駄洒落
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駄洒落(だじゃれ)は同じあるいは非常に似通った音を持つ言葉をかけて遊ぶ一種の言葉遊び。雑俳の一つとしての「洒落」は言葉の一部分を母音とイントネーションが同じ語、母音が同じ語、同音異義語などを当てはめるものである。例「蝶々一本さらしに巻いて(包丁一本サラシに巻いて)」。言葉遊びの「洒落」は知識と教養を示す気の利いたものであったが、これに価値を認めることのないカウンターカルチャーからの揶揄を込めて「駄」の文字を冠した。洒落の文化が失われるにつれ、それを文化として持たない若者からはおやじギャグと称されるようにもなる。古くは地口とも。
判りやすい遊びの一種であるため、様々な語彙を使用してこの駄洒落が利用される。
目次
駄洒落の典型的な形態
同じ読みを持つ語を用いたもの
- トイレにいっといれ(幼児向け番組『いないいないばあっ!』で発表された同タイトルの童謡(作詞:潮永光生、作曲:濱田理恵)が存在する)
似たような音を持つ語を用いたもの
- 布団が吹っ飛んだ。
二つの語を融合したもの
- 「布団がお山の方まで吹っ飛んだ!」「おやまぁ。」
同じ意味を持つ別の文章に置き換えた物
- 落とし穴が完成(陥穽)した
複数の意味を持つ1つの文章、または似た様な文章
『ぎなた読み』も参照のこと。
日本語を英語に置き換えたもの
- 本がブックブックと沈む(副詞ぶくぶくと、本を英語に直したときの「ブック」(book)を掛けている)
ある単語に似た別の単語を無理やり当てはめたもの
この場合、言葉の意味は無視し、音の響き、そのナンセンスを楽しむ。中京テレビのバラエティ番組「フットンダ」はこのような駄洒落(番組内では「モジリ」とされる)を取り上げる番組。
- センタッキー・フライドチキン (「ケンタッキー・フライドチキン」のケンタッキーと洗濯機の響きを掛けている)
駄洒落による芸
小咄
いわゆる二言小咄というのは、ある一言に返事をつけるだけの簡単なもので、多くが駄洒落である。たとえばもっとも有名なものに次のようなものがある。
- 「隣の空き地に囲いが出来たんだってねえ」
- 「へえ」(塀に掛けてある)
コミックソング
清水國明と原田伸郎によるあのねのねが1970年代に現在で言うおやじギャグを使ったコミックソングを量産し、一世を風靡した。
- 「魚屋のオッサンの歌」(1973年3月10日)
- 「土建屋のオッサンの歌」
- 「でんでん虫の唄」(1974年6月10日)
- 「大きな栗とリスの歌」
○○づくし
ある分野の様々なものを駄洒落の形で取り込みながら、一繋がりの歌や口上を述べるもので、古典的な漫才などに見られる。これを歌謡曲に仕立てたものに、たとえば「自動車ショー歌」がある。
人物
- 多治家礼(たじやれい):駄洒落研究家を自称、ハルキブックスより『ダジャレ練習帳』、『これをダジャレで言えますか?』、『このダジャレで生きのびろ!』などの駄洒落を主題とした著作を出版。名前そのものも駄洒落にかけた駄洒落。
- 高信太郎:漫画家で、漫画作品のほとんどのオチが駄洒落。単行本の名にも「漫画日本むつかし話(まんが日本昔ばなし)」・「起承転外(起承転結と奇想天外)」など駄洒落によるものが多々ある。