五稜郭駅
五稜郭駅(ごりょうかくえき)は、北海道函館市亀田本町にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)の駅である。駅番号はH74。
駅名は「五稜郭」であるが、特別史跡の五稜郭からは北西に2kmほど離れた位置にある。そのため、五稜郭公園や五稜郭タワーなどの観光スポットは、函館市電の五稜郭公園前停留所の方が至近となっている。
本稿では営業キロ上で同一地点にある日本貨物鉄道(JR貨物)の函館貨物駅(はこだてかもつえき)や、1978年11月1日の函館市電本線の一部(五稜郭駅前 - ガス会社前間)の廃止の際に廃止された五稜郭駅前停留所(ごりょうかくえきまえていりゅうじょ)についても記述する。 テンプレート:-
目次
歴史
JR北海道函館運輸所青函派出所、JR貨物五稜郭機関区についてはそれぞれのリンク先を参照。
- 1911年(明治44年)9月1日:国有鉄道函館本線の駅として開業[1]。旅客・荷物を取扱い。
- 年月日不詳:貨物の取扱いを開始。正確な時期は不明だが、1912年(大正元年)の停車場一覧では一般駅となっている。
- 1913年(大正2年)9月15日:国有鉄道上磯軽便線が開通[1]。
- 1922年(大正11年)
- 1936年(昭和11年)11月10日:上磯線が江差線に改称。
- 1942年(昭和17年)9月11日:五稜郭工場が五稜郭工機部と改称。
- 1943年(昭和18年)1月10日:五稜郭操車場設置、一部使用開始。有川埠頭に青函連絡船(貨物便)用の第3岸壁が竣工。使用開始。
- 1944年(昭和19年)
- 1950年(昭和25年)
- 1955年(昭和30年)11月27日:駅前に函館市電五稜郭駅前停留所が開業[2]。
- 1973年(昭和48年)9月1日:五稜郭工場が苗穂工場五稜郭車両センターとなる。
- 1977年(昭和52年)10月:駅舎改築。
- 1978年(昭和53年)11月1日:函館市電五稜郭駅前停留所廃止[2]。
- 1980年(昭和55年)
- 1984年(昭和59年)2月1日:五稜郭操車場使用停止。同時に、有川桟橋での青函連絡船(貨車航送船)による貨車の積み降ろしも廃止。
- 1985年(昭和60年)3月20日:苗穂工場五稜郭車両センターが五稜郭車両所となる。
- 1986年(昭和61年)11月1日:荷物の取扱を廃止。五稜郭貨車区を函館運転所に統合。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)・日本貨物鉄道(JR貨物)に継承。
- 1988年(昭和63年)3月13日:海峡線(津軽海峡線)開業に伴い、函館本線の函館駅 - 当駅間と江差線の当駅 - 木古内駅間が交流電化される。
- 2002年(平成14年)12月1日:それまで全列車が停車していた津軽海峡線の特急列車の大半が通過となる。
- 2007年(平成19年)3月:窓口営業時間・改札時間延長のため、営業要員の泊まり勤務を復活。
- 2009年(平成21年)5月24日:貨物駅構内に置かれていたコンテナが多数物色され、中に入っていた砂糖などが盗まれているのが発見される[3]。この事件を受けJR貨物は、夜間に貨物駅構内の照明を行うことや、パトロールの強化を実施することになった。
- 2010年(平成22年)12月4日:特急「北斗」・「スーパー北斗」のうち、15号を除く全列車が停車するようになる[4]。
- 2011年(平成23年)
- 2013年(平成25年)11月1日:特急「北斗」・「スーパー北斗」全列車が停車するようになる[7]。
JR北海道 五稜郭駅
乗り入れ路線
函館本線を所属線としており[8]、江差線を加えた2路線が乗り入れている。当駅は線路名称上での江差線の起点であるが、江差線の列車はすべて函館本線経由で函館駅まで乗り入れる。函館本線としての電化区間は当駅まで(当駅[注 1] - 小樽駅間非電化)で、交流電化の架線は江差線の方へ続く(北海道新幹線新函館部分開業後は渡島大野駅まで交流電化区間延伸予定)。
なお、江差線木古内駅から海峡線に入るルート(青森駅 - 函館駅間)には旅客案内上「津軽海峡線」という愛称が付けられている。ただし、木古内駅 - 当駅間にある途中駅には、海峡線を経由する列車が全列車通過するため、この愛称は使用されない。
特急列車は「北斗」・「スーパー北斗」が全列車、「白鳥」・「スーパー白鳥」が4往復(下り:93・21・25・27号、上り:14・16・20・98号)停車する。かつてはごく一部の特急列車だけが停まっていたが、のちに津軽海峡線の快速・特急列車がすべて停車するようになり、函館本線の特急列車も停車列車が増加した。しかし、2002年12月1日のダイヤ改正で津軽海峡線の停車列車が大幅に削減された。
