マリア
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マリア(Maria)は、ヨーロッパ系の女性名。ヘブライ語の「מר」(苦い、氏)を語根とするモーセの姉の名「מרים」(ミリアム)を、ヘレニズム時代に古代ギリシャ語でマリアムネ(Μαριάμη)と呼び、その名から派生した名がマリア。姓や男性のミドルネームにも使われる。マリアム(Mariam)と表記されることもある。また、ヘブライ語聖書において「מרים」(ミリアム)は、姦淫を呪う「ミリアム水」によって呪われた女性の名でもある。イタリア語名の場合、マリーアとアクセントに長音を入れて記す場合も多い。スペイン語ではMaríaと表記され、単独ではマリーアのように第2音節が長めに発音されるが、María Cristinaのように複合名の場合は最後から2つ目の音節のアクセントが最も強くなるのでマリア・クリスティーナのように発音される。ハンガリー語名では最初に長音がきてマーリア(Mária)となる。
マリー・メアリーなどはこれに対応する女性名。#変形の項を参照のこと。
目次
宗教に関わる人物
キリスト教「旧約聖書」およびユダヤ教「ヘブライ語聖書」に登場する名
- 「מרים」(ミリアム)- モーセとアロンの姉、女預言者。
- 「מרים」(ミリアム)- 姦淫を犯した女性を呪う「מי למרים」(ミリアム水)によって呪われた名[1]。キリスト教旧約聖書民数記5章において、「苦い水」「苦くなり」「苦くなる」または「become bitter」「the bitter water」「this bitter water」と訳されている部分は、ヘブライ語聖書では「מרים」(ミリアム)に「ל」(前置詞)が付いて「למרים」と記されている。
キリスト教「新約聖書」に登場する名
- イエスの母マリア - 『新約聖書』 聖母マリア・神の母・生神女
- サロメ (イエスの弟子) (マリア・サロメ) - 『新約聖書』 イエスの弟子。
- マグダラのマリア - 『新約聖書』
- マリア (クロパの妻) - 『新約聖書』 クロパの妻・聖母マリアの姉妹
- マリア (小ヤコブとヨセの母) - 『新約聖書』。マリア・ヤコベとも呼ばれる。
- マリア (マルタの妹) - 『新約聖書』 マルタ (マリアの姉)の妹。ベタニアのマリアとも呼ばれる。
- マルコの母マリア - 『新約聖書』使徒言行録 12章12節
- パウロの友マリア - 『新約聖書』 ローマの信徒への手紙 16章6節
キリスト教における聖人の名
実在の人物
聖母マリアにも繋がることから、女性のファーストネームに良く用いられる。以下には名前が慣例的に「マリア」のみの人物を挙げる。
王侯貴族
- マリア1世 (ポルトガル女王) - ポルトガル王国の女王。
- マリア2世 (ポルトガル女王) - ポルトガル王国の女王。
- マリア (シチリア女王) - シチリア王国の女王。
- マーリア (ハンガリー女王) - ハンガリー王国の女王。
- マリア (ルーマニア王妃) - フェルディナンド1世 (ルーマニア王) の王妃。
- マリア (ユーゴスラビア王妃) - アレクサンダル1世 (ユーゴスラビア王) の王妃。
- マリア・アレクサンドロヴナ (ロシア皇后) - ロシア皇帝アレクサンドル2世の皇后。
- マリア・アレクサンドロヴナ (ザクセン=コーブルク=ゴータ公妃) - アルフレート (ザクセン=コーブルク=ゴータ公) の妃。
- マリア・ニコラエヴナ (ニコライ2世皇女) - ロシア皇帝ニコライ2世とアレクサンドラ皇后の三女。
- マリア・ニコラエヴナ (ロイヒテンベルク公妃) - ロシア皇帝ニコライ1世の皇女。
- マリア・パヴロヴナ (ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公妃) - カール・フリードリヒ(ザクセン=ヴァイマル=アイゼナハ大公)の妃。
- マリア・ビトムスカ - ハンガリー王カーロイ1世の王妃。
- マリア・フョードロヴナ (パーヴェル1世皇后)
- マリア・フョードロヴナ (アレクサンドル3世皇后)
- マリア・フォン・エスターライヒ - ハンガリー王・ボヘミア王ラヨシュ2世の王妃。
- マリア・フォン・エスターライヒ (ユーリヒ=クレーフェ=ベルク公妃) - フェルディナント1世 (神聖ローマ皇帝) の娘。上記人物の姪。
- マリー・ド・ブルゴーニュ(マリア・フォン・ブルグント) - マクシミリアン1世 (神聖ローマ皇帝) の妻。
