さすがの猿飛
テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『さすがの猿飛』(さすがのさるとび)は、細野不二彦が1980年から1984年まで『増刊少年サンデー』(小学館刊)に連載した漫画。テレビアニメ化もされている。
作品解説
表向きは普通の私立高校、実は忍者を養成し、世に送り出す専門機関でもある私立忍ノ者(しのびのもの)高校が舞台。そこに転入してきた猿飛肉丸の活躍や恋の行方を描く。同校の創立者・猿飛八宝斎の孫である彼は、かなり背が低い・超肥満体・卑しいほどの大食漢・スケベと女性に嫌悪されそうな条件を揃えているが、なぜか校長の娘で幼馴染みの美少女くノ一・霧賀魔子には好かれており、周囲も羨む相思相愛の仲。彼女がピンチの時には怒りの台詞と共に豹変し、得意の忍術を駆使して大活躍する。
肉丸の必殺技は、足底を地面に超高速で擦り付ける事で発生する強力な熱対流がミニ台風となる「神風の術」(女生徒のスカートめくりにも使用)と、空腹時に胃壁を振動させる事によって超音波を発生させ、敵を破壊する「胃の笛の術」。
非常に個性的な登場人物の面々、ちょっとエッチなシーンが特徴のドタバタコメディー。時にラブコメの要素も踏まえている。たまにストーリー本編と関係のない番外編が挟まれるのも特徴。特にアニメ版では多くの番外編が追加されている。
アニメ版は原作の話数が足りなかったためオリジナルキャラや独自の設定が盛り込まれ、原作とは大きく異なる。「アナログな忍者」を養成して世に送り出す忍ノ者高校に対し、「ハイテクな機械を駆使する近代的なスパイ」を養成するライバル校・スパイナー高校とその生徒が当初から登場している。肉丸をはじめ、忍ノ者高校をあからさまに敵対視し、色々な対決を仕掛けてくる。
登場人物
声はアニメ版のもの。
- 猿飛 肉丸(さるとび にくまる)
- 声 - 三ツ矢雄二
- 本作の主人公。かなり背が低く、超肥満。卑しいほどの大食漢、スケベと女性に嫌悪されそうな条件を備えた風貌の持ち主。しかし、魔子とは幼少時より相思相愛の仲。周囲から「バカップル」と揶揄されるほどのラブラブぶりである。
- 誰よりも一番好きなのは魔子であるが、他の美少女も大好きである。ナンパをすることもあるが(無論、本心で付き合おうというわけではない)、相手にされることは滅多にない。得意の「神風の術」でスカートめくりをするのは御挨拶代わりで、この上ない楽しみの一つとしている。当然ながら魔子に叱られるのがオチ。
- 大食漢の肉丸のために毎日魔子が持参する「愛情たっぷり量もたっぷり特製手作り弁当」を一緒に食べる様子は、忍ノ者高校の昼休みの風物詩となっている。
- 普段はころころと笑顔で明るく、母曰く「はしっこい」性格で素直。朗らかで人懐っこい。しかし、魔子の窮地には怒りが爆発し、何人たりとも容赦しない。
- その風貌や言動ゆえに「忍者」としては不向きと思われるも、学校屈指の極めて優秀な生徒である。生まれながらの環境と天性の才能から、一般的な忍術も難なくこなす。加えて、オリジナルの忍術も体得しており、学校主催の大会では圧倒的実力で優勝を果たす。
- 得意技は足の裏を地面に超高速で擦り付けて上昇気流を発生させ竜巻を起こす「神風の術」や、常人なら自らの意思でコントロールできない消化器の蠕動運動を自律的に制御して破壊力を伴った超音波を発生させ、対象物を破壊する「胃の笛の術」など。「神風の術」はスカートめくり、「胃の笛の術」は空腹時にしか使えないが、女性の衣服だけを破壊し全裸にするなどお色気技の要素が強い。
- 霧賀 魔子(きりが まこ)
- 声 - 島津冴子
- 本作のヒロイン。肉丸の恋人。B83/W58/H84(アニメではB83/W54/H83)。靴のサイズは23.5cm。幼少期に肉丸と出会い、その時に起こった「ある出来事」をきっかけに相思相愛、両家公認(当初は母・亜子のみ猛反対するも、後に和解)の仲である。忍ノ者高校校長の一人娘。学校きっての美少女と誉れ高い。長い髪をポニーテールにしている。
