チェス
チェス(テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-fa šaṭranj シャトランジ)は、2人で行うボードゲーム、マインドスポーツの一種である。先手・後手それぞれ6種類16個の駒を使って、敵のキングを追いつめるゲームである。その文化的背景などから、チェスプレイヤーの間では、チェスはゲームであると同時に「スポーツ」でも「芸術」でも「科学」でもあるとされ[1]、ゲームに勝つためにはこれらのセンスを総合する能力が必要であると言われている[2]
目次
概要
- シャンチー、囲碁と並ぶ世界三大棋類の一つ。
- 欧米圏のみならず、全世界150か国以上で楽しまれている。
- 非常に古い歴史を持つが、インターネット対局などを含め現在でも盛んである。
- カードゲームなども含めたゲーム全般においても、ブリッジと並んで最も多くプレイされている。
- チェスの起源には諸説があるが、一般的には古代インドの戦争ゲーム、チャトランガが起源であると言われている[3][4]。日本においては同じチャトランガ系統のゲームである将棋の方がチェスよりも遥かに競技人口が多く[5]、両者は基本的なルールが似ていることから[6]、チェスは西洋将棋と訳されることもある[4][6][7][8]。一方でチェスと将棋はチャトランガが異なるルートで東西に伝播しそれぞれ異なる変遷を遂げたものであるとされ[4][7]、盤の広さや駒の性能、取った駒の扱いに関するルールの違いなどから、両者は似て非なるゲームであるとも評される[9]。
- 競技としてのチェスは、頭脳によるスポーツの代表格でもある。
- 遊戯としての側面のほかに、ARISF加盟IOC承認スポーツであるなど、スポーツとしての側面も持つ。
- ゲーム理論では、二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される[10]。
用具
テンプレート:チェスの駒 最低限必要な物
公式戦などで必要になる物
- チェス・クロック(対局時計):持ち時間制のゲームを行う場合に使用。
- 棋譜用紙:公式の競技会では、互いのプレイヤーが駒の動きを一手一手記録する必要がある。
チェスのルール(概略)
- ゲームは2人のプレイヤーにより、チェスボードの上で行われる。
- 白が先手、黒が後手となる。
- 双方のプレイヤーは、交互に盤上にある自分の駒を1回ずつ動かす。パスをすることはできない。
- 味方の駒の動ける範囲に敵の駒があれば、それを取ることができる。
- 敵の駒を取った駒は、取られた駒のあったマスへ移動する。取られた駒は盤上から取りのぞく。
- チェスの駒は、他の駒を飛び越して移動することはできない。ただし、ナイトと、キャスリング時のキング・ルークは例外である。
- キングは、敵の駒が利いている場所には移動することができない。
- 相手のキングに、自分の駒を利かせて取ろうとする手を「チェック」と呼ぶ。
- キングが絶対に逃げられないように追い詰めたチェックのことを、「チェックメイト」と呼ぶ。双方のプレイヤーは、相手のキングをチェックメイトすることを目指す。
チェスの歴史(概略)
- チェスの起源は紀元前、古代インドのチャトランガだと言われている[4]。ただしチャトランガがどのようなゲームであったかについては論争がある[11]。詳細は「チャトランガ」を参照。
- ペルシアに伝えられてシャトランジと名を変え、さらにヨーロッパに伝わっていった。
- 8世紀にはロシアに伝えられ、約100年遅れて西ヨーロッパへ伝わる。
- 15世紀末、ルイス・デ・ルセナによるヨーロッパ最初のチェスの本、「チェスの技術」が出版された。
- 16世紀、ほぼ現在と同じルールに固定された。「アンパッサン」、「ツークツワンク」、「キャスリング」などの用語がヨーロッパ各地の言語で生まれていることからもわかるように、ヨーロッパ各地でルールが発展していった。
- 17世紀には、チェスは娯楽として普及。資産家をスポンサーとして競技されるようになる。
- 1749年、フィリドールが『フィリドールの解析』を著し、「ポーンはチェスの魂である」との言葉を残す。
- 1857年、ポール・モーフィーが、アメリカのチェス大会で優勝。翌年ヨーロッパに渡り、ここでも圧倒的勝利を収めている。
- 1886年、ヴィルヘルム・シュタイニッツがツケルトートを破り、「公式」な世界チャンピオンとなる。
- 1935年、アレヒンが1937年にタイトルを奪回、1946年に死去するまでチャンピオンの地位にあった。このアレヒン以降は、ソ連-ロシアのプレーヤーがチャンピオンを保持し続ける時代が長かった。
