エリザベート (ミュージカル)
テンプレート:出典の明記 『エリザベート』(原題:Elisabeth)は、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后エリーザベトの生涯を描いた、ウィーン発のミュージカル。脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ、作曲のシルヴェスター・リーヴァイが共同で制作した。
日本語の題名が『エリザベート』であるのは、日本ではその他の表記(「エリーザベト」など)に比べて、より一般的な単語として認知されているためである。
目次
作品概要
ハプスブルグ帝国末期のヨーロッパを舞台に、自由を愛する少女としてドイツ地方バイエルン公爵の娘として生まれ育ち、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世から見初められ誰もがうらやむ美貌のオーストリア皇后となるが、やがて宮廷との軋轢の中で苦しみウィーンを離れ流浪の日々を送り、最後には暗殺されるエリザベートという女性の半生を、彼女につきまとう「死」という架空の存在を通して迫った作品。
1992年9月3日、オペラ演出家として名高いハリー・クプファーの演出により、アン・デア・ウィーン劇場で初演され大ヒット。ハンガリー、オランダ、ドイツなどで続演され、ドイツ語ミュージカル史上屈指のヒットを記録した。
2003年から2005年にかけて、ドイツ・エッセン公演で追加された曲やシーンを編成しなおした再演版がライムント劇場にて上演される。
2012年9月より、ライムント劇場にて再々演。宝塚版の「愛と死の輪舞」にあたる、「Rondo-Schwarzer Prinz(ロンド-黒い王子)」が追加される。
日本においては、宝塚歌劇団による1996年の初演以来、上演が続いており、2000年からは東宝版も上演されている。
登場人物
- エリザベート - 愛称はシシィ(Sissy)。オーストリア皇后。
- 死(トート) - 死の抽象概念を擬人化したもので、金髪の若い青年の姿をしている。シシィが心酔していた詩人ハインリヒ・ハイネがモデル。
- フランツ・ヨーゼフ1世 - オーストリア皇帝でエリザベートの夫。
- ルイージ・ルキーニ - イタリア人無政府主義者。エリザベートを暗殺した男。
- ルドルフ皇太子 - エリザベートの息子。
- ゾフィー - オーストリア皇太后でフランツ・ヨーゼフの母。
以下は宝塚歌劇団版と東宝版のみ。
- エルマー・バチャニー - 革命家。
- エルマーを含む三人のハンガリー革命家は日本初演の雪組公演で誕生した。宝塚の若手男役のために作られた役とも、日本で馴染みの薄かったオーストリアとハンガリーの歴史を分かりやすく説明するためとも言われている。帝国劇場(東宝)版や以後の宝塚版でも登場している。
あらすじ
第一幕
オーストリア皇后エリザベートの暗殺者ルキーニは、暗殺から100年経った後も死者の世界で裁判にかけられていた。「皇后暗殺の動機は?黒幕は誰だ?」との裁判官の尋問に、ルキーニは「動機は愛、黒幕は死だ。なぜ殺したかって?彼女自身が望んだんだ!」と意味不明な供述をする。そして、証人としてエリザベートと同じ時代を生きたハプスブルク家の人々を呼び起こし、彼らはエリザベートについて語り始めるのだった。
舞台は南ドイツの緑に囲まれた湖畔のポッセンホーフェン城に移る。エリザベートの父マックス公爵は、予定されていた親戚同士の集まりを嫌い、旅に出ようとしていた。幼いシシイは自由奔放に生きる父親に憧れ、一緒に行きたいと願う。しかし、父親の影響で詩や乗馬、木登りなどを好むシシィを厳しく躾ける家庭教師が許してくれない。親戚の集いでは、母ルドヴィカから姉ヘレネがオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世とお見合いをするとの発表がある。一同が縁談の話で持ちきりとなる中、興味を示さず一人で木に登り曲芸の練習をしていたシシィは、足を滑らせ高所から落下してして意識を失う。その後、意識を取り戻したシシィは、中性的な美しい姿の青年が彼女を抱え、ベッドへと連れ帰してくれたことを感じる。彼女はそれが「死」だと気づくが、彼(ドイツ語で死を意味するTodが男性名詞ということから)に何にも縛られない自由な父親の面影を重ね、強い憧れを感じる。ルキーニは後に、これが愛だと証言している。
