大曽根駅
大曽根駅(おおぞねえき)は、愛知県名古屋市東区・北区にある、東海旅客鉄道(JR東海)・名古屋鉄道(名鉄)・名古屋市交通局(名古屋市営地下鉄)・名古屋ガイドウェイバスの駅である。
北区にあるのは、名古屋市営地下鉄の西半分のみである。
目次
乗り入れ路線
JR東海の中央本線、名鉄の瀬戸線、名古屋市営地下鉄の名城線、名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)のガイドウェイバス志段味線が乗り入れている。地下鉄の駅には「M12」、当駅が起点のガイドウェイバスの駅には「Y01」の駅番号が設定されている。なお地下鉄名城線は、線路名称上は金山方面が2号線(当駅が起点)、名古屋大学方面が4号線(当駅が終点)となっている。
名古屋市内では名古屋駅、金山駅(金山総合駅)に次ぐ乗り入れ鉄道路線数である。ただし、どの駅も少しずつ離れているため、前述の両駅と比較すると乗り換えの便はあまりよくない。
地下鉄名城線以外の3路線が、守山区に向かって伸びており、郊外である守山区と名古屋市中心部を結ぶ拠点ともなっている。
JR東海
駅構造
築堤上(一部高架上)に1面2線の島式ホームを有する高架駅。南北に伸びるホームの西側(1番線)を多治見方面行きの下り列車が使用し、ホームの東側(2番線)を名古屋方面行きの上り列車が使用する。他に、ホームのない待避線(副本線)が上下線外側に1本ずつあり、貨物列車や回送列車の待避に(ダイヤ混乱時にはまれに優等列車の追越や普通・快速列車の待避にも)利用されている。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color中央本線 | 下り | 多治見・中津川方面[1] |
2 | テンプレート:Color中央本線 | 上り | 名古屋方面[1] |
改札口は、南口と北口の2か所ある。北口は高架下に位置するが、南口は築堤の西側に設けられている。南口には駅舎があったがマンションに建て替えられ、その1階部分に改札口とコンビニエンスストアが入居している。開業時は現在の南口のみであったが、地下鉄名城線開業に伴って北口が設けられた。このため、北口からホームまで100メートル弱の距離がある。
駅員配置駅(直営駅)である。駅長は配置されていないため、千種駅が当駅を管理する[2]。また、混雑時(主にドームイベント終了時)は東海交通事業の職員がホームで案内に当たる。みどりの窓口は北口、南口双方にあり、共に営業時間は5:15~23:30である。自動改札機、自動券売機が設置されている。エレベーターや多機能トイレは北口にのみあり、南口は階段のみである。
JRの特定都区市内制度における「名古屋市内」の駅である。特急「しなの」は通過するが、快速、普通と一部の「ホームライナー」が停車する。
上り待避線の東側には側線の痕跡が残る。ここに存在した側線から分岐する2本の専用線があったが、1982年(昭和57年)までに廃止された。1本は駅の東に隣接する三菱電機名古屋製作所の専用線で、築堤を下って製作所内へ向かっていた。もう1本は日本専売公社名古屋工場(後の日本たばこ産業名古屋工場、跡地はイオンモールナゴヤドーム前)の専用線で、駅南方へ向かった後、スイッチバックを行い東へ進路を変え、工場へ向かっていた。
下り待避線の西側には、瀬戸線に繋がる貨物線があり、瀬戸線との貨物の連絡輸送が行われていた。貨物輸送廃止後は、跡地にJR関連のビルが建設されている。
歴史
- 1895年(明治28年) - 周辺町村により「大曽根停車場設置置期成同盟会」結成。
- 1900年(明治33年)7月25日 - 現在の中央本線にあたる国有鉄道、名古屋駅 - 多治見駅間開業。千種駅 - 勝川駅間に駅の設置なし。
- 1903年(明治36年) - 大曽根に駅の設置認可。
- 1904年(明治37年) - 城東合資会社設立。
- 1905年(明治38年) - 城東合資会社により用地買収完了。
