ニトリ
株式会社ニトリ(テンプレート:Lang-en-short)は、北海道札幌市北区に本社を置く、インテリア(家具)小売業大手の企業である。北海道を中心に南は沖縄まで国内220店舗と台湾に17店舗を展開するチェーンストア指向企業。2010年11月に旧・株式会社ニトリが、持株会社「ニトリホールディングス」へ移行し、新たに「株式会社ニトリ」として設立された。
概要
「お、ねだん以上。ニトリ」をCMのキャッチコピーとし、家具業界では珍しく製造小売業 (SPA) のノウハウを取り入れ、「海外原材料の仕入→現地生産→輸入→店舗販売→商品配送」までほぼグループ直営で行う(持株会社制移行前は自社単体で行っていた)ことで、他社との差別化を図っている。学習机は年間7万7千台を販売し、全国シェアで日本一となっている。
札幌・関東(埼玉県白岡市)・関西(兵庫県神戸市)・九州(福岡県大川市)に拠点となる直営の物流センター (DC) を持ち、加えて本来ならば商社が仲介する船の手配までも自前で行うことで、製造小売りのみならず中間物流・配送まで自社による一貫体制を取っている(このため、ニトリでは自社の業態を「製造物流小売業」と謳っている)。なかでも、札幌物流センターが最初に導入した「自動立体倉庫」は、社長である似鳥昭雄が、自身が渡米した際に見た、米軍の兵站システムにヒントを得たという。
創業の地・北海道においては、「ニトリ=家具店」のイメージが強いが、業態としては家具とホームファッションをともに扱う「ホームファニシング」に該当する。日本ではあまり馴染みのない言葉ではあるが、イケアなど欧米では一般的な業態である。実際、事業展開に当たっては、イケアを手本の一つにしているという。
看板などに使われるイメージカラーは「エメラルドグリーン」だが、一部店舗では旧デザインの「青色に鳥のマーク」を継続して使用している。
不況の北海道経済の中でも「22期連続増収増益」と順調に推移し、ホーマック(ホームセンター)、ツルハホールディングス(ドラッグストア)、ラルズや福原(いずれもスーパーマーケット)などとともに「北海道の勝ち組企業」と呼ばれている。2002年10月には札幌証券取引所から東京証券取引所第一部に上場した。
沿革
旧法人(現持株会社)
- 1967年(昭和42年) - 札幌市北区北27条西5丁目(現在は、フラワーショップOKADAYA)で「似鳥家具店」を創業。
- 1972年(昭和47年)3月 - 2店舗にて、似鳥家具卸センター株式会社を設立(法人格への移行)。
- 1978年(昭和53年)6月 - 株式会社二トリ家具に商号変更[1]。
- 1986年(昭和61年)7月 - 株式会社ニトリに商号変更[2]。
- 1989年(平成元年)9月27日 - 札幌証券取引所に上場[3]。
- 1993年(平成5年) - 北海道外1号店として勝田店(茨城県ひたちなか市)開店。
- 2000年(平成12年)8月 - 株式会社マルミツを完全子会社化。
- 2006年(平成18年)4月 - 北海道外での事業拠点となる赤羽店(東京都北区)開店。7月24日には同店の6・7階に東京本部を開設した。
- 2007年(平成19年)5月12日 - 「宜得利家居」として初の海外店舗を台湾の高雄市にオープンした。
- 2008年(平成20年) - Jリーグ加盟のコンサドーレ札幌のユニフォーム胸スポンサーとなる。
- 6月17日 - 下請けメーカーへの代金約3億3,300万円を不当に減額していたとして、公正取引委員会から、下請代金支払遅延等防止法違反で勧告を受ける[4]。
- 2009年(平成21年)3月 - さっぽろ芸術文化の館(旧・北海道厚生年金会館、札幌市中央区)の命名権を取得[5]。2010年4月1日より『ニトリ文化ホール』へ改称される[5]。契約期間は2016年3月31日までの予定。