数年後、保養地バート・イシュルでフランツ・ヨーゼフとヘレネの縁談が行われていた。ゾフィー大公妃は、遠縁であり高貴な后教育を受けたヘレネと結婚するように息子である皇帝を説得するが、その席で彼はよりによって妹のエリザベートに一目ぼれをしてしまう。「彼女は皇后に相応しくない」というゾフィ、「宮廷生活はシシィを殺してしまう」というマックスの反対は押し切り二人は婚約、ウィーンのアウグスティーナ教会で婚礼の儀が執り行われた。そして結婚を祝うシェーンブルン宮殿での舞踏会で、皇帝とワルツを踊るエリザベートの前に再び「死」が現れる。彼は「俺はお前を手に入れ損なったが、お前と最後に踊るのは俺だ。(意中の異性と舞踏会で最後にダンスを踊るという意味と、人が死ぬ際に死神と死の舞踏を踊るという中世ヨーロッパの死生観の意味)」と彼女に告げて消える。我に返り動揺するエリザベートを、まるで見せ物を見るような好奇の目で人々見つめる。その瞬間エリザベートは自分が宮廷という異質な世界に入ってしまったことを実感したのだ。
ウィーンの宮廷は、ゾフィー大公妃に支配されており、エリザベートは皇后としての厳しい作法を押し付けられていた。毎朝5時の起床、お世継ぎを作ることを催促され、趣味の乗馬も禁じられる。宮廷の息苦しさと孤独感に耐えかねた彼女は夫に助けを求めるが、「母の言う通りにすることが、君のためになる」と、皇帝はあくまで母親の味方をしようとする。エリザベートは、「私は誰の所有物でもない、私の人生は私だけのもの」と、宮廷に飼い慣らされることを拒否する。エリザベートとウィーン宮廷との長い戦いの始まりである。その後、皇帝との間に娘が二人生まれるが、彼女は育児を許されず、子供をゾフィーに奪われてしまう。
その頃、当時オーストリア帝国の一部であったハンガリーで独立の気運が高まりをみせる。皇帝はエリザベートの美貌を利用してこの動きを沈静化しようと試みる。彼女は、娘を皇太后の元から引き離し、ハンガリーへの旅に同行させることを条件に了承する。しかし、慣れない長旅で疲弊した長女ゾフィーが旅先で病死してしまう。程なくして、待望の長男ルドルフが誕生するが、またしてもゾフィーが息子を奪い去ってしまう。エリザベートは、息子の養育権をかけ、自分を選ぶか姑を選ぶか夫に最後通牒を突きつける。しかし、あくまで母への忠誠心を崩さない夫の態度に、エリザベートは絶望する。そして「死」が彼女に囁きかける。「全ての葛藤は終わる、苦しみから救ってやろう」と。しかし、エリザベートは美貌を武器にして自らの力で自由を手に入れると「死」の誘惑を拒絶する。
ウィーンの市場ではミルクの配給を求める市民が集まっている。何故ミルクがないのか詰め寄る市民にルキーニは、「ミルクがないのはエリザベート皇后が横取りしてミルク風呂に使っているからだ」と告げる。市民は「ミルクがなくて子供が死んでいるんだ!」、「皇后に思い知らせてやる」と叫び声を上げる。エリザベートは彼女の力の源泉である美貌を保つためあらゆる美容法を実践していたのだが、一方で庶民の生活は困窮し、オーストリア帝国、そしてエリザベートへの不満が徐々に高まっていたのだ。
時を同じくして、エリザベートの居室の前に、フランツ・ヨーゼフが現れる。彼は「皇帝は感情を持つことが許されない。しかし君を失うくらいなら、望みは全て叶えよう。」と、ゾフィーではなくエリザベートを選び、彼女の最後通牒を受け入れることを告げる。エリザベートはヴィンターハルターの肖像画と同じ出立ちで姿を現して、「あなたと共に生きていきます、でも私の人生は私だけのもの。」と高らかに勝利を宣言する。しかし、その姿を陰から「死」が不気味に見つめていたのだった。
第二幕
ブダペストの大聖堂では、オーストリア=ハンガリー帝国の戴冠式が行われており、フランツ・ヨーゼフとエリザベートのハンガリー王・王妃が出席していた。エリザベートは、ウィーンの宮廷やゾフィへの反発からハンガリーを敬愛しており、ハンガリーの大規模な自治権を認める二重帝国の実現の力添えをした彼女を、ハンガリー国民は「エーヤン、エリザベート(エリザベート、万歳)」と歓迎した。自信と威厳に溢れたエリザベートの姿を横目に、ルキーニは「あんなもの偶像でキッチュ(まがいもの)だ」と野次を飛ばす。実際、エリザベートは息子ルドルフの養育権を取り戻したものの、ゾフィに勝利したことに満足して、その育児を完全に放棄していた。母の愛を知らず孤独に育ったルドルフは、「死」に母の面影を重ねて、彼を親友と慕うようになっていた。
