アルセーヌ・ルパン
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox character テンプレート:Wikisourcelang アルセーヌ・ルパン(テンプレート:Lang-fr-short)は、フランスの小説家モーリス・ルブランが発表した推理小説・冒険小説「アルセーヌ・ルパンシリーズ」の主人公である怪盗、およびシリーズの総称。
アルセーヌ・ルパンシリーズは、1905年から四半世紀以上にわたって執筆された、フランスの人気小説にしてルブランの代表作である。前期の作品では神出鬼没の「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」ものの話がメインだが、中盤は「ドン・ルイス・ペレンナ」の愛国冒険もの、後期は「探偵ジム・バーネット」などの探偵もの、本名「ラウール」の名を用いた恋愛冒険ものになるなど、バリエーションが豊かで前期の作品と後期の作品ではそれぞれ趣きも異なる。
目次
怪盗紳士アルセーヌ・ルパン
人物像
紳士にして、冒険家。変装の名人でいくつもの変名を持つ。貴族の城館や資本家の邸宅などを襲い宝石や美術品、貴重な家具などを盗んでいく。
一方、善良な者を助ける義賊的な性格もあわせ持っており、虐げられた婦人や子供にとっては頼もしい保護者となる。
多くの女性に惚れ、また彼も多くの女性を虜にしているが、作中に描写される限りでは浮気はしていない。しかし、彼と深い仲となった女性の多くは様々な事情で短命であったため、結果的に多くの女性と恋愛をしている。
略歴
- 1874年、誕生。幼名ラウール(Raoul)。父親は体育教師テオフラスト・ルパン(Théophraste Lupin)、母親はアンリエット・ダンドレジー(Henriette d'Andresy)。
- 父テオフラストはラウールが幼い頃米国で獄死する。アンリエットは幼いラウールを連れ、少女時代の学友ドルー・スビーズ伯爵夫人の元に身を寄せる。
- 1880年、6歳。最初の事件。(女王の首飾り)
- 1893年、初めて「アルセーヌ・ルパン」を名乗る。(アンベール夫人の金庫)
- 1894年、20歳。『カリオストロ伯爵夫人』で最初の大冒険。クラリス・デティーグと最初の結婚。
- 1894年-1899年、クラリスとの間に娘が生まれるも、誕生後まもなく亡くなる。この時期に「奇巌城」を発見する。マキシム・ベルモンの名で、高名な建築家のルシアン・デタンジュと知り合う。
- 1899年、25歳。
- 息子ジャン誕生も、クラリスと死別。更にジャンは誘拐される。(カリオストロ伯爵夫人)
- 「アルセーヌ・ルパンの逮捕」で最初の逮捕。
- 1900年、「アルセーヌ・ルパンの脱獄」で最初の脱獄。「遅かりしシャーロック・ホームズ」でエルロック・ショルメとの初対決。
- 1900年-1901年、「金髪の美女」事件でショルメとの二度目の対決。二度目の逮捕・逃亡。
- 1903年、「ユダヤのランプ」事件でショルメとの三度目の対決。
- 1905年、『ルパンの冒険』(消えた宝冠)事件。三度目の逮捕・逃亡。ソニア・クリスチノフと恋仲になる。
- 1906年-1907年、『水晶の栓』事件。「白鳥の首のエディス」事件。この後にソニアが亡くなったと思われる。
- 1907年、二度目の結婚。(ルパンの結婚)
- 1908年、エルロック・ショルメとの最後の直接対決。(奇巌城) 古代ローマの遺跡発見。(緑の目の令嬢)
- 1909年、この頃、パリにて探偵社開業。ベシュ刑事との奇妙な連携で次々と事件を解決する。(バーネット探偵社)
- 1910年、「謎の家」事件。ベシュ刑事との対決。オルタンス・ダニエル嬢と八つの冒険を行う。(八点鐘)
- 1911年、ベシュ刑事の依頼でバール・イ・ヴァ荘を訪れる。(バール・イ・ヴァ荘)
- 1912年、38歳。イタリアにてドイツ皇帝と握手をする。ドン・ルイス・ペレンナとしてモロッコに現れ、外人部隊に入隊。(813)
- 1912年-1919年、この頃、モーリタニア帝国を征服し、スルタン(皇帝)に即位する。
- 1915年、第一次世界大戦。フランスの金塊の国外流出を食い止める。(金三角)
- 1917年、ブルターニュ地方の島にて、「人を生かしも殺しもする神の石」を発見する。(三十棺桶島)
- 1919年、モーリタニア帝国スルタン退位。主権をフランスに譲渡。(虎の牙)
- 1922年、国防債権事件。(特捜班ビクトール)
- 1923年、50歳近く。息子・ジャンと見られる青年と邂逅する。(カリオストロの復讐)
ルパンと変装
変装はルパンの代名詞の一つであるが、原作のルパンの変装は、アニメなどで表現される顔全体にマスクをかぶるようなものではない。その多くはメーキャップや服装を変える程度で、せいぜい「パラフィンの皮下注射で皮膚を膨らませる」「科学的な薬品で鬚や髪の毛を伸ばし、声を変える」「ダイエットをする」「アトロピンを点眼する」程度である(以上、「ルパンの脱獄」より)。それよりもルパンが重視するのは、しぐさや歩き方、表情や話し方などを変えるといった、突出した観察力から生まれる「俳優としてのスキル」である。
またルパンの服装のイメージとして、「シルクハットと夜会服にモノクル (片眼鏡)」というものがある。が、意外にも原作の本文中にはそういう描写はまったくない。このイメージは、ラフィット社からルパンの単行本が初めて出た時に、表紙などのイラストがこのスタイルで描かれたことが原因で広まったらしい。このあたりの事情は、シャーロック・ホームズにおける「インバネス・コートに鹿撃ち帽」のイメージ流布のケースと同様である。
アルセーヌ・ルパンシリーズ
作品一覧