- 一般教養も忍術も成績優秀であり、将来有望な「くノ一」とされている。学業だけでなく、家事も得意であり家庭的な面もある。特に料理の腕はかなりのもの。大食漢の肉丸のために手作り弁当を作るのが日課。それを美味しそうに食べる肉丸を見ることが何より至福の時間なのである。だが、それによって肉丸の肥満が身長すら圧縮し始めた事に気付いた時には肉丸の意志とは関係なくダイエット計画を発動するなど思い込みの激しい所もある。
- 常に肉丸に添うように行動し、ピンチの際は肉丸の庇護を受けてきた。しかし、今の技量では忍者として先に進んでいく肉丸との差は開くばかりで、共に歩むことが出来なくなるのではないかと自問し、葛藤するようになる。原作では、百年に一人の逸材と言わしめるほど高度な「幻術」を身につける。しかし、その幻術により暴走し、学園崩壊に一役買ってしまうも肉丸に幻術を破られ正気に戻る。得意な忍術は「忍法投げキッス」、「もろ肌くずし」、「幻術」、「蝶の舞」(アニメ)。また、原作では魔子も「神風の術」を使うことができる(毎日側でやられていれば嫌でも覚えると魔子は石川美加に言っていた。いつも肉丸と一緒にいるので、肉丸が女の子に挨拶代りに使う神風の術の巻き添えを受けていたようだ)。
- 石川 美加(いしかわ みか)
- 声 - 三田ゆう子
- 魔子の親友。魔子とはタイプの違う、高校生らしからぬ魅惑的な美貌の持ち主。短い髪を黒人風のアフロヘアーにしている。威勢の良い性格に加え、ツッパリで気性が激しく、忍ノ者高校の不良生徒達を取り仕切る姉御肌の「スケバン」として君臨している。たびたび問題行動を起こし、休学や停学の期間が頻繁にあるため学科の成績は劣っているが、忍術の成績は一流。色香を漂わせ異性の目を引いている間に忍術を仕掛けるなど、魔子にはまだ習得できない忍法の心得もある。
- 緒形先生(おがたせんせい)
- 声 - 若本紀昭
- 肉丸や魔子らのクラスを担当している教師。忍者としてもトップクラスの能力を誇る。引き締まった体躯で無駄のない所作。髪はオールバック、普段からサングラスを愛用。基本的にクールでニヒル…であったが、肉丸が転入してきた頃からペースを乱され、かなりストレスを感じている。「忍びたるもの、私欲は抑制すべし」を信条とする修行生活が永らく続いたためか、特に異性に対しての免疫が少ない。あまりにストレートなエロやエッチなシーンに直面すると対処できず鼻血を大量に噴出してしまうなど、軽いパニック状態になる。
- 猿飛 八宝斎(さるとび はっぽうさい)
- 声 - 八奈見乗児
- 肉丸の祖父であり、かすみの実父。忍ノ者高校創設者にして初代校長。かつては忍びの里に八宝斎ありとの呼び声も高かった偉大な忍者の一人であった。体術、幻術問わず、かなりの使い手。弟子であった小源太と一人娘・かすみの馴れ初めは八宝斎にとって「許し難い」ものだったことや、職業に納得していない部分が未だにあり、何かと絡んではしばしば「破門!」と称して小源太を追い出す(但し、小源太の力量は決して劣ってはいないので、「小源太が追い出される」というよりは「小源太が憤然として出て行く」といった体裁になっている)も、かすみにとっちめられて「破門」を解くという一連の「親子ゲンカ」は猿飛家の日常の風景、年中行事になっている。肉丸のスケベ気質は八宝斎からの隔世遺伝では?と思わせるスケベな好々爺である(原作終盤で明らかになった事だが、かつては妻が心労で早死にする位「女癖」が悪かった)。魔子のスリーサイズや下着の好みまで肉丸を通じて把握している。
- 猿飛 かすみ(さるとび かすみ)
- 声 - 増山江威子
- 肉丸の母。高校生の息子がいるとは思えない妖艶な美女。肉丸にその美貌は遺伝しなかったと嘆いている。父・八宝斎に弟子入りし、くノ一として修行を積んでいた。他の追随を許さないほどの優れた忍術と美貌で将来を嘱望されていたが、小源太と熱愛の末、肉丸を授かりできちゃった結婚。忍術ではなく主婦を究める道を選んだ。しかし、現役から遠ざかった今も忍術に衰えは見せず、亜子と対決した折には対等に戦った。冷蔵庫の中を全部食べてしまった肉丸に対しては容赦はしない。ちなみに肉丸からは「マミィ」と呼ばれている。