一方ゾフィーとその近臣たちは、フランツ・ヨーゼフをエリザベートから引き戻すため、フランツ・ヨーゼフに愛人を用意する。しかし売春宿から連れてこられた娘は病気持ちだった。ダイエットの運動中に倒れたエリザベートは、医師から原因は過剰な運動ではなく性病だと告げられる。夫が自分以外の女性と関係を持っていたことを知ったエリザベートは、この夫の裏切りを宮廷から解放、自由とみなして、以後十数年、ウィーンを離れ、旅から旅への放浪の人生を送ることになる。
エリザベートがその生涯で足繁く通っていた場所が精神病院であった。そこで彼女は患者にこのように語りかけたという。「私よりあなたの方が自由よ、私は魂まで拘束されているのだから」「本当の自由を与えられるのは狂気と身の破滅だけ、でも私にはそれを受け入れる勇気が無い」と。また、旅の途中、ギリシャのコルフ島で父親の霊に「ジプシーのように自由に生きたかった、でももう遅すぎる、私はあなたにはなれない」と嘆いている。彼女が少女時代に「死」に投影した憧れは、父親の姿ではなく、死の果てにある究極的な自由だったのかもしれない。
そして、エリザベートが旅を続ける間にも時は経ち、ルドルフは青年へと成長した。一方で、ヨーロッパでは民族主義、ファシズムが台頭を始めており、ウィーンでもユダヤ人の排斥が叫ばれていた。ルドルフは、少数民族や市民の権利を弾圧する父親の古い統治方法では、ハプスブルク帝国の崩壊を早めてしまうだけだ苛立ちを感じていた。しかし、それが皇帝の目にふれ、ルドルフは政治的に追い込まれる。そんな折、母がウィーンに帰ってきた。ルドルフは自らの心情を吐露して、「皇帝に口添えして助けて欲しい」と願い出るが、エリザベートは息子の懇願を頑なに拒否する。絶望したルドルフは、マイヤーリンクで拳銃自殺をする。息子の死はエリザベートに大きなショックを与え、以後彼女は死ぬまで喪服を着続けることとなった。
その後も、エリザベートは一箇所には留まらず放浪を続ける。フランツ・ヨーゼフは頻繁に彼女の旅先を訪ねており、フランス、マルタン湖の畔で二人は再会する。彼はエリザベートへの変わらぬ愛を伝え、私の元へ帰ってきて欲しいと嘆願するが、エリザベートは「愛の力は強いが、愛にもできないことがある」、「奇跡を信じることは時に自分を欺くことにもなる、奇跡は起きないと認めなければならない」と自分たちを積荷も目的地も違う、すれ違う二艘の船に例えて、価値観が違う二人が相容れることは決してないと伝える。
フランツ・ヨーゼフの弟メキシコ皇帝マキシミリアンは革命で銃殺、従兄ルートヴィヒ2世は精神を病み湖で溺死するなど、ハプスブルク帝国周辺では不幸な事件が続く。そしてある晩、皇帝は悪夢に魘され、その夢の中で「死」と対峙する。彼の手には、エリザベート暗殺の凶器のやすりが握られていた。沈みゆく帝国を模した沈没寸前の巨大な船のデッキの上で、皇帝はエリザベートを救い出そうとするが、終にルキーニの手にやすりが手渡されてしまう。「エリザベート!」という叫び声と共に、皇帝とハプスブルグ家の証言者たちは光の中へと吸い込まれていった。
そして、ルキーニが最後の供述を始める…。
公演記録
1992年9月のウィーンでの初演以後、日本(1996年2月初演)、ハンガリー(1996年8月初演)、スウェーデン(1999年9月初演)、オランダ(1999年11月初演)、ドイツ(2001年3月初演)、イタリア(2004年7月初演)、フィンランド(2005年9月初演)、スイス(2006年7月初演)、ベルギー(2009年3月初演)、韓国(2012年2月初演)で上演された。なおイギリスでは、現イギリス王室や北アイルランド問題に絡んで非常にデリケートな内容であるため上演できなかった。王室が現存するヨーロッパ諸国も一時期は公演をためらっていた。
演出についてはウィーン発のミュージカルらしく、オペラのようにプロダクション毎に自由となっている。また曲目やシーンの順番などもプロダクション毎に異なる。
初演・再演・再々演版
- 初演(1992年)キャスト
- Elisabeth: ピア・ドゥーヴェス(Pia Douwes)
- Der Tod: ウーヴェ・クレーガー(Uwe Kroger)
- Lucheni: イーサン・フリーマン(Ethan Freeman)
- Franz-Joseph: ヴィクトール・ジェルノ(Viktor Gernot)
- Rudolf: アンドレアス・ビーバー(Andreas Bieber)
- 再演(2003年-2005年)版キャスト
- Elisabeth: テンプレート:仮リンク(Maya Hakvoort)
