蛍光灯
蛍光灯(けいこうとう)または蛍光ランプ (fluorescent lamp)、蛍光管(けいこうかん)は、放電で発生する紫外線を蛍光体に当てて可視光線に変換する光源である。通常、「蛍光灯」と呼ぶ場合は、HCFL(hot cathode fluorescent lamp:熱陰極管)とも呼ばれる蛍光管を用いた光源や照明器具を指すことが多い。しかし、発光方式が異なる冷陰極管(cold cathode fluorescent lamp)も、蛍光灯として分類するケースも見受けられる。
最も広く使われているのは、電極をガラス管内に置き(内部電極型)、低圧水銀蒸気中のアーク放電による253.7nm線を使うものであるが、水銀自体は環境負荷物質としてEU域内ではRoHS指令による規制の対象であり、蛍光灯への使用は蛍光灯を代替できる他の技術が確立されていないことを理由として許容されている。
2013年現在では、水銀の使用と輸出入を2020年以降規制する水俣条約が批准に向けた動きをみせており、蛍光灯を代替する技術としてLED照明も実用化されていることから、日本国内においては新築のオフィスビルなどでは全館LED照明を採用する事例も増えている。ただしLED照明はまだ高価であり、今後も技術開発による効率の向上が見込めることから、既存建築物の省エネルギー化工事などではLED照明と同等以上の発光効率をもつHf蛍光灯にひとまず置換し、規制されるまでの数年間に電気料金の低減によって投資費用を回収するという「つなぎ役」としても使われている。
目次
用途
歴史
- 1856年: ドイツのガラス工(後に物理学者)ハインリッヒ・ガイスラーによって作られたガイスラー管が、蛍光灯の起源と考えられている。低圧の気体を封入したガラス管の中に2個の電極を置き、電極間に誘導コイルによって高電圧を加えると、放電による気体の発光が観測される。
- 1859年: フランスの物理学者アレクサンドル・エドモン・ベクレルは、蛍光・燐光・放射能の研究の際、蛍光性ガスを管に封入することを考案した[1]。
- 1893年: シカゴ万国博覧会ではアメリカ・イリノイ州のパビリオンが、ニコラ・テスラによる蛍光灯を紹介した。
- 1894年: アメリカの発明家ダニエル・マクファーレン・ムーアは、ムーアランプを発明した。このランプは市販用であり、彼の上司だったトーマス・エジソンが発明した白熱電球と販売を競う目的でつくられた。使われたガスは特別な不活性ガスではなく窒素・二酸化炭素であり、それぞれピンク色・白色の光を放ち、商業的にそこそこ成功した。
- 1901年: アメリカの電気技術者ピーター・クーパー・ヒューイットは、青緑色に光る水銀灯のデモンストレーションを行った。照明としての実用性は低かったが、現代の蛍光灯に非常に近かった。白熱電球よりも光の波長は短かったが、効率は高かったため、写真撮影など特別な用途に使われた。
- 1926年: ドイツの発明家エトムント・ゲルマーのグループは、管内の圧力を上げ、蛍光粉末で覆うことで、放たれた紫外線を均一な白い光に変換することを提案した。この発見によってゲルマーは一般に蛍光灯の発明者と認められた。
- 1934年: アメリカの電機メーカー、ゼネラル・エレクトリックは、ゲルマーの特許を購入し、ジョージ・インマンの指導のもと、蛍光灯を実用化した。
- 1937年: ゼネラル・エレクトリックが蛍光灯を発売開始した。
- 1939年: 東京芝浦電気(現・東芝/東芝ライテック。以下「東芝」と記す)がGE社インマン博士から直接技術指導を受け、日本で初めて蛍光ランプの試作に成功した。翌年紀元2600年記念事業の法隆寺金堂壁画模写事業で試作品が採用され、日本で初めて蛍光ランプが実用に使われた。
- 1941年: 東芝が“マツダ蛍光ランプ”として、昼光色15Wと20Wを正式に発売した。
- 1953年: 東芝が日本で初めて環形蛍光ランプを製作した。ワット数は32Wで、米国ではすでに生産されていた。1955年には、日本の配電電圧である100Vで、変圧器を用いずに簡易なチョークコイル形安定器で直接点灯できる30W型を開発した。15型は1968年、9型は1982年に発売した。
- 1973年: 日本で初めて電球色の蛍光ランプ(直管、Ra70)を日本電気シルバニアが製作した。同年には日立製作所(以下「日立」と記す)が環形の色温度3,900Kの「電球色」蛍光ランプを製作している。
- 1978年: 電球形蛍光灯を日立が製作した。
- 1979年: 日本で初めて片側に反射用蛍光膜を塗った環形蛍光ランプ「リングパワー」を日立が製作した。現在も東芝が同種の製品を出している。
- 1989年: 日本で初めて紫外線褪色シールによるランプ交換時期通知機能付き蛍光ランプ「ひかりの見張番」を日立が製作した。4,000時間ほどで黄色のシールが透明になる。
- 1995年: 世界で初めて残光形蛍光ランプ「ホタルック」を日本電気ホームエレクトロニクスが製作した。
- 1999年: 二重環形蛍光ランプ「ツインパルック」を松下電気産業(現・パナソニック)が製作した(1997年に発売開始との説明もある)。
構造
蛍光灯は、蛍光物質が管内に塗布されたガラス管(白く見えるのは蛍光物質のせい)と、両端に取り付けられた電極とで構成されている。電極はコイル状のフィラメントにエミッター(電子放射性物質)を塗装したもので、これが両端に2本ずつ出ている4本の端子に繋がっている。ガラス管内には、放電しやすくするために2 - 4hPa(1気圧は約1,013hPa)の封入ガス(アルゴンあるいは混合希ガス)と少量の水銀の気体が封じ込まれている。発光時の内部温度は1万度に達するが、気圧が非常に低い為にガラス管が溶けるような事はない。
点灯の仕組み
電極(陰極)に電流を流すと加熱され、高温になったエミッターから大量の熱電子が放出される。放出された電子はもう片方の電極(陽極)に移動し、放電が始まる(通常は交流を流すため、陰極・陽極は同じ形状である)。放電により流れる電子は、ガラス管の中に封入されている水銀原子と衝突する。すると水銀原子が電子のエネルギーを受け、紫外線を発生させる。発生した紫外線はガラス管内に塗布されている蛍光物質に照射され、可視光線が発生する。
白熱灯と比べると、同じ明るさでも消費電力を低く抑えられる。消費したエネルギーの変換比率は、可視放射25%、赤外放射30%、紫外放射0.5%で、残りは熱損失となる。
白熱灯と違い、点灯には安定器(インバータ含む)が必要なため、直接電圧を掛けただけでは使用できない。ただし電球形蛍光灯では安定器を内蔵しているため、直接ソケットに差すだけでよい。
蛍光灯の点灯開始に当たってはフィラメントの予熱が必要なため、始動専用回路が必要である。
始動方式
スタータ式
以下の3種類がある。この器具に使えるランプは FL・FCL・FPL・FDL・FMLである。
グロースタート式(点灯管式)
点灯管を用いて電源を入れると自動的に点灯する。蛍光管・安定器・点灯管(グロースタータ)で構成される。かつて一般家庭用として最も普及した。
「言葉」も参照。
- 始動時の動作