- 猿飛 小源太(さるとび こげんた)
- 声 - 増岡弘
- 肉丸の父。時に隠密行動を命ぜられることもある凄腕の警察官。若い頃は八宝斎の弟子として忍術を磨いていた。同じ門下生であり、八宝斎の愛娘・かすみと恋に落ち結婚。堅実な公務員の職に就いた。八宝斎は自分の与り知らぬうちに娘と恋仲になった経緯や、忍術の本領を発揮できない職を選んだことに、未だどこか納得いかず、何かあると「破門!」と家から追い出してしまうので時々猿飛家から姿を消している。忍びの里に住んでいたころは、その時用の家も確保していた(ほぼ恒例行事と化しているので、かすみも肉丸も然して心配はしていない)。かすみとは結婚18年経った今でもラブラブである。やはり肉丸には似ていない。肉丸からは「ダディ」と呼ばれている。
- 霧賀 大蔵(きりが たいぞう)
- 声 - 緒方賢一
- 魔子の父。猿飛八宝斎の弟子にして、現・忍ノ者高校校長。風貌はたぬきの置物に似ていると揶揄されている。普段は人当たりがよく、穏やかな物腰で飄々としたキャラクターであるが、ここぞと言う場面ではリーダーシップを発揮する有能な忍者である。肉丸や八宝斎に負けず劣らずスケベな一面もある。アイドル早田亜紀(cv.伊藤さやか)の大ファンであったり、都内の女子高生の制服をコレクションしていたりする。
- 霧賀 亜子(きりが あこ)
- 声 - 土井美加
- 魔子の母。かすみ・小源太・大蔵と共に八宝斎の下で修行を積んでいた。当時は小源太に恋心を抱いており、いつか告白しようと心に決めていた。しかし、親友でもあったかすみは亜子にも内緒で小源太と密かに交際をしており、子供まで宿してしまう(その子供が肉丸)。釈然としない思いをぶつけるように修行に打ち込み、有能な忍者に成長した。後に大蔵と結婚し、魔子を出産するも国際的な警察組織に抜擢され単身赴任、主に海外で活躍している。原作では忍ノ者高校の理事長でもあり、関西弁で捲くし立てるように喋る。結婚してからも小源太とかすみの件で遺恨が胸の奥で燻っていたため、当初はその息子の肉丸と自分の愛娘の恋愛には大反対しており、肉丸が忍ノ者高校に入学できなかったのも、そのあたりの事情が絡んでいる。ただ、海外に単身赴任している間に夫・大蔵が肉丸を忍の者高校へ転校させてしまったため、帰国後は二人を別れさせようと一考を案じる。その後は愛娘の気持ちを汲んで謝罪し和解、二人の仲を認めるようになった。アニメ版ではMM3と名乗り、CIAのエージェントとなっている。
- 忍豚(にんとん)
- 声 - 田中真弓
- 猿飛家に居候している豚。忍びの里において警察犬以上の訓練と若干の忍術の心得を子豚の頃より施されている。人語も完全に理解している。1回限りのゲストキャラだったが、アニメ版ではレギュラーとして登場。劇中のナレーションにも起用されている。
- 服部 優一郎(はっとり ゆういちろう)
- 声 - 松野達也
- 肉丸を「センパイ」と慕う後輩。成績優秀・品行方正。努力を惜しまない真面目な勉強家でもある。あどけなさを残した美少年であり、女生徒から絶大な人気がある。「忍者として肉丸を超える」事を目標とし、苦心の末「神風の術」を会得した上で肉丸に挑戦状を叩き付けるなど不敵な一面も。アニメ版では元スパイナー高校の生徒として登場した。
- 風間 小太郎(ふうま こたろう)
- 声 - 田中秀幸
- 頭脳明晰・成績優秀・容姿端麗、非の打ち所がないと自負している、少々気障な振る舞いをするナルシストな忍ノ者高校の生徒会長。大量の薔薇の花びらを撒き散らして登場することが多い。こちらも肉丸の転入以降ペースを崩され自信をなくしかけたところに、更に追い討ちをかけるように美少年の服部が登場したため、すっかり影の薄い存在になってしまった。アニメ版ではスパイナー高校校長の愛娘と惹かれ合うことに。
- 千秋(ちあき)
- 声 - 島本須美、玉川紗己子