- 1905年-1907年:怪盗紳士ルパン(Arsène Lupin, gentleman-cambrioleur:第一短編集)
- ルパン逮捕される (L'Arrestation d'Arsène Lupin)
- 獄中のアルセーヌ・ルパン (Arsène Lupin en prison)
- ルパンの脱獄(L'Évasion d'Arsène Lupin)
- ふしぎな旅行者(Le Mystérieux voyageur)
- 女王の首飾り (Le Collier de la reine)
- ハートの7 (Le Sept de cœur)
- アンベール夫人の金庫 (Le Coffre-fort de madame Imbert)
- 黒真珠 (La Perle noire)
- (版によっては「アンベール夫人の金庫」と「黒真珠」とを省き、「うろつく死神」を入れているものがある。邦訳の創元推理文庫、角川文庫、ハヤカワ・ポケット・ブックスはそれに従う。一方、新潮文庫、岩波少年文庫、偕成社版全集及び偕成社文庫、早川文庫版はオリジナルに従っている)
- おそかりしシャーロック・ホームズ(Herlock Sholmès arrive trop tard)
- 1906年-1908年:ルパン対ホームズ(Arsène Lupin contre Herlock Sholmès:2本の中篇)
- 金髪の美女(La Dame blonde)
- ユダヤのランプ(La Lampe juive)
- 1909年:ルパンの冒険(Arsène Lupin/Une Aventure d'Arsène Lupin:戯曲、及び戯曲の小説化)
- 1909年:奇岩城(L'Aiguille creuse(空洞の針):長編)
- 1910年:813(813:長編:1917年に「La Double-vie d'Arsène Lupin:ルパンの二重生活」と「Les Trois Crimes d'Arsène Lupin:ルパンの三つの犯罪」に分冊化。偕成社版及び新潮文庫版は「813」「続813」)
- 1912年:水晶の栓(Le Bouchon de cristal:長編)
- 1911年-1913年:ルパンの告白(Les Confidences d'Arsène Lupin:第二短編集)
- 太陽のたわむれ(Les Jeux du soleil)
- 結婚指輪(L'Anneau nuptial)
- 影の合図
- 地獄の罠
- 赤い絹のスカーフ
- うろつく死神
- (版によっては、『怪盗紳士ルパン』に収載されているものがあり、邦訳も創元推理文庫、角川文庫、早川ミステリはそれに従っている。早川文庫版の『怪盗紳士』には含まれていない)
- 白鳥の首のエディス(Édith au cou de cygne)
- 麦わらのストロー(Le Fétu de paille)
- ルパンの結婚(Le Mariage d'Arsène Lupin)
- 1915年:オルヌカン城の謎(L'Éclat d'obus(砲弾の破片):長編)初版にはルパンは登場しない、後の版で「営業上」の理由から加筆され一場面にのみ登場する。
- 1917年:金三角(Le Triangle d'or:長編)
- 1919年:三十棺桶島(L'Île aux trente cercueils:長編)
- 1920年:アルセーヌ・ルパンの帰還(Le Retour d'Arsène Lupin:戯曲)
- 1920年:虎の牙(Les Dents du tigre:長編)
- 1923年:八点鐘(Les Huit Coups de l'horloge(時計の八時の鐘):連作短編集)
- 塔のてっぺんで(Au sommet de la tour)
- 水びん(La Carafe d'eau)
- テレーズとジェルメーヌ(Thérèse et Germaine)
- 秘密をあばく映画(Le Film révélateur)
- ジャン・ルイ事件(Le Cas de Jean-Louis)
- 斧をもつ貴婦人(La Dame à la hache)
- 雪の上の足あと(Des Pas sur la neige)
- 1924年:カリオストロ伯爵夫人(La Comtesse de Cagliostro:長編)
- 1927年:緑の目の令嬢(La Demoiselle aux yeux verts:長編)
- 1927年:山羊皮服の男(L'Homme à la peau de bique:短編)
- 英訳は、「ルパンの告白」に「モルグの森の惨劇」として収録されているので、フランス版の初出もこれ以前の可能性もある
- 1927年-1928年:バーネット探偵社(L'Agence Barnett et Cie:連作短編集)
- 水は流れる(Les Gouttes qui tombent)
- ジョージ王のラブレター(La Lettre d'amour du roi George)
- バカラの勝負(La Partie de baccara)
- 金歯の男(L'Homme aux dents d'or)
- 十二枚の株券(Les Douze Africaines de Béchoux)
- 壊れた橋(The bridge that broke:英訳版のみに存在。ただし、アマゾンkindle版の全集Les Aventures extraordinaires d'Arsène Lupin、ASIN: B0077CVG2Aには、第三者による仏訳Le pont qui se romptが収録されている)
- 偶然が奇跡をもたらす(Le Hasard fait des miracles)
- 白い手袋。。。白いゲートル。。。(Gants blancs... guêtres blanches...)