- スイッチを入れると点灯管の内部で放電が起こり、その放電熱によって点灯管内のバイメタルが作動し、閉回路を構成する(点灯管は最初の放電時に光るがその後暗くなる)
- 点灯管を経由して流れる電流が、蛍光ランプ両端のフィラメントを予熱する(蛍光ランプの両端がオレンジに光る)
- 点灯管内の放電はすでに止まっているので、バイメタルは冷え、元の位置に復帰し、点灯管を経由する閉回路が開放される
- すると安定器のコイルがもつ自己誘導作用(電流が変化すると起電力を生じる性質)により、高電圧(キック電圧という)が発生する
- キック電圧をきっかけにして、温められていたフィラメントから電子が放出され、蛍光ランプが始動する
- 蛍光ランプが点灯している間は、点灯管にかかる電圧が点灯管の放電開始電圧以下に下がるので点灯管が動作することはない(蛍光ランプの点灯前と点灯後ではインピーダンスが異なることによる)
始動にかかる時間は、従来型の点灯管を使用した場合は3秒程度と、蛍光灯の中では遅い。点灯する際に点灯管から「ピンッ」もしくは「コン、コン」など、若干の音が出る(バイメタルの復帰のため)。電子点灯管に交換すると、約0.6 - 1.2秒と通常よりも早く点灯する。
2008年現在使用されている点灯管は
- E形 - E17口金タイプ
- FG-7E - 4-10W
- FG-1E - 10-30W
- P形 - P21口金タイプ、雑音防止コンデンサ内蔵
- FG-7P - 4-10W
- FG-1P - 10-30W
- FG-5P - 32W
- FG-4P - 40-65W
- FG-52P - 52W
である。動作回数は6,000回程度(長寿命形は約18,000回)である。4 - 32Wのランプでも200V用の安定器を使用している場合はFG-4Pが使用できる。
100V30W以下および200V40-65Wはチョークコイル形安定器を用いる。100V32-65Wと100V/200V52Wは放電を維持する電圧まで昇圧する必要があるので、小形で安価になる単巻磁気漏れ変圧器形安定器を用いる。一般にこれら安定器は低力率のため、必要に応じて電源側に適当な値のコンデンサを並列接続し高力率にする。この器具は省エネ形のランプを除き(省電力形のFLR40M/36は安定器に過電流が流れ、過熱・焼損の恐れがあるので不可)ラピッドスタート式のランプを取り付けても使用できる(ただし即時点灯はしない)。
手動スタート式(マニュアルスタート式)
グロースタータの代わりに始動用のスイッチを接続する。始動スイッチを押して(プルスイッチを引いて)フィラメントを予熱し、ボタンを放す(プルスイッチを放す)際に安定器にキック電圧が発生して放電が開始される。旧式のデスクスタンドや初期の蛍光灯器具に見受けられる。
電子スタート式
グロースタータの代わりに電子点灯管もしくは電子点灯回路を利用したもの。ほぼ瞬時に点灯する(約0.6 - 1秒)。照明器具内蔵の場合と、別売り品をグローソケットに差し込む場合とがある。始動時の点滅がないので電極に与える負荷が少ない。ランプ寿命時には点滅を繰り返さずに消灯する。無接点なので一般の点灯管にくらべ長寿命である(動作回数は10万 - 20万回)。大型の円形蛍光灯に多い。
2009年現在市販されている電子点灯管は
- FE7E - 4-15W
- FE1E - 10-30W
- FE5P - 32W
- FE4P - 40W
- FE52P - 52W
がある。
- 直列2灯スターター式
- 日本では見かけないが海外200 - 250V圏では直列2灯スターター式も使用されている。4-20W (30W) のランプに使用される。グロースタート式、手動スタート式、電子スタート式がある。
ラピッドスタート式
ラピッド (rapid) で「速い」の意。 この器具に使えるランプは FLR である。 点灯管を使用せず始動補助導体を持ったラピッドスタート形ランプと、予熱巻線付きの磁気漏れ変圧器形安定器の組み合わせで始動する。点灯はほぼ即時(1 - 2秒)。ビル・百貨店・駅・学校・会社・コンビニエンスストアなどの公共施設の多くはこの方式の蛍光灯を用いているが、後述のHf式への移行が進んでいる。
安定器は大きい。ビルなどではビルメンテナンス要員が交換することが多いが、重量が重いため交換には手間がかかる。特に直管110H形になると安定器だけで3kg近い重さ(リードピーク形安定器の場合)になり、2人以上の交換要員が必要になることも多い。
施設照明用電子式安定器(FLR指定)はこの方式の発展で、予熱用電源部・放電用電源部で構成されている。
- 始動時の動作
- 1灯用
- ランプ両端のフィラメントが、安定器の予熱巻線から供給される電流で加熱される。
- 同時に、始動に必要な電圧がランプ両端にかかる。このとき始動補助導体とフィラメントとの間に微弱な放電が発生し、すぐに主放電に発展する。
- 直列2灯用
- フィラメントの予熱と同時に、始動用コンデンサを経てランプ1に電圧が加わり、微放電を開始する
- 続いてランプ2も微放電を開始し、その時の電流と始動用コンデンサの積の電圧で始動する
- 1灯用
- 始動補助方式
- 外面シリコン式 A
- ランプ外面に撥水性の被膜を塗布し、始動補助導体(器具反射板で代用)を使用する。一般用・高出力用。
- 外面導電ストライプ式(外面導電テープ式) M(東芝ライテックは M‐A 環形 J、三菱オスラムはM‐D)
- パナソニックはランプ外面に導電ストライプを塗布し、一方の電極に高抵抗を介して接続すると共に、ランプの表面に撥水処理する。(但しストライプ・口金が反射板や近接導体などに接触する器具には使用できない。)調光器具用・一般用。
- 東芝・三菱はランプ外面に導電ストライプを塗布し、ランプの表面に撥水処理する。専用器具を使用し導電ストライプを接地させる。調光器具用
ランプ背面に茶色の帯が焼き付けられているのと、口金がギザギザの物で端子部の絶縁体が大きいのが特徴。
- 内面導電皮膜式 M(パナソニックは M-X)
- ランプ内面に透明導電性皮膜を塗布する。一般用。
- 内面導電ストライプ式 M-N
- ランプ内面に導電ストライプを塗布(現在は余り使われていない)
インバーター式
インバーター回路により始動する。高周波点灯により毎秒の発光回数が増えるため、ワット数あたりの明るさは向上するが、使用不可の蛍光灯が多い。
機種によって FL・FCL・FLR・FPL・FPR・FHP・FHC・FHD・FHG・FDL・FHT・FML・FWL・FHF ランプのいずれかが使える。ランプフリータイプもある。
瞬時起動式
1ピンタイプのスリムライン蛍光灯に使用される。余熱無しで高電圧で瞬時に始動する。
FSLから始まるもの。2ピンのスリムラインFSR・FSLはラピッドスタート式。
安定器の種類
磁気回路式安定器
電磁安定器、または主材料から銅鉄形安定器とも言う。通常、安定器といえばこちらを指す。磁気回路によって電流を制御する。銅・鉄が材料なので、寸法・重量ともに電子式に比較して大きい。大きなインダクタンス分なので、電源電圧に対して電流の位相に遅れが生じ低力率である。したがって必要に応じて適当な値のコンデンサを電源側もしくは二次回路側に接続して進相電流を流し、高力率にしている。回路形式によってグロー式安定器・ラピッド式安定器の2種類がある。