- Der Tod: マテ・カマラス(Mate Kamaras)
- Lucheni: セルカン・カヤ(Serkan Kaya)
- Franz-Joseph: アンドレ・バウエル(Andre Bauer)
- Rudolf: イェスパー・ティデーン(Jesper Tyden)
- 再々演(2012年-2014年)版キャスト
- Elisabeth: アンネミーケ・ファン・ダム(Annemieke van Dam)
- Der Tod: マーク・ザイベルト(Mark Seibert)
- Lucheni: クロッシュ・アバシ(Kurosch Abbasi)
- Franz-Joseph: フランツィスクス・ハルテンシュタイン(Franziskus Hartenstein)
- Rudolf: アントン・ツェッターホルム(Anton Zetterholm)
宝塚歌劇団版
宝塚歌劇団の演出家・小池修一郎が、1992年にロンドンで現地のミュージカル作品の音楽集で興味を惹かれるものを探していたところ、その店の店主からこの『エリザベート』を薦められた[1]。また翌年には、歌劇団に来客として訪れたイスタンブル在住の中国人の大学教授から、『エリザベート』のドイツ語プログラムを受け取ったりもしている。
これらの経緯を経て、日本では宝塚歌劇団が上演権を取得し、1996年に初めて日本に紹介。雪組で、当時トップスターだった一路真輝のサヨナラ公演として初演された。始めこそ評判はいまひとつであったが、次第にチケットが取れないほどの人気が出る。
一路の退団公演だったため「なぜサヨナラ公演で死を演じるのか?」「トップ退団公演で死はおかしい」など当時は疑問視されたが、公演開始後に徐々に批判はなくなった。また「宝塚版はウィーン版を改竄している」と熱烈なミュージカルファンから批判があったため、後述する東宝版はウィーン版に倣って制作された。
日本人には馴染みの薄い歴史を描いた演目ではあったが、成功を収め、その後も再演を繰り返し、宝塚歌劇団を代表する人気演目に成長した。また、これが原因で女性を中心に「ハプスブルク帝国ブーム」がおき、その華麗な宮廷生活への憧れなどからオーストリア・ウィーンへの観光客増加を惹起した。
2007年5月4日から6月18日まで宝塚大劇場、7月6日から8月12日まで東京宝塚劇場で雪組公演として、6度目の上演が行われた。この間、2007年5月24日の15時00分公演で、観客動員150万人を突破した。
また、2014年8月22日から9月22日まで宝塚大劇場、10月11日から11月16日まで東京宝塚劇場で花組公演として上演。2014年8月22日に上演800回を達成。この回は、明日海りおの大劇場お披露目公演の初日の回だった[2]。
宝塚版とウィーン版の違い
このミュージカルの重要人物である Tod は、ドイツ語で「死」「死神」を表す単語である。日本以外の各国の公演では、その国の言語で死を表す言葉が役名に当てられている(英訳では "Death")。これは芸術表現である「死の舞踏」や絵画『民衆を導く自由』での例のように、抽象概念(この場合は死)を擬人化するヨーロッパ諸語の慣行によったものである。
宝塚歌劇団での上演にあたって、トップの演じる役が死という設定では問題があったため(また日本語には抽象概念を擬人化する慣行がなかったので)、この役を「トート」という名前の「黄泉の帝王」に設定が変更された。また、男役のトップを主役に置かなければならない伝統に則り、エリザベートではなくトートが主役になるよう脚本や演出が潤色された。そのため、エリザベートと黄泉の帝王とのラブストーリーに重点を置いた宝塚版と、エリザベートと死の絡み合いをハプスブルク帝国崩壊に準えて描いたウィーンをはじめとする各国版では、同じミュージカルでありながら趣が異なった作品に仕上がっている。
- 潤色・演出
- 小池修一郎、中村一徳(2002年花組公演、演出のみ)
- 公演会場
- 宝塚大劇場・東京宝塚劇場(1998年宙組東京公演を除く)、TAKARAZUKA1000days劇場(1998年宙組東京公演)
公演年・組 | トート | エリザベート | フランツ・ ヨーゼフ |
ルキーニ | ルドルフ | ルドルフ (少年時代) |
ゾフィー | エルマー | マダム・ヴォルフ | マデレーネ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996年雪組 | 一路真輝 | 花總まり | 高嶺ふぶき | 轟悠 | 香寿たつき(宝塚) 和央ようか(東京) |