- ベシュ・ジム・バーネットを逮捕す(Béchoux arrête Jim Barnett)
- 1928年:謎の家(La Demeure mystérieuse:長編)
- 1930年:バール・イ・ヴァ荘(La Barre-y-va:長編)(1934年にアシェット社のBibliothèque verteという選集に収録された際に、エピローグが割愛された)
- 1930年:エメラルドの指輪(Le Cabochon d'émeraude:短編)
- 1932年:二つの微笑をもつ女(La Femme aux deux sourires:長編)
- 1932年:ジャスト五分間 (Cinq minutes montre en main:寸劇)
- 1932年:アルセーヌ・ルパンとの十五分(Un quart d'heure avec Arsène Lupin:寸劇。Cinq minutes montre en mainの改作 戯曲版は未訳)
- 1934年:特捜班ビクトール(Victor, de la Brigade mondaine:長編)
- 1935年:カリオストロの復讐(La Cagliostro se venge:長編)
- 1939年:ルパン最後の事件(Les Milliards d'Arsène Lupin(アルセーヌ・ルパンの数十億):長編)
- 2012年:ルパン最後の恋(Le Dernier Amour d'Arsène Lupin: 長編)
※ラジオドラマ「ペギー、新アルセーヌ・ルパンと出会う」はミステリ研究家のフランシス・ラカサンによって未知のルパン譚として存在が公表されたものだが、その後の他の研究者によってそれが既知の短編のラジオドラマ化シリーズの一編であり、他二編が「アルセーヌ・ルパンの逮捕」「エメラルドの指輪」など既に知られた作品である事、また、当時の出版物などの記述から、単に「ネリー、アルセーヌ・ルパンと再会す」の誤植である事が明らかにされた。
※「ルパン最後の事件(アルセーヌ・ルパンの数十億)」は、単行本化のときに連載中の一章が欠如した状態で出版されており、また、息子のクロード・ルブランがこの作品の復刊自体を拒んだ事から、完全版が出版された事がなかったが、2003年韓国で出版されたアルセーヌ・ルパン全集で完全に復刊された。(邦訳は不完全版によるものしかない)
※「ルパン最後の恋」は、近年、ルブランの伝記を記したジャック・ドゥルアールの調査によってそのタイプ原稿が発見され、フランス本国では2012年5月、日本では同年9月に刊行された。
(参考「戯曲アルセーヌ・ルパン」住田忠久による解説)
ミステリとしてのアルセーヌ・ルパン
ルパン譚は主に冒険小説として見られ、ともすれば荒唐無稽とすら取られるが、作中で使われているトリックは後のミステリ小説でも何度も形を変えて使われ続けている。
特に短編には推理小説として本格的なものも多く、『八点鐘』収録の「水びん」のトリックや「テレーズとジェルメーヌ」の密室トリック、「雪の上の足跡」の足跡トリックなどは、ミステリ・アンソロジーにも何度も収録されている。第1話の「ルパン逮捕される」からして、叙述トリックやクローズド・サークルものの元祖の一つとも言える。また、「奇巌城」や「太陽のたわむれ」などのように、暗号を扱った作品も多い。
推理作家であり、推理小説評論家としても名高いエラリー・クイーンは、「クイーンの定員」と呼ばれる古今東西の推理小説選(1845年から1967年の作品を対象としている)で、ルパンシリーズより『怪盗紳士ルパン』と『八点鐘』を取り上げ、特に『八点鐘』については、「ほとんどすべての批評家から、探偵ルパンの最良の見本をいくつか含んだ事件と折り紙をつけられた短編集」と非常に高い評価をしている。
冒険・歴史・伝奇ロマンとしてのアルセーヌ・ルパン
上記のミステリとしての評価とは逆に、冒険・伝奇ロマンとしてのルパンを積極的に評価する立場もある。特に、ルパン・シリーズを通読すると、ルブランの歴史趣味を多分に感じる事ができる。「女王の首飾り」では有名な首飾り事件が密接に絡み、「奇岩城」では鉄仮面、マリー・アントワネットやフランス革命ばかりかカエサルやシャルルマーニュにまで言及されている。「カリオストロ伯爵夫人」ジョゼフィーヌ・バルサモは、詐欺師であり怪人物として知られるカリオストロ伯爵ジュゼッペ・バルサモの娘として設定され、その作中では、シャルル7世の愛妾であったアニェス・ソレルの故事にも触れられている。