グロー式安定器
- チョークコイル形
- 最も安価で単純である。100V30W以下、200V65W以下のランプに使用される。低力率・高力率がある。
- 磁気漏れ変圧器形
- 単巻漏れ変圧器を使用している。100V32W以上、200V52Wのランプに使用される。低力率・高力率がある。
- フリッカレス形
- 進相回路・遅相回路の組み合わせによってちらつきを抑えた回路。高力率。
ラピッド式安定器
- 磁気漏れ変圧器形
- フィラメント予熱巻線を持つ単巻漏れ変圧器形の安定器。低力率・高力率がある。
- リードピーク形(ピーク進相形)
- 二次回路にコンデンサを直列に挿入すると共に、安定器の鉄芯にスリットと呼ばれる隙間を設け、鉄芯を部分的に磁気飽和させることによりピークを持った二次電圧を得て、比較的低い実効電圧で始動できるようにした安定器。高力率。
- 2灯直列逐次始動形
- リードピーク形の回路で、2灯のランプを直列に点灯するタイプ。直列点灯なので一灯あたりに必要な電圧が低くなり、小形になるので、現在のラピッド式安定器では多く使われている。高力率。
- フリッカレス形
- 進相回路・遅相回路の組み合わせによってちらつきを抑えた回路。高力率。
- ハイブリッド形
- 電子点灯回路を内蔵し、従来の安定器に比べ小形・軽量化を図った安定器。高力率。
- セミ共振形
- コイル・コンデンサを組み合わせ、始動時にコンデンサへの充電電流で電極を予熱するとともに、LC共振より生じた高電圧を印加し点灯する。高力率。
電子式安定器
インバータ式と呼ばれることが多い。以下の種類の器具がある。
- 従来のスタータ管・ラピッドスタート管が使用できる
- Hf方式の管が使用できる
- FL・FLR・FHF の3種類の管が使える
回路形式により次のものがある。
電子式蛍光灯安定器(スタータ式、ラピッド式ランプ専用)
従来のスタータ式・ラピッドスタート式ランプ専用の電子式安定器。高周波点灯のためちらつきが少なく、銅鉄形安定器に比較して小型・軽量である。Hfランプは使用できない。
- 自励式
- 回路はブロッキング形・LC形がある。電源電圧は回路によりDC3 - 100Vとなっている。回路構成が簡単なため、懐中電灯・非常灯・バス車内灯などに使用されている。
- 定電流プッシュプル式
- 発振回路に定電流プッシュプル回路を用いたもの。用途は同上。
- ハーフブリッジ式
高周波点灯専用安定器(Hfランプ専用もしくはランプフリー)
右の回路図の電子式安定器は、セミ共振形と類似した方法で点灯する。回路はハーフブリッジ式が多い。先の一灯用のほか、従来の直列逐次始動形に類似した方法で始動する2灯用の安定器もある。単にインバーター式という場合、この形式を指すことが多い。
- コンデンサの充電電流が流れる時、ランプ両端の電極が予熱される。そのため点灯管は無い。充電後に電流が流れなくなると、LC直列共振現象で高電圧を生じ主放電へ至る。
- 交流の商用電源を整流回路で直流化した後、インバータ装置でより高周波の交流電力に変換し、点灯する。そのため使用電圧が100 - 242Vの範囲内の自由に使用できるボルトフリーとなる。この安定器は周波数に関係なく使用可能である[2]。安全のため、多くの安定器にはランプ寿命時に発振を停止する回路が組み込まれている。
- 即時に点灯でき、高周波点灯により発光効率も上がり、さらにちらつきも少ない。また始動時に適切な時間・電圧で予熱するため蛍光灯の寿命も大幅に伸びる。
- 点灯管方式と比べると明るいが、蛍光管の値段はそれと比べて高い。
- 他の安定器に比べ、非常に高力率で器内の回路構成部品が小型のため、器具自体の小型・軽量化も可能。
- 器具からの騒音が小さい。一般に人間の可聴周波数帯以上の20 - 50kHzの周波数が使用される。
- Hfランプ専用以外に、従来型(FL・FLR)ランプも使用できる安定器もある。これをランプフリーというが、これはHf管の32Wと従来管の40Wの長さが同じ事を利用しているので、長さが異なるランプは不可能である。同じように、hf管の16W用の灯具で従来管の20Wを使用することもできる。しかし、ランプフリーの安定器は専用安定器に比べると多少高価となるため、どちらの安定器を内蔵した照明器具を導入するか判断し選択する。
- ビルなどのメンテナンス部署においても、従来型の照明器具が故障した際に照明器具ごと交換するのではコストがかかってしまう。そこで、灯具を解体し、安定器のみを交換する場合があるが、交換用部品として販売されている安定器は大抵このランプフリー・ボルトフリータイプになっている。
- 初期照度補正機能により、新品のランプと交換直前のランプの明るさの差をなくし、また初期は明るさを抑えることで省電力にするという器具もある。
蛍光ランプと蛍光灯器具の規格
- 型番表記例
- FHF32EX-N-H
これは一般的なHf蛍光灯昼白色32ワット形直管の型番である。FHFはHf式の直管を、32は32ワット形であることを、EXは三波長を、Nは昼白色(ナチュラル)を示している。FL式においてはSSは直径28mmであることを、18は実際の定格消費電力を現している(ただし器具によってはこれより高低がある場合もあり、特にインバーター器具では消費電力もそれぞれである)。
蛍光管の種類
- 大手メーカーは一般住宅用蛍光灯器具のうち「FL型蛍光管」と「FCL型蛍光管」を用いる従来型器具の生産を大幅縮小しており、現行モデルはスリム型(FHF・FHD・スパイラル・二重環型)が殆どである(従来型のFL・FCL蛍光管を用いる器具の現行モデルは浴室灯・流し元灯・物置用のみ)。またグローランプ(点灯管)を用いる従来型器具も一般住宅向けは生産が大幅縮小され、現行モデルは流し元灯や廊下・物置用のみとなった。
直管形蛍光管
棒状の蛍光管。
- スタータ型 - FL(管径16mm (4-8))口金はG5
- 4、6、8
- (4、6、8Wは主に非常灯(誘導灯)や懐中電灯)
- 4、6、8
- スタータ型 - 25mmまたは28mm(10・15および省電力形20SS18・40SS37・65SS58)、32.5mm (20S-52S)、38mm (20-65) 口金はG13
- 10、15、18、20、25、30、32、35、40、52、65
- 10、15Wは鏡台や門灯など。20、40Wは一般の事務所、家庭用で使われている。30、32、65、52Wはショーケースや自販機・看板などにも使われるほか、事務所などでも使われているが、家庭用では学習机など一部を除き全く使われていない。
- 10、15、18、20、25、30、32、35、40、52、65
- ラピッドスタート型 - FLR (管径38mm (20-110H)、32.5mm (20S、40S、40S36)。会社、店舗、学校などで多く使用されている。Hは高出力型、EHは超高出力型を指す。口金はG13 (20-65)、R17d (60H-220EH))
