ダートグレード競走
ダートグレード競走(ダートグレードきょうそう)とはダート競走の活性化を図って、地方競馬や中央競馬のダート交流重賞競走にGI~GIIIならびにJpnI~JpnIIIの格付けを行ったものである。
目次
概要
日本全国で行われるオープンクラスの重賞競走の中で、地方・中央の所属に関係なく出走できるダートの競走について、格付けを行う。格付けはGI~GIII(国際格付けの得られたもの)ならびにJpnI~JpnIII(国際格付けの得られていないもの)で行う。現在は日本中央競馬会(JRA)、地方競馬全国協会(NAR)、日本軽種馬協会、アジア競馬連盟日本代表からなる日本グレード格付け管理委員会が格付けを行っている。
ダートグレードの最大の特徴は中央競馬・地方競馬で格付けが統一されており、中央競馬の格付けと同一の体系となっていることである(中央競馬でIに格付けられている競走はダートグレードでもIに格付けられている)。
なお2013年時点では、2歳馬と牝馬限定のダートグレード競走は地方競馬のみに設定されている。
歴史
1995年の開放元年(日本の競馬#中央競馬と地方競馬の交流を参照)を受けて中央競馬、地方競馬問わず全国各地で中央地方指定交流競走が設けられ多くの競走の中でどの競走が重要視されるのかを格付けする必要が生じた。そこで1996年にJRA、NAR、全国公営競馬主催者協議会(全主協)の3者によって「ダート競走格付け委員会」を発足、1997年4月の競走よりダートグレードによる格付けが行われるようになった。なお、ダート競走格付け委員会に伴いNARでは有識者などからなるダート競走振興会議を発足させている。2008年10月、「日本グレード格付け管理委員会」の発足に伴いダート競走格付け委員会は解散した。
格付けは2006年まではGI、GII、GIIIが用いられてきたが2007年に格付け表記の変更が行われ、国際グレードを持っている競走は従来のGI、GII、GIIIで、それ以外の競走はJpnI、JpnII、JpnIIIで格付けられることとなった(競馬の競走格付け#日本国内での格付けを参照)。なお、「ダートグレード競走」の呼称はそのまま存続する。
なお2014年現在、ダート競走を実施している主催者でダートグレード競走を施行していないのは岐阜県地方競馬組合(笠松競馬場)のみである(笠松競馬組合は2004年までは2競走施行していたが、2005年から廃止された)。また競馬場単位では中央競馬の函館競馬場・福島競馬場・小倉競馬場、地方競馬の水沢競馬場・姫路競馬場でもダートグレード競走が施行されていない。
ダートグレードの設定
中央競馬を含む北半球の競馬は暦年(1月を基点とする)で進められているのに対し地方競馬が会計年度(4月を基点とする)によって行われているため、ダートグレードについては次のように格付けられる(以下の説明では年は暦年制に従い、年度は会計年度に従って記述する)。
- 3月に地方競馬の翌年度に当たる4~12月のダートグレードの確定と翌年1~3月までの暫定格付けを行う。中央競馬の競走についてはこの時点で未定なため、この年とほぼ同条件で競走が施行されるものとして格付けする。
- 11月に翌年のダートグレードの暫定格付けを行う。地方競馬の競走についてはこの時点で未定なため、この年度とほぼ同条件で競走が施行されるものとして格付けする。
- 各主催者の競走実施計画が定まった段階でダート競走格付け委員会を開催し、格付けを確定する。
- 2010年以後は、前身に同条件のオープン特別が行われていた場合を除き、重賞の新設がなされる場合は、当初原則として2年間は統一格付けなしの「新設重賞」(2年目以後は「重賞」)扱いとして行う(但し主催者独自の地域グレードをつける場合はある)。
競走一覧
GIおよびJpnI競走
以下はGIおよびJpnIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGI競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | 川崎記念 |
2 | フェブラリーステークス* |
3 | かしわ記念 |
4 | 帝王賞 |
5 | ジャパンダートダービー |
6 | マイルチャンピオンシップ南部杯 |