その他上記の類の例は、短編から「813」などの長編まで、枚挙に暇がない。また「三十棺桶島」では、ブルターニュ地方を舞台にしたケルトの土俗、ドルメン、ドルイド僧などの伝奇ロマンとしての雰囲気作りがおどろおどろしく、ルパン作品の翻案も手がけた横溝正史の「獄門島」、「八つ墓村」などへの影響が感じられる。
ルブランはポーやドイル、ルルーと同じくミステリ作家の元祖であるのと同時に、もしくはそれ以上に、「三銃士」「鉄仮面」「モンテ・クリスト伯」などを著わしたアレクサンドル・デュマの系譜の作家(ロマン・フュトン作家)の末裔であるともみられるのである。
同時代史としてのアルセーヌ・ルパン
過去の歴史的事件だけでなく、ルパン譚は当時起こった歴史的事件とも大きく関わっている。「アンベール夫人の金庫」は当時実際に起こった詐欺事件、「水晶の栓」では当時フランス政界で起こったパナマ運河疑獄事件がモチーフになっている。また、「813」「オルヌカン城の謎」「金三角」「三十棺桶島」「虎の牙」の一連の流れでは、当時の世界史上の一大事件であった第一次世界大戦が大きな舞台となっており、作中でルパンが征服しフランスに譲渡したモーリタニアは、この時期にフランスが獲得したアフリカにおける植民地の一つである。また、普仏戦争でドイツ領となっていたアルザス・ロレーヌ地方についてルパンが、第一次世界大戦の勝利によってフランスに戻ってくることを喜ぶ描写もある。
当時最先端の科学技術も現れるや否やすぐさま作品に登場する。第1話「ルパン逮捕される」で重要な役割を担った無線電信は当時実用化から間もなかった最新技術である。遠隔地への通信に電報やメッセンジャーボーイを利用することが多いホームズに対し、ルパン作品では電話が頻繁に登場する。辻馬車を愛好するホームズに比べルパンは自動車やオートバイを愛用し(これはホームズとの若干の世代差も大きく影響している)、果ては潜水艦(「ハートの7」「奇岩城」「三十棺桶島」)や飛行機まで(「虎の牙」)積極的に利用する。いずれも登場作品の数年前に開発、もしくは実用化が成ったものである。また、キュリー夫妻のラジウム・放射能研究の成果(1903年ノーベル物理学賞受賞)も、作品に取り入れられている(三十棺桶島)。
主な登場人物
- アルセーヌ・ルパン
- 怪盗紳士。時に大怪盗として、時に名探偵として、時に愛国者として縦横無尽の活躍をする。多くの女性と恋愛をするも、悲恋が多い。
- ドン・ルイス・ペレンナ
- スペイン貴族にしてフランス外人部隊の英雄(「プレンナ」と表記する場合もある)。実はルパンの変装であり、Arsene Lupinのアナグラムである。(Luis Perenna)
- ジャン・デヌリ
- 「謎の家」(訳者により題は異なる)に登場する冒険家。実はルパンの変装。
- ポール・セルニーヌ
- ルパンの変装。ルイス・ペレンナ(プレンナ)同様、Arsene Lupinのアナグラム。(Paul Sernine)
- ジム・バーネット
- 「調査無料」の看板を掲げる探偵。実際はルパンの変装。
- ジュスタン・ガニマール
- ルパンを追う警部。作品初期に主に登場する。
- シャーロック・ホームズ
- 複数の作品で、ルパンのライバルとして登場。作者のコナン・ドイルにはそもそも無断なうえ、まちがえて別人を撃ち殺すなど間抜けに描写したため、ドイルからは抗議を申し入れる書面が届いた。
- エルロック・ショルメ
- 抗議を受け、以後ルブランはシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)の"H"と"Sh"を入れ替え(Herlock Sholmes)に改名した。イギリスの私立探偵で、住所はロンドンのパーカー街219。しかし多くの日本語訳では「シャーロック・ホームズ」のままである(後述)。
- “わたし”
- ルパンの伝記作家(作者ルブラン自身)
- イジドール・ボートルレ
- 「奇岩城」の実質的な主人公。少年探偵。
- ソニア・クリスチノフ
- ロシア少女。ルパンの恋人となるも、「奇巌城」では、無残な死を遂げたとのみ語られる。
- ビクトワール
- 善良な初老の女。又、ルパンの乳母でもある。
- フォルムリー
- 予審判事
- デュドゥイ
- 国家警察部部長
- ルノルマン
- 国家警察部部長 デュドゥイの後任
- ウェベール
- 国家警察部副部長
- パトリス・ベルバル
