必殺橋掛人
テンプレート:Pathnav テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『必殺橋掛人』(ひっさつはしかけにん)は、1985年8月2日より11月8日まで毎週金曜日22:00 - 22:54に、ABCと松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)が共同製作・テレビ朝日系列で放送された時代劇。全13話。主演は津川雅彦。
必殺シリーズの第24作目。タイトルの「橋掛人」は「冥土(地獄)に渡す橋を掛ける」の意。
概要
本作は、前期シリーズの監督である工藤栄一を復帰させ、主人公に必殺シリーズで個性的な悪人を演じてきた津川雅彦を起用するなど、ハードボイルドな作風への原点回帰作となっている。
その他、俳優陣には、『必殺仕事人V』で夫婦役でゲスト出演した萬田久子、斉藤清六コンビをレギュラーとして登場させ、元締役にシリーズの常連であった西崎みどりを、正義感の強い若手の殺し屋役に宅麻伸を起用した。また、後半にはコメディリリーフとして当時の漫才ブームの立役者だったぼんちおさむが登場した。
作品内容としては、江戸の要所、十三箇所に印を付けた地図を巡り、橋掛人チームが趣向を凝らしながら、事件の真相を突き止めて行くという展開がなされた。また、急場凌ぎとも言うべき混成裏稼業チームは、仕事の時以外の交流がほとんど無いのが特徴的であり、その分、殺し屋としてのプロ意識やプライドのぶつかり合いといった描写に重きが置かれている。一方で、柳次の若い後妻と、先妻との間に出来た一人娘に囲まれた、毎回騒がしくもおかしいホームドラマとしての描写もあった。
また、第1話で柳次が仇として襲ってきた悪人を返り討ちにしたり、依頼を炙り出しで行うなど過去作のオマージュも見られた。[1]
あらすじ
橋掛人の元締・暗闇の多助(長谷川弘)は何者かに襲われ、瀕死の状態で娘・お光の前に現れる。そして多助は13箇所に印のついた江戸の地図をお光に渡し息絶える。父が橋掛人とは知らないお光は、父と関わりがあった瓦屋根職人のおくら・松夫婦に父や地図について尋ねるが、橋掛人について知られたくない2人は知らないと答える。
おくらは仲間の新吉に連絡し、多助の死について調べ始める。そしてお光が住む寺に赴くが、彼女は何者かにさらわれていた。そこに足抜けしてきた女郎・尾上(本阿弥周子)が多助を尋ねてやってくる。そして、おくら達に自分が頼み人だと明かし、頼み金を渡すが、その後、その標的である奈良屋甚内(八名信夫)の手下に殺されてしまう。多助を殺した者もお光をさらった者も、実は甚内の手下であった。甚内は自分が狙われていることに気付き、殺しを阻止しようとしていた。
足抜けを手助けした縁で尾上を気に掛けていた柳次は、おくらから彼女が殺されたことを知らされる。柳次が橋掛人であると見抜いていたおくらは、新吉と共に手を貸すように頼む。柳次はかつて名の知れた橋掛人だったが、娘のために足を洗っていた。一旦は渋る柳次だったが、再び橋掛人となることを承知する。
概説
本作は、他のシリーズとは異なり毎話ごとに新たに依頼を受けるのではなく、既に依頼が受けられた状態にある。それを受けた元締・多助が亡くなってしまったため、橋掛人たちは唯一の手がかりである地図を基に、毎話1件ずつ頼み人は誰か(動機は何か)、依頼内容は何か(殺す標的は誰か)を調べていく。
類似した形式の作品としては『新必殺からくり人』『必殺からくり人・富嶽百景殺し旅』などがある。
登場人物
橋掛人
- 柳次
- 演 - 津川雅彦
- 反物担ぎの行商人。売り上げはあまりなく、仲間内との博打で稼ぐことが多い。かつては名の通った橋掛人だったが娘のお咲のために足を洗っていた。多助が残した13の依頼のみ受けるという条件で橋掛人に復帰する。
- 橋掛人としてのプライドは非常に強く、しばしば激情のままに動く新吉と反発しあう。一方で家庭では後妻のお紺にベタ惚れしており、明るいうちから身体を求めようとする。一人娘のお咲も大事にしており、お咲とお紺の不和に悩みつつ、関係改善のために奔走する。
- 最終回では、第12話で男を作って出て行ったお紺と先妻のお藤が家に戻り、さらに標的だった浪人の息子を引き取るなど、必殺シリーズには珍しいホームコメディ調の幕引きとなっている。
- 新吉
- 演 - 宅麻伸
- 鳥刺しの青年。一匹狼の多助配下の橋掛人。設定年齢は27歳。無口な性格だが血気にはやる面も持っており、橋掛人について柳次と衝突することも少なくない。
- おくら / 松
- 演 - 萬田久子 / 斎藤清六
- 瓦屋根職人の夫婦で、元は多助配下の橋掛人。やや頼りない大食いの松をおくらが引っ張っていくというタイプのおしどり夫婦。最終回の報酬(藩札)を元手に炭屋に鞍替えするが、発行元の藩が廃藩になったことで単なる紙切れと化したと知って慌てる。萬田は次回予告、斉藤は製作トピックスを担当した。
- お光(春光尼)
- 演 - 西崎みどり
