木曜ミステリー

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テンプレート:Sidebar with collapsible lists 木曜ミステリー(もくようミステリー)は、テレビ朝日系列フルネット24局で毎週木曜日19:58[1] - 20:54(JST)に放送されていた、東映製作のテレビドラマ枠である。

概要

それまで同時間帯で時代劇を製作していた東映京都撮影所が、時代劇から転換し1999年1月14日より始まった現代劇枠である。「ミステリー」の名称通り推理ドラマ色が強く、時代劇枠だった時代や、当枠と同じく東映制作・テレビ朝日放映である水曜21時台の刑事ドラマ枠と同様に、固定された長期シリーズ作品を3カ月や半年で区切って交互に放送する体制を基本としている。

東映京都制作であることから、原則として京都を舞台とした作品が多い。しかし舞台は京都でも、セリフは京言葉でなく標準語が使われている[2]。また水曜21時刑事ドラマ枠と異なり、主人公の職業は警察署員でも刑事以外の役職や、警察以外の職業であることが多い。初期はコメディ色の強いエピソードも多かったが[3]、次第に薄くなっている。

その他

開始当初は20:00 - 20:54(JST、以下略)に放送していた。

1999年7月から2000年3月までの9カ月間は、関東地方のみ19:59 - 20:54の放送で、1分間放送が長かった。2000年4月から9月までは、『ニュースステーション』が21:54からのフライングスタートに伴い、全体的に6分早まった19:54 - 20:48に放送されていたこともあったが、同年10月以降、再度20:00 - 20:54に戻った。

2003年10月期には、「開局45周年記念」として、京都以外が舞台となる『西部警察2003』が全10回で放送予定だったが、ロケ先の名古屋での撮影中の事故により制作・放送中止となり、急遽2004年1月期からスタート予定であった『新・京都迷宮案内』が繰り上がった。また、この影響で2004年に放送された『異議あり!女弁護士大岡法江』は東京が舞台となった。

2006年1月5日に、新春サスペンス特別企画として、『黒いバッグの女』が放送された。「月刊ドラマ」誌2006年1月号に掲載された脚本の西岡琢也の言によれば、長年、連続ドラマ『京都迷宮案内』を手掛けてきたご褒美に何か一つ、自由に書いていいと言われて企画がはじまったドラマだという。この出演者には、橋爪功名取裕子など、歴代作品の主役や準主役級が出演し、設定上にも「京都日報」などが登場した。なお「京都日報」は、木曜ミステリーにおいて新聞が小道具として使用されるシーンに頻出し、主人公の購読紙となっている作品(新・科捜研の女シリーズなど)もある[4]

民放のドラマ番組では珍しく、前半枠・後半枠とも前提供のみ提供コメントを行っている(後提供は本編中に表示)。以前は時代劇時代からの流れで1時間通しで、筆頭協賛社の企業読みもあったが、現在は全て30秒スポンサーであるため企業読みは省略され「ご覧のスポンサー」の扱いである。

なお、2時間スペシャルが放送される場合は20時台の前半枠・後半枠のみに適用され、21時台は木曜ドラマ枠のスポンサーがそのまま入るため、前提供・後提供とも提供コメントを行う(木曜ドラマ枠が2時間スペシャルで行われる場合でも同様)。BS朝日でも、月曜日から木曜日に放送される「ドラマ6」枠(18:00~18:55)、及び「ドラマ7」枠(19:00~19:55)で本番組が再放送される際にも稀にスポンサーが付くことがあるが、こちらは地上波初回放送とは異なり、前半枠・後半枠のない1時間通しとなる。

2010年4月22日放送分からのジャンクションは、直前番組『いきなり!黄金伝説。』の出演者(ココリコほか)が「『黄金伝説。』の後は、『木曜ミステリー、○○』!」と言う演出になった(『木曜ミステリー』を省く場合もあり。なおフライングスタートの際はステブレレス)。また直後番組『木曜ドラマ』へのジャンクションは、主演者が「『○○』の後は、『木曜ドラマ、○○』」と言ってから行う(こちらも『木曜ドラマ』を省く場合もあり)。

2009年4月から木曜ミステリーの裏番組になった「ぐるぐるナインティナイン」内のコーナー「グルメチキンレース・ゴチになります!」で長きに亘ってレギュラー出演していた船越英一郎は、木曜ミステリーの主演シリーズを優先するため、「ゴチになります」に出演できなくなった。2009年4月9日をもって準会員(不定期のゲスト格)になり、木曜ミステリー休止時に単発ゲストで出演している。

なお、2012年10月 - 2013年6月の間、回によってはテレビ朝日ほか一部系列局において、通常より2分繰り上げ・拡大の19:58開始とすることがあった(その他のテレビ朝日系列局では通常通りの放送枠で、20:00に飛び乗った。)が、2013年7月以降[5]、テレビ朝日ほか一部系列局において、通常編成時には従前より2分繰り上げ・拡大の19:58開始に変更した(その他のテレビ朝日系列局では従前通りの放送枠で、20:00に飛び乗る)。