- 1972年、ボビー・フィッシャーが、ボリス・スパスキーを破ってチャンピオンの座に就く。フィッシャーは「米国の英雄」とも呼ばれたが、1975年防衛戦の実施方法を巡ってFIDEと対立。タイトルを剥奪された。
- 1997年、FIDEは国際オリンピック委員会(IOC)の勧告を受け入れ、挑戦者制をトーナメント制に改めた。
- 2000年、インドのアナンドが優勝。初めてチェス発祥の地にチャンピオンが誕生した。
戦い方
チェスの戦い方は、「戦略」と「戦術」の2つの面で考えられることが多い。「戦略」(Strategy)とは、局面を正しく評価すること、長期的な視野に立って計画を立てて戦うことである。「戦術」(Tactics)とは、より短期的な数手程度の作戦を示し、「手筋」などとも呼ばれる。戦略と戦術は、完全に切り離して考えられるものではない。多くの戦略的な目標は戦術によって達成されること、戦術的なチャンスはそれまでの戦略の果実として得られることが多いからである。
戦略
ゲームの目的は相手のキングを詰めることである。したがって、まず有利な局面を作ることが目標とされる。局面の優劣を評価する上で重要な要素は、駒を得すること(マテリアルアドバンテージ)と、駒がよい位置を占めること(ポジショナルアドバンテージ)である。
- マテリアルアドバンテージ
- チェスにおいては、相手より駒が多いか少ないかが重要な意味をもつ。駒の価値は一般に、P = 1点、N = 3点、B = 3点強、R = 5点、Q = 9点 とされ、合計点数が1点でも違うと、大きな差となる。合計点数が多いことを、マテリアルアドバンテージ(material advantage)をもつという。ポーン(P)を1個多く奪われることは、多くの場合勝敗に大きく影響する。終盤では、ポーンがクイーンになるプロモーションの争いとなることが多いからである。
- ポーンの形
- ポーンは動きに制約があり狙われても容易に逃げることができないので、ポーンが狙われにくい形であることは重要である。両横のファイルに味方のポーンがいないポーンは孤立ポーンと呼ばれ、守るのが困難である。また、ポーンは後退できない駒なので、前進には慎重さを要する。
- キングの安全性・空間・重要なマスのコントロール等も大きな要素である。
戦術
戦術は1手から数手程度で完結する短期的な戦い方の技術である。戦術では「先を読む」ことが重要で、コンピュータが得意とする分野である。戦術においてよく用いられる基本的な手段としては、フォーク(両取り)、ピン、ディスカバードアタック、スキュア(串刺し)などがある。戦術のなかでも、駒の犠牲を払って優位な形やチェックメイトを狙うものは、「コンビネーション」と呼ばれている。
ゲーム全体の流れ
チェスの1局は、序盤・中盤・終盤の3つの局面に分けて考えられることが多い。序盤(Opening)は、最初の10手から25手程度を指し、対局者が戦いに備えて駒を展開する局面である。中盤(middlegame)は、多くの駒が展開され戦いが繰り広げられる局面である。終盤(endgame)は、大部分の駒が交換され盤上からなくなった局面で、キングが戦いにおいて重要な役割をはたす。 チェスの戦い方を表す格言として、「序盤は本のように、中盤は奇術師のように、終盤は機械のように指せ。」[12]という言葉がある。序盤はできるだけ確立された序盤定跡に従うことが望ましい。中盤は記憶では対処できず、その場に応じた巧みさが要求される。終盤は機械的な読み深さの優劣で決まる。
序盤
- 序盤定跡
詳細は、オープニング参照。 序盤定跡については、Batsford Chess Openings 2(BCO2)[13] や、Modern Chess Openings(MCO)[14] が詳しい。
- 序盤の原則
- 中央支配
中央を支配することは要点の一つである。中央を支配することによって陣地が広がるので、自分の駒は移動の選択肢が増え、相手(敵)の駒は移動の選択肢が少なくなる。
白の二つのポーンが d4 と e4 に並ぶか、c4, d4 または e4, f4 に並ぶファランクスは白にとって一つの理想であり、最初の数手はこれをめぐる争いであることが多い。定跡 Queen's Gambit Declined(1. d4 d5 2.c4 e6)の 2.c4(gambit)は、もし黒が 2.… dxc4 と取れば 3. e4 としてファランクスを作る意図であるし、そうしない 2. … e6(declined)は、中央を守ろうとするものである。 - マイナーピースの展開とイニシャティブ
数多くのマイナーピース(NとB)を早く中央寄りに繰り出すことも重要である。最初の位置よりも中央寄りであるほうが、利きが及ぶ点が多く、駒の力を活かすことになる。