- 瑞観寺の尼僧。父・多助の死を受けて、今まで無縁だった裏稼業へ足を踏み入れ、元締となる。最初は金を受け取ろうとせず、おくらから注意を受けるなど、裏稼業のことについては全く知らなかったが、父の残した依頼を片付けるために奔走する。
その他
- お咲
- 演 - 安孫子里香
- 柳次の先妻の娘。まだ幼い子だが頭の回転が早く継母のお紺を陥れようと策を練るが、お紺にベタ惚れしている柳次には全く効かない。
- お紺
- 演 - 高部知子
- 柳次の後妻。ややおっとりとした性格の若い美女。設定年齢19歳。お咲とは口喧嘩ばかりしているが、どちらかと言えばやり込められる方。しかし喧嘩しながらも、時には姉妹のように仲良くすることも。
- 第12話で別の男を作って家を出て行くが、最終回ラストにて戻ってくる。
- 伊太郎
- 演 - オサム(現・ぼんちおさむ 第9 - 13話)
- 第9話より登場する岡っ引。お光に好意を寄せ、何かと言い寄ってくる。
- 番頭
- 演 - 北見唯一[2]
- 柳次が反物を仕入れに行く呉服店の番頭。商売下手な柳次に買掛金の期日を伸ばしたり、品物を取り替えてもらえるよう頼みこまれ難儀する。
- お藤
- 演 - 鷲尾真知子(第7、12、13話)[3]
- 柳次の先妻でお咲の母親。年の頃は柳次に近いが、若い男が良いとして家を出た。定期的に柳次やお咲と会うなど仲は悪くない。第12話にてやっぱり柳次のほうがいいと、強引に出戻ってくる。
- 多助
- 演 - 長谷川弘(第1話)
- 通称「暗闇の多助」。お光の父親。表稼業は墓守だが、実は裏では名の知れた橋掛人の元締だった。第1話で依頼を阻止したい悪人によって殺されるが、死の間際、既に受けている13の依頼を記した地図を娘のお光に託す。
ゲスト
- 第1話 「江戸絵図の謎を探ります」
- 第2話 「佃島のおとめ魚を探ります」
- 第3話 「神田のゆうれい坂を探ります」
- 第4話 「小伝馬町の怪奇牢を探ります」
- 第5話 「六本木の朝顔を探ります」
- 第6話 「本所の七不思議を探ります」
- 第7話 「湯島天神の紅梅を探ります」
- 第8話 「浅草の㊙ドクロを探ります」
- 第9話 「柴又帝釈天のトラを探ります」
- 第10話 「日本橋の地獄火を探ります」
- 第11話 「板橋のウラ仕掛けを探ります」
- 六右衛門 - 松山照夫
- 嘉兵衛 - 上野山功一(2回目)
- おしの - 桂川京子
- 第12話 「四谷の忍者寺を探ります」
- 最終話 「子連れ刺客の魔剣を探ります」
殺し技
- 柳次
- 餓鬼や、鬼に責められる亡者の刺繍が施された反物の中に仕込まれた金色の糸を引き出し、それを悪人の首に巻きつけて絞め殺す。基本的に反物を相手に向かって広げ、その絵柄を見せて驚いたところで葬る。また、屋内に侵入する際には床(畳)に反物を広げ、その上を歩いて足跡が付かないように進む。さらにそれを引き戻すシーンも毎回描写される。制作トピックスによると反物は仕上がるのに10日掛かった。
- 変則技として、第4話で外道になった殺し技の師匠との対決では、予備の金糸を用意して騙し討ちを仕掛けた。また、第12話では多数の金糸を一度に投げて標的を惑わせ、そのまま絞め殺した。
- また、第1話冒頭で突然襲われた際には、手にしていた濡れ手拭を使って相手を締め殺している[4]。BGM『いざ行かん』に乗せて、殺しを行う。
- 新吉
- 表稼業に使う鳥寄せの笛を吹き矢として針を発射し、悪人の首筋や額に打ち込む。相手の体が麻痺して硬直したところで近付き、針を体内に押し込んで止めを刺した後、針を引き抜いて走り去る。また仕事の時には、黒の薄羽織を頭からかぶって顔を隠している。
- おくら
- 亭主の松が、標的を攻撃しやすいように目印を設定したり、誘導・足止めしたところで、女房のおくらが鋭く研いだ瓦を悪人目掛けて投げ、相手の首筋を斬り裂く。
- なお、鋭く研いだ瓦が武器かつ夫婦の共同作業という形式の殺し技は劇場版『必殺! THE HISSATSU』でも用いられている。ただし、この時は夫の政(芦屋雁之助)が瓦を投げ、妻のおよね(研ナオコ)がサポートするという夫婦の役割が逆であった。
スタッフ
- 制作 - 山内久司(ABC)
- 脚本 - 吉田剛、野上龍雄、保利吉紀、篠崎好、中原朗、林千代、石森史郎
- 音楽 - 平尾昌晃
- 監督 - 工藤栄一、松野宏軌、津島勝、黒田義之
- 協力 - エクラン演技集団、新演技座
- プロデューサー - 辰野悦央(ABC)、櫻井洋三(松竹)
- 製作協力 - 京都映画撮影所(現・松竹撮影所)
- 製作 - ABC、松竹
主題歌・挿入歌
- 主題歌 - 藤田絵美子「さよならさざんか」(リバスターレコード)
- 挿入歌 - 西崎みどり「もどり道」(CBSソニー(現・ソニー・ミュージックレコーズ))
放送日程
- サブタイトルのフォーマットは「○○の○○を探ります」
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
