課長島耕作

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists課長島耕作』(かちょうしまこうさく)は、弘兼憲史による日本漫画。『モーニング』(講談社)にて、1983年から1992年まで掲載された。

シリーズ作品に『部長――』『取締役――』『常務――』『専務――』『社長――』『会長――』『ヤング――』『係長――』『学生――』(『ヤング』『係長』『学生』の掲載誌は『イブニング』)があり、これらも全て本項で取り上げる。島耕作シリーズのコミックス累計発行部数は約4,000万部に達する[1]

作品概要

概要
本作品は1980年代前半の日本経済低成長期(安定成長期)から同年代後半のバブル景気期を経て1990年代初期の失われた20年前夜に至るまでの日本経済の動向、大企業間の競争、大企業内部の派閥争い、経済活動の末端で働くサラリーマン、特に団塊の世代の群像の様々をリアルに活写したものであった。
本作品の主人公・島耕作は団塊の世代に属し、大手電器メーカー「初芝電器産業」に勤務するサラリーマンである。商社マンとしても男性としてもやり手のイメージが強いが、作品が連載開始された当初(1983年頃)の島は、どちらかといえば小心で保身を考える平凡なサラリーマン像に描かれており、作品内容もオフィスラブなどの個人的な身辺事が主たるものであった。セックスに関しても「並み」以下のように描かれていた箇所もあった。
初芝電器産業は、作者・弘兼が漫画家デビューする前に勤めていた松下電器産業(現:パナソニック)がモデルになっていて、松下電器産業が実際に行った経営行動が漫画内に反映され、初芝電器産業は松下電器産業と同じ経営行動をすることがある。
話数カウントは「STEP○」。
1991年度(平成3年)、第15回講談社漫画賞一般部門受賞。
作風
1984年後半から毎回連載が始まると、作品は大企業内部の派閥抗争や企業戦略に基づく経営展開などのマクロな経済世界へと舞台の主軸を移していった。それに伴い島耕作は揺れ続ける社内での派閥争いの動向の中でも自身の信念のみに従う行動的人物として描かれていき、前向きな性格と幸運で度重なる苦難に直面しても全て乗り切ってしまう。苦難を乗り切る過程では知人の探偵・木暮久作を駆使したミステリ仕立ての冒険活劇が展開されるほか、部下や女がいつの間にか全てを解決してくれることも多い。また、島の周囲には必ずと言って良いほど島と性的関係を結ぶ女性が常につきまとう。
「社長――」では60代を迎えたにも拘らず、顔に「ほうれい線」が入っていないこと、老眼鏡をかけずにいることから“島が若々し過ぎ。人間味に欠け、典型的「理想の社長」で感情移入できない”と評されている[2]
経済面のストーリー展開は、実社会の時事ネタが次々と島と初芝に襲い掛かるも、実社会の企業の失敗を研究してストーリーに取り入れ、時には左遷なども経験するが全て巧く乗り切るだけでなくさらに出世していってしまうストーリーである。派閥抗争、経営戦略、ミステリ活劇、全身汗まみれになるほどの絶倫且つ多彩な女性関係などの複雑に絡み合う各要素が多くのサラリーマン、とりわけ団塊の世代の男性の心を鷲掴みにし、1990年頃には大人気漫画として社会現象を巻き起こした。
社長就任の新聞報道
2008年4月2日読売新聞をはじめ各全国の新聞朝刊の社会面に島耕作が作中で近く社長に就任することが経済面でおなじみの新社長就任記事を模して「新社長に島氏」というタイトルで採り上げられた。

主な登場人物

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シリーズ作品

部長島耕作

部長島耕作』は、1992年から2002年まで『週刊モーニング』誌上で掲載された漫画作品。当初は半年から1年に1回の頻度で掲載されていたが、1999年、人気が低迷していた『週刊モーニング』はかつて人気を誇った作品の続編・外伝などを掲載することで販売数を回復しようとしたため、このとき本作品も毎週連載が再開した。

