守山市
テンプレート:Infobox 守山市(もりやまし)は、近畿東部、滋賀県の南部に位置する市である。
「守山」とは、琵琶湖の対岸に位置する御山(比叡山)を守る寺であった東門院に由来するという説がある。縄文時代から弥生時代の古代遺跡が多くあり、特に弥生期の巨大集落跡は、クニの初めを知る貴重な遺跡として注目されている。壬申の乱以降東西交通の要衝として、野洲川が度々戦場となった。
室町時代には一向宗門徒の近江国における拠点ともなり、また足利義昭の矢島御所(守山市矢島町)も設けられた。江戸時代は、中山道を代表する宿場町の一つとして栄え、近年京都・大阪のベッドタウンとして高い人口増加率を保持している。住みよさランキング2010年版(東洋経済)では、守山市が近畿ブロック1位を獲得、全国総合ランキングでも10位となった。
地理
鈴鹿山系から流れ出る野洲川が琵琶湖に注ぐ扇状地の南側に位置する。野洲川の流れに沿い川上から川下にかけ緩やかな斜面を形成するが標高差は20m程度でほぼ平坦地、かつては都賀山などの地名があるが、現在は山や丘と言った地形は認識されない。古来より益須の醴泉が紹介される通り、鈴鹿山系からの湧水と豊かな野洲川の流れにより、水に恵まれた土地であった。ただし、他の琵琶湖沿岸部同様に、過去においては度々起きた川の氾濫や琵琶湖水位の上昇で被害を被った。
市南部を南西から北東に江戸時代当時の中山道が横切り、守山は「京立ち守山泊り」と言われる通り、江戸時代中山道の主要な宿場として栄え、今でも旧中山道には昔ながらの家並みが残っている。旧中山道の東南に東海道本線が走り、境を越え栗東市内に東海道新幹線・国道1号から分岐して国道8号・名神高速道路がほぼ並行して走っている。また、滋賀県道11号守山栗東線が栗東市より野洲川沿い、守山市南東より北に向けてレインボーロードとなり、琵琶湖大橋を通じ堅田へとつながる。
市中心部は東海道本線守山駅の北から西にかけて旧中山道沿いへと広がる。「市役所」等行政施設や「守山市民運動公園」は更に旧中山道を越した地域にあり、琵琶湖沿岸部には「みさき自然公園」や「佐川美術館」等と言ったレクリエーション施設や文化施設がある。
歴史
- 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制の施行により、野洲郡守山村・吉身村・岡村・立入村の区域をもって守山村が発足。
- 1904年(明治37年)2月1日 - 野洲郡守山村が町制施行して守山町となる。
- 1912年(明治45年)4月16日 - 隣接する栗太郡物部村に東海道本線の守山駅が開業。
- 1941年(昭和16年)7月10日 - 栗太郡物部村と合併し、改めて野洲郡守山町が発足。
- 1955年(昭和30年)1月15日 - 野洲郡小津村・玉津村・河西村・速野村と合併し、改めて守山町が発足。
- 1957年(昭和32年)3月1日 - 野洲郡中洲村の一部(大字新庄・服部・立田・幸津川・小浜)を編入。
- 1970年(昭和45年)7月1日 - 野洲郡守山町が市制施行して守山市となる。
人口
- 80,057人(2013年10月31日現在)
2013年10月23日に人口が八万人を突破した。これにより、滋賀県市町第8位となった。(大津市、草津市、長浜市、東近江市、彦根市、甲賀市、近江八幡市の次)昭和45年(1970年)7月の市政施行時は35,112人だったが、京阪神の通勤圏内であることや自然環境に恵まれたため人口増加が続き、43年経った2013現在の八万人に到達した。
- 平成22年国勢調査より前回調査からの人口増減をみると、7.79%増の76,338人であり、増減率は滋賀県下19市町村中2位。
行政
歴代市長
歴代 | 氏名 | 就任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|
初代 | 北川俊一 | 1940年7月1日 | 守山町長、2005年12月31日死去 |