安蘭けい | 朱未知留 | 和央ようか(宝塚) 高倉京(東京) |
美穂圭子 | 星奈優里 |
1996年星組 | 麻路さき | 白城あやか | 稔幸 | 紫吹淳 | 絵麻緒ゆう | 月影瞳 | 出雲綾 | 湖月わたる | 鈴奈沙也 | 眉月凰 |
1998年宙組 | 姿月あさと | 花總まり | 和央ようか | 湖月わたる | 朝海ひかる(宝塚) 樹里咲穂(東京) 夢輝のあ[* 1] |
初嶺まよ | 出雲綾 | 夢輝のあ | 夏河ゆら(宝塚) 華宮あいり(東京) | |
2002年花組 | 春野寿美礼 | 大鳥れい 遠野あすか[* 2] |
樹里咲穂 | 瀬奈じゅん | 彩吹真央 | 望月理世 | 夏美よう | 蘭寿とむ | 幸美杏奈 | 舞城のどか |
2005年月組 | 彩輝直 | 瀬奈じゅん | 初風緑 | 霧矢大夢 | 大空祐飛 | 彩那音 | 美々杏里 | 月船さらら | 嘉月絵理 | 城咲あい |
2007年雪組 | 水夏希 | 白羽ゆり | 彩吹真央 | 音月桂 | 凰稀かなめ | 冴輝ちはや | 未来優希 | 彩那音 | 晴華みどり | 愛原実花 |
2009年月組 | 瀬奈じゅん | 凪七瑠海[* 3] | 霧矢大夢 | 龍真咲 | 遼河はるひ 青樹泉 明日海りお[* 4] |
羽桜しずく | 城咲あい | 遼河はるひ 青樹泉[* 4] |
沢希理寿 | 蘭乃はな |
2014年花組 | 明日海りお | 蘭乃はな | 北翔海莉 | 望海風斗 | 芹香斗亜 柚香光[* 4] |
矢吹世奈 | 桜一花 | 瀬戸かずや | 大河凜 | 水美舞斗 |
公演年・組 | トート | エリザベート | フランツ・ ヨーゼフ |
ルキーニ | ルドルフ | ルドルフ (少年時代) |
ゾフィー | エルマー | マダム・ヴォルフ | マデレーネ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1996年雪組 | 安蘭けい | 貴咲美里 | 汐美真帆 | 楓沙樹 | 貴城けい | 初嶺まよ | 未来優希 | 眉月凰 | 愛耀子 | 有沙美帆 |
1996年星組 | 彩輝直 | 月影瞳 | 高央りお | 朝宮真由 | 眉月凰 | 朝澄けい | 羽純るい | 音羽椋 | 久路あかり | 妃里梨江 |
1998年宙組 | 夢輝のあ | 南城ひかり(1幕) 久路あかり(2幕) |
朝比奈慶 | 久遠麻耶 | 華宮あいり | 月船さらら | 梶花空未 | 初嶺まよ | 毬穂えりな | 海宝珠起 |
2002年花組 | 蘭寿とむ | 遠野あすか | 未涼亜希 | 桐生園加 | 愛音羽麗 | 華城季帆 | 桜一花 | 華形ひかる | 七星きら | 花野じゅりあ |
2005年月組 | 青樹泉 | 夢咲ねね | 真野すがた | 彩那音 | 龍真咲 | 明日海りお | 城咲あい | 星条海斗 | 憧花ゆりの | 紫水梗華 |
2007年雪組 | 沙央くらま | 大月さゆ | 大凪真生 | 大湖せしる | 蓮城まこと | 詩風翠 | 晴華みどり | 祐輝千寿 | 純矢ちとせ | 愛輝ゆま |
2009年月組 | 明日海りお | 羽桜しずく | 紫門ゆりや | 宇月颯 | 煌月爽矢 | 千海華蘭 | 玲実くれあ | 鳳月杏 | 彩星りおん | 麗百愛 |
2014年花組 | 柚香光 | 花乃まりあ | 和海しょう | 水美舞斗 | 優波慧 | 桜舞しおん | 仙名彩世 | 矢吹世奈 | 真彩希帆 | 更紗那知 |
東宝版
日本では宝塚歌劇団が1996年よりエリザベートの上演を行ってきたが、加えて2000年から東宝により、ウィーン版を基本とした東宝版エリザベートが上演される。東宝版では、各国版と同じくエリザベートが主役となるように脚本、演出が改められ、一部の楽曲の日本語歌詞もよりウィーン版に近い歌詞に改訂されている。一方、宝塚版のみで使われる楽曲(愛と死の輪舞)が残されるなど、東宝版はウィーン版と宝塚版の折衷版ともいえる。
東宝版初演のエリザベート役には宝塚初演時にトートを演じた一路真輝が抜擢された。しかし男役としての歌唱力と女声としての歌唱力に大きな隔たりがある事は否めず、一路はファンから「声変わりの最中」などと揶揄された事もあるが、演技力・存在感は圧倒的で「エリザベートがそこにいる様だった」と井上芳雄(今作でルドルフ皇太子役でデビュー)が語っている。