島が敬愛する、派閥に属さない一匹狼として会社を生き残り、『課長島耕作』の最終巻で社長に大抜擢された中沢が社長を退任することになった。その際、反対派が社長になった場合に処遇が悪化されないように、という中沢の配慮により、島は関連会社・初芝電産貿易へ代表取締役専務としての出向を命じられる。しかし、島は持ち前の前向きさと柔軟さと信じられないような運の良さで、出向先のワイン事業を大きく伸ばし、更に次の出向先のサンライトレコードにおいても、課長時代にニューヨークに赴任した際の白人の不倫相手との子供を、その事実は誰にも言えない中で歌手として大ヒットさせるという成果を実現し経営立て直しにも成功。その後、九州の販売センターへの左遷を経験。折り合いの悪かった元部下の下で働くという辛酸を舐めるも、業績をアップさせ、それまでの功績を認められて初芝本社の取締役へ就任することとなる。

取締役島耕作

取締役島耕作』は、2002年から2005年まで『週刊モーニング』誌上で連載された漫画作品。初芝電器産業の取締役となった島は上海初芝電産董事長(会長)と本社上海担当役員の兼務で東京と上海を往来、それを通して急成長する中国経済が描かれることとなる。島の恋愛・性交の絶倫ぶりも相変わらずである。

常務島耕作

常務島耕作』は、2005年から2006年まで『週刊モーニング』誌上で連載された漫画作品。取締役時代に続いて、中国担当としての活躍が描かれているが、担当エリアが上海のみから中国全土となり、東京・北京・上海の3極勤務となり多忙を極める。2006年、中国担当常務の前任である郡山利郎専務が社長に昇格したことにより、島も専務に昇格することとなり連載が終了した。

専務島耕作

専務島耕作』は、2006年から『週刊モーニング』誌上で不定期連載された漫画作品。常務時代に続いて中国を担当するほか、インド担当、アメリカ担当も兼任することになった。

2008年4月、現社長である郡山利郎が辞意を表明し、その後任として五洋電機との経営統合で誕生する「初芝・五洋ホールディングス」の初代社長に就任。これに伴い同年5月下旬よりタイトルが“社長・島耕作”と改められ、新シリーズがスタートすることになった。2008年5月15日発売号にて連載終了。

社長島耕作

社長島耕作』は、2008年No.26(6月12日号)から2013年No.33(7月18日号)まで『週刊モーニング』誌上で連載された漫画作品。当初の作者いわく、この作品が島耕作シリーズの最終章となるとのことだったが、後に会長編がスタートする。

初回掲載号の発売日にあたる2008年5月29日には「島耕作社長就任会見&乾杯式」と銘打ったイベントが開かれ、アニメーションの島耕作がメッセージを述べた(声は井上和彦が担当)。また、同日付の朝日新聞朝刊には同誌の土曜版別冊「beビジネス」に見立てた一面広告が掲載された。

連載第一回目での社長就任スピーチにおいて「これから先、わが社はHGホールディングスと初芝電産の松橋社長、五洋電機の勝浦社長とのペレストロイカ体制[3]で合議を図りながら経営を進めていく」という所信表明を行い万亀会長からも「名演説だった」と評される。

2008年10月2日発売号にて、次年度に初芝五洋グループの社名を変更すること、並びに初芝ブランドと五洋ブランドを統合し新ブランドを立ち上げそれに要する費用の試算が総額400億円であることが正式に明らかになった。この背景には本作のモデルとなっている松下電器産業が2008年10月1日よりパナソニック株式会社と社名変更したこと、さらにグループ会社全ての製品をパナソニックブランドに統一したことがあり、島の社長就任時に掲げたスローガン「シンク・グローバル」、並びに「世界に通用するブランドを立ち上げる」という経営方針に則ったものである。最終的に、社名、ブランド名は詳細を後述するように一般公募の後「TECOT」と改められた。

2008年11月7日にパナソニック株式会社と三洋電機株式会社が三洋の子会社化を前提とした資本・業務提携の協議を始めることで合意したと正式に発表した。結果的に作中での出来事が現実の形となったわけだが、作者の弘兼はこの件について「私がパナの社長なら、歴史的関係が深く電池技術がある三洋を他企業に奪われるのは嫌だし、一緒になると予想していた。追いつかれないよう焦って書いた」とのコメントを出している。また、2012年に作中でライバル企業であるソラーとのテレビ事業における業務提携のエピソードが描かれているが、これも同年6月末にパナソニックとソニーがテレビ・大型ディスプレイ向けの次世代有機ELパネルおよびモジュールを共同で開発する契約を締結したことが背景となっている。

