そこが知りたい

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テンプレート:Notice テンプレート:基礎情報 テレビ番組

そこが知りたい』(そこがしりたい)は、TBS系列で1982年から1997年まで約15年間にわたり放送されたテレビ番組である。愛称は「そこしり」。

一部の系列局では、レストラン情報などを扱ったローカル版が制作されており、現在でも放送されている系列局が存在する。

概要

「世間で起きている事件やトラブルを報道とは違う視点でリポートし、見せていく」というものが、そもそものコンセプトで、もともと硬派な情報番組として立ち上がった。このコンセプトは現在も放送されている『噂の!東京マガジン』(TBS)の1コーナー「噂の現場」に受け継がれている。

もともと、この番組はゴールデン・プライム時間帯の中で唯一設けられた「自主編成時間帯」(いわゆる「ネットの縛り」の対象外。各局が独自に編成して良い時間帯)であったため、JNN系列局があった地域でも毎週ネットされる局、月1 - 2回は自主制作番組に差し替えられる局、そしてまったくネットされずに自主制作番組や他系列番組に差し替えられる局、中には不定期的に土日の昼間帯などで放映する局(枠の穴埋めが主目的とされる)などが存在していた。また本番組は「TBS系列夜のローカルタイム枠」の最初の番組でもある。

2008年12月21日(日曜日)に『そこが知りたい2008』という本番組の復活特番が19:00 - 20:54(JST)にハイビジョン制作で放送された。しかし、「自主編成時間帯」だったレギュラー放送時とは異なり、全編ネットワークセールス(JNN全系列局同時ネット)での放送となり、内容は路線バスの旅であった。

その後、2012年10月からBS-TBSで当番組を受け継いだ『それがしりたい 〜ニッポンおもしろいネ〜』が開始され、初回放送分(2012年10月1日)では「ぶっつけ本番!ローカル線バスの旅〜初秋の北信州をゆく〜」を2時間スペシャルで放送された。『それがしりたい 〜ニッポンおもしろいネ〜』は2013年9月30日に放送終了。更に2013年10月より夕方のニュース・情報番組『Nスタ』で世界の現状を取り上げた『○○(世界の国名)そこが知りたい』が不定期で放送されている。

歴代司会者

放送データ

  • 1982年5月4日に放送開始。1997年9月9日に放送終了。(一部地域では遅れネット)全725回放送。
  • 視聴率というテーマで視聴率測定器の仕組みについて放送したところ、視聴率測定器を持っている家庭が番組を見たため視聴率が急上昇したとのエピソードが残されている。

主なシリーズ企画

日本全国各駅停車路線バスの旅

実際の放映では、「各駅停車路線バスの旅」と表記される。 この企画のコンセプトは、「そこにはいったいどんな日本が、どんな人々に出会うことができるのか?、無事にたどり着ける事ができるのか?+α」(+α=最も素朴な旅を試み続ける)。

企画当初、一家に一台自動車持っているといわれるモータリゼーションの普及で、路線バスは交通渋滞の邪魔者扱いを受けてきた。しかし一方で、そのバス路線を身近に利用する地域の人達がいるという観点から、生まれたものである。その中で、バス路線に絞った旅程を組み、路線バスが運行されていない地域や、歴史ある民家や風景、お祭りごとなどのイベントなどがあると途中下車をし、当初の旅程ルートから逸れることもある。基本は東京を出発起点としているため例として、東北縦断編では東京〜郡山間を東北急行バス(高速バス)で、九州縦断編では東京〜広島間を「ニューブリーズ号」(夜行高速バス)で、沖縄本島一周編では東京〜那覇間を飛行機で、そして湘南編では東京〜八王子間を深夜急行バスでそれぞれ移動している。

『路線バスの旅』の元祖であり、その後日本テレビの『追跡(視聴者公募3人による日本列島縦断)』・『スペシャルとうきょう』・『火曜サプライズ(都バスで飛ばすぜぃ!)』、NHKの『のんびりゆったり路線バスの旅』、BS-TBSの『世界バス紀行』、テレビ東京とBS-Jの『ローカル路線バス乗り継ぎの旅』等、他局・地方局の番組で類似企画が放送されるようになる。

記念すべき第1回は、東京の晴海埠頭から石川県能登半島までを目指す「日本横断」編である。

これを皮切りに不定期ながらシリーズ化され、特に初代リポーターを務めた、生島ヒロシ薬袋美穂子服部幸應の3人は、このシリーズ出演を機に全国的な知名度を築きあげた。3人のリポーターが、その地域の人の人情を引き出す事に長けていたため(スポットを当てていた)、視聴者の心を掴み、放映当時(毎週火曜日午後10時放送)は、平均視聴率15%を越える人気を誇った[3]。その形を、歴代のリポーター達が引き継いでいった。

全行程終了時には、当該データ(走行距離、通過バス停、乗車バス台数、1人分の運賃等)が表記されたが、後期には省略されている。そして、シリーズ通しで「あなたもバスの旅にでかけてみませんか」(最初期は手書き風、中期以降は斜体明朝体)とテロップ表示された。

また、関連書籍として、1986年と翌年の1987年に『日本全国各駅停車路線バスの旅』という書名で、二見書房から発行されたが、現在は絶版となっている。テレビ未放映のオフショットやエピソードなどが収録されている。