- 1907年(明治40年) - 大曽根停車場設置同志会より城東合資会社に対し追加出資。
- 1910年(明治43年) - 竣工。
- 1911年(明治44年)
- 1945年(昭和20年)4月7日 - 駅東の三菱発動機等への空襲により大曽根駅全壊。駅員37名中30名が殉職。爆撃直前にいた乗客100人は、爆撃を避けるため駅員が列車を勝川にむけて出発させたため、全員無事であった。
- 1964年(昭和39年)4月1日 - 貨物の取扱いを、専用線発着のものに限定。
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 貨物の取扱いを廃止。
- 1986年(昭和61年)11月1日 - 国鉄での荷物の取扱いを廃止。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道(JR東海)が継承。
- 2006年(平成18年)11月25日 - TOICA導入。
隣の駅
- 中央本線
- テンプレート:Colorホームライナー(ホームライナー多治見は通過)
- テンプレート:Color快速
- 勝川駅 - 大曽根駅 - 千種駅
- テンプレート:Color普通
- 新守山駅 - 大曽根駅 - 千種駅
名古屋鉄道
駅構造
高架上に6両編成対応の島式ホーム1面2線を有する高架駅。南北に伸びるホームの西側(1番線)を下り列車が、東側(2番線)を上り列車が使用する。当駅で折り返す列車がないため(現在方向幕のコマにも当駅は入っていない)、渡り線や引き上げ線は存在しない。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color瀬戸線 | 下り | 尾張瀬戸方面 |
2 | テンプレート:Color瀬戸線 | 上り | 栄町方面 |
駅はJR大曽根駅北口や、ゆとりーとライン大曽根駅に隣接する。改札口は1か所のみ。自動券売機が3台(一番右側のみトランパス対応)と自動改札機が5通路(窓口側の1通路は広幅タイプ)のほか、自動精算機も1台設置されている。2006年(平成18年)8月よりトランパスの導入に伴い、改札口の改修工事が行われ、改札口にもLED2段式の発車案内表示が設置された。以前はホームに行灯式発車案内が設置されていた。
1983年(昭和58年)に地上駅から高架駅となった。高架線およびホームの高さは隣接するJR線よりも高い。地上駅時代は、駅舎裏に旧国鉄線に繋がる貨物線があり、国鉄との貨物の連絡輸送が行われていた。名鉄の6600系電車もこの貨物線を通じて搬入された。高架化に伴い駅は東寄りに移動したが、駅西側の町名の境界(区界)はいまだに地上駅時代の線路に沿ったゆるい曲線で分割されている。
manaca定期券を作る際、名鉄の定期券と地下鉄の定期券を連絡定期券としてひとつにまとめることができるのだが、導入当初は名鉄瀬戸線と名古屋市営地下鉄の連絡駅は栄町駅と栄駅のみに限定されており、大曽根を連絡駅とすることはできなかった。しかし、2012年4月21日のmanacaとTOICAの相互利用開始に伴い大曽根駅も連絡駅として追加された。
また、旧国鉄線に繋がる貨物線の南側には、駅前駅があった。
配線図
歴史
- 1906年(明治39年)3月1日 - 瀬戸自動鉄道の駅として開業。
- 1978年(昭和53年)2月15日 - 瀬戸線での貨物営業廃止。
- 1983年(昭和58年)8月21日 - 高架化。
- 2011年(平成23年)2月11日 - ICカード乗車券「manaca」供用開始。
- 2012年(平成24年)2月29日 - トランパス供用終了。
隣の駅
名古屋市営地下鉄
駅構造
島式ホーム1面2線を有する地下駅。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
1 | テンプレート:Color名城線 | 左回り | 栄・金山・(テンプレート:Color名港線直通)名古屋港方面 |
2 | テンプレート:Color名城線 | 右回り | 本山・八事方面 |