さらに、敵の駒に利きを及ぼすことによって、敵の手が制限されてくる。狙われた駒が守られていない駒ならば、それを守る手が必要になるし、狙われた駒が既に守られている駒であっても、その駒を守っている駒が動かせなくなるという制限を受けることになる。つまり、敵の手の選択肢が減ってくる。このような状態をイニシャティブを取った状態という。
Ruy Lopezの 1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 という動きはこれらの原則の典型である。
- 中央支配
競技人口
現在、愛好者数は約7億人とされ、世界中で広く親しまれているゲームのひとつである[15]。日本での競技人口は約2万人である。将棋の663万人、囲碁の243万人に比較するとやや少ない[16]。なお、チェスにはレイティングというものがある。これは囲碁将棋の級などに相当するものである。チェスに興味がある人は登録し年間一試合以上を行うと仮レイティングがつく。日本のチェス人口は囲碁将棋よりやや少ないので、日本ではのチェスELOレイティングが全員公開されている[17]。2013年現在、仮レイティングがついている日本人は77名、累積25局以上の本レイティングのついている日本人は146名である。これを合計すると、最低223名のチェス愛好家がいることが確認される。日本チェス協会[18]によると、これ以外のチェス競技者がこの100倍はいると推定されるそうなので、2013年現在、日本での競技人口は約2万2千3百人前後と推定される。
称号
終身称号 | 備考 |
---|---|
グランドマスター | 男子 GM, 女子 GMW |
国際マスター | 男子 IM, 女子 IMW |
FIDEマスター | 男子 FM, 女子 FMW |
国際審判 | IA |
通信チェスグランドマスター | ICCF GM |
通信チェスシニア国際マスター | ICCF SIM |
通信チェス国際マスター | ICCF IM |
期間称号 | 備考 |
各種世界チャンピオン | 国際チェス連盟が定める規約に従って選出された者 |
各種国内チャンピオン | 国際チェス連盟加盟国協会が定める規約に従い選出された者 |
通信チェス(概略)
通信チェスの概要
- 「通信チェス」とは遠距離の相手と、通信を用いて行うチェスの対局を指す。一つのゲームが一日以内で終了するケースはごくまれで、数日・数週間・数ヶ月かかるのが一般的である。
- OTB:「Over-The-Board chess」のこと。対局者とボードを挟んで、リアルタイムにプレイする通常のチェスを指す。
- 通信チェス:「Correspondence chess」のこと。一般郵便・Eメール・専用サーバなどの通信手段を用いて行われる。
- ゲームの勝敗はすべて管理組織に報告され、レイティングや次の対局などに反映される。
- 通信チェスの世界最大の組織は、ICCF(国際通信チェス連盟)[19]である。日本では、ICCF公認のJCCA(日本通信チェス協会)[20]が管理している。
- JCCAは、以前はJPCA(日本郵便チェス協会)[21]と呼ばれていた。
- インターネットが普及する以前は郵便でのやりとりが多かったため、日本では「郵便チェス」の名で親しまれていた。現在はEメールやWebサーバを使用しての対局が多くなり、変更された組織の正式名称にあわせて「通信チェス」と呼ばれている。
通信チェスの特徴
- 対局は同時刻に行われず、双方が一手一手異なる時間帯にプレイする。
- 持ち時間が時間(Hour)ではなく、日数(Day)単位で規定されている。
- ゲームの対局中でも、書籍やデータベース・ソフトの利用が公認されている。
チェスを指す機械(マシン)
トルコ人
テンプレート:Main 史上最も古い「チェスマシーン」は、1769年にハンガリーの発明家ヴォルフガング・フォン・ケンペレンによってハプスブルク家当主マリア・テレジアを歓待するために作られた、「トルコ人」として知られるものである。トルコ人の衣装を身にまとい、木製キャビネットに鎮座したこの人形は、熟練者級のチェスの腕を披露するだけでなく、ナイト・ツアーをこなし、チェスボード上の文字を指し示すことで観客の質問にも答えたという。
「トルコ人」はまずヨーロッパ、ついでアメリカで興行を行ない、多くの人々を驚かせた。「トルコ人」と対戦した人々のなかには、ナポレオン・ボナパルトやベンジャミン・フランクリンなどの有名人も含まれている。また、人の代わりにチェスをプレーする機械という存在は、エドモンド・カートライトに人の代わりに布を織る機械という発想を与えたともいわれる。
この「トルコ人」は世界初の「チェスマシーン」であるだけでなく、世界初の大型装置を使ったマジック(イリュージョン)としての重要な側面も持つ。つまり、この機械の「人工知能」はまさに人間であり、人が人形の中に隠れて操作をしていたのであった。主催者は興行に先立ってキャビネットの扉を順々に開け、中身が機械仕掛けだらけである事を観衆に提示するが、巧妙な方法で実は中に人が入り込んでいる。
