名古屋市蓬左文庫
テンプレート:統合文字 テンプレート:博物館 名古屋市蓬左文庫(なごやしほうさぶんこ、英称:Hosa Library, City of Nagoya)は、愛知県名古屋市東区徳川町にある、主に尾張徳川家の旧蔵書を所蔵する公開文庫である。2013年現在における位置づけとしては名古屋市博物館の分館となる。通称「蓬左文庫」。
概要
1950年(昭和25年)に、尾張徳川家の所蔵品を管理していた徳川黎明会から名古屋市に移管された[1]。名古屋市教育委員会所管、名古屋市鶴舞中央図書館分館の時期を経て、1978年10月に名古屋市博物館の分館となり2013年現在に至っている[1]。
名古屋市の所管となって以来、徳川美術館(徳川黎明会運営)と同じく、名古屋市が管理する徳川園(徳川美術館と庭園を中心とした日本庭園公園)敷地の一角にある。
蓬左文庫は1616年(元和元年)、徳川家康の死去により九男の尾張徳川義直に約3,000冊の蔵書(駿河御譲本)が分与され、これを機に名古屋城内に創設された「御文庫」をその母体としている。その後も尾張藩歴代藩主によって蔵書の拡充がはかられ、幕末期には約5万点と推定される蔵書数を誇り、日本屈指の大名文庫が形成されるに至ったが、明治維新後にはおよそ3分の1が流出する。現在、全部で約11万点の中国、朝鮮の文献、尾張藩関係の文書がある。その他、尾張徳川家に伝えられた名古屋の城下町や世界図の古地図など、絵図2千枚以上を所蔵している。 『河内本源氏物語(尾州家本源氏物語)』、『金沢文庫本続日本紀』は特に貴重なものである。
この文庫は義直の「決して門外不出とすべからず」との言に基づき、江戸時代から公開されていた。本居宣長が『古事記伝』執筆の際、資料を閲覧するために利用したという話もある。
なお、「蓬左」とは名古屋のことである(蓬莱の宮(熱田神宮)の左側にある町)。名古屋城には蓬左城、鶴ヶ城、亀尾城、柳ヶ城、楊柳城などの別名があり、「蓬左城」が特に使われたという。
文化財
重要文化財(国指定)
- 続日本紀(金沢文庫本)30巻 附:慶長補写本 10巻
- 源氏物語(河内本)23冊 正嘉二年北条実時奥書
- 侍中群要(金沢文庫本)10巻 嘉元四年北条貞顕書写
- 斉民要術(金沢文庫本)22巻 文永十一年北条実時奥書
- 論語集解 10冊 元応二年書写奥書
- 宋版太平聖恵方(金沢文庫本)24冊 附:慶長補写本27冊、聖恵方正2冊
- 朝鮮版高麗史節要(銅活字本)35冊 景泰四年四月印記