ナゴヤドーム前矢田駅側に引き上げ線があり、当駅折り返しの列車が利用する。名港線直通列車はほとんど当駅で折り返し、名城線を走る列車も一部が当駅を終点とする。ここから栄・金山方面は本数が倍増し、朝ラッシュ時は2.5分、昼間は5分間隔で運転される。早朝の一部時間帯や深夜には名古屋港行きは設定されておらず、名城線左回りに乗り金山で乗り換えとなる。なお、当駅から新瑞橋駅へは右回り・左回りのどちらに乗っても所要時間はほとんど変わらない。
開業時にはまだ名古屋市電が走っていたため、1番出口と6番出口は市電矢田四丁目停留場と乗り換えの利便性を考えた位置に開設された。そのため、コンコースは、ホームと引き上げ線の上に、環状線(名古屋市道名古屋環状線)の地下を長く東西に伸びている。
1976年(昭和51年)、星ヶ丘駅とともに、名古屋市内で初めて、磁気乗車券用自動改札機が導入された。
歴史
- 1971年(昭和46年)12月20日 - 開業[3]。当時は栄・市役所方面からの終着駅であった[3]。
- 2000年(平成12年)1月19日 4号線当駅 - 砂田橋間の開業に伴い途中駅となる。
- 2004年(平成16年)10月6日 4号線環状部全通。前年の名古屋大学延伸と合わせ、名古屋市東部で地下鉄各線と接続を果たし、当駅経由の流動が大きく変化する。
隣の駅
- テンプレート:Color名城線
- 平安通駅 (M11) - 大曽根駅 (M12) - ナゴヤドーム前矢田駅 (M13)
名古屋ガイドウェイバス(ゆとりーとライン)
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する高架駅。ホームの南側には、バスが折り返すための回転場が設けられている。ゆとりーとラインで唯一の有人駅であり、ラッシュ時の運賃精算は駅で行われる。
ホーム | 路線 | 方向 | 行先 |
---|---|---|---|
乗車ホーム | テンプレート:Color志段味線 | 下り | 小幡緑地・中志段味方面 |
降車ホーム | テンプレート:Color志段味線 | 上り | 降車専用 |
高架下はタクシーのりばになっている。市電矢田四丁目停留場廃止後、ゆとりーとラインの開業前は、この場所に名古屋市営バスのバスターミナルがあった。
歴史
隣の駅
- テンプレート:Colorガイドウェイバス志段味線
- 大曽根駅 (Y01) - ナゴヤドーム前矢田駅 (Y02)
名古屋市電(廃止)
大曽根駅の周囲にはかつて、名古屋市電の停留場が2か所設けられていた。一つは東大曽根停留場で、駅の西側にある東大曽根交差点の南西の道路上に設置されていた。もう一つは矢田町四丁目停留場で、駅東側にある大曽根駅交差点の東側の道路上に設置されていた。
東大曽根停留場は1942年(昭和17年)に開業し、矢田町四丁目停留場は1953年(昭和28年)に開業した。廃止は東大曽根停留場が1965年(昭和40年)、矢田町四丁目停留場が1974年(昭和49年)である。矢田町四丁目停留場は、名古屋市電の最終日まで営業していた。
1961年(昭和36年)時点では、東大曽根からは名古屋駅前へ向かう12号系統、矢田町四丁目からは新瑞橋へ向かう63号系統が出ていた。
歴史
- 1942年(昭和17年)6月25日 - 名古屋市電東大曽根停留場が開業。
- 1943年(昭和18年)5月10日 - トロリーバス東大曽根停留所が開業。
- 1951年(昭和26年)1月16日 - トロリーバス廃止。
- 1953年(昭和28年)8月14日 - 矢田町四丁目停留場が開業。
- 1965年(昭和40年)10月1日 - 東大曽根停留場廃止。
- 1974年(昭和49年)3月31日 - 矢田町四丁目停留場廃止。
利用状況
年度 | JR(人/日) | 名鉄(人/日) | 地下鉄(人/日) | ゆとりーとライン(人/日) |
---|---|---|---|---|
1999年(平成11年) | 23,771 | 10,762 | 11,847 | - |