- 20、32、40、65、(60H)、(80H)、110H、(110EH)、(220EH)
- 高周波点灯専用型 - FHF (管径25mm。会社、学校、商業施設などで多く使用されている、Hf専用器具で使用する。定格点灯のほか安定器によって高出力点灯も可能。近年では道路トンネルの照明にも用いられる。口金はG13、Rx17d(86Wのみ))
- 16 (23)、32 (45)、50 (65)、86
- () は高出力点灯時のW数
- 16 (23)、32 (45)、50 (65)、86
- スリムFHF - FHF(管径16mm、デスクスタンドなど。口金G5)
- 24S、54S
- スリム型 - FHL
- 6、10、(18)、(27)、(36)
- ES型 - FL
- 13、23、27、32
- スリムライン - FSL・FSR・FLR(陳列棚の照明用)
環形蛍光管
丸形、円形ともいう。ドーナツ状の蛍光管。(環形蛍光灯を総称して「サークライン」と呼ぶことがあるが、東芝ライテックの登録商標<日本第468682号>である。)
- 一般型 - FCL(現在の家庭用では多く使用されている。口金はG10)
- 9、15、20、30、32、40
- ラピッドスタート型 - FCR(現在はほとんど使われていない)
- 20、30、40
- スリムタイプ - FHC(主に家庭用、高周波点灯専用。口金はGZ10)
- 13、20、27、34、41
- ツインタイプ - FHD(主に家庭用、高周波点灯専用)
- 40、70、85、100
- スクエアタイプ - FHG 、FHW(主に家庭用、高周波点灯専用)
- 30、40、50、60、70、73、103
- スパイラルタイプ - FHSC(主に家庭用、高周波点灯専用)
- 15、20、30、63、75、93
コンパクト形蛍光管
発光管を折り曲げるまたはブリッジで組み合わせることにより小型化した蛍光管。
- FUL - 文字通りガラス管をU字形にした蛍光ランプ
- 4、6、9、13、14、18、36
- FPL・FPR(一般用) - 2本のガラス管をブリッジで結合しているタイプ
- 4、6、9、13、18、27、28、30、36、55、96
太字のランプはラピッド式器具もしくは一部のHf器具でも使用できる。
- FHP(Hf専用) - 2本のガラス管をブリッジで結合しているタイプ
- 32、45、105
- ランプはHf器具専用。
- 32、45、105
- FDL(一般用)‐4本のガラス管を束にブリッジ結合しているタイプ
- 4、6、9、13、18、27、36
- FHT(Hf専用)‐6本のガラス管を束にブリッジ結合しているタイプ
- 16、24、32、42
- ()はHf器具専用(ソケット形状が違うのでFDLと互換性なし)
- 16、24、32、42
- FML、FMR、FWL‐4本のガラス管を平行にブリッジ結合しているタイプ
- FPLと同様のWサイズがある。
- FGL - 発光管をグローブで覆ったタイプ
電球口金付蛍光灯・電球形蛍光灯
ねじ式口金部分に点灯回路を内蔵し、電球とそのまま差し替えられる蛍光ランプ。
- 一般電球形 - EFA
- 筒形 - EFT
- 発光管形 - EFD
- ボール形 - EFG、BFG
- 環形 - CFL
初期のころの発光管は環形・U形・ダブルU形が多かった。点灯回路もチョークコイル・点灯管・トランジスタインバーターを使用していたため、電球に比べて大きく重かった。現在はブリッジ形(東芝など)、スパイラル形(パナソニック(旧松下電器)など)の発光管が多くなり、小形・軽量化・高効率化が進んでいる。点灯回路も小形・軽量化され、点灯回路を口金内に収め、寸法的に一般電球と遜色ないものも現れた。従来は一体式であった発光管を交換できるタイプもある。
従来品は調光器具では使用できなかったが、現在は調光器具対応のランプも市販されている。口金はE26、E17タイプのものが市販されている。
- ネジレ形蛍光灯 - トルーライトなどの名前で販売されている。自然昼光に近い演色性を持つ。
蛍光管の点灯方式や省エネタイプ管の互換性
事故を防ぐため、照明器具の始動方式に合った蛍光管を使用する必要がある。
特に、複数方式に対応するランプフリーの安定器を搭載しているなど方式そのものは問題がない場合であっても、器具全体としては管の支持方法やカバーの取り付け、放熱設計など種々の制約により適合ランプを限定している場合があるので、たとえ下記記述で互換性があるとされる場合であっても、取扱説明書や器具本体の表示等を必ず確認すること。
- ラピッドスタート管
- 基本的にすべての器具で物理的に取り付けられれば使用可能である。例外として省エネ管 (36W) をグロー式器具に使うのは好ましくない。なぜならば、ラピッドスタートタイプの省エネ管は低電圧大電流で省エネにしているためである(ランプ電流: FLR40: 0.435A、FLR40S: 0.42A、FLR40S36: 0.44A)。
- ラピッドスタート式の省エネ管をグロー式器具に取り付けると、安定器に過電流が流れ、最悪の場合安定器が焼損する。
- 取り付け可能であれば以下のHfインバータ専用管の代替として使用可能である。
- グロースタート管
- グロースタート式器具専用である。ラピッドスタート式器具に装着した場合、通常のFLランプは始動性がやや悪いがは点灯することがある(2灯式直列及びリードピーク形ラピッドスタート安定器では点灯しやすい)が、一部のランプは放電開始しないものもある。省エネタイプの40形以上のランプFL40SS37等は装着しても放電開始しないことが多い。(安定器の種類、周囲温度、近接導体の有無等より極まれに点灯することがある)、また非常に寿命が短くなる。
- 取り付け可能であれば以下のHfインバータ専用管の代替として使用可能である。(但し点滅の多い場所にはあまり適さない。)グロースタートタイプの省エネ管は中電圧小電流の設計であるため(ランプ電流: FL40: 0.435A、FL40S: 0.42A、FL40SS37: 0.41-0.415A)、低温での使用には不向きである(使用推奨温度: FL40SS37 - 10-40℃)。
- 高周波点灯専用管(Hf管)
- このランプは特に注意が必要である。銅鉄安定器式ラピッド器具に装着した場合始動が悪いことがある。電子式ラピッドスタート安定器器具に装着した場合ランプ電圧の上昇により、電子回路が過熱の危険がある(最悪、安全機能が働き器具が使用不可となる)。
- グロースタート器具に装着した場合、温度や電圧変動により再始動を繰り返すことがあるので適さない。逆にHf器具はランプフリー化が進みランプ指定がなくなりつつあるが、Hf管のみ指定の器具もあるので注意が必要である。(本来の明るさにならない、エンドバンドが出やすい、器具サイズの問題でHf管しか収まらない等)
周波数による制限
事故を防ぐため、設置地域の商用周波数に合った蛍光灯器具・安定器を使用する。
蛍光灯は点灯に際し安定器が必要であるが、適合周波数で使用しないとさまざまな問題が生じる。施設照明器具のシェアの大半を占めるパナソニック(旧: パナソニック電工 、 松下電工)と東芝ライテックでは、周波数区分が容易に判るように器具型番のシールと電線色を分けている。
