アメリカ軍

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アメリカ軍(アメリカぐん、United States Armed Forces)は、アメリカ合衆国軍隊である。アメリカ合衆国軍合衆国軍とも。日本では米軍と略される。

概要

アメリカ軍とはアメリカ合衆国が保有する軍隊の総称である。陸海空軍の常備軍の他、国境警備を主任務とするアメリカ沿岸警備隊、対外戦争を主とするアメリカ海兵隊が存在する。核戦力通常戦力双方において他国と隔絶した規模を持つ世界最強の軍隊である。規模だけでなく、質も高いことを実戦で証明し続けている実戦経験が豊富な軍隊でもある。

普段から連邦政府の指揮下にある連邦軍と、州の指揮下にあり戦時に編入される州軍、やはり戦時に編入される沿岸警備隊他、各省管轄の準軍事組織に大別できる。

歴史

1775年2月6日アメリカ独立戦争に際し「大陸軍」として発足。これはアメリカ陸軍の前身でもある。

2011年9月20日、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁じた軍務規定が撤廃された[1]

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機構

アメリカ軍は文民統制の下に最高司令官であるアメリカ合衆国大統領が統帥する。そして文民である国防長官が大統領の補佐官として国防省を統括し、具体的な軍事作戦計画の企画などは議長と副議長また陸海空軍参謀総長及び海兵隊総司令官から成る統合参謀本部が行い、各統合軍が行動する。

統合参謀本部議長、陸軍参謀総長、海軍作戦部長、空軍参謀総長、海兵隊総司令官は作戦指揮命令系統に入っておらず、作戦計画の立案や兵站要求など参謀としての業務に携わっている。地域別及び機能別の統合軍を編制しており、統合作戦の体制を整えている。そのため実際の作戦指揮は、大統領から国防長官を通して命令を下される各統合軍司令官により行われる。

五軍

アメリカ軍(armed forces)は、次の5つの軍種からなる[2]。そのうち国土安全保障省に属する沿岸警備隊を除く四軍は国防総省の管轄下に属し、アメリカ合衆国大統領の指揮統制下にある。海兵隊は海軍と共に海軍省に所属しているが、海軍と海兵隊の間に指揮系統の上下関係はない。

各軍の機能は、部隊の編成・維持・訓練に特化されている。軍行政組織と言っても過言ではなく、各統合軍に部隊を拠出するまでの責任を負っている。作戦指揮は統合軍が管轄する。

七武官組織

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連邦政府は、上記の五軍に加え、武官士官のみ)から構成される以下の2つの組織と併せ、7つの武官組織を有する[2]。これらには、将官佐官尉官階級が定められている

この2つの組織は、共に海軍や沿岸警備隊と同様の階級(「中将 = Vice Admiral」など)および制服(冬服 = 黒色 / 夏服 = 白色)が定められ、五軍と同様、ジュネーヴ条約による(傷病者・捕虜としての)保護の対象となる。

統合軍

2007年10月時において、アメリカ沿岸警備隊・合衆国公衆衛生局士官部隊・合衆国海洋大気局士官部隊を除く、陸海空軍及び海兵隊は6個の地域別、3個の機能別、計9個の統合軍 (Unified Combatant Commands, UCC, 旧略称COCOM)に編制されている。それぞれの統合軍に属する陸海空軍及び海兵隊部隊を1人の統合軍司令官が運用するという編制は統合作戦の円滑な遂行と軍事学的な指揮統一の原則を同時に達成するためである。

管轄地域別
機能別

駐留国

アメリカは米ソ冷戦における安全保障政策を受けて、多くの国家に現在も軍部隊を駐留させている。防衛条約並びに協定によってアメリカ軍が常時駐留している国家は以下の通り。〔〕内数値は駐留兵力[3]を示す。

基地によってはその存在が航空機の騒音や、一部兵士による犯罪の温床となっているため、周辺住民との間でトラブルが起きるケースもある。反面、基地の兵士が地元商店街の客層となり、また地元住民が基地の従業員として雇用されるなど、経済的に重要な存在になっている場合も多く、撤収の是非はどこの国でも賛否両論である場合が多い。