- 原作ではカーリーヘアでアメカジの服を好んで着ている、ちょっと垢抜けない少女として登場。アニメ版では和服のよく似合う淑やかな美少女となっている。優一郎の遠縁であり、恋人でもある設定は同じ。忍者としての家業から遠ざかった親戚であるが、一通りの基礎は身に付けている。また、優一郎が恐れを成すほどの怪力を秘めている。
- 柘植 省吾(つげ しょうご)
- 声 - 塩屋浩三 / 少年期 - 田中真弓
- 猿飛家がまだ忍びの里で生活していた頃、肉丸をいじめていた少年。忍びの中でも優遇されやすい家柄の「上忍」に対し、自分の家は言わば下働きをする「下忍」であることに強い劣等感を持っている。藤林祥子と交際をしていたが、いつしか祥子の気持ちが離れていき別離。傷心の末、学校を退学して下忍仲間と徒党を組む。祥子が離れていったのは自分が下忍であるからだと思い込み、これまで以上に上忍を厭い、逆恨みするようになる。その最たる矛先が、上忍の多く通う忍ノ者高校で指折りの忍術使いであり、特に名門とされる猿飛家の子息でもある肉丸に向けられた。原作では祥子に未練を残している。正体を見せず影の存在として祥子に近づき「神風の術」を封じる秘策を伝授した。
- 上記の通り、大変腕は立つがコンプレックスからくる暗い性格で部下からも疎まれている。アニメ版では「ネグラ(根来のもじり)一族」を名乗る。
- 藤林 祥子(ふじばやし しょうこ)
- 声 - 横沢啓子
- 忍ノ者高校の生徒。才色兼備でクラシックピアノをたしなむ、落ち着いた雰囲気を漂わせる美人。名門・藤林家の令嬢。女生徒から羨望の眼差しを受けるお姉さま的存在である。省吾から伝授された手立てを使い、肉丸の「神風の術」を封じ込めた(この件がきっかけとなり、肉丸は新たな忍法を獲得するため修行に励み「胃の笛の術」を体得したのである)。以前、省吾と交際していた期間があり、今でも心を残している部分もある。周囲は下忍の出である省吾との交際に反対をしていたが、祥子にとっては障害になり得るはずもない小事であった。別れを決めた理由は、省吾が常日頃より身に付けているふんどし(ネーム入りの越中)を、生理的に受け入れることが出来なかったため。省吾が思い込んでいる「上忍と下忍との格差」が理由ではなかった。アニメ版ではスパイナー高校からの刺客として登場している。
※以下はアニメオリジナルキャラクター。
- 出門 虎造(でもん とらぞう)
- 声 - 寺田誠
- スパイナー高校の校長。忍ノ者高校に猿飛肉丸が転校したと聞き、生徒に「課外授業」と称して肉丸を狙わせている。「アナログな忍者は古い。これからはハイテクな機械を使いこなすスパイの時代」と信じて疑わない。一見ダンディな二枚目だが、学校の名声をあげるための手段は厭わない策略家で、金に汚い部分もあり、上部組織から送られた資金で豪華な生活を送り、部下や生徒の作戦の資金は自費となっている(だがそれが災いして、電気料未払いで光線砲が使えなくなり校舎が「黒い旅団」に破壊された)。2クール目頃から薩摩弁で喋る様になる。一人娘の葉子を溺愛している。
- 出門 葉子(でもん ようこ)
- 声 - 井上瑤
- 出門虎造の愛娘。普段は乙女チックな雰囲気を醸し出している美少女であるが、時折、たがを外した豹変ぶりを見せる。ライバル校・忍ノ者高校の生徒会長、小太郎と恋に落ち、その境遇をロミオとジュリエットになぞらえて悦にいっている場面もある。
- 教頭(きょうとう)
- 声 - 井口成人→石丸博也
- スパイナー高校の教頭。人使いの荒い出門校長に不満を抱いているが逆らえない。最末期は登場しなくなる。なおスパイナー高校は出門・教頭のほかに、あと4名幹部教師(声:龍田直樹、長堀芳夫ほか)がいたが、19話で上部組織から派遣されたゴーゴン局長(『戦国魔神ゴーショーグン』のブンドル局長がモデル。声:曽我部和行)に「無能」と見なされ免職された(スパイナーのデスクが六角形なのはその名残)。
- 00893
- 声 - 千葉繁
