道グループ(西武グループ:鉄道・バスとも、一部のバスについては自社独自の近江鉄道バスICカードを導入)
- 帝産湖南交通(帝産系)
- 滋賀交通グループ
- 西日本ジェイアールバス(若江線)
- 信楽高原鐵道(第3セクター)
奈良県
- 吉野大峯ケーブル自動車(吉野ロープウェイと吉野山内の路線バスを運行)
和歌山県
三重県
- 伊賀鉄道(元・近鉄伊賀線)
- 養老鉄道(元・近鉄養老線)
- 三岐鉄道(太平洋セメントグループ)三岐線・北勢線(旧・近鉄北勢線)・路線バスとも
- 伊勢鉄道(第3セクター)
- 三重交通グループ(近鉄グループ)
- 三重交通 2013年度(加盟日は失念)に協議会へ加盟。
岡山県
キャラクター
「スルットちゃん」という公式マスコットキャラクターがいる。緑色のトンガリ帽子とワンピースを身に着けた魔法使いの少女で、カードの上に腰かけているデザインがよく使われる。2002年から2012年まで、スルッとKANSAI公式サイト内に「スルットちゃんのお部屋」というコンテンツが設けられ、年齢は8歳、星座はおひつじ座、血液型はAB型、出身地は「まほうの国」、好きな食べ物はチョコレートケーキ、口癖は「お出かけしよーよ」、などのプロフィールが紹介されていた[16]。
スルットちゃんは協議会および運営会社のキャラクターであり、主に広報関係や磁気カードで使用され、スルッとKANSAIが発行しているICカードPiTaPaのキャラクターとしては使用されていない。しかし、2013年3月23日に東京駅で行われた交通系ICカード相互利用開始記念セレモニーでは、各ICカードのキャラクターに交じってスルットちゃんも出席していた[17]。その後PiTaPaのキャラクターは忍者をモチーフとしたものが別に制定された。
脚注
関連項目
- PiTaPa(非接触型ICカード)
- ICOCA(非接触型ICカード)
外部リンク
テンプレート:Navbox テンプレート:大手私鉄 テンプレート:阪急阪神東宝グループ テンプレート:京阪グループ
テンプレート:近鉄グループ- ↑ 会社年設立時の商号は「株式会社スルッとカンサイ」であったが、商業登記規則改正後に商号変更を行った[1](Internet Archive)。
- ↑ Bトレインショーティーの場合、南海電気鉄道が2005年11月と2007年9月、阪急電鉄・京阪電気鉄道・山陽電気鉄道が2007年6月 - 8月、大阪市交通局が2008年1月、近畿日本鉄道が同年3月にそれぞれ一般販売用にアレンジして発売した。
- ↑ システム上は京阪バス扱い。
- ↑ 西武鉄道・小田急電鉄・箱根登山鉄道の3社は、スルッとKANSAIと連携し、2009年4月より資材の共同購入を実施します- スルッとKANSAI ニュースリリース、 2009年3月25日、 2012年7月19日閲覧
- ↑ 大阪市交通局「偽造レインボーカード対策について」2009年3月23日閲覧
- ↑ 近畿日本鉄道「偽造スルッとKANSAIカードの発見について」
- ↑ http://www.kctp.co.jp/pdf/24.4.p.i.henkouannai.pdf
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 2012年版有効期間 春夏版4月1日~10月31日、秋冬版10月1日~4月30日
- ↑ スルッとKANSAI加盟社局に限る。[2]
- ↑ 鈴蘭台より東(有馬・三田方面)の乗降で有効
- ↑ ただし南大阪線(阿倍野橋駅)利用の場合は大阪難波駅等までの移動には別途運賃が必要
- ↑ 神戸電鉄に関しては有馬温泉駅まで乗車可能であるが、「神鉄拡大版」を除き途中の花山 - 有馬口間での乗降はできない
- ↑ 神戸交通振興ではカードでの乗車は山手線のみ
- ↑ テンプレート:Wayback
- ↑ IC乗車券相互利用開始 スイカ、ピタパ、ニモカ…IC乗車券、名称の由来さまざま、MSN産経ニュース、2013年3月23日配信、2013年3月31日閲覧。