- 2010年(平成22年)8月21日 - 会社分割により持株会社制へ移行。販売部門を「株式会社ニトリ」(新社。分割準備会社が改名)に、物流部門を「株式会社ホームロジスティックス」(同)に分割し、社名を「株式会社ニトリホールディングス」に改める。
- 2011年(平成23年) - この年より北海道日本ハムファイターズのユニフォームスポンサーとなり、パンツ右上にロゴが入る。
- 2012年(平成24年)10月 - 本社を札幌市手稲区から札幌市北区へ移転。
現法人
- 2010年(平成22年)
- 3月23日 - (旧)株式会社ニトリの完全子会社・株式会社ニトリ分割準備会社として設立。
- 8月21日 - (旧)株式会社ニトリの会社分割により、販売部門を承継し、同時に商号(社名)を(新)株式会社ニトリに変更。
- 2011年(平成23年)
店舗概要
創業地の北海道はもとより日本全国に出店し、店舗拡大を続けている。山陰地方には最後まで未出店だったが、2011年3月11日に島根県松江市への出店をもって業界初の全都道府県への出店を達成した[7]。日本国外では、台湾に14店舗を構える。なお、現存する店舗の中で最も開店時期が古いのは「麻生店」(北海道札幌市北区)である。
大半の店舗が「ホームファニシングストア」と謳い、主に大型家具やインテリア用品や小物・生活日常品など扱っているが、17店舗については「ホームファッションストア」と称し、大型家具の品揃えを大幅に絞ってインテリア用品中心の店舗としている。また、2011年よりモール型の施設「ニトリモール」を展開している。
各店舗の電話番号は非公表で、レシートに記載される電話番号はお客様相談室のものである。 テンプレート:Main2
ニトリモール
かつて存在したニトリの店舗
撤退または他店と統廃合となった店舗のみ記す(後に単独で移転オープンした店舗は割愛)。
- 北49条店(札幌市東区) - 新道店と統廃合。
- ソシア店(札幌市南区、コープさっぽろSocia内) - 2006年1月9日閉店、旧川沿店と統廃合。
- ダイヤモンドシティ川口店(埼玉県川口市) - 2007年9月17日閉店。
- 綱島店(神奈川県横浜市港北区、T-PLATZ内) - 2009年2月1日閉店。
- ジャスコ四日市北店(三重県四日市市)
- 大和高田店(奈良県大和高田市)狭隘だったが、2000年代初めから関西で営業していた店舗であった。
- 加古川店(兵庫県加古川市) - 2009年11月23日閉店。姫路花田店に統廃合。
- イオン津田沼店(千葉県習志野市) - 2010年3月7日閉店。
- 白石店(北海道札幌市白石区) - 2010年5月9日閉店、美園店との統廃合。閉店後はサンドラッグが出店。
- イオン扶桑店(愛知県丹羽郡扶桑町) - 2010年5月16日閉店。
脚注
関連項目
外部リンク
テンプレート:日本の主な家具・インテリア企業- ↑ ニトリホールディングス公式サイトの沿革より。有価証券報告書には記載がない。
- ↑ 株式会社ニトリへの商号(社名)変更の時期について、ニトリホールディングス公式サイトの沿革には「1985年7月」と記載されているが、ニトリホールディングスが提出している有価証券報告書には「昭和61年7月」(=1986年7月)と記載されている。
- ↑ “ニトリ 北海道内で初適用 27日に札証上場”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1989年9月16日)
- ↑ テンプレート:Cite press release
- ↑ 5.0 5.1 “現代かわら版 施設の命名権契約 明暗くっきり セキスイハイム・北翔クロテック・ニトリ…”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (2010年3月31日)
- ↑ 【読売新聞】2011年12月16日付「ニトリへ1580万円賠償命令、精神的衝撃考慮し増額」
- ↑ テンプレート:Cite press release