- スパイナー高校の生徒。成績は芳しくなく、進級に必要な単位を落としそうになっている。そのため常時「追試」「進級試験」と称された課題を受け、スパイ活動を行っている。痩身で長い黒髪。おネエ風の言葉遣いをしているためオカマキャラのように思われがちだが、後期、忍ノ者高校の女子生徒と淡い恋仲になる。生徒コードナンバーとして「00893」を与えられている(制作当初は単独で「ヤクザ」とも読めるようにつけたはずの番号であった)。下記の「004989」とのコンビで、0を抜いた最初の2つの数字を繋ぎ合わせて「49・89=四苦八苦」と呼ばれるようになり、「ハックちゃん」の愛称が定着した(「hack」とも読めるため、とは後付の理由)。
- 004989
- 声 - 間嶋里美
- スパイナー高校の生徒。00893と同様劣等生。やや小柄で、柔らかい茶髪のショートヘア。頼りない仕草をするオカマ風キャラである。コードナンバー「004989」。「四苦八苦」と読めるようにつけられたが、「00893」とのコンビを組む機会が多く「49」だけを取り上げられ、「シックちゃん」と呼ばれるようになった(「sick」「疾苦」とも読める)。ハックの恋を応援している。
テレビアニメ
1982年10月17日から1984年3月11日まで、フジテレビ系列(一部除く)で毎週日曜日19:00 - 19:30の枠にて全69話が放送された。また、2004年と2009年にはCS放送でも再放送している。
原作では1話のみ登場した忍豚がレギュラーになっている、忍ノ者高校のライバル校として原作には登場しないスパイナー高校とその生徒「00893」「004989」の2人が登場する、などの違いがある。後半では「黒い旅団」と名乗る組織が現れ、これと戦うために両校が協力し合う展開となる。
月刊誌連載だったため原作が不足し、アニメ版オリジナルの話や、例えば時代が戦国時代や原始時代になったり、映画のパロディだったり等の番外編が多い。放送当時ヒットした映画のパロディが多く、また、同じ原作者の『どっきりドクター』を原作にした話もあった。シリーズ構成の首藤剛志が当時『魔法のプリンセスミンキーモモ』『戦国魔神ゴーショーグン』の原案・シリーズ構成も担当していた事と、増岡弘・三田ゆう子・千葉繁など両作と本作に共通して出演している声優が多数いた事から、『ミンキーモモ』を思わせる番外編や『ゴーショーグン』に登場するブンドルなどのキャラクターに酷似したキャラクターが登場する話も製作された。番外編の本数は全体の約1/3以上に上り、終了間際には特に多い。
本作の特徴のひとつである「神風の術」によるスカートめくりシーンは、実はそれほど多くないが、アニメ版はそれ以外にもパンチラや服が破れるなどの演出が多い。いわゆるサービスカットは前半に多く、後半は肉丸が神風の術を使っても、周りにいる女性のスカートの中身は見えない事がほとんどである。
スタッフ
- 原作:細野不二彦
- 企画:岡正
- チーフディレクター:佐々木皓一
- シリーズ構成:首藤剛志
- キャラクター設定:金沢比呂司
- 音響監督:斯波重治
- プロデューサー:片岡義朗、茂垣弘道
- 色指定:塚原良江、三須千奈美、スタジオ2001
- 美術監督:河野次郎
- 撮影監督:高橋明彦
- 編集:岡安肇、小野寺桂子、小島俊彦、渡辺雅日人、村井秀明(以上、岡安編集室)、他
- オープニングアニメーション・エンディングアニメーション:FRAFRA
- 音楽プロデューサー:荻野宏
- 音楽:久石譲
- 演出助手:三沢伸、河合佐知彦、本橋文雄
- メカ設定:竹内昭
- 制作担当:原田一男
- 制作協力:土田プロダクション
- 制作:旭通信社、日本アドシステムズ
主題歌
シングルレコードの発売元は、下記3曲ともビクター音楽産業(現・ビクターエンタテインメント)。
- オープニングテーマ
- 「恋の呪文はスキトキメキトキス」
ちなみに、スキトキメトキスと歌っている人がいるがこれは誤り。スキトキメキトキスが正しい。
- エンディングテーマ
各話リスト