2代 | 髙田信昭 | 1975年2月20日 | 守山市教育長、2012年2月20日死去 |
3代 | 甲斐道清 | 1995年2月20日 | 少林寺(守山市矢島)住職 |
4代 | 山田亘宏 | 2003年2月20日 | 守山市市議会議員 |
5代 | 宮本和宏 | 2011年2月20日 | 国土交通省住宅局建築指導課長補佐・守山市技監 |
広域行政
- 湖南広域行政組合
消防、第二次救急医療、屎尿処理を行う。構成は守山市、草津市、栗東市、野洲市。当市は消防に関しては北消防署の管轄となる。
経済
産業
漁業
- 木浜漁港
特産品
- 守山メロン
姉妹都市・提携都市
海外
地域
公共機関
警察
- 守山警察署:守山市金森町494
消防
- 湖南広域消防局北消防署:滋賀県守山市石田町377-1
医療
- 守山市民病院:滋賀県守山市守山四丁目14番1号
- 滋賀県立成人病センター:守山市守山五丁目4番30号
- 滋賀県立小児保健医療センター:守山市守山五丁目7番30号
教育
- 滋賀県立守山中学校は滋賀県立守山高等学校との中高一貫校で、滋賀県内にある中高一貫校3校あるうちの1校である。
- 守山市が守山市立守山女子高校を学校法人立命館に無償譲渡し、2006年(平成18年)4月に立命館守山高校が開校。閉鎖された旧平安女学院大学びわ湖守山キャンパスの跡地へ移転し、2007年(平成19年)4月に立命館守山中学校が開校。なお、守山女子高校の譲渡に関しては、女子高校教職員らを中心とした一部の住民が反対運動を展開。守山市に監査請求を行ったが却下された。現在、反対運動は沈静化している。
小学校
- 守山市立小津小学校(守山市欲賀町)
- 守山市立河西小学校(守山市小島町)
- 守山市立立入が丘小学校(守山市岡町)
- 守山市立玉津小学校(守山市赤野井町)
- 守山市立中洲小学校(守山市幸津川町)
- 守山市立速野小学校(守山市木浜町)
- 守山市立物部小学校(守山市二町町)
- 守山市立守山小学校(守山市勝部)
- 守山市立吉身小学校(守山市吉身)
中学校
- 滋賀県立守山中学校(守山市守山)
- 守山市立明富中学校(守山市水保町)
- 守山市立守山中学校(守山市石田町)
- 守山市立守山北中学校(守山市荒見町)
- 守山市立守山南中学校(守山市古高町)
- 立命館守山中学校(守山市三宅町)
高等学校
- 滋賀県立守山高等学校(守山市守山)
- 滋賀県立守山北高等学校(守山市笠原町)
- 立命館守山高等学校(守山市三宅町)
金融機関
銀行
協同組織金融機関
日本郵政
農協・生協
- おうみ冨士農業協同組合
交通
唯一の鉄道駅であるJR西日本東海道本線守山駅は市の南端に所在し、市内の移動には自動車が利用されることが多い。琵琶湖大橋取り付け道路(一部は国道477号)を主要な軸として発展している。この道路は、通称「取り付け道路」と呼ばれている。
1990年代以降の人口増加に伴って、取り付け道路以外の東西交通軸や、南北交通軸の整備が行われている。また、守山駅周辺から市役所にかけては、バリアフリーエリアとして整備されている。エリア内には、市民病院、滋賀県立成人病センター、公共施設、教育施設などが集中して存在する。
鉄道
守山駅は新快速が停車する。新快速を利用した場合、京都駅まで約24分、大阪駅まで約53分で到達する。
バス
道路
一般国道
主要地方道
- 滋賀県道2号大津能登川長浜線
- 滋賀県道11号守山栗東線(レインボーロード)
- 滋賀県道26号大津守山近江八幡線(浜街道)
- 滋賀県道42号草津守山線(大津湖南幹線)
- 滋賀県道48号近江八幡守山線
一般県道
名所旧跡・観光地・祭事
それぞれの季節に花の咲く公園が市内に点在し、市民に親しまれている。また、初夏には市街地でも蛍(ゲンジボタル)を観察できる。これは、蛍の生息できる環境を取り戻すため、市や市民が取り組んでいる蛍生育活動や環境保護活動の成果である。