「トルコ人」は1854年、引き取られたアメリカの博物館で火事に遭い、焼失した。
コンピュータ・チェス
チェスの盤面状態の種類は1050、ゲーム木の複雑性は10123と見積もられている[22]。それに対し、将棋の盤面状態の種類は1071、ゲーム木の複雑性は10226で、チェスに比較して将棋の方が複雑であるとみなされる。
ゲーム理論では、チェスのようなゲームは二人零和有限確定完全情報ゲームに分類される[10]。理論上は完全な先読みが可能であるこの種のゲームでは、双方のプレーヤーがルール上可能なあらゆる着手の中から最善手を突き詰めた場合、先手必勝、後手必勝、ないし引き分けのいずれかの結果が最初から決まってしまうことがエルンスト・ツェルメロによって証明されている[23]。
チェスの初手から最終手までにルール上可能な着手は、1950年にクロード・シャノン[24]によって10120と試算されている。その全てを網羅し必勝戦略を導き出すことはいまだ実現に至っていないものの、コンピュータにチェスをさせるという試みはコンピュータの黎明期から行なわれており、コンピュータの歴史と、コンピュータチェスの歴史は並行して歩んできた。
20-21世紀
テンプレート:See also コンピュータチェスの発展と、人間対マシンのチェスでの力関係の歴史について解説する。 1949年にクロード・シャノンが「チェスをするコンピュータのプログラミング」という、プログラムにチェスの手を計算させる方法に関する論文を発表し、評価関数や探索木の作り方について記述し、理論的には考察した(だが実際にプログラムを制作できたわけではなかった)。 実際にチェスを(まがりなりにも最低限)プレイするようなプログラムは1950年代には制作されるようにはなっていた。だが、当初チェスプログラムはとても弱く、人間の頭脳で判断すればすぐに愚かなものだと判断がつくような手を連発するものが多く、人間の中級者(どころか初心者でも)簡単に打ち負かすことができるようなマシン(プログラム)ばかりであった。最も強い部類でもMac Hack VI(マックハック)でせいぜいレーティングは1670と言われる程度にすぎなかった。当時、果たして将来的にでも人間の一流プレーヤーを破ることができるようなプログラムができるのか、という点に関して非常に疑問視されていた。1968年にはインターナショナル・マスターのデイヴィッド・レヴィは「今後10年以内に自分を破るようなコンピュータは現れない」というほうに賭ける賭けを行い、実際1978年に当時最強の<チェス4.7>と対戦し、それに勝った。ただし、当時レヴィは遠くない未来に自分を越えるコンピュータが現れるかもしれない、との感想を漏らした。そして、レヴィがエキシビションマッチでディープ・ソートに敗れたのは1989年のことであった。
コンピュータと人間の力関係の象徴的なものとして世界中の注目を集め、そして結果として人々に深い印象を残したのは、IBMのディープ・ブルーとガルリ・カスパロフの対戦であった。1996年に両者の対戦が行われたところ、6戦の戦績として、カスパロフ(人間の世界チャンピオン)の側の3勝1敗2引き分けで、人間側の勝利であった(人間の世界チャンピオンの頭脳のほうが、世界最強のチェスマシンよりも強いことを知り喜んだり快く思う人、「ほっとした」人も多かった)。ただし、コンピュータチェスを推進する人々からは、初めて人間の世界チャンピオンから1局であれ勝利を収めた、という点は評価された。1997年、ディープ・ブルーが再度ガルリ・カスパロフと対戦し、ようやく初めて世界チャンピオンに勝利を収め、コンピュータチェスの歴史に残る大きな節目(あるいは人類の意味の歴史の一こま)として大々的に報道された。勝利したIBM側は、格好の宣伝材料としてこの出来事を利用し、すぐにディープ・ブルーを解体してしまい、それとの再戦(リベンジ戦、名誉回復戦)はできない状態にしてしまった[25]。
その後のコンピュータと人間の対戦の際立ったものを挙げると、2002年10月に行われたウラジーミル・クラムニク(露)とコンピュータソフト「ディープ・フリッツ」とのマッチでは、両者が引き分け、2003年01月26日から2月7日までニューヨークで行なわれたカスパロフと「ディープ・ジュニア」とのマッチも、1勝1敗4引き分けで両者引き分けに終わり、2003年11月11日から11月18日まで行なわれたカスパロフと「X3Dフリッツ」のマッチも、1勝1敗2引き分けで両者引き分けに終わったこと、また2006年10月に統一世界チャンピオンとなったクラムニクとディープ・フリッツとの6ゲームマッチが、2006年11月25日から12月5日までボンで行なわれ、ディープ・フリッツが2勝4引き分けでマッチに勝った。 ことなどが挙げられよう。