- 大尉
- デマリヨン
- 警視総監
- バラングレー
- 首相
- テオドール・ベシュ
- 刑事
名前の表記をめぐって
日本では原題、主人公の名前、本の内容を日本的に翻訳(場合によってはプロットのみを換骨奪胎して翻案)することがあるためだれがいつ初訳したのかは特定することは困難である。
フランス語をあえてカタカナ表記する場合、現在の慣習では「Lupin」は「リュパン」とされることもあるが、それほど外来音になじみのなかった時期に日本に紹介されたこともあって、命名者は不明(一説には上田敏。保篠龍緒説もある)ながら昔から「アルセーヌ・ルパン」として紹介され、親しまれてきた。現在でも、東京創元社他一部を除いて表記としては「アルセーヌ・ルパン」が主流となっている。
ルパン表記
訳者、保篠龍緒が以下の通り翻訳した。保篠龍緒はこの後も何度もルパン全集を手がけ、日本のルパン翻訳史において長い間スタンダードの地位を保つ事になる。保篠の邦題があまりに見事だったため、現在の各社から出ているルパンシリーズの邦題も保篠訳に倣う事が多い。(『奇巖城』『八点鐘』など)
- 大正7年、金剛社 アルセーヌ・ルパン叢書 「怪紳士」「怪人対巨人」「奇巌城」「813」他全9巻
- 大正10年、博文館 探偵傑作叢書 「虎の牙」「水晶の栓」
- 昭和4年、平凡社 ルパン全集・怪奇探偵 「三十棺桶島」「バルネ探偵局」「ルパンの告白」「八点鐘」他全12巻(別巻2巻)
- 昭和26年、日本出版協同 アルセーヌ・ルパン全集 全23巻別巻2
- 昭和31年、鱒書房、ルパン全集 全25巻(上記、出版協同社版を改編したもので、「驚天動地」を欠く) この全集は改編され昭和33年から昭和44年にかけて三笠書房(全25巻)/田園書房(全25巻)/三笠書房(全25巻)/日本文芸社(全20巻、短編の5冊が中止となったため)と版元をかえながら刊行され続けた。
昭和30年代になり、南洋一郎が児童向けに翻案。また、南は別名池田宣政名義でも『アルセーヌ=ルパン全集』全20巻を翻訳している。
- 昭和33年、ポプラ社 怪盗ルパン全集 「奇巌城」「怪盗紳士」「古塔の地下牢」「黄金三角」他全15巻(後に30巻にまで改訂。現在は20巻に縮小・南洋一郎名義)
- 昭和43年、ポプラ社 アルセーヌ・ルパン全集 「ルパン対ホームズ」「8・1・3」「ルパン三つの犯罪」「怪盗紳士」「恐怖の島」「緑の目の令嬢」他全20巻(池田宣政名義)
また、訳者・詩人の堀口大學が新潮社より以下の通り翻訳。2006年現在においても最も手に入りやすいルパン全集となっている。
- 昭和34年、新潮文庫 ルパン傑作集 「813」「続813」「奇岩城」「ルパン対ホームズ」「バーネット探偵社」他全10巻。※(殺人事件での殺害方法が、オリジナルでは喉を切って殺すものでも、堀口訳では絞殺になっている箇所がいくつもある。青少年向けに一部修正が加えられた版を使っている可能性も考えられる)
偕成社から、複数の訳者により原文に忠実な完訳でシリーズ全作品を網羅した全集が刊行。現在最も完全な全集として版を重ねている。またこの全集には、ルパンシリーズに入らないルブランの他の著作も5冊、「別巻」として組み込まれている。
- 昭和56年、偕成社 アルセーヌ・ルパン全集 「怪盗紳士ルパン」「813」「続813」「金三角」「八点鐘」「バール・イ・ヴァ荘」「特捜班ヴィクトール」「ルパン最後の事件」他全25巻
- 昭和57年、偕成社 アルセーヌ・ルパン全集別巻 「女探偵ドロテ」「バルタザールのとっぴな生活」「三つの眼」「真夜中から七時まで」「赤い輪」全5巻
ルパン生誕100周年を機に、訳者平岡敦が同年フランスで刊行されたルパン全集を底本に早川書房のハヤカワ・ミステリ文庫から新訳を刊行。2005年8月、『カリオストロ伯爵夫人』から、刊行開始。当初は、ルパンシリーズ全21作を、1年に2冊、10年計画で刊行予定で、完訳の文庫版としては最新訳であり、シリーズ全作を網羅する予定であった事から、初の文庫版完訳完全全集になることが期待されていたのだが、順調に刊行されたのは、2005年9月『怪盗紳士ルパン』、2006年5月『奇岩城』までで、4冊目となる『水晶の栓』の刊行は2007年2月にずれ込み、5冊目として『ルパン、最後の恋』が2013年5月に刊行されたが、それ以後の刊行予定はなく全訳計画は中絶された。
リュパン表記
訳者、佐佐木茂索が以下のとおり翻訳した。
