スパイ大作戦
テンプレート:Infobox television 『スパイ大作戦』(スパイだいさくせん、原題: Mission: Impossible)は、1966年から1973年まで放送されたアメリカ合衆国のテレビドラマ。毎回1時間枠、全171話。
目次
内容
アメリカ政府が手を下せない極秘任務を遂行するスパイ組織・IMF(Impossible Mission Force、不可能作戦部隊)[1]メンバーの活躍を描くアクションドラマ[2]。原題Mission: Impossibleは実行不可能な指令の意。
指令
基本的な話の流れは、「リーダーが“当局”からの指令を受ける」、「リーダーが作戦を立て、作戦に参加するメンバーを選ぶ」、「打ち合わせ」、「作戦開始(〜作戦実行)」、「任務完了」である。指令の伝達に於いて、“当局”の人間とリーダーは直接に会わない。リーダーは、事前に何らかの連絡方法で伝えられた指令伝達場所に出向いて、小型オープンリール式テープレコーダー等(LPレコード、ワイヤー式レコーダー、8トラックテープなど)に録音された指令を聞き、写真や資料の閲覧をし、写真や資料を入手する。指令の最後には「リーダーやメンバーが捕えられ、或いは殺されても当局は一切関知しない」及び、「なおこのテープは自動的に消滅する」とのメッセージが入っており、指令再生が終わると化学反応で自然発火するなどの仕掛けにより、録音部分は消滅し再生が出来ない状態になる。また、独自に録音テープ等を破棄せよとの指令の場合もあり、焼却炉等に投げ込んで処分する。
殆どの指令は“当局”が出すが、それ以外から脅迫されるケース(第1シーズン第8エピソード「誘拐に挑戦しろ(THE RANSOM)」)もある。
メンバーの設定、特徴、作戦に於ける役割等
- ダン・ブリックス(テレビシリーズ 第1シーズン)
- 初代リーダー。リーダーとして冷静でクール。変装等もして作戦に参加。一部のエピソードでは、標的の人物と元々面識があったなどの理由で作戦の実行にほとんど関与しない場合もあった。
- ローラン・ハンド(テレビシリーズ 第1 - 第3シーズン)
- 本職は俳優。変装と声色、手品の名人。作戦においては、様々な人物にラバー製のフェイスマスク等を装着し特殊メイク等も駆使し変装、扮装して相手側を騙す(作戦が行なわれる現地での室内など(作戦の行なわれる別室などや、別のホテル室内や隠れ家などで)フェイスマスク等の制作もしている)。度々、作戦対象である人物本人に変装する事もある。作戦では、写真等の資料を基にしてラバー製のフェイスマスクを製作したり、映像等を基にして、変装対象者の仕草や声色の練習等もし作戦の準備をする。時には、同一の作戦で複数の人物に変装することもある。
- シナモン・カーター(テレビシリーズ 第1 - 第3シーズン)
- 元モデル。雑誌「エリート」のカバーガールとして表紙を飾っていた美貌の持ち主。看護士の資格も持つ。作戦における唯一の女性メンバーであり、女性特有の様々な役柄に、変装、扮装したりして作戦に参加。持ち前の美貌を武器に、作戦対象の相手側人物に取り入られるためのお色気担当も多い。「閉所恐怖症」という弱点もある。
- シナモンに指令が出たことがある(「偽造フィルムを暴露せよ」にて、リーダー役の俳優が出演しない為。作戦を立て人選を誰がしたのかは不明。作戦中のリーダーはローラン。)。
- バーニー・コリアー(テレビシリーズ 第1 - 第7シーズン)
- 「コリアーエレクトロニクス社」の社長。電子・機械工学のエキスパート。作戦に必要な特殊機材の開発、設計、製作、機材の操作などを担当。作戦に際し、秘密裏に建物等に潜入したり、各種修理・工事業者等の職員に扮して作戦先に赴き、修理・工事等をするふりをして、作戦に必要な技術的改造や特殊機材の設置、機材の操作をするといった裏方の仕事も多い。他にも運転手なども担当。
- ウィリー・アーミテージ(テレビシリーズ 第1 - 第7シーズン)
- 重量挙げの元世界チャンピオン。怪力の持ち主で筋肉隆々。主に軍人、警察官、警備員、運転手等に扮して作戦に参加。怪力を武器に、作戦に必要な荷物等を大型のトランク等に偽装した物(中身は、各種機材や、人間等)を手に持って運んだり、服装内に装着して(中身は、ドラマ内での設定の小型コンピューター機材等)、搬入、搬出には欠かせない存在。怪力ゆえ、重量物を持って(服装内に重量物を隠しても)移動しても通常の行動と見えて作戦相手側を欺いた。バーニーと同じく(秘密裏に建物等に潜入したり、各種修理・工事業者等の職員に扮して作戦先に赴き行動したり)、裏方での仕事も多い。