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1982年 10月17日 |
でたぞ肉丸ドッキリ魔子 | 辻真先 | 佐々木皓一 | 山田雄三 | 金沢比呂司 |
2 | 10月24日 | これがうわさの肉丸ファミリー | 首藤剛志 | 光延博愛 | ||
3 | 10月31日 | 出た! 美加! スーパーくの一 | 筒井ともみ | 山田雄三 | 小川博司 | |
4 | 11月7日 | 魔子いじめた怒りの肉丸 | 金春智子 | 山口ツトム | 金沢比呂司 | |
5 | 11月14日 | バラの美少女レポート | 首藤剛志 土屋斗紀雄 |
藤原鉄太郎 | 石田昌久 | いのまたむつみ |
6 | 11月21日 | スパイナーから来た忍者 | 照井啓司 | 光延博愛 | 山田雄三 | 小川博司 |
7 | 11月28日 | アイドルをねらえ | 筒井ともみ | 虎井安夫 | 金沢比呂司 | |
8 | 12月5日 | やぶれたり神風の術 | 土屋斗紀雄 | 光延博愛 | ||
9 | 12月12日 | 戦国猿飛秘話 | 入江とおる | 山田雄三 | 小川博司 | |
10 | 12月19日 | わたしの宇宙人 | 首藤剛志 | 藤原鉄太郎 | 石田昌久 | いのまたむつみ |
11 | 12月26日 | 雪の日の愛のわかれに | 金春智子 | 更波野介 | 山田雄三 | 金沢比呂司 |
12 | 1983年 1月9日 |
ハチャメチャ雪んこ野球 | 入江とおる | 小華和ためお | ||
13 | 1月16日 | 肉丸ウェスタン荒野の決闘 | 戸田博史 | 藤原鉄太郎 | 小川博司 | |
14 | 1月23日 | うそォ! 肉丸が雪男!? | 照井啓司 | 横田和善 | 金沢比呂司 | |
15 | 1月30日 | ネグラ忍法帖!? | 柳川茂 | 福富博 | ||
16 | 2月6日 | ネグラ一族の陰謀! | ||||
17 | 2月13日 | パニック・肉丸が変身!? | 土屋斗紀雄 | 更波野介 | ||
18 | 2月20日 | 魔子と肉丸の思い出アルバム | 金春智子 | 藤原鉄太郎 | 石田昌久 | いのまたむつみ |
19 | 2月27日 | 決戦!! スパイナー対忍びの者 | 首藤剛志 | 三沢伸 | 山田雄三 | 小川博司 |
20 | 3月6日 | バラがくれひょうきん選挙 | 戸田博史 | 原田益次 | ||
21 | 3月13日 | ファーストキッスで待たされて | まるおけいこ | 福富博 | 金沢比呂司 | |
22 | 3月20日 | シェイプアップラブ大作戦 | 辻真先 | 虎井安夫 | 小川博司 | |
23 | 3月27日 | ハチャメチャ? げんまん大戦! | 武上純希 | 藤原鉄太郎 | 石田昌久 | いのまたむつみ |
24 | 4月3日 | 0029まる危機一発!! | 柳川茂 | 渡辺佳明 | 山田雄三 | 金沢比呂司 |
25 | 4月10日 | ナンバーワン忍者・肉丸!? | 土屋斗紀雄 | |||
26 | 4月17日 | さらば! さすらいのニントン | 戸田博史 | 小華和ためお | ||
27 | 4月24日 | 出た! 恋のライバル猫若丸 | 佐々木皓一 | |||
28 | 5月1日 | ミカの愛した英雄バイク | 柳川茂 | 福富博 | 鈴木信一 | |
29 | 5月8日 | 宿命の対決!! 肉丸VSニントン | まるおけいこ 首藤剛志 |
渡辺佳明 | 金沢比呂司 | |
30 | 5月15日 | 寒い国から来たスパイ | 武上純希 | 石田昌久 | ||
31 | 5月22日 | 決斗! 愛すればこそ | まるおけいこ 首藤剛志 |
小華和ためお | 谷口守泰 | |
32 | 5月29日 | 魔子の丸秘ドッキリレポート | 朝倉千筆 | 神崎貢一 | 小川博司 | |
33 | 6月5日 | 初手柄!? ヘバロンとりで大爆破! | 柳川茂 | 小鹿英吉 | 金沢比呂司 | |