- 大正13年、随筆社のルブラン全集「強盗紳士アルセエヌ・リユパン」「リユパンの勝利」
- 昭和4年、改造社『アルセエヌ・リュパン』
また昭和34年-昭和35年、石川湧・井上勇らによる東京創元社『アルセーヌ・リュパン全集』全12巻が現在の創元推理文庫版(「怪盗紳士リュパン」「リュパン対ホームズ」「リュパンの告白」「リュパンの冒険」他全18冊)の元となった。(文庫版刊行時の翻訳権の関係から、全集に収録されて居る「813の謎」「八点鐘」「三十棺桶島」「バーネット探偵社」が刊行できなかったため収録されていない。)
曽根元吉訳『奇巌城』(中央公論社「世界推理名作全集」2。昭和36年。所収)では、アルセーヌ・リュパン標記となっている。(この訳文は「嶋中文庫」で刊行予定だったが同社の蹉跌のため中止となった)
キャラクターの流用
シャーロック・ホームズとエルロック・ショルメ
- 原作者の扱い
『怪盗紳士ルパン』の中の短篇「遅かりしシャーロック・ホームズ」では、かの名探偵シャーロック・ホームズと対決させたが、コナン・ドイルの厳重な抗議にあったため(という説があるが定かではない。詳細はルパン対ホームズを参照)、ルブランは「遅かりしシャーロック・ホームズ」を含め次の『ルパン対ホームズ』(邦題)以下一連の作品ではホームズの名前をアナグラムにした「Herlock Sholmès(フランス語の発音エルロック・ショルメ)」という別人にした。またワトスンはウィルソンという別人にした。
- 日本語訳での扱い
- 保篠龍緒訳の大正期や昭和戦前の訳書では、ヘルロック・ショルムズであり、ウィルソンである。又、住所もパーカー街二百十九番地(街に「まち」と振り仮名)となって居る。大人向けの訳書の戦後版はシャーロク・ホームズとワトソンに改められたが、戦後になって刊行された保篠名義の児童書『怪人対巨人』では、ヘルロック・ショルムズとウィルソンとでありバーカー街二百十九番地となっていた。一方『奇巌城』ではシャーロック・ホームズとなって居た。後に、前者の訳題も『ルパン対ホームズ』となり、総てシャーロック・ホームズとワトソンとに統一された。
- 古くから日本の翻訳では、訳者が著作権者に無断でエルロック・ショルメをホームズの名に替えてきた。ただしウィルソンはそのままでワトスンにはしないものとワトソンにしているものとがある。現在でもこれは慣習となっていて、日本で出版されているルパンシリーズの「ショルメ」はほとんど「ホームズ」に改変されている。改変されていないものでは、フランス語の発音も英語の発音(「ハーロック・ショームズ(若しくはショーミーズ)」となるはず)も無視し、エルロック・ショルメスと翻訳されている場合が多い。(フランス語でも人名の場合は語尾のsなどの子音を発音する例外があるので、これはあながち間違ってもいない。例:ポール・デュカス(デュカ説もありフランスでも読みは一定ではない)、ピエール・ブーレーズなど。)
- 曽根元吉訳『奇巌城』では、ハーロック・ショーメズとしている。
- ジョルジュ・デクリエール主演のフランスの人気ドラマ『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』の中の一篇が日本でDVDソフト化された際も、劇中のセリフ及び表記がエルロック・ショルメスとウィルソンでありながら、字幕はシャーロック・ホームズとワトソンになっていて、タイトルも『ルパン対ホームズ』だった。
- 森田崇による漫画化作品『怪盗ルパン伝 アバンチュリエ』では、英語発音に合わせて「ハーロック・ショームズ」と表記されている。ウィルソンはそのまま。
ルパンの流用
- 江戸川乱歩のある作品と西村京太郎の『名探偵が多すぎる』では、明智小五郎がルパンと対決している(後者はエルキュール・ポワロ、エラリー・クイーン、ジュール・メグレも登場。日本に不慣れなルパンに対し、怪人二十面相が助力している)。
- 冒険小説で有名な南洋一郎(池田宣政)も、自分の作品に登場させたり、少年少女向け編訳版全集に模作を紛れ込ませたりしている(旧全集の『ピラミッドの秘密』は出だしこそルブランの原作が存在するが途中からは南の創作だろうとされている。ただし、南自身はアメリカの古い児童向け雑誌に掲載されたものがもとになっているという趣旨の事を書いている)。