2011年04月7日発売号掲載分の104話のラストでは東日本大震災が発生、105話からは社長・企業としての震災対応が描かれた。

会長島耕作

会長島耕作』は、2013年No.39号(2013年8月29日号)より『週刊モーニング』誌上で連載中の漫画作品。島耕作が社長を退任し会長となる。

ヤング島耕作

ヤング島耕作』は、2001年から2010年No.04(2月9日号)まで『イブニング』誌上で連載された漫画作品。『イブニング』創刊時の目玉作品として掲載された。島耕作が初芝電器産業へ入社した当時(1970年頃)の社会情勢、世間の気風、大企業の雰囲気などを描いている。島の出身地が作者と同じく山口県岩国市で誕生日9月9日であることが明らかにされた。連載中途より『ヤング島耕作 主任編』として、主任に昇進した島耕作が描かれた。

係長島耕作

係長島耕作』は、2010年No.07(3月21日号)から2013年No.21(10月22日号)まで『イブニング』誌上で連載された。『課長島耕作』の若き日を描くコンセプトからスタートした『ヤング島耕作』が現代編同様、過去編においてもステップアップの道を辿り島は、平社員から主任へ、そして係長へと至った。

なお、『課長島耕作』第1話は連載当初『係長島耕作』のタイトルで発表されていたが、コミックス収録の際の編集により現在の形となっている。

最終話で課長に昇進し、シリーズが1つに繋がる形で連載が終了した。

学生島耕作

学生島耕作』は、2014年No.01(2013年12月10日発売)より『イブニング』誌上で連載開始。初芝電器産業時代からさらに遡り、島の早稲田大学での大学生時代を描く。

登場する企業や用語

初芝電器産業株式会社

主人公島が在籍し、作中のメインとなる企業でモデルは松下電器産業(現:パナソニック)および東芝である。松下幸之助をモデルにした「経営の神様」と呼ばれる吉原初太郎によって創始され、作中でも日本のトップ電機メーカーとして描かれている。世界各地に企業展開し、電気製品事業以外にも音楽(サンライトレコード)やワインなどの輸入貿易事業(初芝貿易)などのグループ会社があり、島も作中に出向をしている。後述する五洋電機と経営統合し、現在は持株会社である初芝五洋ホールディングスの傘下企業になっている。

五洋電機株式会社

初芝と同じく電気製品メーカーでありライバル企業として登場。液晶技術に優れており、作中では韓国の電気製品メーカーであるソムサンに企業買収を持ちかけられる。専務時代の島の提言により、「日本技術の海外流出を防ぐ」という名目の基、友好的買収(ホワイトナイト)を持ちかけソムサンへの買収を防いだ。その後、正式な経営統合に至り、初芝五洋ホールディングスの誕生に繋がった。社長は島と同世代で、恋敵としても描かれる勝浦が務めている。モデルは三洋電機

初芝五洋ホールディングス(HGホールディングス)

初芝電産や五洋電機を束ねる純粋持株会社。初代社長には両企業の経営統合に活躍した島が就任した。当初は両ブランドを維持しながらも、将来的に統一ブランドで世界市場を勝ち抜くべく社長就任時に島が打ち出した「Think Global(シンク・グローバル)」構想のもと、新企業名が社内で公募され『TECOT(テコット)』に決定した。

TECOT(テコット)

初芝五洋ホールディングスの初代社長である島がブランド力の強化のために着手したプロジェクトで、社名の変更を公募して決定した社名。実際には読者から一般公募し、弘兼の選択で決定された。

社名のTECOT(テコット)は「TEC=TEChnology(テクノロジー)」と「ECO=ECOlogy(エコロジー)」から取っており、さらに「TECO=テコ」の意もかけられている。

しかし、TECOTは新社名と銘打ちながら、その決定のプロセスに問題があるため、2009年7月16日時点では「ブランドの統合」とのみ発表されている。

その他の同業他社及び登場企業

  • ソラー:初芝のライバルとして登場する電機メーカー。モデルはソニー
  • 東立:同じく電機メーカー。モデルは東芝及び日立。
  • 日芝:同じく電機メーカー、TECOT成立後、国際競争力強化のため自社のテレビ事業との交換でTECOTの原発事業を買収。モデルは東芝及び日立。
  • 電報堂:島が宣伝広告課時代に取引先として登場した広告会社。モデルは博報堂
  • 博通:同じく広告会社で、島の娘である奈美が在籍していた。モデルは電通
  • ソムサン:韓国の電機メーカーで初芝とは五洋の買収をめぐりTOB合戦が行われた。現社長はイ・カプス。モデルはサムスン。尚、朝鮮語で“ソム(섬)”とは「島」を意味する。