- 50Hz用 - シールのメーカーマーク色・型番印刷が緑で、電線色が黒 - 白
- 60Hz用 - マーク色が赤で、電線色が茶 - 白
- 兼用器具 - マークが青または黒で、電線色が黒 - 白
建築基準法による非常灯は、周波数区分にかかわらず赤である。
- 50Hz用の安定器を60Hzで使用
- チョーク形・漏れ変圧器形低力率の場合
- ランプの明るさは暗くなり。また点灯しづらくなる。
- フリッカレス形進相回路・2灯直列進相形高力率の場合
- 大きなランプ電流が流れ安定器が過熱する。最悪の場合、焼損・発火する危険性がある。ラピッドスタート形の場合波形のバランスが崩れ点灯しにくくなる場合がある。
- 60Hz用の安定器を50Hzで使用
- チョーク形・漏れ変圧器形低力率の場合
- 安定器のリアクタンスが減少するため、ランプ電流が増加しランプは明るくなる。ただし安定器内部のコイルを流れる電流も増加し、安定器自体が過熱する。そのまま使用を続けると最悪の場合、焼損・発火する危険性がある。
- フリッカレス形進相回路・2灯直列進相形高力率の場合
- ランプの明るさは暗くなる。また点灯しづらくなる。ちらつきを生じる場合もある。
これは、安定器内部のコイルは周波数の高い交流ほど流しにくくなり、逆にコンデンサは周波数が高いほど交流を流しやすくなるためである。このため、一般の安定器を使用する器具を周波数の違う地域で使用する場合、安定器を交換しなければならない。ただしインバータ式安定器は日本国内であればどこでも使用できる。
子供用学習机に付帯される蛍光灯照明は「チラツキが少なく目に優しい」としてインバータ式の普及が急速に進んだため、現在では見かけることはまずないが、スタータ式の照明の時代には周波数切り替えスイッチが取り付けられているものが多く、これを切り替えることにより周波数の異なる地域でもそのまま使用できた。
飛散防止膜付き蛍光管
ガラス管の外面全体にポリエステルフィルムなどの合成樹脂で被膜を施した蛍光管。万一の破損に対し、樹脂フィルムで落下や飛散を防ぐ。防飛型とも呼ばれる。薄いガラス素材である蛍光管は、破損の際に非常に細かい破片が飛散し、人や動物の目や口腔をはじめ、気管にも到達する危険がある。
公共施設や鉄道・バスを始めとする輸送機械、食品工場、サーバ・コンピュータルーム、国際宇宙ステーションなど異物の混入が事故となる現場や、破片の除去・清掃が困難な製品や機器を扱う環境で利用されている。高価なため、一般家庭には普及していない。
フィルムにUVカット性能を持たせ、防虫(避虫)効果を兼ね備えた製品もある。
特殊な種類
- 高周波点灯専用型蛍光灯(Hf蛍光灯) - FHF・FHP・FHT
- 冷陰極型蛍光灯(冷陰極管) - CCFL
- 外部電極蛍光灯 - EEFL
- 長時間残光型蛍光灯
- 光触媒膜付蛍光灯
- 合成樹脂皮膜付蛍光灯(飛散防止型など)
- 無電極蛍光灯
- 補虫器用蛍光灯(ケミカルランプ)
- 避虫用黄色蛍光灯(イエローランプ)
- 紫外線カット蛍光灯(UVカット、フォトレジスト印刷などの現場用)
- 低温用蛍光灯(アルゴンガスの量を増やし、低温時の始動性を向上)
- 殺菌灯(蛍光体がなく、かつガラスが紫外線を通す石英ガラスになっている。蛍光体がないため、厳密には"蛍光"灯ではない)
- ブラックライト
- 希ガス蛍光ランプ - 水銀を使わない蛍光灯
光源色の種類
色温度の種類
蛍光灯の色が、暖色系(低色温度)か寒色系(高色温度)かの数値であり、以下の5種類のいずれかに分類されることが多い(以下の温度は色温度)。
- 昼光色 D
- JISでは5,700 - 7,100K、通常は6,500K
- 晴天の正午の日光の色
- 昼白色 N
- JISでは4,600 - 5,400K、通常は5,000K
- 晴天の正午をはさんだ時間帯の日光の色
- 白色 W
- JISでは3,900 - 4,500K、通常は4,200K
- 日の出2時間後の日光の色
- 温白色 WW
- JISでは3,200 - 3,700K、通常は3,500K
- 夕方の日光の色
- 電球色 L
- JISでは2,600 - 3,150K、通常は2,800K・3,000K
- 白熱電球の色である。とはいえ白熱灯にも色温度の幅があり、ワット数が低いものほど赤く(色温度が低く)、高い物ほど白い光(色温度が高い)を放つ。同じ白熱電球でも調光すると、明るい時ほど色温度が高い。これはフィラメントの温度により色温度が決まるためである。
これらの呼び名はあくまで基本的なものであり、各メーカーが独自に名前をつける場合もある。2,500K・5,700K・8,000Kなど、上記5色の通常値以外の色温度の製品が増加しつつあり、それらは「ウォーム色」「クール色」「フレッシュ色」など、基本色とは異なる名称をつけて販売されているため、消費者は色温度を確認してから買うことが求められる。白色の近辺にはあまり製品のバリエーションが存在しない。色温度は低い領域ほど少ない温度差で色味の変化が激しく、電球色と温白色の差 (500 - 700K) は単独の光源を別な機会に目視しても判別がつくが、昼光色・昼白色の差 (1,500K) はそれほどではない。
上記は一般照明用のものであるが、これ以外にも栽培などの特殊用途向けの「海の色 (17,000K)」という物も存在する。カメラの設定などで「冷白色蛍光灯 (4,150K)」というものがあるが、この名称を冠した製品はまず見かけない。おそらく海外のcool - whiteを直訳したものと思われるが、これは日本で言う白色 (3,900 - 4,500K) のことである。
太陽光については、太陽そのものの発する光線のみならず、青空などの太陽以外の部分からの放射も地表に到達するため、青白い光であっても不思議ではない(もちろん、宇宙空間から見た太陽光線の色は一定である)。
演色性の種類
- 三波長発光形蛍光灯 - EX
- 全光束(明るさ)が高く、演色性もRa80 - 90とある程度よいため、一般家庭を中心にオフィスなどでも普及している。東芝のメロウ5は5色発光だが、三波長に分類される。食品展示用に四波長としたものもある。長寿命化を謳った高価格帯も存在する。
- 高演色形蛍光灯
- AAとAAAがある。全光束は三波長形の6割程度と低いが、演色性がRa90 - 99と高いため、美術的にシビアな色彩処理が要求される場所で使用される。ほとんどが直管の製品(スタンド用コンパクト型もある)。太陽光を再現するために意図的に紫外線も放射する物(蛍光色の物の見え方が違う)や、逆に美術品保護のために紫外線吸収膜をつけたものがある。電球色から昼光色までその色温度ごとに高演色形があるが、白色で演色AAAのものはまれ。
- 一般型(普及型)蛍光灯