2014年6月、『刑事110キロ』(第2シーズン)を最後に本枠を一旦廃枠とし、翌月7月から9月まで『信長のシェフ(第2シリーズ)』を放送している。

2014年10月、『科捜研の女』(第14シーズン)が放送されると同時に、本枠も復活することになった。

視聴率

視聴率傾向は、定番シリーズを中心に10 - 15%あたりで安定している。2013年3月現在、視聴率15%以上を取った放送回は下表のとおりで、上位4位までは全て『科捜研の女』、上位10位中でも6回は『科捜研の女』である。また上位10位のうち、6回が初回、最終回、特番など2時間拡大スペシャルでの放送回となっている。作品シリーズ別での内訳は、『科捜研の女』が15回、『おみやさん』と『京都迷宮案内』が各5回、『京都地検の女』が2回、『その男・副署長』が1回。

木曜ミステリー作品の歴代視聴率15%以上の放送回
順位 タイトル 放送日 視聴率
1 科捜研の女[11] 第1話(初回スペシャル) 2011年10月20日 17.1%
新・科捜研の女[4] 第8話 2008年6月12日
3 科捜研の女 2時間スペシャル(特番) 2010年3月19日 16.9%
4 新・科捜研の女 2時間スペシャル(特番) 2008年3月13日 16.6%
5 新・京都迷宮案内[3] 第10話(最終回スペシャル) 2006年3月16日 16.5%
6 科捜研の女[10] 第1話(初回スペシャル) 2010年7月8日 16.4%
その男・副署長[1] 第7話 2007年6月7日
8 科捜研の女[9] 第9話 2009年9月3日 16.3%
9 京都迷宮案内[4] 第6話 2002年2月14日 16.2%
10 京都地検の女[8] 第1話(初回スペシャル) 2012年7月5日 16.0%
11 科捜研の女[9] 第1話(初回スペシャル) 2009年7月2日 15.9%
おみやさん[5] 第6話 2006年11月30日
13 科捜研の女[9] 第7話 2009年8月20日 15.8%
14 科捜研の女[3] 第8話(最終回スペシャル) 2001年12月20日 15.7%
15 科捜研の女[11] 第4話 2011年11月10日 15.5%
科捜研の女[9] 第2話 2009年7月9日
17 おみやさん[7] 第1話(初回スペシャル) 2010年4月15日 15.4%
新・京都迷宮案内[3] 第7話 2006年2月23日
19 科捜研の女[10] 第10話(最終回スペシャル) 2010年9月16日 15.3%
おみやさん[6] 第9話 2009年1月22日
新・科捜研の女[2] 第10話(最終回) 2005年9月15日
22 新・京都迷宮案内[3] 第6話 2006年2月16日 15.1%
23 京都地検の女[6] 第9話(最終回) 2010年12月9日 15.0%
科捜研の女[10] 第7話 2010年8月26日
科捜研の女[9] 第4話 2009年7月30日
おみやさん[6] 第2話 2008年10月30日
おみやさん[5] 第1話 2006年10月19日
新・京都迷宮案内[2] 第1話 2004年10月28日

過去に放送された作品

1999年

2000年

2001年

2002年

2003年

  • 京都迷宮案内[5] 出演:橋爪功、的場浩司、大路恵美、北村総一朗、野際陽子
  • おみやさん[2] 出演:渡瀬恒彦、櫻井淳子、加勢大周、七瀬なつみ、片桐竜次谷啓ほか
  • 京都地検の女 出演:名取裕子、船越英一郎、国分佐智子、渡辺いっけい、蟹江敬三ほか
  • 新・京都迷宮案内 出演:橋爪功、国生さゆり小木茂光、北村総一朗、野際陽子ほか

2004年

2005年

2006年

  • 新・京都迷宮案内[3] 出演:橋爪功、国生さゆり、小木茂光、西田健、北村総一朗、野際陽子ほか
  • 京都地検の女[3] 出演:名取裕子、船越英一郎、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三ほか
  • 新・科捜研の女[7] 出演:沢口靖子、内藤剛志、加藤たか子、小野武彦、田中健ほか
  • おみやさん[5] 出演:渡瀬恒彦、櫻井淳子、友近林泰文、不破万作、片桐竜次、谷啓ほか

2007年

2008年

  • 新・京都迷宮案内[5] 出演:橋爪功、国生さゆり、小木茂光、西田健、北村総一朗、野際陽子ほか
  • 新・科捜研の女[8] 出演:沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、加藤貴子、小野武彦、田中健ほか
  • その男、副署長〜京都河原町署事件ファイル〜[Season2] 出演:船越英一郎、田中美里、宇梶剛士、萬田久子ほか
  • おみやさん[6](2クール) 出演:渡瀬恒彦、櫻井淳子、七瀬なつみ、林泰文、不破万作、片桐竜次、菅井きんほか