2012年の再演では、ハンガリー版・ウィーン再演版でトート役を演じたマテ・カマラスが同役を演じて話題となった。
2015年6月から帝国劇場にて再演が予定されている。
なお、2012年公演まで東宝版のエリザベート役は、全て宝塚の元男役トップスターが占めている。
- 演出・訳詞
- 小池修一郎
公演年 | エリザベート | トート | フランツ・ ヨーゼフ |
ルキーニ | ルドルフ | ゾフィー | エルマー | マックス | ||||||||
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2000年 | 一路真輝 | 山口 祐一郎 |
内野 聖陽 |
鈴木綜馬 | 高嶋政宏 | 井上芳雄 | 初風諄 | 今拓哉 | 寺泉憲 | |||||||
2001年 | ||||||||||||||||
2004年 | 鈴木 綜馬 |
石川 禅 |
浦井 健治 |
パク・トンハ | 村井国夫 | |||||||||||
2005年 | 井上 芳雄 |
寿ひずる | 藤本隆宏 | |||||||||||||
2006年 | 武田 真治 |
パク・トンハ | 寿 ひ ず る |
初風 諄 |
縄田晋 | |||||||||||
2008年 -2009年 |
朝海 ひかる |
涼風 真世 |
伊礼彼方 | 中山昇 | ||||||||||||
2010年 | 瀬奈 じゅん |
山口 祐一郎 |
石丸 幹二 |
城田 優 |
伊礼 彼方 |
田代 万里生 |
杜 けあき |
岸祐二 | ||||||||
2012年 | 春野 寿美礼 |
マテ・ カマラス |
岡田 浩暉 |
大野 拓朗 |
平方 元基 |
古川 雄大 |
今井清隆 |
公演年 | 公演会場 | 公演回数 |
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2000年 | 帝国劇場 | 117 回 |
2001年 | 帝国劇場 (43)、中日劇場 (38)、梅田コマ劇場 (41)、博多座 (40) | 162 回 |
2004年 | 帝国劇場 (115)、中日劇場 (42)、博多座 (38)、梅田コマ劇場 (55) | 250 回 |
2005年 | 帝国劇場 | 40 回 |
2006年 | 日生劇場 | 37 回 |
2008年 -2009年 |
中日劇場 (38)、博多座 (38)、帝国劇場 (76)、梅田芸術劇場 (38) | 190 回 |
2010年 | 帝国劇場 | 107 回 |
2012年 | 帝国劇場 (64)、博多座 (31)、中日劇場 (31)、梅田芸術劇場 (38) | 164 回 |
ウィーン版の日本公演
2007年には、ウィーンで上演されているドイツ語のオリジナル版が、オーストリア大使館後援のもと、梅田芸術劇場メインホールで初上演された。エリザベート役は最多出演のマヤ・ハクフォート、トート役はマテ・カマラスが演じた。これに続いて新宿コマ劇場でもコンサート形式で上演された。東京公演がコンサート形式になったのは、ウィーンの舞台装置や演出を再現することが困難だったためである。
2012年10月には、『ウィーン版ミュージカル エリザベート20周年記念コンサート~日本スペシャルヴァージョン~』(梅田芸術劇場メインホール、東急シアターオーブ)が上演された。エリザベート役のマヤ・ハクフォートは、この公演をもってエリザベート役から引退した[3]。
セットリスト
曲順・曲目は公演によって異なる。下記曲順は2005年にウィーン再演されたものを元にしたもの。曲名は「ドイツ語名 / 英語名 / 日本語名」の順で表記。
- 第一幕
- Prolog - Alle Tanzten mit dem Tod - Elisabeth / Prologue - All of them danced with death - Elisabeth / プロローグ - 我ら生絶えし者ども - エリザベート
- Wie Du / Like you / パパみたいに
- Schön, Euch alle zu sehn / Nice to see you all here / ようこそみなさま
- Kein Kommen ohne Gehen (Rondo - Schwarzer Prinz) / Every path is a maze / 愛と死の輪舞
- Jedem gibt er das Seine / He's the just distributor / 皇帝の義務