- 演色性がRa60 - 75と低く、全光束も三波長形の7.5割 - 8割程度とあまり高くないが、安価である。「一波長形」と呼ばれることもあるが、単色光源ではない。顔色や木質製品の色が悪く見えるため、三波長形が出回る前は蛍光灯を嫌う人も多かった。名称に反して、一般家庭ではあまり使われておらず、スーパーなどでもあまり販売例を見かけないが、インターネット通販やディスカウントストア、100円ショップでは取り扱いが多い。店頭では基本的に安価な包装で販売されているため見分けが付き易いが、特にインターネット通販では販売元の公式サイトやカタログでRa値を確認する必要がある。事務所や倉庫など、色の見え方があまり気にならない場所や、学校のように利用時間帯および太陽光の採光条件がよい環境での補助照明として用いるのに適している。
- その他
色彩に関する事業所や病院、美術・博物館向けに、各光源色に演色性を重視した設計の高演色形「SDL」や色評価用「EDL」がある(この場合の演色性とは「特殊演色評価数」、つまり原色を基準色とした見え方の忠実度を指す。これは通常用いられる、中間色を基準色とした「平均演色評価数」よりも達成が難しい)。まれにRaが90を超えていてRaでは演色AAの製品に匹敵する三波長形の製品があるが、この点で演色AAの製品とは異なる。
光色の使い分け
普通、蛍光ランプの光色としては価格的に安い一般型白色[W]・昼光色[D]のものが事務所などでは広く使われていたが、最近は住宅や店舗などを主体に三波長域発光型(電球色[EX-L]、昼白色[EX-N]、昼光色[EX-D]など)も普及している。事務所などでは一般型の白色や昼光色に替わって昼白色[N]が主流になりつつある。住宅用照明器具では、住宅設備照明のカタログに掲載される型番の器具(主にハウスメーカーや電気工事会社向けとされる)では昼白色と電球色のラインナップとする一方、小売店向け型番の器具では昼白色の代わりに昼光色をラインナップに入れているメーカーが多い。
なかでも店舗照明においては色温度や演色性を含めた照明設計が購買意欲に大きく影響することが認識され、それを実現するためのさまざまな光色、配光性のランプ商品が用いられている。ただし、商品を実物よりもよく見せるには、完璧すぎてもいけないため、特定の波長を強くしたりといった工夫がある(食肉展示用蛍光ランプなど)。演色性は色温度ごとに決まっているため、演色性が最高でも色温度によって青く見えたり赤く見えたりする。
ランプの明るさ(効率)についても、その光色によって差異がある。最も明るいのは3波長発光型の昼白色・電球色であるが、3波長型でない一般型では白色[W]が最も明るい。昼光色系の場合、見た目には明るく(青白く)感じるが、実際には白色系に比べると10%前後暗くなるものの、実用上はあまり変わらない。自然光への忠実度(特殊演色評価数)を重視したタイプでは、一般照明用と比べて30 - 40%も暗い場合もある。
演色性を示す数値は同じでも、メーカーによって個性があり、色の見え方は少し異なる。例えばパルックはやや緑色が過剰であると写真家などから指摘されている。
分光分布
蛍光管のカタログには、分光分布が載っていることが多い。これはどの色の波長が多いかを示したもので、単に色温度を見るよりも視覚的に分かりやすい。
ただし、分光分布の斜線がなだらかであるほど優れているわけではなく、一般形と高演色形はともに分布図がよく似ており、なだらかな山型のラインにところどころ飛び出ている部分があるが、三波長形は全体的にギザギザである。しかし実際には三波長形は演色性の面では一般形と高演色形の中間である。つまり分布図が不規則であっても、それが色の見え方が悪いということではない。
明るさ
蛍光灯は、エネルギーを光に変える効率がよい。一般的には白熱電球の5倍の発光効率があるといわれる。白色LED(発光ダイオード)も高効率化が進んでおり、ほぼ同程度の照度が出る物も発売されている。
ランプの明るさの単位は全光束・ルーメン (lm) である。これはランプから放射される、全ての方向の光の合計である。最新型の三波長のものでは、32W環形のランプは2,640ルーメンに達している。ランプに表示されている全光束の数値は、標準の試験用安定器を使用して測った場合の数値であるため、効率のよいインバータ器具で使用した場合、ランプ表示のルーメン値を大きく超えることがある(インバータの性能がよいためであり、過負荷というわけではない)。蛍光ランプ自体の発光効率は、1980年代ごろからほとんど進歩していない(新方式のランプを除く)。
蛍光灯器具のエネルギー効率は、ルーメン / ワットであらわされる。これは器具によって大きく違い、一般的な28mm管の器具でも90lm/wぐらいのものから50lm/wぐらいのものまである。インバータ式の物は高効率で、磁気安定器式の物は低効率である。ランプが長い方が発光効率良い。スリム管・スリムツイン管の場合は従来管よりも明るい。
器具のカバーも明るさに影響を及ぼす。和室用照明などの飾りがついているものや、分厚いプラスチック製のカバーは明るさを落とす。経年変化による変色も明るさや色温度が変わる元になる。
調光機能付きの器具の場合、2灯式で片方が消灯するものや、点灯したまま明るさが変わるものがある。暗くした場合、省電力になるように設計されている製品もある。高級品には2種類の色温度のランプを併用し、シーンによって使い分けるものもある。
蛍光灯は周囲温度によって明るさが変わる。寒冷時はランプが温まるまで暗く、密閉型器具などであまりにも高温になる場合も照度低下と劣化が起きる。ホタルックなどの残光型ランプは、低温時は残光が暗くなる。
寿命
蛍光ランプの寿命は、種類により異なるが、およそ6,000 - 15,000時間である。
蛍光ランプが点灯しなくなり寿命を迎える原因は、ランプ点灯中に起こる、電極に塗布された電子放出性物質(主にタングステン酸バリウム等)の蒸発、飛散による消耗が主である。蛍光ランプは始動時にもっとも負荷がかかり、グロースタータ(点灯管方式。後述)の場合、一回の点灯で約1時間寿命が縮むため、頻繁に点滅させる用途には向かず、より長時間点灯する場所に向く。
- 蛍光ランプ大手のパナソニックは同社ランプ総合カタログにおいて、消灯時間おおむね数分程度を境に、連続点灯による電力消費の損失が、消灯して再始動することによるランプ寿命の損失を上回る(つまり、数分間の電気代より球の寿命の短縮のほうが安い)としている。
後述の高周波点灯方式では、電子機器で制御することによって始動時の電極予熱を最適化し、従来方式に比べ不点となる寿命の大幅向上を実現した(先に述べた「再始動することによるランプ寿命損失」が減少することを意味する)。
直管は、一般にワット数が大きいほど定格寿命が長い。よって、器具が選べる場合は20ワット管2本のタイプより40ワット管1本のタイプを選択することにより、交換の手間を減らすことができる。
蛍光灯器具によってもランプ寿命は変わり、良質な設計の器具であれば長持ちしたり、その逆のことが起こったりもする。グローとインバータによる差のほか、メーカー間の差もある。
点灯することができても輝度は次第に低下するため、JIS規格では光束が当初の70%に低下した時点も寿命としている。ただし、蛍光灯は点灯後に徐々に明るくなるため、数分待ってから計る必要がある。
