ニューヨーク・タイムズ
テンプレート:基礎情報 新聞 ニューヨーク・タイムズ(英語:The New York Times)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨーク市に本社を置く、新聞社並びに同社が発行している日刊新聞紙。アメリカ合衆国内での発行部数はUSAトゥデイ(211万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(208万部)に次いで第3位(103万部)[1][2]。
目次
概要
同紙は1851年にニューヨーク市で発行していた、ニューヨーク・トリビューン紙に対する高級新聞というスタイルをとり、創刊された。当初は、優れた体裁が人気を集め、順調に発行部数を伸ばしたが、南北戦争後に、南部に対する寛大な論調が反感を呼び、一時低迷した時期もある。その後20世紀に入ると、世界各地に取材網を張り巡らせ、テンプレート:要出典範囲など、ワシントン・ポストやウォール・ストリート・ジャーナルと並ぶアメリカを代表する高級紙としての地位を確立した。
アメリカでは、しばしば The Times と略される。" times.com " ドメインはニューヨーク・タイムズが所持している。All The News That's Fit To Print(印刷に値するニュースはすべて掲載する)とのモットーが毎号A-1面の左上に印刷されている。
日本においては、朝日新聞社と提携しており、東京支局を朝日新聞東京本社ビル内に設けている。また、かつては共同で英字紙ヘラルド朝日(International Herald Tribune/The Asahi Shimbun)を発行していた。東京支局長はマーティン・ファクラー(Martin Fackler、2011年10月現在)。
ビリー・ジョエルは代表曲、「ニューヨークへの想い」で、ニューヨーク望郷の念をデイリーニューズとニューヨーク・タイムズに込めた。
歴史
ニューヨーク・タイムズは1851年9月18日に、ヘンリー・ジャーヴィス・レイモンドとジョージ・ジョーンズによって創刊された。レイモンドは、APの創設者でもある。 新聞は、1896年にアドルフ・オークスによって買収され、彼の指導のもとで国際、経済などの記事を強化していった。1897年には、 " All The News That's Fit To Print " というスローガンを採用したが、これは競合するニューヨーク市の新聞、ニューヨーク・ワールドやニューヨーク・ジャーナル・アメリカンなどのイエロー・ジャーナリズムに対する牽制と思われる。本社を42番通りに移したあと、1904年にこの界隈はタイムズスクエアと呼ばれるようになった。9年後、タイムズは43番通り229番地に本社ビル、タイムズ・タワーを建設した。しかしながら、タイムズ・タワーは、1961年に売却されている。
初期のタイムズは、日刊であるものの、毎週日曜日には発行されていなかったが、南北戦争中に日曜版の発行を開始した。1918年に、第一次世界大戦に関する記事で、ピューリッツァー賞を初受賞している。翌年1919年には、ロンドンへの紙面輸送が開始された。
クロスワードパズルは、1942年に特集記事として開始された。ファッションの項目は、1946年の開始である。1946年からは国際版が発行されていたが、1967年にそれを停止し、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンやワシントン・ポストと共同でパリにインターナショナル・ヘラルド・トリビューンを創刊した。Op-edは同紙が世界で初めて、1970年に掲載を始めた。1996年には、インターネット上に自社のサイトを開設した。新しい本社ビルであるスカイ・スクレイパー skyscraper は、レンゾ・ピアノの設計によるもので、マンハッタンの8番アヴェニューと41番ストリートの交差点に建設されている。
タイムズ紙はクラシック専門のラジオ局WQXR(96.3 FM)とWQEW(1560 AM)を所有していた。WQXRはタイムズ紙よりWNYCに移行し、2008年10月8日午後8時(ニューヨーク時間)に周波数は(96.3 FM)より(105.9 FM)に変更となった。[3]
現在