函館駅同様、江差線、津軽海峡線の木古内・青森方面と函館本線の長万部・札幌方面との相互乗換駅となっているが、前述でも触れている通り、青森方面への優等列車のほとんどが当駅を通過するため、大半は函館駅での乗り継ぎとなる。このため、函館駅 - 当駅間では運賃計算の特例でどちらか片方、もしくは両方が当駅通過列車で、かつ、函館駅で途中下車しないで七重浜駅以西及び桔梗駅以北へ乗車する場合に限り、当駅と函館駅間の重複区間の運賃は不要となる。なお、函館駅で途中下車する場合や当駅に停車する列車同士を函館駅で乗り継ぐ場合には重複区間の運賃が必要となる。
駅構造
島式ホーム2面4線を有する地上駅。ホーム番号は駅舎側から3・4・5・6番のりばとなっている。1・2番線は側線で、6番線以降も12番線まで存在するが、いずれもホームはない。7・8番線は貨物列車の着発線となっている。本線は、下りが5番線、上りが4番線である。
駅舎は構内東側(1番線側)にあり、2つのホームとは跨線橋で連絡している。駅舎内にはみどりの窓口(営業時間6時00分 - 22時00分)、トラベルセンター(旅行センター・営業時間9時00分 - 17時00分、日曜・祝日休業)、自動券売機、キヨスク、「みかど」のそば屋がある。直営駅であり、管理駅として函館本線の桔梗駅および江差線七重浜駅 - 釜谷駅間の各駅を管理下に置く。終日社員配置で営業社員のほか、信号詰所には運転社員が配置されている。
駅構内の西側にはJR北海道五稜郭車両所、構内の北側には函館運輸所青函派出所やJR貨物五稜郭機関区がある。かつては青函派出所や五稜郭機関区の周囲には五稜郭操車場が広がっていた。
のりば
3 | (予備ホーム) | |
---|---|---|
4 | テンプレート:Color函館本線 テンプレート:Color江差線(津軽海峡線) |
函館行き |
5 | テンプレート:Color函館本線 | 七飯・大沼公園・森・長万部・札幌方面 |
テンプレート:Color江差線(津軽海峡線) | 上磯・木古内・青森・新青森方面 | |
6 | (予備ホーム) |
6番のりばは現在定期列車の発着がない。2002年12月1日のダイヤ改正まで、一部の札幌発の特急列車が盛岡行の特急列車と連絡するために使用していた。3番のりばも「トワイライトエクスプレス」の機関車付け替えのための運転停車以外通常使用されることはなく、機関車の待避線として用いられている。ただし、ごくまれに七飯方面からの乗客の降車に用いられることがある。
5番のりばのホームは機関車を含めて8両分しかなく、快速「海峡」が増結運転された場合には前7両のみドア扱いをし、後の車両は締切だった(ドアカット)。なお、4番のりばは13両分あったため、すべての車両においてドア扱いを行っていた。
その他
函館駅から数分と近い距離にあるため、函館駅始発で当駅停車の列車は、自動放送の場合、函館駅発車直後は当駅停車の案内だけを行い、車内案内などの長い時間を必要とする放送は、当駅を発車後に行う。
他路線へ乗り入れる際、基本的に旅客列車は函館駅で、貨物列車は当駅でスイッチバックを行う。「トワイライトエクスプレス」は函館駅まで行かず、当駅で方向転換しているが、大幅なダイヤの乱れや不通区間で札幌発着にならない場合は函館駅まで向かうことがある[注 2]。その場合、函館 - 札幌間は「北斗」または臨時特急による代替輸送となる。
特急「北斗」・「スーパー北斗」と「白鳥」・「スーパー白鳥」の乗り継ぎは函館駅で行うことを前提としてダイヤが編成されているが、先発列車側のダイヤが乱れた場合、函館駅発の後続列車を当駅で待機させ、当駅のみでの連絡とすることがある。この場合、車内放送で函館駅では連絡しない旨が案内される。
利用状況
- 2012年度の1日平均の乗車人員は1,053人である。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2007 | 889 |
2008 | 953 |
2009 | 960 |
2010 | 971 |
2011 | 1,024 |
2012 | 1,053 |
JR貨物 函館貨物駅
テンプレート:駅情報 日本貨物鉄道(JR貨物)の函館貨物駅は、旅客駅から2.1kmの非電化路線を経由した函館市港町一丁目(函館港有川埠頭)に位置する。2011年(平成23年)3月12日に「五稜郭駅」から改称された[5]。別名は有川操車場、五稜郭貨物駅など。
かつては、貨物駅から旅客駅へ至る現在の線路の他、北側に曲がり五稜郭操車場へ至る路線もあった。その廃線跡の一部は道路となっている。また、1980年代まで、駅南側にかつて存在した日本石油函館油槽所へ続く専用線が存在し、当駅から石油の発送が行われていた。
駅構造
駅には3面6線のコンテナホームや、数本の留置線・仕分け線及び転車台を持つ。営業窓口であるJR貨物北海道支社函館営業所や、北海道ジェイアール物流函館支店・五稜郭事業所も構内にある。
駅構内は、旅客駅にある一部の着発線を除き電化されていない[注 3]。構内の入換作業は、本線での列車牽引も行うDD51形ディーゼル機関車またはJR貨物DF200形ディーゼル機関車が間合い運用として担当している。