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第1話 | 1985年テンプレート:08月テンプレート:02日 | 江戸絵図の謎を探ります | 吉田剛 野上龍雄 保利吉紀 |
工藤栄一 |
第2話 | 1985年テンプレート:08月テンプレート:09日 | 佃島のおとめ魚を探ります | 保利吉紀 | |
第3話 | 1985年テンプレート:08月16日 | 神田のゆうれい坂を探ります | 篠崎好 | 松野宏軌 |
第4話 | 1985年テンプレート:08月23日 | 小伝馬町の怪奇牢を探ります | 中原朗 | 津島勝 |
第5話 | 1985年テンプレート:08月30日 | 六本木の朝顔を探ります | 保利吉紀 | 工藤栄一 |
第6話 | 1985年テンプレート:09月テンプレート:06日 | 本所の七不思議を探ります | 林千代 | 松野宏軌 |
第7話 | 1985年テンプレート:09月13日 | 湯島天神の紅梅を探ります | 石森史郎 | 黒田義之 |
第8話 | 1985年テンプレート:09月20日 | 浅草の㊙ドクロを探ります[5] | 中原朗 | 松野宏軌 |
第9話 | 1985年テンプレート:09月27日 | 柴又帝釈天のトラを探ります | 篠崎好 | 黒田義之 |
第10話 | 1985年10月11日 | 日本橋の地獄火を探ります | 中原朗 | 松野宏軌 |
第11話 | 1985年10月18日 | 板橋のウラ仕掛けを探ります | 保利吉紀 | |
第12話 | 1985年10月25日 | 四谷の忍者寺を探ります | 石森史郎 | 黒田義之 |
最終話 | 1985年11月テンプレート:08日 | 子連れ刺客の魔剣を探ります | 中原朗 | 松野宏軌 |
ネット局
※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。
- 系列は放送当時のもの。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 備考 |
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近畿広域圏 | 朝日放送 | テレビ朝日系列 | 制作局 |
関東広域圏 | テレビ朝日 | ||
北海道 | 北海道テレビ | ||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
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岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | |
宮城県 | 東日本放送 | テレビ朝日系列 | |
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
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山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
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福島県 | 福島放送 | テレビ朝日系列 | |
新潟県 | 新潟テレビ21 | ||
長野県 | テレビ信州 | テレビ朝日系列 日本テレビ系列 |
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山梨県 | テレビ山梨 | TBS系列 | |
富山県 | 富山テレビ | フジテレビ系列 | |
福井県 | 福井テレビ | ||
静岡県 | 静岡けんみんテレビ | テレビ朝日系列 | 現・静岡朝日テレビ |
中京広域圏 | 名古屋テレビ | ||
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | TBS系列 | |
広島県 | 広島ホームテレビ | テレビ朝日系列 | |
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | |
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | テレビ朝日系列 | |
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | |
高知県 | テレビ高知 | TBS系列 | |
福岡県 | 九州朝日放送 | テレビ朝日系列 | |
長崎県 | 長崎放送 | TBS系列 | |
熊本県 | テレビ熊本 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
大分県 | 大分放送 | TBS系列 | |
宮崎県 | 宮崎放送 | ||
鹿児島県 | 鹿児島放送 | テレビ朝日系列 | |
沖縄県 | 琉球放送 | TBS系列 |