34 | 6月19日 | 肉丸はじめて物語恐竜100万年 | 戸田博史 | 岡本鷹範 | 谷口守泰 | |
35 | 6月26日 | ザ女教師・わたしが愛したくの一! | 筒井ともみ | 福富博 | 鈴木信一 | |
36 | 7月3日 | パイパニック号を引き上げろ!! | 戸田博史 | 神崎貢一 | 金沢比呂司 | |
37 | 7月17日 | 肉丸南極物語 | 森脇真琴 | |||
38 | 7月31日 | モモちゃん忍法・変身の術 | 土屋斗紀雄 | 吉田浩 | 小川博司 | |
39 | 8月7日 | 山は呼んでる! 肉丸VS八宝斉 | 柳川茂 | 森脇真琴 | 金沢比呂司 | |
40 | 8月14日 | 肉丸inスペースウォーズ | 武上純希 | 三沢伸 | ||
41 | 8月21日 | ゆれてぬれて海辺の決斗! | まるおけいこ 首藤剛志 |
福富博 | 鈴木信一 | |
42 | 8月28日 | 肉丸パニック! 食うのは奴らだ | 花園由宇保 | 光延博愛 | 毛利和昭 | |
43 | 9月4日 | 肉丸VSスパイナー! 宇宙の対決!! | ゆうき桃 | 宇都木勇 | ||
44 | 9月11日 | あこがれのビーチ・ラブ! | 内山京子 筒井ともみ |
神崎貢一 | 金沢比呂司 | |
45 | 9月18日 | 禁じられた恋? 地の果てまで! | 金春智子 | 吉田浩 | ||
46 | 9月25日 | 魔子のララバイ忍法“蝶の舞” | 戸田博史 首藤剛志 |
森脇真琴 | ||
47 | 10月2日 | 大奥・お嫁においで物語 | 柳川茂 | 鈴木信一 | ||
48 | 10月9日 | 肉丸が愛したペンフレンド?! | 戸田博史 | 佐々木皓一 | 毛利和昭 | |
49 | 10月16日 | ザ・女教師 ウィーンの秋に燃えて | 筒井ともみ | 神崎貢一 | 金沢比呂司 | |
50 | 10月23日 | 美加の愛した“10月の風” | 柳川茂 | 福富博 | 宇都木勇 | |
51 | 10月30日 | エーゲ海にささぐ“忍法蝶の舞” | 戸田博史 | 岡迫和之 | 金沢比呂司 | |
52 | 11月6日 | 斗え小源太! 明日に向かって | 柳川茂 | 吉田浩 | ||
53 | 11月13日 | ザ・忍者 これが日本だ! | 花園由宇保 | 森脇真琴 | 鈴木信一 | |
54 | 11月20日 | おしゃもじ忍法“ママの神風” | 首藤剛志 戸田博史 |
高垣幸蔵 | 山田雄三 | 毛利和昭 |
55 | 11月27日 | 魔子ちゃん! 君こそスターだ! | 首藤剛志 金春智子 |
岡迫和之 | 金沢比呂司 | |
56 | 12月4日 | 00コンビうらぎり大逆転! | 内山京子 首藤剛志 |
石川康夫 | ||
57 | 12月11日 | もう一度肉丸アイラブユー | 首藤剛志 戸田博史 |
高垣幸蔵 | ||
58 | 12月18日 | 魔子VS肉丸びっくり忍者日本一 | 首藤剛志 | 森脇真琴 | 鈴木信一 | |
59 | 12月25日 | 戦場のブルークリスマス | 高垣幸蔵 | 山田雄三 | 金沢比呂司 | |
60 | 1984年 1月8日 |
ハチャメチャ・肉丸八豚伝 | 柳川茂 | 毛利和昭 | ||
61 | 1月15日 | さよなら!? 前略肉丸さま | 三沢伸 高林久弥 |
摩砂雪 | ||
62 | 1月22日 | 爆発! バクハツ! 大ばくはつ!! | 首藤剛志 | 高垣幸蔵 | 宇都木勇 | |
63 | 1月29日 | 大怪人VS肉丸地球最大の斗い! | 谷本敬次 | 森脇真琴 | 鈴木信一 | |
64 | 2月5日 | 大奥いじめていじめて物語 | 柳川茂 | 高垣幸蔵 | 山田雄三 | 金沢比呂司 |
65 | 2月12日 | 誰がいちばん美人? それは私です! | 谷本敬次 | 阿宮正和 | 毛利和昭 | |
66 | 2月19日 | キャッツもびっくり!? 肉丸ミュージカル | 山田雄三 | 金沢比呂司 | ||