パロディ

  • 漫画『サルでも描けるまんが教室』(1989年よりビックコミックスピリッツに連載)の「ウケる老人まんがの書き方」の回において、劇中に登場する架空の老人向け漫画雑誌『ビッグオールド』において、連載漫画ひとつとして「会長・島耕作」という題名が登場している。
  • 漫画『よんでますよ、アザゼルさん。』において、悪魔ベヒモスにやる気を奪われた作者が適当に描いたという設定で「ニート島耕作」という作品が登場したことがある。登場人物は島と妻の2人。この作品は作中での『イブニング』の人気を急落させ、編集部には返本の山が築かれることとなった。
  • テレビ東京系列のドラマ『勇者ヨシヒコと魔王の城』第4話において、宅麻伸演じるダンジョーが「若いころのあだ名は“課長 島耕作”」と述べるシーンがある。

映画

テンプレート:Infobox Film 1992年に田原俊彦主演で映画化された。

キャスト

スタッフ

テンプレート:根岸吉太郎

テレビドラマ (フジテレビ版)

テンプレート:Sidebar with collapsible lists 1993年から1998年にかけてフジテレビによりテレビドラマ化され放映された。

キャスト(フジテレビ版)

スタッフ(フジテレビ版)

サブタイトル

放送日 サブタイトル ゲスト出演者
1 1993年9月17日 課長 島耕作1 斉藤慶子山下容莉枝長塚京三西田健天田俊明榊原利彦前田五郎山本紀彦畠山明子中原潤増田由紀夫西田静志郎平山里美小川隆市川上理英子久保晶森井睦光岡湧太郎菅野玲子藤夏子中井信之天田益男水鳥川彩森富士夫 ほか
2 1994年4月29日 雨の京都慕情編 出張先で出会った偶然の恋…祇園の女は乗っ取り屋の愛人だった!! 会社の命運をかけた闘いの結末は…? 秋吉久美子山崎大輔寺脇康文
3 1994年10月23日 仕事に恋にタフな男が帰って来た!恋人は疑惑の渦中に、そして娘とのきずなにも危機が… 江守徹天田俊明、斉藤慶子、白木万理金田明夫石丸謙二郎畠山明子、平山里美、加山到
4 1998年12月4日 ヒット曲の合間から聞こえる "人殺し" の叫び声…歌い手の女優にかけられた恐怖の殺人呪いとは!? 藤谷美和子戸田菜穂及川以造坂西良太、加山到、川俣しのぶ、篠原秀豊、佐々木和也、出口高司、富沢勝成、貴山侑哉、中尾貴美子、荒木イサオ、天田俊明、池田真菜美、峯尾進、前澤裕彦、中村元則、大野妃寿、羽場裕一あめくみちこ

テレビドラマ(日本テレビ版)

主演の高橋克典は同局でのドラマ主演は、連続ドラマも含めて「FACE〜見知らぬ恋人〜」以来となる。副音声では解説放送を行い、アイパートナーは石丸博也が務めた。

キャスト(日本テレビ版)

ほか

パート2より

ほか

主題歌

スタッフ(日本テレビ版)

テレビアニメ

『週刊シマコー』のタイトルで、2011年4月よりオムニバスFLASHアニメ『ユルアニ?』(日本テレビ)の1作として放送。「島耕作」というキャラクターを用い、本作とは直接的には関連性の無い物語が展開される。島耕作の声は本作の監督であるFROGMAN蛙男商会)が担当。第12話より『その時、シマコーが動いた!』に改題されている。 テンプレート:Main

ゲーム

コラボレーション

以下は過去にコラボレーションを行った主な事例を記す。

脚注

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外部リンク

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  1. http://mantan-web.jp/2013/07/11/20130710dog00m200067000c.html
  2. 〈マンガ今昔物語〉第15回 30代の島耕作はとんでもなくオヤジだった! 朝日新聞「コミック・ブレイク」2011年5月25日付、ライター・伊藤和弘
  3. 単行本ではトロイカ体制に訂正されている。
  4. 島耕作も来店!『キャバ嬢っぴ』が人気マンガとコラボレーションファミ通.com 2010年4月1日
  5. テンプレート:Cite news
  6. 矢沢永吉が島耕作と初共演日刊スポーツ 2010年4月3日