遠江
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遠江(とおとうみ)とは、かつての令制国の遠江国および、その領域にほぼ相当する現在の静岡県西部地方を指す時の呼称である。遠州(えんしゅう)とも呼ばれる。この記事では現在の行政区間である静岡県のうちの西部地方について述べる。令制国時代の遠江地方に関しては遠江国の記事を参照のこと。
現代の遠江地方
特徴
太平洋(フィリピン海(遠州灘))に面し、大井川と浜名湖の間に挟まれた地方である。俗に遠州地方と呼ばれる事も多い。糸魚川静岡構造線よりも西側。
自然
遠江地方のデータ | ||
国 | 日本 | |
地方 | 中部地方、東海地方 | |
面積 | 2,544.10km² | |
総人口 | 1,347,011人 (2005年3月31日) | |
※榛原郡の内、大井川鉄道井川線の沿線を除く。 |
天竜川に沿って中央構造線が走っており、中央構造線の沿線に山々が
列んでいる。気候では、からっ風が吹く地方としても知られる。
産業
- 農業(代表的農産物)
旧浜松市は、楽器やバイクの生産で有名である。但し、ヤマハ発動機は、当初は旧浜北市に本社を置いていたが、後に磐田市に本社を移転した。
祭事
- 遠州では、山車のことを屋台と呼ぶ(掛川市横須賀地区では祢里と呼ぶ)。屋台には花屋台と御殿屋台があるが、御殿屋台の方が遠州全域に広まっており、花屋台は少数派である。
- 屋台の文化が発展している反面、神輿の文化は殆どなく、屋台引き回しと平行で小規模に行うところ、神輿自体出さない(或いは無い)ところが殆どである。
- 遠州には、初子祝いで初凧を揚げる文化があるが、浜松市を除き衰退してしまっている。浜松市の浜松まつりは現在でも初凧の文化を継承している。
- 西遠地区を中心に練りという文化があるが、それは浜松まつりの影響を受けている。詳細は、浜松まつり#練りを参照。
- 浜松市内各所では祭事の際にラッパ隊という老若男女がラッパを演奏する。こちらも浜松まつりの影響を受けている。詳細は、浜松まつり#ラッパを参照。
- 西遠地区の一部(主に浜名湖岸)では手筒花火の文化が存在する。
- 花火の一環として地割れ花火の文化も遠州各地に点在する。
現在の交通網
- 鉄道
- 主なバス会社(わずかな乗り入れ、高速バス等は除く)
- 主な道路
メディア
県紙の静岡新聞の影響力がやや強い。
名古屋系の夕刊紙も販売されているが、全国紙では読売新聞社、毎日新聞社、産経新聞社が東京本社のエリアとなっている。
- 名古屋系の朝夕刊紙
- 名古屋系の夕刊紙
派生用語
地区
- 北遠(ほくえん)
- 全体的に観光名所や森林が多い。
- 西遠(せいえん)
- 天竜川以西。浜松市(天竜区以外)と湖西市。
- 工業地区。
- 中遠(ちゅうえん)
- 東遠(とうえん)
- 南遠(なんえん)
- 南東部。御前崎市の一部。
- 御前崎灯台などが立地する。