- マリア・デ・アブスブルゴ(マリア・フォン・シュパーニエン) - マクシミリアン2世 (神聖ローマ皇帝) の皇后。
- マリア・ドゥンゲリア - カルロ2世 (ナポリ王) の王妃。
- マリア・デ・アラゴン (カスティーリャ王妃) - フアン2世 (カスティーリャ王) の最初の王妃。
- マリア・デ・アラゴン・イ・カスティーリャ - マヌエル1世 (ポルトガル王) の王妃。
- マリア・デ・ポルトゥガル (カスティーリャ王妃) - アルフォンソ11世 (カスティーリャ王) の王妃。
- マリア・デ・ナバラ - ペドロ4世 (アラゴン王) の最初の王妃。
- マリア・デ・カスティーリャ - アルフォンソ5世 (アラゴン王) の王妃。
- マリア・デ・パディーリャ - ペドロ1世 (カスティーリャ王) の愛妾で、実質的な王妃。
- マリア・デ・ラス・メルセデス・デ・オルレアンス - アルフォンソ12世 (スペイン王) の王妃。
- マリア・デ・ラス・メルセデス・デ・ボルボーン・イ・アブスブルゴ=ロレナ - アルフォンソ12世 (スペイン王) の長女。
- マリア・デ・ラス・メルセデス・デ・ボルボーン=ドス・シシリアス - フアン (バルセロナ伯) の妻。フアン・カルロス1世 (スペイン王) の母。
- マリア・コムネナ (ハンガリー王妃) - ハンガリー王イシュトヴァーン4世の王妃。
- マリア・ラスカリナ - ハンガリー王ベーラ4世の王妃。
- マリア・ヴァレフスカ - ポーランドの伯爵夫人。ナポレオン・ボナパルトの愛人。
芸術
- マリア・カラス - 「20世紀最高のソプラノ歌手」とも呼ばれる、著名な声楽家。
- マリア・タナセ - ルーマニアの歌手。
- マリア・デ・メデイロス - ポルトガル出身の女優
- マリア・ノイス - ヴァイオリニスト。
- マリア・フォン・トラップ - トラップ・ファミリー合唱団を結成、『サウンド・オブ・ミュージック』のモデルとなる。
- マリア・ベロ - アメリカの女優
- マリア・マッキー - アメリカのロックシンガー
- マリア (ブルガリアの歌手) - ブルガリアのポップフォーク歌手。
スポーツ
- マリア・キセリョーワ - ロシアのシンクロナイズドスイミング選手
- マリア・ケネリス - アメリカの女子プロレスラー
- マリア・シャラポワ - プロテニス選手
- マリア・チオンカン - ルーマニアの陸上選手
- マリア・ブエノ - プロテニス選手
その他
- マリア・ゲッパート=メイヤー - アメリカの物理学者、ノーベル物理学賞受賞者。
- マリア・マンデル - ナチス親衛隊の女性幹部。ユダヤ人虐殺に関与し死刑となった。
- マリア・モンテッソーリ - イタリアの女医、フェミニスト。
男性の複合名の例
- アンヘル・ディ・マリア - アルゼンチンのサッカー選手
- エーリヒ・マリア・レマルク―ドイツの小説家
- カール・マリア・フォン・ウェーバー - ドイツの作曲家
- カルロ・マリア・ジュリーニ - イタリア出身の指揮者
- ゼ・マリア - ブラジルのサッカー選手
- ホセ・マリア・アスナール - 元スペイン首相
- マリア・エマヌエル・フォン・ザクセン - ザクセン王家家長。
- ライナー・マリア・リルケ―ドイツの詩人
日本の人名
「まりあ」表記
- 京極マリア - 浅井久政の娘・浅井長政の姉・京極高吉の妻・京極高次の母
- 安西マリア - 歌手・女優
- 森マリア - 女優、旧芸名:マリア・エリザベス
- 川村万梨阿 - 声優
- 斉藤まりあ - 日本テレビの元アナウンサー
- 山本麻里安 - 声優
- 小澤マリア - AV女優
- マリア (日本の歌手)
- 阿部マリア - AKB48チーム4のメンバー
- マリア (お笑いコンビ) - サンミュージックGET所属の女性お笑いコンビ。
- 藤麻理亜 - ファッションモデル ニコラ専属モデル
「まりや」表記
- 竹内まりや - 歌手(シンガーソングライター)
- 山田まりや - タレント
- 鈴木まりや - AKB48チームBのメンバー
- 西内まりや - ファッションモデル
- 永尾まりや - AKB48チーム4のメンバー
その他
- MARIA (歌手) - 活動停止中の歌手
- Maria - 漫画家
起源の異なる人名
- マリア (マラウイの歌手)(Malia) - マラウイ出身の歌手
架空の人物
単なるマリア
- 畑健二郎の漫画『ハヤテのごとく!』の登場人物。マリア (ハヤテのごとく!)を参照。
- 手塚治虫の漫画『やけっぱちのマリア』の主人公。