なお、政治的・戦略的な理由ではなく、自然災害がきっかけとなり閉鎖となった基地も存在する。

北大西洋条約機構(NATO)加盟国
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トモダチ作戦で津波による瓦礫を撤去する在日米海軍の水兵ら(2011年、東日本大震災
日米安全保障条約
米韓相互防衛条約
平時作戦統制権は韓国軍に移譲されており、戦時作戦統制権も移譲予定。米軍再編の一環により、段階的に兵力が削減されることが決定している。このような特殊な関係から、特に米韓同盟と呼ばれる。
米比相互防衛条約
太平洋安全保障条約(ANZUS)
自由連合盟約

アメリカ軍が国防を担う各国

その他
駐留していないが緊密な同盟関係にある国

戦歴

各軍記念日

1950年以降各軍独自の公式記念日は廃止される。5月の第3土曜日の軍隊記念日 (Armed Forces Day) に統合された。

その他

  • 最年少の兵士は18歳である。志願するには高等学校卒業程度の学力を有する事を要する。
  • 全てのアメリカ合衆国に『居住』する18~26歳までの男性(米国籍や永住権者に限らず、違法移民や一時就労ビザなども含む。外交官ビザ、特殊ビザ、ビジタービザ、学生ビザなどは除外[4])は、「Selective Service System」と呼ばれる選抜徴兵制度に登録することが義務付けられている。18~26歳までの男性永住権保持者がSelective Serviceに登録しなかった場合は在留期間の条件を満たしても市民権申請を拒否される場合がある。逆に永住権保持者が志願・入営すると、忠誠を誓ったと看做されて、最低居住期間条件が免除になり、居住期間に関わらず入隊時(申請時)に市民権申請が可能になる(受理されるだけで認められるか却下されるかは別問題)。既に入隊済みで1年以上経過した者も居住期間に関係なく市民権申請資格があるが、入隊後1年未満あるいは除隊後6ヶ月を経過した者は特例条件を満たさず、通常の5年ルールが適用される。
  • 大学で一般学生に混じって授業を受けながら、同時に軍事訓練を積み軍人教育を受ける予備役将校訓練課程が存在する。卒業後数年間は軍役に就く事を誓約し、大学在学中も非常事態時には召集される可能性がある。在学中は学費全額支給に加え奨学金数百ドルを受け取り、卒業後は最低でも少尉で入隊出来る。米国の大学の学費は日本に比較すると異常に高額であり学費も学生自身が捻出している場合も多い。経済的な理由で進学を断念する者が多い為、軍費補助による学位取得制度への競争率は高い[5]
  • 2012年度の軍事費(歳出推定額)は、7,163 億ドルGDP比は4.6%、政府歳出比は18.8%[6]
  • 同性愛者ではない男性の兵士による下級の男性兵士へのレイプが最近明るみに出た。性交渉が目的ではなく、脅しや支配欲を満たす為に行われている。2009年に、110人以上の男性兵士が男性の同僚から性暴力を受けたと報告した(ニューズウィーク日本版2011 4/20号)。
  • 上官の命令は絶対とする風土があるが、この「精神」を悪用する上官による性的暴行の被害にあった女性将兵が多数存在する。レイプなど性的暴行は、2011年だけで3192件が報告されているが、被害が届けられないケースが多いとされ、アメリカ国防総省では、実態は年間約1万9000件とみている[7]

脚注

  1. テンプレート:Cite news
  2. 2.0 2.1 第10編(軍隊)第101条テンプレート:合衆国法典
  3. 『The Military Balance 2003』
  4. 観光などの滞在は『居住』とはみなされない
  5. 基本的に大卒は士官から高卒は兵からのスタートであるので、ROTC出身者が初任階級上で特に優遇されているわけではない。なお入隊前に学費補助で大学へ通うROTC制度の他に、軍役中に大学(日本で言う二部もしくは基地内にある大学分校)へ通える制度や退役後の大学資金積み立て制度などもある。
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  7. テンプレート:Cite news

参考文献

関連項目

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外部リンク

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