7 | JBCレディスクラシック |
8 | JBCスプリント |
9 | JBCクラシック |
10 | チャンピオンズカップ* |
11 | 全日本2歳優駿 |
12 | 東京大賞典* |
GIIおよびJpnII競走
以下はGIIおよびJpnIIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGII競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | 東海ステークス* |
2 | エンプレス杯 |
3 | ダイオライト記念 |
4 | 兵庫チャンピオンシップ |
5 | さきたま杯 |
6 | 関東オークス |
7 | 日本テレビ盃 |
8 | 東京盃 |
9 | レディスプレリュード |
10 | 浦和記念 |
11 | 兵庫ジュニアグランプリ |
12 | 名古屋グランプリ |
GIIIおよびJpnIII競走
以下はGIIIおよびJpnIIIに指定されている競走。太字の競走は中央競馬で開催される競走。競走名の後に*がついている競走は国際格付けを得られたGIII競走である。
競走名 | |
---|---|
1 | TCK女王盃 |
2 | 根岸ステークス* |
3 | 佐賀記念 |
4 | 名古屋大賞典 |
5 | 黒船賞 |
6 | マーチステークス* |
7 | マリーンカップ |
8 | アンタレスステークス* |
9 | 東京スプリント |
10 | かきつばた記念 |
11 | 平安ステークス* |
12 | 北海道スプリントカップ |
13 | ユニコーンステークス* |
14 | スパーキングレディーカップ |
15 | プロキオンステークス* |
16 | マーキュリーカップ |
17 | エルムステークス* |
18 | レパードステークス* |
19 | クラスターカップ |
20 | サマーチャンピオン |
21 | ブリーダーズゴールドカップ |
22 | オーバルスプリント |
23 | シリウスステークス* |
24 | 白山大賞典 |
25 | エーデルワイス賞 |
26 | 北海道2歳優駿 |
27 | みやこステークス* |
28 | 武蔵野ステークス* |
29 | クイーン賞 |
30 | カペラステークス* |
31 | 兵庫ゴールドトロフィー |
格付け外・廃止となったダートグレード競走
以下はレース自体は存続しているが統一グレード競走でなくなった、または競馬場廃止やレース自体が廃止になったものの一覧。昨今の地方競馬低迷による賞金捻出の問題からのレース見直しによる非交流競走への変更などが理由となっている。
- 格付け外競走
- 東海菊花賞(名古屋競馬場)- 2001年以降、東海・北陸・近畿交流競走に移行(2001年のみ東海地区限定)。2010年以降は南関東・北陸・東海・近畿・中国・四国・九州地区交流競走となっている。
- オグリキャップ記念(笠松競馬場)- 2005年以降、東海・北陸・近畿交流競走に移行。2008年以降は地方競馬全国交流競走になっている。
- 全日本サラブレッドカップ(笠松競馬場)- 2005年以降、笠松グランプリに改称し、東海・北陸・近畿交流競走に移行。2006年からは東海・北陸・近畿・中国交流競走になっている。
- 名古屋優駿(名古屋競馬場)- 2005年以降、東海・北陸交流競走に移行。2009年には中国地区も加わった。
- ダービーグランプリ(盛岡競馬場)- 2007年限りで一旦廃止されたが、2010年に水沢競馬場にて地方競馬全国交流競走として復活。
- 廃止競走
- スーパーダートダービー(大井競馬場)- 1999年以降は南関東限定のスーパーチャンピオンシップとなり、2002年で廃止。
- 朱鷺大賞典(新潟競馬場)- 2002年の新潟県競馬の廃止により、同競走も廃止。
- さくらんぼ記念(上山競馬場)- 2003年の上山競馬廃止。
- グランシャリオカップ(旭川競馬場)- 2004年以降、同競走が開催されていない。
- 群馬記念(高崎競馬場)- 2004年の高崎競馬廃止。
- とちぎマロニエカップ(宇都宮競馬場)- 2005年の宇都宮競馬廃止。
- サラブレッドチャレンジカップ(金沢競馬場)- 2005年以降、同競走が開催されていない。