- 結賀さとるの漫画『E'S』の登場人物。
- 秋本治の漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の登場人物、麻里愛の愛称。
- ゲーム『ファイナルファンタジーII』に登場するキャラクター。
- ゲーム『ファイナルファンタジーVI』内のオペラ「マリアとドラクゥ」のヒロイン。
- ゲーム『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』に登場するサブキャラクター。
- ゲーム『サイレントヒル2』に登場するキャラクター。
- 椎名高志の漫画作品に登場するキャラクター。マリア (椎名高志)を参照。
- 板垣恵介の漫画『範馬刃牙』に登場する架空の人物。
- エルフのアダルトゲーム『ワーズ・ワース』の登場人物。
- 鳥人戦隊ジェットマンの登場人物。次元戦団バイラムの女性幹部。
- ミュージカル『ウェスト・サイド物語』の登場人物。
マリアを含む名前
- マリア・カスタード - ゲーム『Rance』シリーズの登場人物。
- マリア・カルネラ - OVA版『ブラック・ジャック』の登場人物。
- マリア・タチバナ - ゲーム及びその派生作品『サクラ大戦』の登場人物。
- グレース・マリア・フリード - アニメ『UFOロボ グレンダイザー』の登場人物。
- 戸部真理亜 - アニメ『勇者指令ダグオン』の登場人物。
- マリア・トレイター - テレビゲーム『スターオーシャン Till the End of Time』の登場人物。
- マリア・バルタザール - テレビゲーム『ゼノギアス』の登場人物。
- マリア・マリア - アニメ『戦闘メカ ザブングル』の登場人物。
- マリア・ピァ・アーモニア - アニメ『機動戦士Vガンダム』の登場人物。
- 白鳥マリア - アニメ『絶対無敵ライジンオー』の登場人物。
- 関内・マリア・太郎(マ太郎)-漫画・テレビアニメ『さよなら絶望先生』の登場人物。
- マリア・E・クライン - ライトノベル『ウィザーズ・ブレイン』の登場人物レノア・ヴァレルの偽名。
- 右代宮真里亞 - ゲーム及びその派生作品『うみねこのなく頃に』の登場人物。
- マリア・マグダレーナ - 舞台『マグダラなマリア』シリーズの登場人物。
- マリア・マグダレーナ - 漫画・テレビアニメ『クロノ・クルセイド』の登場人物。
- 姫里マリア - ゲーム「アイカツ! -アイドルカツドウ!-」の登場キャラクター。
- マリア・シュナイダー - テレビアニメ『交響詩篇エウレカセブン』の登場人物。
- マリア・ピア・ディ・ロマーニャ - アニメ『ストライクウィッチーズ2』第6話のロマーニャ公国の第一皇女。
- 高山マリア - ライトノベル・テレビアニメ『僕は友達が少ない』の登場人物。
- 砂田まりあ - テレビドラマ『この世の果て』の登場人物。
- 汀マリア - 特撮テレビドラマ『バトルフィーバーJ』の登場人物。2代目ミスアメリカ。
団体名
- MARIA (バンド) - 日本のバンド
店名企業名
作品名
- マリア (テレビドラマ) - 浅野温子主演の2001年放送のテレビドラマ。
- マリア (映画) - ケイシャ・キャッスル=ヒューズ主演の2006年公開の映画。
- 岩井俊二監督のテレビドラマ作品。
- 榛名しおり著作の小説作品(講談社X文庫ホワイトハート)。
- マリアの泉 - ジャッキー吉川とブルーコメッツのシングル。
- マリア (T-BOLANの曲) - T-BOLAN のシングル。
- マリア (ブロンディの曲) - ブロンディのシングル。
- マリア 君たちが生まれた理由 - プレイステーション用ゲームソフト。
- ま・り・あ - 武内直子の漫画作品。
- マリア - 板垣恵介の漫画作品。
- マリア - 藤神敬也のメジャーデビューシングル。
- MARIA - 矢沢永吉のシングル、アルバム。
- MARIA (黒夢の曲) - 黒夢のシングル。
- MARIA (Acid Black Cherry) - アルバムQ.E.Dから。
- MARIA (hitomiの曲) - hitomiのシングル。
- MARIA - AKB48の劇場公演曲。チームK 3rd Stage「脳内パラダイス」で披露。
- MARIA (ELEKITER ROUND 0のアルバム) - ELEKITER ROUND 0のアルバム。
- MARIA (小説) - ChieMiによるケータイ小説。
その他のもの
- マリア (小惑星) - 小惑星帯に存在する小惑星。