輝度が低下する原因としては、水銀蒸気がガラス中のナトリウムと反応して黒色の付着物となること、ガラスが紫外線を吸収して透明でなくなること、などがある。
北欧ではガラスからナトリウムが浸出することを防ぐコーティング技術と電子放射物質(タングステン酸バリウム等)のスパッタリングを防ぐ特殊な陰極とを組み合わせることによって、80,000時間を超える蛍光管が実用化されている。
グローランプの寿命は蛍光灯の点灯時間ではなく、点灯回数に比例する。グローランプは蛍光灯の交換と同時に取り替えるのが蛍光灯を長持ちさせるコツだといわれることもあるが、あまり消耗していない場合は替えなくてもよい。ただし、蛍光管の終末期に激しく点灯動作が繰り返されると、グローランプもそのたびに消耗するため、この状態で放置すると劣化が激しく進む。
外観の経時変化
- アノードスポット
- 寿命末期に発生する。フィラメントに塗布されたバリウム酸化物などのエミッター(電子放射物質)が飛散し、電極付近のガラス管壁に付着したもの。
- 蛍光ランプでは電極付近が黒くなって見える(殺菌ランプではエミッターが蒸着しゲッター状になっている)。
- 点滅が頻繁だったり電圧や電流、安定器が不適切だとフィラメントに負担がかかり早期に出現することがある。ラピッドスタート型のランプはフィラメントの周囲に保護筒があり管壁へのエミッターの付着を防いでいる。ランプ寿命末期に点滅を繰り返したり、両端のフィラメントのみが赤く光るのは、フィラメントのエミッターが消耗してしまい安定した放電を維持できなくなるからである。
- エンドバンド
- 点灯中のエミッターの蒸発により発生する微量のガスと水銀が化合したもの。明るさや寿命への影響はほとんどない。
- 内面導電性被膜(EC黒化・黄変)
- ラピッドスタート型ランプの始動補助として管内に塗布された透明導電皮膜と水銀が反応することによって発生する。
- 電極付近の水銀付着による黒ずみ
- 初めてランプを点灯する際にフィラメント内部に入り込んだ水銀が、フィラメントが加熱されることにより蒸発して、管壁に付着することで発生する。しばらく点灯しておくと水銀が蒸発し消滅する。
- ガラス管中央付近の水銀付着による黒化現象
- 冷房の吹き出しなどで管が低温になる部位で発生する。寿命・特性への影響はほとんどない。
器具の寿命
蛍光灯照明器具の寿命については消費者にはあまり認知されていないが、安定器がおよそ8年 - 10年、それ以外の部分についてはおよそ15年が目安とされている。器具の寿命は周囲温度、点灯時間などによって変化する。一般に点灯時間が長く周囲温度が高いほど短くなる。これは熱による安定器の絶縁体の劣化が進みやすくなるからである。
一般家庭向けの製品では安定器のみを交換することは想定されていないため、器具全体の買い替えとなるケースがほとんどである。オフィス向けのものでは安定器のみを交換できる場合が多いが、一般家庭向け、オフィス向けともに設計寿命を超えて使用されることが多く、20年を超えて使用されることも珍しくない。
古くなった安定器は、「ジー」という騒音を発することがある。最近の安定器は安全装置が内蔵され、寿命が来るとコイルやヒューズが切れて電源を遮断するため、発煙・発火の恐れはほとんどない。しかし、安全装置のない古いタイプの安定器をいつまでも使い続けるとレアショートして過熱し、最悪の場合発煙・発火すると共に漏電事故を起こす可能性がある。電子式安定器ではコンデンサの容量抜けなどによりヒューズが飛んだり、コンデンサが破裂・焼損することがある。
1957年(昭和32年)1月から1972年(昭和47年)8月までに製造された業務用・施設用の蛍光灯器具や水銀灯器具、低圧ナトリウム灯器具の安定器内部に組み込まれている力率改善用コンデンサの絶縁体にはPCBが使われており、近年、学校に設置された蛍光灯器具内の安定器が破裂して漏れ出したPCBが児童に降りかかる事故が発生している。これらPCB使用照明器具の安定器は設置から40年以上が経ち既に寿命を迎えている。危険なので早急な交換が必要である。PCB含有安定器は排出者が厳重に安全に保管しなければならない。[1]
シーリングライトなどの蛍光ランプが直接見えない構造の器具の場合は、光を透過するプラスチックが蛍光ランプから出る紫外線によって劣化し、黄色く変色することがある。こうなると照度は低下し、効率が悪くなる。現在は変色しにくく透過率が高いカバーが、メーカーによってクリーンアクリルなどと名づけられて採用されることが多い。
器具本体とは別の寿命だが、袋打ちコードと呼ばれるこたつコードにも似た発熱に耐えられるコードのみで吊り上げている蛍光灯器具の場合、コードが陳腐化し、器具の重さによって床に落下するケースもある。心配ならば、鎖で吊り上げるとよい。ほとんどの蛍光灯器具には鎖をかけられる孔が開いている。これは天井側が普通のコンセントかあるいは電球ソケットにセパラボディという組み合わせに考慮したものである。蛍光灯器具によっては引掛シーリングをコンセント用に変換出来るプラグを購入しなくても上部のフタを取り外すとコンセントに差し込めるプラグが包まれている場合もある。
廃棄
蛍光灯には水銀を含むガスが封入されているため、割って埋め立て処分するなどの方法では、割った際にガスが環境中に放出されたり、最終処分場が水銀で汚染されてしまうなどの問題がある。そのため適切に回収され再資源化することが望ましい。
米国では廃蛍光ランプは専門業者が回収を行い、この際割らずに回収させなくてはならず、割れた場合には高額な回収費用が請求される。回収された廃蛍光ランプは専門の設備により口金金属部、管状部に丁寧に分割され、中の水銀は銅キャニスターに回収される。残りの部材はアルミ、電極、ガラス、蛍光体へと分別され、完全リサイクルされる体制が確立されている。北欧では、廃棄蛍光灯の総量を減らすため、蛍光灯の長寿命化への取り組みが盛んである。
一方、日本では、回収して水銀をリサイクルできる専用の施設(例: イトムカ鉱山を参照)に処理を委託する方法がとられつつあり、環境マネジメントシステム ISO 14000 の認証を取得している企業などではこちらの方法が一般的である。一般家庭から廃棄される蛍光灯は、一部の自治体が回収を行っているものの、現在でも多くの地方自治体が燃えないごみに出すように定めており、環境意識の高まりとともに改善を求める声があがっている。自治体が回収を行っていない地域であっても、一部の家電量販店や電器店・ホームセンターなどが「蛍光管回収協力店」として店頭で無料で回収している場合、または蛍光灯購入を条件に回収している場合、などがある。 また、大日本プロレスが試合会場や郵送で無料回収している。回収された蛍光灯は実際に蛍光灯デスマッチ に使用される。
直管蛍光灯の太さ
直管蛍光灯は実用化当初は現在に比べ太かった。
太さは38mmで、型番のワット数を表す数字の後にSが付かないか、またはSが1つのみだった。細い直管蛍光灯が一般的になった当時は、新しい直管蛍光灯に換えたときに、古い直管蛍光灯が太いため新しい直管蛍光灯の箱に入らないという問題も起こった。
