E
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テンプレート:Sidebar Eは、ラテン文字(アルファベット)の5番目の文字。小文字は e 。ギリシャ文字のΕ(エプシロン)に由来し、キリル文字のЕに相当する。
字形
大文字と小文字で異なる。
- 大文字は、縦線の上端、下端、中央から、右に垂直に線が付き出した形である。筆記体では<math>\mathcal{E}</math>のように上半分と下半分をそれぞれ円弧を書きながらで一筆で書く(中線は折り返して2度書く)。フラクトゥールでは<math>\mathfrak{E}</math>のようである。
- 小文字は大文字を丸め(Є)、上と中の線を右で接続した形と言えるかもしれない。不完全な円と、それを横切る直線であり、円は直線との右の交点の下が少し欠ける。直線は右上がりに書かれることもある。また筆記体では円とひと続きの曲線で書かれる。フラクトゥールでは<math>\mathfrak{e}</math>。
呼称
音素
この文字が表す音素は、テンプレート:IPA2(非円唇前舌狭半母音)またはテンプレート:IPA2(非円唇前舌広半母音)、ないしその類似音である。
- しばしば曖昧母音化する。
- フランス語ではテンプレート:IPA2等と曖昧母音とでアクサンなどを使い、綴りの書き分けを行う。アクサンなしの e が語末に来たときは、綴字上は音節を成すが、e 自体は(詩などでない限り)決して発音されない。たとえば "illustre" は綴字上は "il-lus-tre" と三個に分綴されるが、音節は "il-lustre" テンプレート:IPA2 のように二音節である。
- インドネシア語でも辞書ではテンプレート:IPA2をé、曖昧母音をeと書く。
- 英語やフランス語では語尾のeは他に母音があれば無音になる。
- 英語では大母音推移により、多く短音はテンプレート:IPA2, 長音はテンプレート:IPA2, 弱化した場合は/ɪ/(IPA) = /I/(X-SAMPA)となる。母音字 + 子音字 + e のつづりで子音字が一つ、または二つの子音のとき、前者の母音を文字名称(長音)で読み、e は読まない。
- オランダ語ではアクセントが無いと曖昧母音になる。
- ハンガリー語ではテンプレート:IPA2=/E/(X-SAMPA)
- フランス語では en または em に他の子音が続くとき、または語末でやや円唇化したテンプレート:IPA2(非円唇後舌広鼻母音)になる。
- 北京語や朝鮮語の音素テンプレート:IPA2は後舌化している。
- 日本語のローマ字表記ではエ段の母音に用いる。
- 朝鮮語のローマ字表記では母音ㅔを示す。文化観光部2000年式ではoやuの前に置いて類似の別音を示すのにも用いられる。
Eの意味
学術的な記号・単位
- 数学では自然対数の底を小文字の e で表す。 e = 2.7182818...
- 数学では単位ベクトル(通例小文字)や基底、単位行列(大文字)を示す文字として、また離心率(eccentricity、通例小文字)や期待値(Expectation、通例大文字)を表す文字として用いる。
- 自然科学ではエネルギーを示す文字として用いる。E = mc2のE。(Energy、通例大文字)
- 自然科学ではe-で電子を表す(英語名 electron、小文字)。また電気素量の値も表す(e=1.60217733×10-19 C)。
- 物理学で電場(電界)を示す文字として用いる。例:E = V/d。また電圧を示す文字として用いることもある。 E = IR(単位:V)(オームの法則)
- SI接頭辞 エクサ (1018)(大文字)
- €は通貨単位の「ユーロ」(Euro) の記号。
- トランジスタの端子の一つ。エミッタ (Emitter)
- 接地(アース、Earth)
- 医学ではエストロゲンの略。
- 化学では、
- 求電子剤 (Electrophile) の略。
- シス-トランス異性体で、トランス体を表す記号 (entgegen)。
- 十六進数と二十進数において、十四(十進数の14)を一桁(一文字)で表すために用いられる。0x0E = 0d14
- 洋楽で用いられる音名の一つ(英米式、ドイツ式)。イタリア式では「mi」、日本式では「ホ」に相当。→ホ (音名)
- 音階の3番目の音であることから、音楽関係者の間で3を表す隠語として使われる。例:E(エー)万=3万(円)
- E (計算複雑性理論) - 計算複雑性理論における複雑性クラスの1つ。
- (主にコンピューター上で)指数表記を略記するときに使われる(Exponent、Eの大小は状況による)。例:1.23×104を1.23E4のように表記。
- ケッペンの気候区分の寒帯を表すE。
- 標準数のE系列。(E12、E24など。「E」の由来については不詳)標準数#JIS C 5063の標準数列を参照。
その他の記号
- 方位の東を表す。(East)
- 国鉄(JR)等の機関車で、動軸が5軸の形式に付される記号。DE10など。
- 国鉄(JR)等で電気機関車の形式に付される記号。EF65など。
- 東京都交通局(都営地下鉄)のE5000形に付番されている記号。
- 靴の幅の広さをあらわす。Eが多いほど内側の空間が広くなる。
- 日本のプロ野球球団東北楽天ゴールデンイーグルス (Eagles) の略号。
- 自動車・航空機・船舶等の燃料計で燃料が空であることを表す、Emptyの略。
- アメリカのレーティング審査組織Entertainment Software Rating Boardによる6歳以上対象の表示("Everyone"の略で、実質的に全年齢対象として扱われる)。
- 嘗て存在したアメリカの巨大エネルギー企業・エンロン (Enron) の略号。
- au by KDDIの法人向けCDMA 1X WIN端末は型番が「E」で始まる。
- フランス語では語尾につけることで女性形となる。またこのEを付けるために調整して変化する場合もある。例としてフィアンセは男は「fiancé」、女は「fiancée」。男性名ジャンは「Jean」、女性名ジャンヌは「Jeanne」、男性名アントワーヌは「Antoine」、女性名アントワネットは「Antoinette」となる。
- 接地極付コンセント。構内電気設備配線用図記号 (JIS C 0303:2000) で用いられる。
- NHK教育テレビジョン(Eテレ)。
自動車に関するもの
- 欧州の自動車のカテゴリー、全長を基準に設定されている記号。Eセグメント。
- 昭和53年排ガス規制に適合した乗車定員10以下の乗用車を意味する記号。車両型式の前に付与。(例:E-GX81)
- メルセデス・ベンツの車種名、Eクラス。
- トヨタ車の形式名においては、以下の意味がある。
その他
- electronic の略。特にコンピュータやインターネットなどにより、電子化[2]されたもの。
- スコットランドの河川 → イー川 (River E)
- 日本のガールズバンド、ZONEのベスト・アルバム。→[[E 〜Complete A side Singles〜|E テンプレート:~Complete A side Singlesテンプレート:~]]
- 日本の歌手、奥田民生のアルバム。→E (奥田民生のアルバム)
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称
テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode テンプレート:CharCode |
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脚注
関連項目
- Æ æ - 合字
- Œ œ - 合字
- È è - グレイヴ・アクセント
- É é - アキュート・アクセント
- Ê ê - サーカムフレックス
- Ë ë - トレマ
- Ē ē - マクロン
- Ė ė - ドット符号
- Ę ę - オゴネク
- Ě ě - ブレーヴェ
- テンプレート:IPA2 - 曖昧母音
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ ここで言う電子化とは、デジタルデータを作る業務的、経営的、社会的な過程の意。