現在のニューヨーク・タイムズは、部数の面では、日本の読売新聞の1/10に過ぎず、アメリカ合衆国においても2大全国紙のUSAトゥデイ(227.8万部)、ウォール・ストリート・ジャーナル(206.2万部)の半分程度だが、一般紙としてはワシントン・ポストと並び著名な新聞であり、日本でいう地方紙でありながらもアメリカを代表する新聞と見なされている(ちなみにアメリカの日刊新聞の99パーセントは、どんなに著名であっても地方紙で、全国紙はUSAトゥディとウォール・ストリート・ジャーナルのみ)。重要な演説、議論などが行われた際にはその原稿を一字一句もらすことなく全て掲載することでも知られている。ニューヨーク・タイムズ・カンパニーにより経営されており、アドルフ・オークスの子孫であるザルツバーガー家が株式を所有している。
タイムズは、主に米国内の記事が選定対象になるピューリッツァー賞を90余り受賞するなど、その記事は米国内では高く評価されてきた。1971年には、ベトナム戦争に関するアメリカ国防総省の秘密資料ペンタゴン・ペーパーズが掲載された。これをうけ、政府はタイムズ紙を機密漏洩罪で告訴したが、裁判所は報道の自由を政府の文書公開基準に優先するとの判決をくだした。この裁判は、合衆国憲法の修正第1条(言論の自由)を巡る以後の判例に、大きな影響を与えた。
翌年1972年には、アフリカ系アメリカ人の梅毒感染者たちが暗密のうちに治療を拒否されていることを報告し、大きな議論を巻き起こした。最近では、2004年の仕事現場の安全性に関する記事で、ピューリツァ賞を受賞している。
ニューヨーク州には16の局を持ち、他には11の国内支局、26の海外支局を有する。2004年12月26日時点では、総発行部数はウィークデイで1,124,700部、日曜版は1,669,700部であった。
買収攻勢とリストラ
2008年2月現在、投資ファンド2社、ハービンジャー・キャピタル・パートナーズとファイアブランド・パートナーズに買収攻勢を仕掛けられ、資産売却や本業への集中、取締役4人の交代、web版の充実などを求められている。投資ファンド2社の株式保有率の合計は、2月時点で19.03に達し、ザルツバーガー会長と並んでいる[1]。
他のアメリカのジャーナリズムと同様に、ここ数年リストラ及び、カットオフを進めている。2006年の10 - 12月期は約6億5000万ドルの赤字を出した。
報道内容について
リベラルな論調
テンプレート:出典の明記 一般的にタイムズはリベラルな論調を持つとされる。これは政治記事と社会記事において顕著である。同性婚についても肯定的で、同性の結婚記事が異性間と差別なく掲載される。もっともアメリカでは大統領選挙などで新聞が特定候補の支持を鮮明にするなど、政治色を強く打ち出すことは許容されている。保守系メディアのFOXニュースから近年、一貫して攻撃を受けている。
マサチューセッツ工科大学のリカルド・パグリシは2004年に " Being the New York Times: The Political Behaviour of a Newspaper " という論文を発表した。この中で彼は1946年から1994年の期間におけるタイムズ紙の取り上げた記事を調査し、タイムズが民主党支持であることを統計から立証している。例えば大統領選では優先的に民主党候補を取り上げ、対立する共和党候補については小さな記事で扱う、などである。
特集項目の中の芸術関連記事(主要項目を参照)における政治的コメントについてはジャーナリズムにおけるバイアスの典型であるとの指摘もある。例として、A・O・スコットの映画評論記事は時折保守派に対する皮肉が散見され、フランク・リッチ執筆のアート関連コラムでは頻繁に芸術とは関連性の薄い保守派攻撃がなされている。一方これらは筆者のユーモアであるとの意見も存在する。
タイムズの専属コラムニストにより執筆される Op-Eds については他の紙面に比べ独立性が高く政治的偏向も少ないとされる。しかしこのセクションについても政治的中立性が批判されることがある。
ニュース、論説、広告の混同