- ジム・フェルプス(テレビシリーズ 第2 - 第7シーズン)
- 二代目リーダー。初代リーダーと同じく冷静でクール、多くの作戦に変装等もして参加。以後、長期間リーダーを務める。
- 「新スパイ大作戦」のリーダーも担当。
- 二代目リーダー。初代リーダーと同じく冷静でクール、多くの作戦に変装等もして参加。以後、長期間リーダーを務める。
- アメージング・パリス(テレビシリーズ 第4 - 第5シーズン)
- ローラン・ハンドに替わって加入。変装等と声色のエキスパート。(東京での作戦では、歌舞伎役者に扮して、日本人も騙されるほどの変装、扮装をして日本語を話した(第5シーズン「『怪物』粉砕作戦」))。
- トレイシー(テレビシリーズ 第4シーズン) - 準レギュラーとして、7エピソードに出演
- 女性メンバー。
- ダグ・ロバート(テレビシリーズ 第5 - 第6シーズン)
- 医師の資格を持つ。
- ダナ・ランバート(テレビシリーズ 第5シーズン)
- 女性メンバー。女性特有の役柄に扮し、美貌を最大の武器に作戦に参加。
- リサ・ケイシー(テレビシリーズ 第6 - 第7シーズン)
- 女性メンバー。変装の名人。女性特有の役柄に扮し、美貌を武器に作戦に参加することも多い。
- ミミ・デイビス(テレビシリーズ 第7シーズン)
- 女性メンバー。リサの海外出張での不在中に作戦に参加。
出演者
俳優 (日本語吹替) |
第1シーズン | 第2シーズン | 第3シーズン | 第4シーズン | 第5シーズン | 第6シーズン | 第7シーズン |
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スティーヴン・ヒル (若山弦蔵) |
ダン・ブリックス[3] (初代リーダー) |
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マーティン・ランドー (納谷悟朗) |
ローラン・ハンド[4] | ||||||
テンプレート:仮リンク (山東昭子) |
シナモン・カーター | ||||||
グレッグ・モリス (田中信夫) |
バーニー・コリアー | ||||||
テンプレート:仮リンク (小林修) |
ウィリー・アーミテージ | ||||||
ピーター・グレイブス (若山弦蔵) |
ジム・フェルプス(二代目リーダー) | ||||||
レナード・ニモイ (納谷悟朗) |
アメージング・パリス | ||||||
テンプレート:仮リンク (平井道子) |
トレイシー[5] | ||||||
サム・エリオット (広川太一郎) |
ダグ・ロバート | ||||||
レスリー・アン・ウォーレン (池田昌子) |
ダナ・ランバート | ||||||
テンプレート:仮リンク (鈴木弘子) |
リサ・ケイシー[6] | ||||||
テンプレート:仮リンク (此島愛子) |
ミミ・デイビス[7] | ||||||
テンプレート:仮リンク (大平透) |
指令の声 |
テーマ音楽
作曲:ラロ・シフリン
- シフリンが手掛けた五拍子のテーマ曲は、本作の映画化作品『ミッション:インポッシブル』シリーズにも使われ、そのサウンドはテレビシリーズを知らない世代にも浸透する魅力を持ち続けている。
日本では、テレビ・ラジオの番組中などで、「作戦」等を実行するようなイメージの場面等では、『スパイ大作戦』のテーマ音楽が使われたり、オープニング映像での導火線にマッチで火を点ける映像を模した映像が使われたり(日本版でのオープニング映像の、「スパイ大作戦」のタイトル文字が爆発するイメージのアニメーション映像なども)、日本版のオープニング映像でのナレーション(「実行不可能な指令を受け、頭脳と体力の限りを尽くし、これを遂行するプロフェッショナル達の秘密機関の活躍である。」)や、指令録音の後半部分(「例によって、君、もしくは君のメンバーが捕えられ、あるいは殺されても、当局は一切関知しないからそのつもりで。成功を祈る」)を模した、ナレーションが使用されることも多い(映像、ナレーションを単独、または併用する場合もある)。
放送局
- アメリカ合衆国
- 初回放映:CBS(デジル・プロダクション制作)
- 日本
- 初放映:フジテレビ系列[8]
- 全171話を放送(日米では放映順が異なる。また、アメリカ国内でのオリジナル版の放送も、番組撮影順ではない)。
