総選挙
テンプレート:選挙 総選挙(そうせんきょ)とは、立法府の議員を全員一度に改選する選挙をいう。
概要
特に議院内閣制を採用する国において、政権を選択する議会選挙に対して用いられる。
総選挙は議員全員がその資格を喪失する場合に実施され、議員全員が議員資格を喪失する事由として任期満了と議会の解散とがある。両院制の場合、下院については解散制度によって議員全員が議員資格を喪失する制度がとられることが多く、総選挙も下院のみに制度化されている場合が多い。しかし、すべての国において総選挙は下院のみで行われているというのは全くの誤りであり、イタリアのように上下両院に解散制度があり上院にも総選挙が行われる制度もある[1]。
イギリスをはじめ、議会の解散が存在する国においては、任期満了まで選挙を待つことは稀であり、一般的には解散権を保持する者(首相)が政権党にとって有利なタイミングを見計らって下院議会を解散することで総選挙が実施される。日本、カナダ等も、このタイプの総選挙を行う国のカテゴリーに属する。
日本
日本では衆議院解散および任期満了に伴う衆議院議員総選挙を指して用いられるのが通例であり、公職選挙法31条も「総選挙」を任期満了あるいは衆議院解散による衆議院議員選挙を指す概念として用いている。
ただし、国会議員の選挙の公示について定めた日本国憲法第7条第4号の「総選挙」については、同条が「国会議員の総選挙の施行を公示すること」と規定しており、衆議院・参議院を問わず各議院の国会議員を選出する基本的な選挙の公示を天皇の国事行為として定めた趣旨であると解されることから、憲法第7条第4号の「総選挙」には参議院議員通常選挙が含まれると解するのが通説である[2]。
総選挙と一般選挙
総選挙の英語訳はGeneral electionであり、また英連邦王国におけるGeneral electionは下院の総員改選を意味し、総選挙と訳される。
一方、アメリカ合衆国で2年ごとに行われるGeneral electionは一般選挙と訳されることが通常である[3]。一般選挙は予備選挙(Primary election)に対置されるニュアンスの言葉として用いられる。一般選挙では、下院の総員改選の他に、3回のうち2回は上院議員選挙、2回のうち1回は大統領選挙人選挙が併せて行われる。また、州知事や州議会議員の選挙、判事・地区教育長・検事長・地区シェリフの選出や多くの法案の住民投票も同時に行われる事が多くマークシート型用紙で投票される。
なお、日本の地方公共団体議会議員の任期満了もしくは解散に伴う選挙(総員改選)も一般選挙と呼ばれる(公職選挙法第33条)。
各国の総選挙一覧
- 出典:IPU PARLINE datebase on national parliaments(2012年3月10日閲覧)。