2000年(平成12年) | 22,024 | 10,626 | 11,914 | - |
2001年(平成13年) | 21,857 | 10,452 | 11,239 | 2,401 |
2002年(平成14年) | 21,720 | 10,418 | 11,561 | 2,888 |
2003年(平成15年) | 21,875 | 10,651 | 13,278 | 3,029 |
2004年(平成16年) | 22,789 | 11,453 | 14,197 | 3,009 |
2005年(平成17年) | 23,706 | 12,189 | 15,197 | 3,169 |
2006年(平成18年) | 24,770 | 12,864 | 16,006 | 3,280 |
2007年(平成19年) | 25,853 | 13,582 | 16,613 | 3,467 |
2008年(平成20年) | 26,635 | 13,854 | 17,128 | 3,655 |
2009年(平成21年) | 26,567 | 13,749 | 17,084 | 3,708 |
2010年(平成22年) | 27,127 | 14,255 | 17,411 | 3,728 |
2011年(平成23年) | 27,363 | 14,360 | 17,527 | 3,831 |
2012年(平成24年) | 27,343 | 14,739 | 17,822 | 3,932 |
乗車人員(人/日)は、年度別乗車人員を、その年度の暦日で除したもの(小数点以下四捨五入)である。
瀬戸線の駅の中では栄町駅に次いで20位中2位。名城線の駅では7位。ゆとりーとラインの駅では1位。
駅周辺
- 徳川園
- 山田天満宮
- 名古屋晴明神社(JR南口から徒歩20分程)
- 大曽根本通商店街(オゾンアベニュー)
- 大曽根商店街(オズモール)
- メッツ大曽根 - エディオン・ヤマナカ・ユニクロ・ニトリ等の複合商業施設6出口
- 名古屋大曽根駅前郵便局
- 名古屋大曽根郵便局
- 名古屋山田郵便局
- 三菱電機名古屋製作所
- 名古屋市立桜丘中学校
- 名古屋市立六郷小学校
- 愛知県立旭丘高等学校
- 愛知県立旭陵高等学校
- 十六銀行大曽根支店
西口広場
大曽根地区総合整備事業の一環として2006年(平成18年)12月に当駅西側が整備され、地下に集客施設「OZ GARDEN」、駐車場、駐輪場、雨水の調整池の大曽根雨水調整池が、地上には市バスターミナルが完成した。地下鉄コンコースから地上へのエレベーター・エスカレータも設置されている。かつては名鉄の駅前広場の近くに屋台が数件営業していたが、上記の関係で立ち退きをした。
バス路線
- 路線バス
- 最寄停留所は大曽根バス停となる。バス停は、始発となる路線のほとんどが西口広場のバスターミナルに集約されている。その他の路線は、大曽根駅前の愛知県道15号名古屋多治見線、愛知県道216号大曽根停車場線上他にある。各路線ともに名古屋市営バスにより運行されている。
- なお、栄15系統と東巡回系統については大曽根駅西バス停も利用可能となっている。
- かつては、名鉄バスセンターなどの名古屋駅方面から守山区、瀬戸市や春日井市方面に向かう市バス、名鉄バスやジェイアール東海バスの路線バスが多数運行されていたが、その後ほぼ全廃された。また、今池方面に向かう市バスも数多く運行されており、特に市電廃止後は代替バスとして、新瑞橋駅・八事駅方面まで運行されていたが、地下鉄の延伸などにより、現在は吹上11系統等を残すだけとなっている。
- 無料送迎バス
- バスターミナルではなく、駅西側に発着する。
- 高速バス
- 2006年(平成18年)までは中央道高速バスのうち名鉄バスセンターと飯田市を結ぶ路線が東大曽根バス停を経由していた。
脚注
関連項目
外部リンク
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