2002年11月25日、紙面のトップ記事として "女性選手のオーガスタ参加について沈黙を続けるCBS" との記事を掲載した。この記事ではマスターズ選手権の主催者であるオーガスタ・ゴルフクラブが女性ゴルファーの参加を拒否している問題を扱い、ボイコットの支持を示唆していたが、これに対し批評家からは事実報道と論説の混同であるとの批判がよせられた。保守派ブログの主宰者ミッキー・カウスは編集長のレインズが "ニュース" という言葉の再概念化を行っていること、ここでいう "ニュース" とは個人や団体がレインズが望むような失敗をすることであろう、と批判した。
社説のページにおいてエクソンモービルの広告記事を掲載していることにも批判が存在する。紙面に掲載される編集者への手紙 " letters to the editors " を恣意的に選択しているとの批判もある。
タイムズ自身によるバイアスの調査
2004年の夏、上記のような批判に対してパブリック・エディターであるダニエル・オクレント執筆の調査記事が掲載された。彼はタイムズ紙が幾つかの項目においてリベラル支持のバイアスを有していることは確かであるとし、例としてゲイカップルの結婚問題をあげた。彼はこのバイアスがニューヨークの新聞としてのコスモポリタニズムに起因しているとしている。
オクレントは経済、政治、外交問題、市民権などに関する記事については言及を避けている。ただ彼はイラク戦争の問題に関してブッシュ政権批判が不足していたとしている。
イラク大量破壊兵器報道問題
2002年9月8日、ジュディス・ミラー記者による記事で「イラクが過去1 - 2年にウラン濃縮技術に必要なアルミニウム管数千本を入手しようとしていた」という政府関係者からの情報を掲載した。その日チェイニー副大統領はTVでのインタビューで「これは今朝のニューヨークタイムズにも載っていた確実な情報だ」と述べ、フセイン大統領の核開発疑惑を訴え、イラク戦争への世論誘導に利用した。後に捏造であると判明するこの情報を流したのは、他ならぬチェイニー副大統領のスタッフ(リビー副大統領首席補佐官)だった。いわばチェイニー副大統領の自作自演である可能性が高かったわけだが、ジュディス・ミラーとニューヨークタイムズは情報源秘匿の原則に従って、この事実をイラク開戦後もずっと隠蔽していたため「ブッシュ政権の情報操作に加担した」と厳しい批判を受けた。
2004年5月26日、同紙はイラクで大量破壊兵器が発見されなかったことを受け、イラク開戦前の記事に誤りがあったと自己批判をする編集者の記事を掲載した。誤りがあったとされるのは、上記の記事のほかに2001年10月26日付の、イラク国内にテロリスト訓練所と生物兵器製造所があるとする記事と、同年12月20日付の、バグダッドの病院地下に大量破壊兵器の保管施設が存在するというイラク亡命者の話を伝えた記事など数本。同紙は「記事は正確ではなく、あってはならないものが幾つもあった」としたうえ、その後の取材で間違いが分かった記事も修正しなかったという。
5月30日には社外審査役(オンブズマン)による、過去の記事の検証と誤りを指摘する記事を掲載した。 同年10月3日には、イラクの核疑惑に関する特集記事を掲載し、その中で米政府の組織的な情報操作があったことを指摘し、ブッシュ政権の責任を厳しく追及した。
なお、ジュディス・ミラー記者はその後、イラク大量破壊兵器報道を巡るプレイム・ゲート事件に関連して連邦大陪審での証言を拒否したため収監される。同紙は「取材源秘匿」の原則に則ってミラー記者を擁護してきたが、ミラー記者が独断で取材源を明かして釈放されると一転して全社を挙げて非難に回る。同紙の編集主幹ビル・ケラーは、全社員へ当てたメールでミラー記者への擁護を撤回すると、同紙コラムニストのモリーン・ダウドはミラー記者を「大量破壊女」と批判した。同僚たちからの非難にいたたまれなくなったミラー記者は、2005年11月8日付けでニューヨークタイムズを退社したが、ニューヨークタイムズの彼女への対応は「昔付き合っていた女を振るようだ」(ニューズウィーク)と揶揄された。
日本関連の記事
一貫して日本の文化や文明を否定したがったり、悪い物だと決めつけて報道する姿勢がある。NYTはリベラルだと言われてるが日本の事に対してはやたら攻撃的で 他文化の尊重も無くアメリカの価値観を善として一方的に押し付けるマッチョ主義である。矛盾した正義やダブルスタンダードの論調は特に日本への記事でよく見られる