67 | 2月26日 | 美加の愛した足長おじさん | 柳川茂 | 森脇真琴 | 鈴木信一 | |
68 | 3月4日 | これがウワサの少年ケニやん | 花園由宇保 | 佐々木皓一 | 山田雄三 | 摩砂雪 |
69 | 3月11日 | たかが肉丸・されど肉丸 さらば肉丸! | 首藤剛志 | 神崎貫一 | 毛利和昭 |
放送休止理由
1983年
・01月02日:オールスター家族対抗歌合戦(1900-2100)
・06月12日:プロ野球中継 ヤクルト-巨人~神宮球場(1900-2054)
・07月10日:プロ野球中継 ヤクルト-巨人~神宮球場(1900-2054)
・07月24日:プロ野球オールスターゲーム第2戦~西宮球場(1830-2054、最大延長2149まで)
1984年
・01月01日:笑っていいとも!元旦特大号(1803-2000)
ネット局
- 系列は当時の系列。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | ネット形態 | 備考 |
---|---|---|---|---|
関東広域圏 | フジテレビ | フジテレビ系列 | キー局 | |
北海道 | 北海道文化放送 | 同時ネット | ||
青森県 | 青森テレビ | TBS系列 | 遅れネット | |
岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | ||
宮城県 | 仙台放送 | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
同時ネット | |
福島県 | 福島テレビ | フジテレビ系列 | 遅れネット →同時ネット |
1983年3月まではTBS系列とのクロスネット局[1] |
山梨県 | 山梨放送 | 日本テレビ系列 | 遅れネット | |
新潟県 | 新潟総合テレビ | フジテレビ系列 | 同時ネット | 1983年9月まではテレビ朝日系列とのクロスネット局 |
長野県 | 長野放送 | |||
静岡県 | テレビ静岡 | |||
富山県 | 富山テレビ | |||
石川県 | 石川テレビ | |||
福井県 | 福井テレビ | |||
中京広域圏 | 東海テレビ | |||
近畿広域圏 | 関西テレビ | |||
島根県・鳥取県 | 山陰中央テレビ | |||
岡山県・香川県 | 岡山放送 | |||
広島県 | テレビ新広島 | |||
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
遅れネット | 放送当時テレビ山口がフジテレビ系列局だったが、 TBS系列優先のクロスネット局だったことによる編成の都合と スポンサーセールスの事情から、 番組販売扱いで該当放送局で放送された。 |
愛媛県 | テレビ愛媛 | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
高知県 | テレビ高知 | TBS系列 | 遅れネット | |
福岡県 | テレビ西日本 | フジテレビ系列 | 同時ネット | |
佐賀県 | サガテレビ | |||
長崎県 | テレビ長崎 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
遅れネット | |
熊本県 | テレビ熊本 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
同時ネット | |
大分県 | テレビ大分 | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
遅れネット | |
鹿児島県 | 鹿児島テレビ | フジテレビ系列 日本テレビ系列 |
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沖縄県 | 沖縄テレビ | フジテレビ系列 | 同時ネット |