こうして、今日では人間のチャンピオン対コンピュータの対戦もよく行われている。また上記のような特殊なチェス専用マシンでなくても、市販のPC上で走る安価なチェスプログラムの中でも上級者が判断しても十分に強いとされるものが開発され版を重ねており、中級者~初心者でも購入し自宅などで対戦して楽しんでいるファンも多い。
チェスを扱った作品
文学
- ルイス・キャロル 『鏡の国のアリス』
- ウラジーミル・ナボコフ 『ディフェンス』
- レイモンド・スマリヤン(野崎昭弘 訳) 『シャーロック・ホームズのチェス・ミステリー』
- パトリック・セリー(高橋啓 訳) 『名人と蠍』
- ダン・シモンズ 『殺戮のチェスゲーム』
- S・S・ヴァン=ダイン 『僧正殺人事件』
- ダレン・シャン 『デモナータ』
- ベルティーナ・ヘンリヒス 『チェスをする女』
- たけうちりうと 『騎士(ナイト)とビショップ』 『騎士とサクリファイス』 『騎士とテロリスト』 『騎士とプリンス』
- 春原いずみ 『チェックメイトからはじめよう』
- 小川洋子 『猫を抱いて象と泳ぐ』
- ラファエル・ピヴィダル 『08 ou la haute fidélité』
- 瀬名秀明 『第九の日 The Tragedy of Joy』
美術および音楽
西洋の絵画、特に17世紀までのヴァニタスをはじめとする寓意的な静物画には、触覚を示す比喩として、チェスボードや駒が描かれる事がある。また、近現代においては、マルセル・デュシャンは自身もチェス・プレイヤーをしていた経歴をもち、作品に度々登場させている。現代音楽では、ジョン・ケージ(チェスに関してはデュシャンの弟子でもある)が、チェスボード上を動く駒の音を作品に取り入れた例がある。
- ルドヴィコ・カラッチ 『チェスをする人』
- リュバン・ボージャン 『チェス盤のある静物』
- ウジェーヌ・ドラクロワ 『チェスをするアラブ人』
- オノレ・ドーミエ 『チェスをする人』
- アンリ・マティス 『画家の家族』『チェスボードの隣の女』
- パウル・クレー 『スーパー・チェス』
- マルセル・デュシャン 『チェス・プレイヤーの肖像』『ポケットチェスセット』
- ジョン・ケージ(音楽)『0'00" No.2』『チェス・ピース』『再会(Reunion)』(マルセル・デュシャンとの共演)
舞台作品
- バレエ『チェックメイト』(振付:ニネット・ド・ヴァロア、作曲:アーサー・ブリス)
- ミュージカル『Chess』(1984年、作:ティム・ライス)
映画
- 2001年宇宙の旅 - 宇宙船を制御するコンピュータである「HAL 9000」が船員を相手にチェスを指す場面がある。チェスで人間を負かす程の知能を持つHAL 9000は、後に船員に対して反乱を起こす。
- ボビー・フィッシャーを探して
- X-MEN - 主人公側の超能力者グループを率いる指導者と、それと敵対する超能力者グループを率いる指導者は、かつては親しくチェスを指す親友同士であったという描写が登場する。
- ハリー・ポッターと賢者の石 - 原作小説、および映画のクライマックスで、主人公らが人間を駒に見立てたチェスを用いて敵対者と対決する場面がある。
- 華麗なる賭け
- 愛のエチュード
- 007 ロシアより愛をこめて
- チェスをする人(サタジット・レイ監督)
- 美しき獲物(クリストファー・ランバート&ダイアン・レイン)
- キューブ ゼロ(CUBE ZERO)
- 相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン
- ナイト・オブ・チェス/夢のちから
- 世にも奇妙な物語 映画の特別編 『チェス』
- ゲーリーじいさんのチェス
- デスノート - 映画版には、自分自身が黒幕であることを隠して警察に協力する主人公と、それを暴こうとする好敵手が、チェスで勝負を繰り広げる場面がある。
- デスノート the Last name
テレビ
漫画
- マンガでおぼえるチェス入門 ISBN:9784381104229 (絶版)
- 雪リコ 『チェックメイト』
- 磯見仁月 『クロノ・モノクローム』
アニメーション
- カウボーイビバップ(Session#14「ボヘミアン・ラプソディ」)
- コードギアス 反逆のルルーシュ - 主人公の特技はチェスという設定があり、作戦行動をチェスの戦局に例えるなど、様々な場面でチェスの用語やチェスセットが象徴的に登場する。対局の場面もある。
- うみねこのなく頃に- 主人公の考え方の一つ(元は母、霧江の考え方)にチェス盤思考と言うものがある。「ここでチェス盤をひっくり返す」と言う言い方をし、相手と自分の位置をひっくり返して考えること。