- モンキー・パンチ原作の漫画『ルパン三世』の主人公は、アルセーヌ・ルパンの孫という設定になっている。最初の予定では、「あまりの怪盗ぶり故、愛称として世間で「ルパン三世」と呼ばれているという」という設定だったが、担当編集者から「そんな面倒くさい設定にするな」と言われ、わかりやすくアルセーヌ・ルパンの孫という設定になった。厳密に考えるなら「アルセーヌ三世」と呼ばれるべき、という意見がある。
- 『ひょっこりひょうたん島』でも、アルセーヌ・ルパンの孫の孫として「アルセーヌ・クッペパン」というキャラクターが登場した事がある(時代的には『ルパン三世』以前である)。
- 『緋弾のアリア』では、登場する「峰理子」を「峰・理子・リュパン4世」とし、このアニメのヒロイン「神埼・H・アリア」(ホームズの曾孫)と対決している。
- 『仮面ライダーX』で、敵組織GOD機関の送り込む「悪人軍団」の怪人の一体として「カブトムシルパン」が登場した。
映像作品
映画
- 「アルセーヌ・ルパン対ガニマール(Arsène Lupin contre Ganimard)」1913年製作のミシェル・カレ監督によるフランスのサイレント映画(ドイツ系アメリカ人のジョセフ・メンヒェン Joseph Menchenが製作者。彼はモーリス・ルブランとの間にルパン物の映画化権の独占契約を交わした。しかし、実際に作られたのはこの1作だけであった。メンヒェンは1920年にその権利を36万ドルで、ロバートソン=コール社に譲渡した。1930年代になるまで、フランスでルパン映画が作られなかったのはこの契約があったからである)。
- 「アルセーヌ・ルパン」1915年製作のジェラルド・エイムズ(Gerald Ames)主演、ジョージ・ローニー・タッカー(George Loane Tucker)監督によるイギリスのサイレント映画。
- 「813」1920年製作のウェッジウッド・ノエル主演、スコット・シドニー、チャールズ・クリスティ監督によるアメリカのサイレント映画。
- 「813」1923年製作の溝口健二監督による日本のサイレント映画(フィルムは行方不明)。
- 「名探偵アルセーヌ・ルパン(Arsène Lupin détective)」 1937年製作の、ジュール・ベリー(Jules Berry)主役、アンリ・ディアマン=ベルジェ(Henri Diamant-Berger,)監督によるフランスの映画。『バーネット探偵社』に基づいている。
- 「顔のない男」1955年製作の芦原正監督による松竹映画。『ルパンの告白』所収の「赤い絹のスカーフ」に基づく。
- 「怪盗ルパン(Les Aventures d'Arsène Lupin)」 1957年製作のフランスの映画。
- 「ルパン(Arsene Lupin)」 2004年製作のフランス、イタリア、スペイン、イギリス合作の映画。
- 「ルパンの奇巌城」2011年公開の日本映画。
映画(翻案)
- 「七つの顔の男」(多羅尾伴内)1946年大映。ルパンの「怪屋」(謎の家)の翻案となっている。
テレビ
- 怪盗紳士アルセーヌ・ルパン(1971年、1973-74年) フランス・ドイツ・オランダ・イタリア・スイス・オーストリア・ベルギー・カナダ共同で製作されたドラマ・シリーズ、主演ジョルジュ・デクリーエル。全26話。DVDソフト有り(BOX版は全6BOXで26話を収録)
- 「怪盗ルパン813の謎」(1979) タツノコプロ製作のアニメーション作品。80分。のちに劇場公開。
- Lupin(2007年4月-8月)(フィリピンのドラマ・シリーズ)モーリス・ルブランの原作とルパン三世とをミックスさせたような内容。DVDソフト有り。
漫画作品
- 劇画怪盗ルパン (1984年) 永井豪・安田達矢とダイナミックプロによる、短編長編10編の漫画化。小学館。
- アルセーヌ・ルパンシリーズ (1989~1998年) ジャック・ジュロン他による、本国フランスでの、原作に忠実なバンデシネ。全6編。偕成社より、日本語版刊。
- mystery classics アルセーヌ・ルパン編 (2005年~) 森元さとるによる短編数篇の漫画化。講談社。
- 怪盗アルセーヌ・ルパン 八点鐘 (2008年~) JETによる「八点鐘」の漫画化。朝日新聞社「ネムキ」連載。
- コミック版ルパン&ホームズ (2009年~) 春野まことによる、ポプラ社版の数編の漫画化。
- 怪盗ルパン伝 アバンチュリエ (2011年~) 森田崇による、原作第1話「ルパン逮捕される」からの大河形式での漫画化。