- Maria (storage engine) - MySQL用のストレージエンジン。
- 台風の国際的な命名方法によるアジア名のひとつ。台風#アジア名一覧を参照。
変形
- Maria - マーリア・マリーア
- Marie - マリー・マリエ
- Mary - メアリー(メアリ)
- Marya - マリヤ・マリャ・マリーヤ
- Moira - モイラ
- Mariah - マライア
- Marika - マリカ
脚注
関連項目
テンプレート:Dmbox- ↑ ヘブライ語対訳英語聖書 Numbers 5:24,5:27
- ↑ 【5章13節】別の男と性的関係を持ったにもかかわらず、そのことが夫の目に触れず、露見せず、女が身を汚したことを目撃した証人もなく、捕らえられなくても、【5章16節】祭司は女を前に進ませ、主の御前に立たせる。【5章17節】祭司は聖水を土の器に入れ、幕屋の床にある塵を取ってその水に入れる。【5章18節】祭司はそれから、女を主の御前に立たせ、その髪をほどき、罪の判定のための献げ物、すなわち嫉妬した場合の献げ物を女の手に置く。祭司は自分の手に呪いをくだす苦い水を持つ。【5章19節】祭司は女に誓わせてこう言う。もし、お前が別の男と関係を持ったこともなく、また夫ある身でありながら、心迷い、身を汚したこともなかったなら、この苦い水の呪いを免れるであろう。【5章20節】しかし、もしお前が夫ある身でありながら、心迷い身を汚し、夫以外の男に体を許したならば、――【5章21節】祭司は女に呪いの誓いをさせてこう言う――/主がお前の腰を衰えさせ、お前の腹を膨れさせ、民の中で主がお前を呪いの誓いどおりになさるように。【5章22節】この呪いをくだす水がお前の体内に入るや、お前の腹は膨れ、お前の腰はやせ衰えるであろう。女は、「アーメン、アーメン」と言わなければならない。【5章23節】祭司はこの呪いの言葉を巻物に書き、それを苦い水の中に洗い落とす。【5章24節】その呪いをくだす苦い水を女に飲ませ、呪いをくだす水が彼女の体内に入れば、それは苦くなるであろう。【5章25節】祭司は女の手から嫉妬した場合の献げ物を取り、それを主の御前に差し出し祭壇にささげる。【5章26節】祭司は献げ物から一つかみをそのしるしとして取り、祭壇で燃やして煙にする。それから、女にその水を飲ませる。【5章27節】水を飲ませたとき、もし、女が身を汚し、夫を欺いておれば、呪いをくだす水は彼女の体内に入って苦くなり、腹を膨らませ、腰を衰えさせる。女は民の中にあって呪いとなるであろう。
- ↑ 【5章19節】And the priest shall charge her by an oath, and say unto the woman, If no man have lain with thee, and if thou hast not gone aside to uncleanness with another instead of thy husband, be thou free from this bitter water that causeth the curse:【5章23節】And the priest shall write these curses in a book, and he shall blot them out with the bitter water:【5章24節】And he shall cause the woman to drink the bitter water that causeth the curse: and the water that causeth the curse shall enter into her, and become bitter.【5章27節】And when he hath made her to drink the water, then it shall come to pass, that, if she be defiled, and have done trespass against her husband, that the water that causeth the curse shall enter into her, and become bitter, and her belly shall swell, and her thigh shall rot: and the woman shall be a curse among her people.