ニューズウィーク誌は、ニューヨーク・タイムズの報道姿勢について「同紙が日本関連の記事を書くときは、いつも好意的に書かないのに決まっている」と評する[4]。また東日本大震災におけるニューヨーク・タイムズの報道を賞賛する一方で、「かつて日本に関してステレオタイプな記事を掲載し続けた」と指摘している[5]。北朝鮮による日本人拉致問題では、社説において拉致問題は解決済みとする立場を表明したことがある[6]。
- ノリミツ・オオニシ記者の日本関連の記事
- ニコラス・クリストフ記者の日本関連の記事
- 1991年の湾岸戦争の際、同紙の女性コラムニストが「日本は国際的責任分担しておらず、無責任」とする著名入り社説を掲載。2008年現在、この女性コラムニストが同紙編集長である。また一貫した強硬な「反捕鯨」論調でも知られる。
- 2006年12月 「北朝鮮による日本人拉致問題について、本来の拉致問題解決に焦点を絞らず、北朝鮮・中国に対する日本国民の嫌悪感をあおり、そうした世論を憲法改正問題などの政治的問題にも利用しようとしている」とする記事を掲載。後日、日本政府はこの報道を問題視し、中山恭子・首相補佐官(拉致問題担当)の反論文を同紙と、同紙の姉妹紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンに投稿、後者へは26日付で掲載されたが、同紙には掲載されなかった。
- 2008年に沖縄で起きた少女レイプ事件を速報せず、3日後に小さく記事にしただけである。このような報道姿勢は、日本の保守・リベラル派双方から疑問視されている。1998年には見かねたニューヨーク在住の女性を中心とする日本人7人が、同紙のこれまでの日本関連記事から最も誤解の酷い10の記事を選んで検証・批判した『笑われる日本人 -- ニューヨーク・タイムズが描く不可思議な日本』を日米同時に自費出版し[7]、「米国メディアの日本報道に見る誤解」と題するパネルディスカッションを左派系の学者上野千鶴子らを招い開催した。上野は「米国が捏造する日本」、「米国だけが世界だなんて狭すぎる」と厳しく批判した[8]。また、同著の編集長である大竹秀子はAERAの取材にて「どの記事も、色眼鏡を通して日本を見ていることが問題だ。全体像を見せることなく、センセーショナルな見せ物的報道をばらばらに報道されると、それが積み重なって『日本ってヘンな国だ』という認識が出来上がり、ステレオタイプを助長してしまう」と同紙の報道姿勢を厳しく批判している[9]。
- 2009年8月に、鳩山由紀夫民主党代表(当時)がPHP研究所発行の「Voice」に寄稿した論文を無許可で転載しただけでなく、内容を改変・削除し、鳩山代表が「反米主義者」であるとの印象を米国政府に与える結果を招いた。また、同紙は過去にも、ジェイソン・ブレア記者による記事捏造・盗作がスキャンダルとなっている(注:この件は全くの別件で、ジェイソン・ブレアの事件は社内で詳細な調査を行った)。
- 2010年8月29日、2009年に京都朝鮮第一初級学校が公園を不法占拠しているとして、在特会が抗議行動を行ったと紹介し、日本社会の下層の青年たちは、自らの生活に対して失望、落胆した感情をインターネットなどを通じて外国人への排斥につなげている。そして、こうした日本人はネット右翼とも呼ばれとした。また、ネット右翼の日本人の多くは若い男性で、給与額の低い仕事に従事していると決めつけた上で、何の証拠も無く、9,000人の組織化された会員がネット上で時間や場所を決めたうえで、外国人に向けたデモ活動や、キリスト教に対する排斥運動を行っていると掲載した。[11][12]
- 2010年10月17日、「日本ほど急激に経済的な繁栄が逆転した国は歴史的にも珍しい」とし、日本人の苦しい生活の様子を紹介した。これに対し、在ニューヨーク日本総領事館は、「記事は日本の社会経済状況を過度に単純化したもので、木を見て森を見ないものだ」とし、「外交政策や若者たちの活力をみれば、日本が引き続き世界で指導力を発揮していることは明らかだ」と反論した文が、11月1日の電子版に掲載された。[13]
- 2011年3月25日、津波の被害を受けた宮城県石巻市鮎川浜の捕鯨産業の被害に焦点を当て、「津波が、これまで欧米の環境保護団体の抗議・妨害活動でもおよばなかった日本の捕鯨産業の支柱を倒してしまった」と津波被害の深刻さと現地の悲しみを報じた。一方、在ニューヨーク日本総領事館は同日、「津波が捕鯨産業の終えんに『成功』したとの報じ方をするのはあまりに冷酷だ」として同紙に抗議した[14][15]。