- オープニングタイトルで「スパイ大作戦」の文字が爆発するアニメーションは、日本語吹替え版での演出。オープニングタイトルでのナレーション(声:小山田宗徳)は、『「スパイ大作戦」「実行不可能な指令を受け、頭脳と体力の限りを尽くし、これを遂行するプロフェッショナル達の秘密機関の活躍である。」』
- 日本語吹替版においては、番組冒頭で指令を受け、リーダーが作戦参加メンバーをファイルより選んでいる場面で、リーダー自身が作戦の概要を語っている(ナレーションしている)ことがある。これは、ドラマの作戦内容が分かりづらいとの配慮による日本語吹替版独自の趣向であり、オリジナル版では作戦概要の語り(ナレーション)はされていない。
- 初放映:フジテレビ系列[8]
主な受賞歴
- MISSION: IMPOSSIBLE(作品)
- 1967年:エミー賞 ドラマ部門 最優秀作品賞
- 1968年:エミー賞 ドラマ部門 最優秀作品賞
- 1968年:ゴールデングローブ賞 テレビドラマ部門 最優秀作品賞
- ブルース・ゲラー(脚本)
- 1967年:エミー賞 ドラマ部門 脚本賞(「核弾頭を奪え」)
- ラロ・シフリン(作曲)
- 1968年:グラミー賞 映画・テレビサウンドトラック部門
- バーバラ・ベイン(シナモン役)
- 1967年:エミー賞 ドラマ部門 主演女優賞
- 1968年:エミー賞 ドラマ部門 主演女優賞
- 1969年:エミー賞 ドラマ部門 主演女優賞
- マーティン・ランドー(ローラン役)
- 1968年:ゴールデングローブ賞 テレビドラマ部門 男優賞
- ピーター・グレイブス(ジム役)
- 1971年:ゴールデングローブ賞 テレビドラマ部門 男優賞
劇場版
日本では、第2シーズン「黒の壊滅命令(前編・後編)」を再編集したものが『スパイ大作戦/薔薇の秘密指令』のタイトルで1968年に劇場公開された。
ビデオソフト
北米ではビデオカセットの衰退期にビデオソフトが限定発売された。日本国内で発売されたビデオソフト(LD、DVD)でのエピソード順は、アメリカでの放送シーズン、放送話数に準じている(日本国内でのテレビ放送での放送話数とは順番が多少異なる)。ビデオテープでの販売等に関しては、放送順ではなく第2シーズン以降の作品がビデオ化されているものが多い。
ビデオ(VHS)
- 北米ではビデオテープ版は当初コロンビア・ハウスから会員制のみで発表されていたが、のちグッドタイムズ・エンターテインメントより第3シーズンまで、その後パラマウント・ホームビデオから『The Best of Mission: Impossible』(6巻組セット・12話入)が1996年と2000年の2回に分けて発売されていた(合計42話)。このバージョンはレーザーディスクでも発売された。
- 日本では、「厳選「スパイ大作戦」完全版」(ノーカット 日本語吹替版) / CIC・ビクタービデオ
- ノーカット 日本語吹替版として、日本語吹替えでカットされていた部分は、オリジナル吹替えキャスト及び新たな吹替えキャストによる吹替え。(新たな吹き替えキャストは、以下に記載されているDVDで発売の日本語吹替えと同じキャストだと思われる。)
- オープニングタイトルは、日本でのテレビ放送でお馴染みの、「スパイ大作戦」のタイトルが収録されている。(タイトル最初は青い画面で「スパイ大作戦」の白い文字が表示され、タイトルの終わり部分では「スパイ大作戦」の白い文字が爆発し、赤い画面で「スパイ大作戦」の白い文字が表示されるアニメーション映像。)エンディングでは、本国オリジナル版のエンディングが収録されている。
- 1997年2月28日発売
- 薔薇の秘密指令 前後篇(PSL-40232)
- 焼土作戦/未亡人は二度生まれる(PSL-40233)
- スリラー作戦/ヒスイの印璽(PSL-40234)
- 密室の金塊/スパイ交換作戦(PSL-40235)
- 欺瞞作戦/ウィークポイントをつけ!(PSL-40236)
- 地下百メートルの円盤 前後篇(PSL-40237)
- 1997年8月21日発売
- 暗殺計画に便乗しろ/両面陽動作戦(PSL-40242)
- 王手/ストレートフラッシュ(PSL-40243)
- 処刑作戦/殺人者の罠(PSL-40244)
- 奇跡のカムバック 前後篇(PSL-40245)
- 一千万ドル強奪事件/奴を証人席へ(PSL-40246)
- 女スパイが燃える時/ガラスの監房(PSL-40247)
- 1998年2月21日発売
- 地下よりの脱出/第二の防衛配置図(PSL-40272)
- 第三の町/毒には毒をもて(PSL-40273)