- ダーティペア(テレビ版)第24話
- ハイスクールD×D- 主人公や人間を悪魔を転生させるために用いる「悪魔の駒」と言うものがあり、それは、チェスの駒になぞらえられている。
注釈・参考文献
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関連項目
- チェス用語一覧
- チェスプレーヤーの一覧
- コンピュータチェス
- チェス・プロブレム - チェスのルールにそったパズル。
- エンドゲーム・スタディ - 同上。
- 変則チェス(フェアリー・チェス)
- チェス960(フィッシャー・ランダム・チェス)
- チェスボクシング - チェスとボクシングを交互にするスポーツ。
- 2006年アジア競技大会(チェスを種目に採用)
- ワールドマインドスポーツゲームズ - 2008年に第1回大会が開催。5競技種目の一つとしてチェスを採用。
- アリマア - 類似のボードゲーム。
- 将棋 - 類似のボードゲーム。
外部リンク
テンプレート:Sister テンプレート:Sister テンプレート:Sister
- JCA(日本チェス協会)
- JCCA(日本通信チェス協会)
- FIDE(国際チェス連盟)
- ICCF(国際通信チェス連盟)
- 2CHチェスサークル
- チェス入門
- チェス用語小辞典(英和)
- Chessworld
- ChessBase.com
- Chessgames.com
- Checkmate Japan
- Wildchess.org
- チェスデザイン
テンプレート:Link GA
- ↑ 『チェスの本』 フランスワ・ル・リヨネ 成相恭二訳 白水社 ISBN 4-560-05603-X
- ↑ テンプレート:Cite book
テンプレート:Harvtxt - ↑ テンプレート:Harvtxt
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 テンプレート:Cite encyclopedia
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- ↑ 6.0 6.1 テンプレート:Cite book
- ↑ 7.0 7.1 テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite web
テンプレート:Citation
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テンプレート:Cite encyclopedia
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テンプレート:Citation
テンプレート:Citation
テンプレート:Cite encyclopedia - ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 10.0 10.1 テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Harvtxt
- ↑ この格言の出典については、チェルネフとスピールマンの二説がある。前者は「最新図解チェス」(渡井美代子、日東書院)などに、後者は英語版ウィキクオートなどに記載されている。
- ↑ Garry Kasparov, Raymond Keene (1989). Batsford Chess Openings 2, Henry Holt and Company. ISBN 0-8050-3409-9.
- ↑ Nick De Firmian (1999). Modern Chess Openings: MCO-14, Random House Puzzles & Games. ISBN 0-8129-3084-3.
- ↑ [1]
- ↑ [2]
- ↑ [3]
- ↑ [4]
- ↑ ICCF:International Correspondence Chess Federation
- ↑ JCCA:Japan Correspondence Chess Association
- ↑ JPCA:Japan Postal Chess Association
- ↑ Yen, Chen, Yang, Hsu (2004) "Computer Chinese Chess"
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ テンプレート:Cite journal
- ↑ その後、人間がコンピュータに負けにくいアリマアという新しいボードゲームが考案された。