- 2011年3月11日東日本大震災直後から現地入りし、地震、津波被害の状況を伝えた。また、原子力事故の記事では、日本の報道に先駆けてメルト・ダウンついて報じた。日本から撤退する外国メディアが多い中で、精力的に取材する姿勢はニューズウィークの賞賛を受けた。それら独自の調査報道により、「国土を破壊し、原子力事故を引き起こした津波、地震後、日本政府が隠蔽した一連の深刻な失敗を力強く調査したことにより(ピューリッツァ賞ウェブサイトより)」、2012年ピューリッツア賞のファイナリスト(次点)にノミネートされた。また、調査記事チームとして、米国海外報道クラブ(Overseas Press Club of America)のハル・ボイル賞(Hal Boyle Award)の次点、またアジア出版協会から調査報道として最優秀賞を受賞した。そのほか、2011年のエネルギー関連報道で世界エネルギー賞の最優秀賞を獲得した。
- 2013年4月26日、猪瀬直樹東京都知事による『(2020年の夏期五輪招致のライバルである)イスタンブール批判』を田淵広子記者とケン・ベルソン記者がスクープし話題となった[16]。これについて猪瀬は謝罪[17]をしたが、同時に「質問者に一定の誘導があった」との主張もしている[18]。田淵広子記者は橋下徹の慰安婦に関する発言についても「日本の男の品格は最低である」という趣旨の記事を書いている[19]。
- 2013年6月11日、田淵広子記者は上田秀明の「黙れ」発言にも反応している[20]が、これは拷問禁止委員会における「日本の」NGOの笑いに対して[21]行われたものである(「もちろん、我々は大使の激怒と反論の馬鹿馬鹿しさに笑ったところ」[22]と当事者が証言)。
誤報
- "科学調査と実験の双方から、17世紀にアイザック・ニュートンが発見した物理法則の有効性が実証されつつある。そして今日ロケットが大気中と同様に宇宙空間でも飛行できることは周知の事実となった。当紙は過去のミスを認める。"
- 2000年1月1日に同紙は「昨日までの発行号数は間違いだった」とする異例の訂正を発表。
- "当時の同紙記事によると1898年2月、14499号の翌日を誤って15000として以来、102年にわたって実際より500多い数字が毎日一面に掲載されてきた。"
- 2008年12月23日、同紙は22日付紙面に掲載したドラノエ・パリ市長の投書が偽物だったことがわかり、検証なしに掲載したことを認め、訂正と謝罪をした。
- "パリ市長のものとして掲載された手紙は、ヒラリー・クリントン上院議員の国務長官就任に伴う後継者に名前が挙がっている故ケネディ大統領の長女キャロラインについて「後継の資格がない」「控えめに言っても驚きであり、あまり民主的ではない」と批判していた。"
これまでに何人かの訃報記事をその死に先立って掲載したことがある。
- ウィリアム・ベーア (ニューヨーク大学教授) - 学生のいたずらにより1942年に記事掲載
- アラン・アベル - 自身の巧妙ないたずらにより1980年に記事掲載
- キャスリン・サーガヴァ(バレエ・ダンサー) - デイリー・テレグラフによる記事をうけて2003年に掲載
主要項目
紙面は3つの主要項目により構成されている。
- 1. ニュース News
- 国際、 国内、ワシントンの政治、ビジネス、テクノロジー、サイエンス、健康、スポーツ、ニューヨーク地区、教育、天気、訃報および訂正記事(常設)で構成される。
- 2. 論説 Opinion
- 社説 Editorials , Op-Ed 、および読者からの投稿 Letters to the Editor で構成される。
- 3. 特集 Features
- 芸術、書籍、映画、演劇、旅行、ニューヨークガイド、レストラン・ワイン、家庭とガーデニング、ファッション、クロスワード・ゲーム、カートゥーン、雑誌、週のまとめで構成される。
スタイル
紙面および記事の構成に関しては、一貫して同じスタイルをとっている。人名に言及する際には、通常の名字で呼ぶのではなくその役職、称号を用いる。見出しは語数が多く、重要な記事では副見出しが付される。USAトゥデイにより始められた紙面のカラー化が進んだ際にもモノクロにこだわっていた。紙面におけるトップ記事は一面の上部右側に掲載される。