- アバンチュリエ 新訳アルセーヌ・ルパン - 講談社イブニング連載 (2011~2012年) 「怪盗紳士ルパン」(一部掲載話変更)から「金髪婦人」まで。単行本全5巻。
- 怪盗ルパン伝 アバンチュリエ《登場編》 - ヒーローズ/小学館クリエイティブ月刊ヒーローズ刊 イブニング連載分に「黒真珠」を加えた増補・改訂版。単行本上・下(「怪盗紳士」「金髪婦人」)巻。
- 怪盗ルパン伝 アバンチュリエ - ヒーローズ/小学館クリエイティブ月刊ヒーローズ連載 (2013年~) 登場編(イブニング連載分)の続き。「公妃の宝冠(ルパンの冒険・戯曲アルセーヌ・ルパン)」からスタート。以下「ユダヤのランプ」「奇巌城」と連載中。
舞台作品
ミュージカル ルパン -ARCЁNE LUPIN-
- モーリス・ルブラン作『ルパン、最後の恋(ハヤカワ・ミステリ刊/ハヤカワ文庫近刊)』より(2013年) 宝塚歌劇団・月組公演。7月12日~8月12日 宝塚大劇場、8月30日~10月6日 東京宝塚劇場。:併演作はグランドレビュー「Fantastic Energy!」。(宝塚クリエイチブアーツより宝塚大劇場公演を録画したDVDが発売されている)
- 主演
- その他の主な出演者
- モーリス・ルブラン:北翔海莉
- ビクトワール:飛鳥裕
- ベアフォール伯爵:美弥るりか
- ドナルド・ドースン:凪七瑠海
- トニー・カーペット:沙央くらま
- ジェスタン・ガニマール:星条海斗
- フラヴィ:憧花ゆりの
- ヘリンボーン:越乃リュウ
A / L--怪盗ルパンの青春--
シアター・ドラマシティ(2007年3月)宙組特別公演、日本青年館(宝塚クリエイティブアーツよりシアター・ドラマシティ公演を録画したDVDが発売されていた)
- 作・演出 斉藤吉正。作曲・編曲 青木朝子
- 主な出演者
- ラウル・バラン(A / L):大和悠河
- アニエス・ド・スーピーズ:陽月華
- シャーロック・ホームズ:北翔海莉
- アンリエット:光あけみ
- ルイ・アントワーヌ・レオン公爵:悠未ひろ
- ドクトル・ゴッズ:寿つかさ
- スービーズ伯爵夫人:鈴奈沙也
- ミロ・ガニマール警部:初嶺麿代
- ヴィクトワール・ル・ルブラン:美風舞良
- ローアン枢機卿:十輝いりす
- エヴァ・ローレン:和音美桜
- ルブランの短編「王妃の首飾り」を中心に「アンペール夫人の金庫」、「シャーロック・ホームズの遅すぎた到着」などの挿話を取り込んだオリジナル脚本。
ルパン
1987年10月8日~25日PARCO劇場初演
入鹿尊、大西多摩恵、他
- 仲代がルブランとルパンの二役を演じ作中世界と現実世界を往還するオリジナル戯曲。無名塾制作。
参考文献
- ジャン=クロード・ラミ 『アルセーヌ・リュパン―怪盗紳士の肖像』東京創元社 大友徳明訳 ISBN 4488015107
- 和田英次郎 『怪盗ルパンの時代―ベル・エポックを謳歌した伊達男』早川書房 ISBN 4152033975
- 松村喜雄 『怪盗対名探偵―フランス・ミステリーの歴史』晶文社 ISBN 479495963X ISBN 4575658510
- 浜田知明 「解説」 『アルセーヌ・ルパン(世界の名探偵コレクション10)』集英社(文庫) ISBN 4087485579
- 浜田知明 「解説」 『怪盗ルパン 奇巌城』 ISBN 4087520323
- 榊原晃三 「解説」 『アルセーヌ・ルパン全集 ルパン最後の事件』偕成社 ISBN 4038152502
- 住田忠久 「解説」 『戯曲アルセーヌ・ルパン』論創社 ISBN 4846007413
関連事項
- サバット - ルパンが父から手ほどきを受けた武術。日本語訳では「ボクシング」と表記されることが多い。
- ルパン三世 - 主人公がアルセーヌ・ルパンの孫という設定
- シャーロック・ホームズ
- 孫了紅 - 東洋のアルセーヌ・ルパンと呼ばれる魯平(ルーピン)シリーズを書いた推理作家
- 保篠龍緒 - 戦前・戦後にルパン・シリーズを一手に訳していた訳者。
- 南洋一郎 - 戦後児童向けにルパン・シリーズのほとんどをリライトした児童作家。
外部リンク
- ルパン荘(フランスのルブラン記念館の公式サイト。仏文&英文)
- Arsène Lupin(フランスのミステリを紹介した英文サイト内のルパンのページ。映像化リストが充実)
- 怪盗ルパンの館(作品リスト、作品概説、映画「ルパン」鑑賞記、翻訳史など)