通常の器具の場合、太さの異なる直管蛍光灯に交換しても問題ないが、一部の密閉器具(防水型など)の場合、例えばFL20を使用する器具で太さの異なるFL20SS / 18を使用した場合、発熱量が増え危険であるため、この器具では必ずFL20を使用しなければならない。また、口金部に防水パッキンがついている場合も、太さが同じものを使用する必要がある。但し、旧型の直管蛍光灯の専用器具は現在はあまり見かけないが、個人で営んでいる電器屋では、売れ残りで旧型の太い直管蛍光灯が残っている場合がわずかながらある(だいたい処分してしまう店が多いので、希少である)。メーカーによってはSのないタイプをまだ製造している場合がある。
2010年現在世に出回っている直管蛍光管の直径は普通のタイプが32.5mm、省エネタイプは28mm、Hfタイプが25.5mm、T5管が15.5mmである。省電力設計のランプは、頻繁な点滅や温度変化に弱いといわれる。
主な蛍光ランプのブランド
- パルックシリーズ(パルック・パルックプレミア)、ツインパルック、フルホワイト(昼白色)・ハイライト(白色、昼光色、飛散防止)、パルックボールプレミア・パルックボールスパイラル(電球形蛍光灯)(パナソニック))
- メロウシリーズ(メロウZ PRiDE・メロウ5・メロウホワイト(昼白色)・メロウルック・メロウライン)、ネオライン・ワットブライター(白色、昼光色)・ネオボールシリーズ(ネオボールZ・ネオボールZ ReaL・ネオボールZ ReaL PRiDE)(電球形蛍光灯)(東芝ライテック)
- きらりUV、ハイルミック(明るい輪・あかりん棒)・ハイホワイト(昼白色)・サンライン(白色、昼光色)、コンパク灯・ナイスボールVきらりUVナイスボール・ルミボール(電球型蛍光灯)(日立製作所)
- ルピカシリーズ、ルピカエース・ルミクリスタル(昼白色)・ネオルミスーパー(白色、昼光色)・ルピカボール(電球形蛍光灯)(三菱電機照明)
- ライフルックシリーズ(ライフルック・ライフルックHG)・ホタルックシリーズ(ホタルック・ホタルックα)・サンホワイト5(昼白色)・ライフライン(白色、昼光色)・ライフラインII(白色、昼光色、ラピッドスタート専用)・コスモボール・HGボール(電球形蛍光灯)(NECライティング)
- アイライン(スターター・ラピットスターター)、アイルクス(Hf)(岩崎電気)
- マルトウ蛍光ランプ 、ブリアンフレッシュ、ブリアンスリム(Hf)(東光高岳)
- ※直管(FL・FHF)型蛍光灯の場合、メーカー・種類・光色表記がパナソニック・三菱電機照明・NECライティング製品は左側に、東芝ライテック・日立ライティング製品は右側にそれぞれ書かれている。
- なお、表記中のME、TSP、HLK、SOC、N(「▲▼」のような表記)、PRINCE.D.(またはIWASE.P.D.、もしくはNSD)はそれぞれ実際の製造メーカーであるパナソニック、東芝ライテック、日立ライティング、三菱電機照明、NECライティング、プリンス電機を指している。そのため、たとえばメーカーがNECでもMEと表記されていればパナソニックが製造した製品ということがわかる。
蛍光灯の価格
器具については、磁気安定器式の製品は安く、インバータ式の製品は高い。ただし、デザインやリモコンなどの付加価値をつけた製品はさらに高価であるため、点灯方式による価格差はさほど大きくない。インバーター式でも、オーソドックスなペンダント型器具であれば環形2灯式で5,000円程度、直管1灯式のベースライトであれば3,000円程度のものもある。近年は、磁気安定器かインバーターかというよりも、環形では従来管かスリム(スリムツイン)管か、直管では従来管かHf管かという点に注目ポイントが移りつつある。
蛍光管については、近年では一般型(演色性・明るさが低い)の製品が100円ショップで売られるようになり、まれに電球型蛍光灯も100円で売られることがあるが、ある程度の品質を持った製品は数百円台である。三波長タイプの相場としては、20W直管は300円台、30W環形は500円程度、40W環形は800円程度となっている。ただし、残光型や長寿命型などはより高価である。高演色型は、SDLは三波長タイプより少し高め、EDLは三波長タイプの2倍程度の価格である。ただし明るさが低いので、三波長形と同じ光量を得るには1.5倍程度の本数が必要である。一般型のうち昼白色のものについては、各メーカーとも独自の名称(「ホワイト」が付くことが多い)を与え、やや高価な価格設定をしていることが多い。スタータ型とラピッドスタート型の価格差はあまりない。環形の物については、1ランク下のサイズの管が管の内側に納まるサイズであることと、両方の管を使う器具が多いことから、2種類のサイズの管を同梱して売る場合も多い。
電球形蛍光ランプ
テンプレート:Main 60W型相当の電球形蛍光灯(消費電力13Wで計算)は、定格寿命は約6,000 - 13,000時間。価格は300円 - 1,500円弱(一部の100円ショップでも見られるようになったが、寿命は約3,000 - 8,000時間)。白熱電球の約10倍。
近年の動向
近年は蛍光灯より消費電力が少なく、かつ長寿命でランプ交換も不要なLED照明が急速に普及している。このため国内大手電機メーカー各社は蛍光灯照明器具の新製品発表を2012年以降取りやめており(乾電池や充電式電池で駆動するアウトドアランタンはLEDへほぼ完全移行し、蛍光灯を用いるランタンの生産は終了)、中でも照明器具国内シェア首位のパナソニックは国内大手のトップを切って「2015年度を以て蛍光灯及び白熱電球を用いる一般住宅向け従来型照明器具生産を終了し、今後はLED器具へ完全移行(蛍光ランプ及び電球型蛍光ランプは交換用途のみに絞って生産を継続)する」旨を公式発表した(2014年3月4日付、朝日新聞経済面記事にて報道。なお卓上型の電球&蛍光灯器具生産は2011年限りで終了しLEDへ完全移行)。こうした「脱蛍光灯」の動きは今後国内他社にも広がる可能性がある。なお白熱電球生産は(一部特殊用途を除き)2012年度を以て国内メーカー全社が完全終了した。
関連項目
- 蛍光灯デスマッチ - 使用済み蛍光灯を使用して行うプロレスの試合。プロレス団体「大日本プロレス」が名物としている。
- 蛍光
- RoHS - 蛍光灯はRoHS指令の例外措置として用途・形式によって特定値以下の水銀の含有が許容されている (適用除外用途一覧)。
- 点灯管 - 安定器を用いる従来型蛍光灯器具において蛍光灯を点灯させるための放電管、「グローランプ」とも呼ぶ。
参考文献
- 『屋内照明のガイド』照明学会編、電気書院、1978年。
- 『大学課程 照明工学』照明学会編、オーム社、1997年。
- 『現代 照明環境システム』石川太郎ほか共編、オーム社、1981年。
- 『サイリスタとその応用』橋本健著、日本放送出版協会、1972年。
参考文献
- ↑ Molecular Expressions: Pioneers in Optics, Michael W. Davidson, The Florida State University
- ↑ これをヘルツフリーという。