文化施設
- 守山市民ホール:守山市三宅町
レジャー
- 守山市民運動公園:守山市三宅町
- 守山市民体育館
- 守山市民球場
- 守山市民スポーツ広場
- 運動公園テニスコート 他
- みさき自然公園:守山市今浜町
- 美崎公園キャンプ場
- びわこ地球市民の森:守山市今浜町
- なぎさ公園:守山市今浜町
- もりやまバラ・ハーブ園:守山市幸津川町
- もりやまフルーツランド:守山市幸津川町
- もりやま芦刈園:守山市杉江町
- 近江妙蓮公園:守山市中町
- 笠原桜公園:守山市笠原町
- 野洲川立入河川公園(多目的広場):守山市立入町
- 守山市野洲川歴史公園サッカー場:守山市服部町
- 琵琶湖レークサイドゴルフコース(27ホール):守山市木浜町
- SGホールディングスグループ健康保険組合守山陸上競技場
- (SAGAWA SHIGA FCのホームグラウンド):守山市水保町北川
- SGホールディングスグループ健康保険組合守山球場
史跡
古代遺跡
- 服部遺跡(弥生前期から鎌倉時代に至る水田・墓跡:守山市服部町)
- 下之郷遺跡(弥生中期の大規模な多重環濠集落跡:守山市下之郷)
- 下之郷史跡公園:守山市下之郷
- 伊勢遺跡(弥生から鎌倉時代の集落跡(弥生後期集落遺跡として国内最大級):守山市伊勢町・阿村町)
城郭跡
- 野洲川沿いに築かれ、水堀に囲まれた城郭風の大規模な陣屋であった。
- 浮気城:守山市浮気町
- 三宅城:守山市三宅町(蓮生寺(市史跡)周辺)
- 金森城を本拠とした一向宗門徒の支城。
- 守山城:守山市守山1丁目(大光寺周辺)
- 矢島御所 - 足利義昭の御所跡:守山市矢島町
- かつて水堀で囲まれ二町四方の規模であったと伝わる。
戦跡
観光
- 守山宿
- 神社・寺院
- 小津神社 日本武尊の孫小津君が祖神を祀ったのが起源とされ、室町時代建立の本殿は三間社流造、檜皮葺で、国の重要文化財に指定されている:守山市杉江町
- 勝部神社 社伝によれば649年(大化5年)創祀、近江国守護佐々木氏が出陣時に勝部神社の竹を旗竿に用いた:守山市勝部一丁目
- 己爾乃神社 式内社(延喜式神名帳記載の神社)で、社伝によれば829年(天長6年)創祀、開発己爾乃神社と中の前己爾乃神社の2社がある:守山市洲本町
- 蜊江神社 「オツブさん(タニシ)」を神の使いとして祀る:守山市笠原町
- 馬路石邊神社 式内社で、社伝によれば663年(白鳳3年)創祀
- 益須寺遺跡 飛鳥時代後期(白鳳期)の寺院跡、日本初の療養施設とされる:守山市吉身町
- 赤野井別院 室町時代一向宗門徒の近江布教の中心、蓮如ゆかりの寺院:守山市赤野井町
- 福林寺 寺伝によれば平安時代初期最澄の開基、本尊の木造十一面観音立像は国の重要文化財、石造宝塔2基は国の重要美術品:守山市木浜町
- 美術館・博物館・歴史的建造物・庭園
- 大庄屋諏訪家屋敷 1340年(暦応3年)に当地地頭として土着し、代々大庄屋を務めた諏訪家屋敷建物・庭園:守山市赤野井町
- 佐川美術館:守山市水保町北川
- 守山市ほたるの森資料館:守山市三宅町(守山市民運動公園内)
- 守山市立埋蔵文化財センター:守山市服部町
祭り・イベント
- 勝部の火まつり(1月第2土曜日)
- 長刀祭り(5月5日)
- すし切り祭り(5月5日)
- 豊年踊り(5月5日)
- そうもく千燈(10月第3土曜日)
- もりやまいち
その他
- SAGAWA SHIGA FC(日本フットボールリーグ (JFL) )
- 浮気 - 「ふけ」と読み、珍地名として知られる。
有名人
出身者
- 江戸時代以前
- 戦前
- 戦後
ゆかりのある有名人
- 井原正巳(元サッカー日本代表キャプテン)
- 岡田孝男(医学者、順天堂大学名誉教授):東京
- 岡田博(医学者、名大名誉教授・愛知医科大学学長・名古屋市科学館長):名古屋
- GACKT(歌手)
- 森三紀(地理学者)
- 森田まさのり(漫画家)