巻数 発売 ISBN
第1集 1986年8月 ISBN 978-4576860848
第2集 1987年10月 ISBN 978-4576871295
  • 「各駅停車路線バスの旅」の音楽

また視聴者からの問い合わせの多かった「各駅停車路線バスの旅」BGMは、主に岩手県出身の姫神(姫神せんせいしょん)の曲が使用された。

発売元はポニーキャニオン、初発はレコードだが、企画が始まる1985年からCD化されたので以下にCD番号を記す。

  • 曲名:『蛍』(アルバム:奥の細道/D32R0023 1981年発売)
  • 曲名:『うたげ』『鳥のごとく』(アルバム:姫神伝説/D32R0026 1983年発売)

また、iTunesでも有料でダウンロードが出来る。

これ以外にも、村松健松任谷由実イルカ小林旭宮崎駿スタジオジブリ作品(『魔女の宅急便』のサントラ)などを始め歌謡曲も当時に合わせて使用。なお、2008年放送のスペシャル復活版「そこが知りたい2008」は中西俊博のアルバムから採用され、姫神の音源は使用されず、内容的にも当時の番組の面影は(企画コンセプトは継承され)なかった[4]


通勤線途中下車の旅

首都圏中心の鉄道途中下車の旅。コーナー最後にはさいたまんぞうの歌「東京カントリーナイト」が流れた。

番組初期は東日本旅客鉄道(JR東日本)の路線ばかりを取材していたが、1989年からは私鉄各社の取材も行われ以降しばらくは私鉄の取材が多かったが末期はJR、私鉄半々程度の割合となった。

私鉄編第1回は1989年2月14日放送(関東ローカル基準)の小田急小田原線新宿町田)であった。

この企画はその後、他局に模倣されることとなり、特に日本テレビでは独立したひとつの番組(『ぶらり途中下車の旅』)となり、現在まで放送されている。ただし、当コーナー出演者でぶらり〜に出演した者は現在のところいない。

うわさの○○ですよ

新宿、渋谷、池袋など、その町を重点的にリポートした。飲食店、路地裏、人間模様など多岐にわたっていた。また新宿を特集した際、取材中に自殺事件の現場に遭遇したこともある。

その他リポーター

ナレーター

スタッフ

初期

(オープニング:緑のテロップ、番組オリジナルテーマ曲。テロップは白抜き黄色や、「知」のみ白抜きの水色背景文字なども存在)

  • 製作:篠崎敏男
  • プロデューサー:市川美根
  • ディレクター:酒井孝康、筒井一夫、笠原明彦、渡部鋭二、富田淳
  • 構成:石倉俊文
  • 編集:中山政仁、平沢和孝、佐藤尚武、小原雅之
  • 美術:金子俊彦
  • 照明:渡貫隆雄
  • 音声:中村勇二
  • 選曲:渡辺勇之助
  • スタジオ技術:東通
  • 製作協力:時空工房

中期

(オープニングCG:卵状の球体から文字が飛び出して、番組タイトルを形成する。)

  • 音楽:藤村春水
  • 企画:篠崎敏男
  • 構成:村川克信
  • 製作:高柳等、長田透
  • プロデューサー:秋山征夫、濱しんぎ
  • ディレクター:富安格
  • 編集:ビデオサンモール
  • 美術:金子俊彦、石川典子
  • 照明:牛来邦彦、山口武
  • ミキサー:伊東忠美
  • 選曲:林章雄
  • 音効:西山隆司、半藤徹
  • 製作協力:NEWS

後期

(オープニングCG:カメラレンズが何かを映し取るイメージから、番組タイトルを形成する。)

  • 音楽:服部克久
  • 構成:村川克信
  • 製作:東條毅
  • プロデューサー:三田村泰宏・伊藤輝治
  • ディレクター:富安格
  • 編集:西川豊
  • VE:石井正法、石和田哲郎
  • 美術:加藤昌男、立原英生
  • 照明:城戸国男、住谷洋介
  • ミキサー:伊東忠美
  • 選曲:林章雄
  • 音効:中本建
  • 製作協力:東放制作、GOLGO

放送局

脚注

テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:前後番組

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  1. 1987年秋の改編により平日22時台がニュース番組(『JNNニュース22プライムタイム』)となったのに伴い、本番組が火曜19時に移動、さらに解説を務めていた『月曜ロードショー』が放送時間変更で火曜20時(『火曜ロードショー』)に移動した事から、本人の申し出により降板となった。
  2. 山本文郎(元TBSアナウンサー、時間帯移動の際、司会者を2人体制に変更し、森本毅郎が就任するまでの間出演、1989年に番組300回目放映奥の細道春の回を担当、奥の細道も300年目の節目とあり、秋の回も存在する。)
  3. TBSテレビ・そこが知りたい編 『日本全国各駅停車路線バスの旅』 第2集、二見書房、1987年。
  4. 当時の再発盤、姫神大全集/PCCR-00091〜。なお『蛍』は1994年発売のアルバム「姫神-BESTII-遠い風」にも収録。
  5. 「秋の富士山路線バスの旅2(1986年放映のシリーズ後半)」、ならびに「知っていますか横浜」の2本を視聴することができる。