インターネット版
ニューヨーク・タイムズのウェブ版は1995年に開始された。ニュースサイトの中でも最も利用者が多いサイトの一つである。米国の新聞では、WEB版でもUSAトゥデイ、ウォールストリート・ジャーナルに次ぎ3位である。
2007年9月17日、ニューヨーク・タイムズは、ページビューが増大したことにより、Webサイトの有料部分での購読料金による収入が、トラフィックに伴って増大したサイトの無料部分からの広告収入に見合わなくなったため、課金を取りやめると発表し、翌日の深夜に実行した[23]。サイト全体を全読者へ解放したのに加え、ニューヨーク・タイムズはそれまで最新1週間分を除いて有料だったニュース記事のうち1987年から現在までのものすべてと、米国法の下でパブリックドメインにある1851年から1922年までの全記事を無料化した[24]。
マガジン
本紙日曜版の別冊として、「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」(en)が発行されている。マガジンは1896年の創刊で、本紙に掲載しきれない長文の記事や、カラー写真を大きく掲載したフォト・ルポルタージュ(報道写真)で知られる。2007年1月現在、発行部数は約168万部。
ブック・レビュー
紙面の特集項目に存在する刊行書籍の書評を、高く評価する人がいる。この書評での取り上げられ方によって、売り上げが左右されると言う人もいる。同時に掲載されるベストセラー・リストも、アメリカの読書会における代表的なリストとして知られている。執筆者の1人としてミチコ・カクタニがおり、ピューリツァー賞の批評部門で受賞するなどその書評は高く評価されているが、極めて辛口な記事を書くため批判を受ける事も多い。
経営者および記者など
発行人
- アドルフ・オークス(1896年 - 1935年)
- アーサー・ヘイス・ザルツバーガー(1935年 - 1961年)
- オーヴィル・ドライフス(1961年 - 1963年)
- パンチ・ザルツバーガー (1963年 - 1992年)
- アーサー・オークス・ザルツバーガー・ジュニア(1992年 - )
編集長
- ターナー・カトリッジ (1964年 - 1968年)
- ジェームズ・レストン (1968年 - 1969年)
- 〈空席〉 (1969年 - 1976年)
- エイブ・ローゼンタール (1977年 - 1986年)
- マックス・フランケル (1986年 - 1994年)
- ジョセフ・リリヴェルド(1994年 - 2001年)
- ホゥエル・レインズ(2001年 - 2003年)
- ビル・ケラー(2003年 - )
現在活躍する記者・コラムニスト
- ノリミツ・オオニシ
- ニコラス・クリストフ
- トマス・L・フリードマン
- ポール・クルーグマン
- デイヴィッド・ブルックス
- ウィリアム・サファイア
- モーリーン・ダウド
- ジョン・ティーニー
- ボブ・ハーバート
- フランク・リッヒ
過去に在籍した著名な記者・コラムニスト
- 上杉隆- 元東京支局記者(契約の正式名称はリサーチアシスタント。署名記事を書いたことはない[25])。その後フリージャーナリストに転身。
- ロバート・バーン - 1972年から2006年まで週3回チェスのコラムを執筆した。
- ジェイソン・ブレア- 執筆した記事のうち約40本で捏造、盗作が発覚し、退職した。
- デイヴィッド・ハルバースタム
- フランシス・チャーチ
- ニール・シーハン
- ジュディス・ミラー
アメリカの新聞の部数リスト
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脚注
参考文献
- ハワード・フリール、リチャード・フォーク - 共著、立木勝 - 訳 「『ニューヨークタイムズ』神話 -- アメリカをミスリードした“記録の新聞”の50年」(三交社 2005年11月) ISBN 4-87919-160-4
- 笑われる日本人―ニューヨーク・タイムズが描く不可思議な日本(企画・編集 ジパング編集部 1998年9月) ISBN 4-8123-0615-9