- 不死鳥を葬れ/鉄条網とリンチ(PSL-40274)
- 二重スパイをでっちあげろ/甦ったプリンセス(PSL-40275)
- 生体実験/幻の契約書(PSL-40276)
- 金庫へ追い込め/プルトニューム240(PSL-40277)
- 2000年7月20日発売
- トリック/脱出口(PSL-40332)
- 対奴隷作戦 前後篇(PSL-40333)
- 偽造紙幣マシン/雲上のマイクロフィルム(PSL-40334)
- イメージをダブらせろ/恐怖のリモートコントロール(PSL-40335)
- 独裁宣言/酸素テントの中(PSL-40336)
- 巨頭会談/ニトログリセリン(PSL-40337)
レーザーディスク
- 北米では、パラマウント・ホームビデオから『The Best of Mission: Impossible』(12話入)が1996年と2000年の2回に分けて発売されていた(合計42話)ビデオ版と同じものが。レーザーディスクでも発売された。
- 日本では、第1シーズンから第4シーズンまでパイオニアLDC(現ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン)から発売されていた。
- 各シーズンともVOL1、VOL2と分割され、ボックスになっている。
- オープニングタイトルとエンディングは、ビデオ(VHS)と同様に、日本でのテレビ放送でお馴染みの「スパイ大作戦」のタイトルのオープニングと、本国オリジナル版のエンディングが収録されている。
- ノーカット版。日本語吹替え版(テレビ放送など)で、カットされていた部分は、吹替えではなく日本語字幕が表示される。[9]
DVD
- DVDは、全シーズンがパラマウント・ホームエンターテインメントから発売されている(シーズンごとのBOX)。映像はデジタルリマスター化された。第1シーズンが2006年に発売されたのを皮切りに、その後も順次、第7シーズンの2009年(日本版は2010年)発売まで続いた。
- コンプリート・シリーズが米国では2009年11月に、日本版では2011年11月に発売された。
- 日本版DVDには、放映当時の日本語音声が収録されているが、当時日本でカットされ日本語音声の存在しない部分については、当時と同じキャスト、もしくは下記の追加キャストによる吹き替えで補完がなされている。
DVD付き分冊誌
2010年2月9日にデアゴスティーニ・ジャパンからDVDつき分冊誌「週刊 スパイ大作戦 DVDコレクション」(全85号)が発売開始。第2 - 第7、第1のシリーズ順で全エピソードが収録され、2011年9月27日に最終第85号が発売された。
続編(テレビシリーズ)
リメイク作品(映画)
- ミッション:インポッシブル(1996年)
- M:I-2(2000年)
- M:i:III(2006年)
- ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル(2011年)
ゲーム
脚注
関連項目
外部リンク
- スパイ大作戦 パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパンによる公式サイト
- スパイ大作戦 DVDコレクション デアゴスティーニ・ジャパン公式サイト内の特設ページ(現在 ホームページ内の「スパイ大作戦 DVDコレクション」特設ページの掲載はなし 取り扱いもなし)
- Super! drama TV スパイ大作戦 Super! drama TVによる作品ホームページ
- ↑ 実在するIMFこと国際通貨基金とは一切関連はない。
- ↑ イントロダクションParamount Japan
- ↑ 宗教上の理由から金曜日夜間の撮影に参加できないという制約があり、指示の受取から作戦の立案までしか姿を見せない、あるいは全く登場しないエピソードが一部存在する。詳細は「スティーヴン・ヒル」の項目を参照。
- ↑ 第1シーズンにはゲスト扱いでクレジットされているが、実際にはほとんどの話に出演しており、第2シーズンから正式にレギュラー扱いになった。
- ↑ 準レギュラーとして、7エピソードに出演。
- ↑ プライベートでの出産に伴う休暇の為、第7シーズンは一時出演していない。
- ↑ リサ役のリンダ・デイ・ジョージの出産に伴う休暇のため、代役で出演。
- ↑ 日本テレビ系列である青森放送でも日曜日22:30から放送していた。
- ↑ 放送当時の日本語吹き替えの音声のみ収録されている。