2009年

  • 京都地検の女[5] 出演:名取裕子、寺島進、益岡徹、渡辺いっけい、蟹江敬三ほか
  • 科捜研の女[9] 出演:沢口靖子、内藤剛志、若村麻由美、加藤貴子、小野武彦、田中健ほか
  • その男、副署長[Season3] 出演:船越英一郎、田中美里、宇梶剛士、本田博太郎、萬田久子ほか

2010年

2011年

2012年

2013年

  • 科捜研の女[12] 出演:沢口靖子、若村麻由美、風間トオル、田中健、内藤剛志ほか
  • 刑事110キロ 出演:石塚英彦中村俊介星野真里竹下景子、高畑淳子ほか
  • 京都地検の女[9] 出演:名取裕子、寺島進、大杉漣、益岡徹、蟹江敬三ほか
  • 科捜研の女[13] 出演:沢口靖子、若村麻由美、風間トオル、金田明夫、内藤剛志ほか

2014年

  • 刑事110キロ[2] 出演:石塚英彦、中村俊介、星野真里、高畑淳子ほか
  • 科捜研の女[14] 出演:沢口靖子、若村麻由美、風間トオル、金田明夫ほか

常連スタッフ

この枠は違う番組でも同じスタッフが登板することがよくあり、この枠の独特の色をつくっていると言える。

  • 企画、チーフプロデューサー:井土隆(テレビ朝日) [6]
  • 脚本
    • 砂本量(舞妓さんは名探偵、科捜研の女、京都潜入捜査官、オヤジ探偵2、おみやさん)[3]
    • 林誠人(京都迷宮案内、別れる2人の事件簿、おみやさん)
    • 西岡琢也(京都迷宮案内、京都地検の女、黒いバッグの女)
    • 櫻井武晴(オヤジ探偵、科捜研の女、その男、副署長、加茂伸之介)
    • 塩田千種(京都迷宮案内、おみやさん、京都地検の女、その男、副署長)
    • 岩下悠子(おみやさん、新・科捜研の女、京都地検の女、その男、副署長、加茂伸之介)
    • 深沢正樹(科捜研の女、おみやさん、女刑事みずき)
    • 真部千晶(女刑事みずき、新・科捜研の女、その男、副署長、ホンボシ)
  • 監督
    • 黒沢直輔(京都迷宮案内、京都潜入捜査官、黒いバッグの女)
    • 橋本一(京都迷宮案内、舞妓さんは名探偵、科捜研の女、別れる2人の事件簿、京都潜入捜査官、異議あり!、女刑事みずき、加茂伸之介)
    • 辻野正人(京都始末屋事件ファイル、科捜研の女、別れる2人の事件簿)
    • 和泉聖治(オヤジ探偵、おみやさん)
    • 麻生学(オヤジ探偵、京都地検の女、女刑事みずき)
    • 森本浩史(オヤジ探偵、京都迷宮案内、おみやさん、京都地検の女、新・科捜研の女、その男、副署長、加茂伸之介)
    • 藤岡浩二郎(京都迷宮案内、科捜研の女、京都地検の女、女刑事みずき、その男、副署長)
    • 石川一郎(京都始末屋事件ファイル、京都地検の女、新・京都迷宮案内、その男、副署長、女刑事みずき、科捜研の女、おみやさん)
  • 音楽
    • 池頼広(京都迷宮案内、舞妓さんは名探偵、オヤジ探偵、異議あり!、黒いバッグの女、加茂伸之介)
    • 大島ミチル(おみやさん、京都地検の女)

脚注・出典

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:前後番組

テンプレート:木曜ミステリー

テンプレート:テレビ朝日のテレビドラマ
  1. テレビ朝日および一部系列局を除き、20:00飛び乗り。
  2. あくまで主人公を中心にした主要メンバーが対象で、まったく京言葉が使われないことはなく、脇役や一部のゲスト役者、エキストラが使うことがある(代表例:京都迷宮案内シリーズにおける市田ひろみ
  3. 3.0 3.1 例として、『舞妓さんは名探偵!』、『科捜研の女』、『オヤジ探偵』の3作品で砂本量が脚本を手がけた爆弾絡みのエピソードがある(東映のウェブサイト内で「木曜ミステリー爆弾三部作」と表現している)。オヤジ探偵 第8話 東映
  4. 本シリーズ外のドラマであるNHK大阪放送局、及び東映による合同制作の『フェイク 京都美術事件絵巻』にも「京都日報」が登場しているシーンが存在する。
  5. 2013年6月はあくまでも臨時編成。通常編成としては同年7月から。
  6. 一部を除きほとんどの作品に登板。