甲種車両輸送によって本州方面から到着したJR北海道向けの鉄道車両は、当駅でJR貨物から引き渡されることが多い。
取扱う貨物の種類
コンテナ貨物と臨時の車扱貨物の取扱駅である。コンテナ貨物は、JR規格の12フィートコンテナ、20フィート・30フィートの大型コンテナ、ISO規格の20フィート・40フィート海上コンテナを取り扱う。取扱品は、発送貨物では野菜や紙、食料工業品、積合せ貨物(宅配便など)など、到着貨物では積合せ貨物、紙、薬品などが主なもの。駅における産業廃棄物の取扱許可を得ており、それらが入ったコンテナの取り扱いも可能である。
貨物列車
2010年3月13日現在、下り列車(長万部駅方面行き)は1日8本、上り列車(木古内駅方面行き)は1日12本の高速貨物列車が当駅に停車し、コンテナ車の連結・解放を行う。また、上りの臨時列車も設定されている。列車の行き先は、下り列車は札幌貨物ターミナル駅のみだが、上り列車は隅田川駅、名古屋貨物ターミナル駅、梅田駅などがある。なお、専用貨物列車の発着はない。
江差線は北西側から函館方面へ南下して当駅へ進入する構造となっているため、全ての貨物列車は当駅にて進行方向が変わる。さらに当駅から東室蘭駅までの区間は非電化となっている事から、全ての貨物列車は当駅にて機関車交換を行う。当駅以北は営業運転の電気機関車が乗り入れない事から、東室蘭以北の電化区間上にある貨物駅は着発線部を含め全て非電化である。
利用状況
- 2011年度の発送貨物は159,000トン、到着貨物は126,000トンだった。
函館市交通局 五稜郭駅前停留所
函館市交通局(現・函館市企業局交通部、函館市電)の五稜郭駅前停留所は、1955年(昭和30年)11月27日の鉄道工場前 - 五稜郭駅前間の路線延伸の際に開設された停留所である[2]。所属は本線で、湯の川線始発では無い系統(1系統の五稜郭駅前始発、4系統)の始発であった。1978年(昭和53年)11月1日に亀田町・大野新道・鉄道工場前の各停留所と共に廃止され[2]、後に本線は函館駅前までに短縮になった。
停留所構造
停留所は、2面1線のホームを有していた。停留所へ向かうには、中央部に停留所への昇降用階段を備えた歩道橋を利用した。廃止後も歩道橋自体は停留所への昇降用階段を撤去した形で使用されていたが、2005年(平成17年)に完了した国道5号線の拡幅工事に伴い解体・撤去された。
駅周辺
五稜郭駅は旧亀田市の代表駅であり、駅周辺施設も「亀田」の名が付くものが多い。
- 国道5号・国道227号
- 五稜郭(国指定特別史跡)
- 函館西警察署亀田交番
- 五稜郭駅前郵便局
- 函館信用金庫亀田支店
- 北海道銀行亀田支店
- みちのく銀行亀田支店
- 日本通運函館支店物流センター
- 函館港(青函フェリーのりば)
- 市立函館病院
- ポールスターショッピングセンター
- 函館新聞社
- 清尚学院高等学校
- コジマNEW函館店
- ヤマダ電機テックランド函館店
- 高速はこだて号・函館特急ニュースター号・函館バス「五稜郭駅前」停留所
隣の駅
- 北海道旅客鉄道(JR北海道)
- テンプレート:Color函館本線
- テンプレート:Color江差線(津軽海峡線含む、ただし函館駅 - 当駅間は函館本線)
- 特急「白鳥」・「スーパー白鳥」(一部)
- 函館駅 (H75) - 五稜郭駅 (H74) - 木古内駅
- 普通
- 函館駅 (H75) - 五稜郭駅 (H74) - 七重浜駅
- 特急「白鳥」・「スーパー白鳥」(一部)
かつて存在した路線
- 函館市交通局
- 本線(1978年11月1日廃止)
- 鉄道工場前停留場 - 五稜郭駅前駅
脚注
注釈
出典
参考文献
関連項目
外部リンク
テンプレート:鉄道路線ヘッダー テンプレート:函館本線1 テンプレート:江差線 テンプレート:Navbox テンプレート:函館市電 (廃線区間) テンプレート:鉄道路線フッター
テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ- ↑ 1.0 1.1 日本鉄道旅行地図帳、P26。
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 日本鉄道旅行地図帳、P25。
- ↑ 「コンテナ荒らし:37個被害、砂糖など盗難 北海道」、毎日新聞、2009年5月24日。
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 5.0 5.1 「MONTHRYかもつ」2011年3月号 VOL.61(鉄道貨物協会)19ページ
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
引用エラー: 「注」という名前のグループの <ref>
タグがありますが、対応する <references group="注"/>
タグが見つからない、または閉じる </ref>
タグがありません