- So wie man plant und denkt... / That's how life goes / 計画通り
- Nichts ist schwer / Nothing is difficult / あなたが側にいれば (宝塚版は「嵐も怖くはない」)
- Alle Fragen sind gestellt / All the questions have been Asked / 不幸の始まり
- Sie passt nicht / She is unsuitable / 結婚の失敗
- Der letzte Tanz / The final dance / 最後のダンス
- Eine Kaiserin muss glänzen / It's the duty of an empress / 皇后の務め
- Ich gehör nur mir / I belong to Me / 私だけに
- Die Schatten werden länger / The shadows grow longer / 闇が広がる
- Die fröhliche Apokalypse / The merry apocalypse / 退屈しのぎ
- Kind oder nicht / Child or not / 子供の養育は (オランダ版より追加)
- Elisabeth, mach auf mein Engel - Elisabeth, sei nicht verzweifelt / Elisabeth, don't despair / エリザベート(愛のテーマ)
- Milch! / Milk! / ミルク
- Uns're Kaiserin soll sich wiegen / Our empress should pamper herself / 皇后の務め
- Ich will Dir nur sagen - Ich gehör nur mir / I belong to me / 私だけに 〈リプライズ〉
- 第二幕
- Kitsch / Kitsch / キッチュ
- Wenn ich tanzen will / When I want to dance / 私が踊る時 (ドイツ・エッセン版より追加)
- Mama, wo bist Du / Mama, where are You / ママ、何処なの?
- Nichts, nichts, gar nichts / Nothing, nothing at all / 魂の自由
- Wir oder sie / Her or us / 皇后の勝利
- Nur kein Genieren / Don't play the prude / マダム・ヴォルフのコレクション
- Maladie - Die letzte Chance / The maladie - The last chance / マラディ
- Zwischen Traum und Wirklichkeit / Between dream and reality / 夢とうつつの狭間に (東宝版初演のみ使用)
- Bellaria / Bellaria / ゾフィーの死 (オランダ版より追加)
- Rastlose Jahre / She is always restless - Mirror, mirror - Hunt / 一時も休まない - 年月は過ぎる - 狩り("狩り"については日本では当初から未使用・2005年のウィーン再演版において削除され、以降は使用せず)
- Die Schatten werden länger / The shadows grow longer / 闇が広がる(リプライズ)
- Wie Du / Like you (reprise) / パパみたいに 〈リプライズ〉
- Hass! / Hatred! / 宝塚版では未使用
- Wenn ich dein Spiegel wär / If I were your mirror / 僕はママの鏡だから
- Mayerling-Walzer / Mayerling Waltz / 死の舞 (ウィーン・オリジナル版CDでは "Totentanz")
- Totenklage / Dirge / 死の嘆き
- Mein neues Sortiment / My new range / 新しいウィーン土産 〈キッチュ・リプライズ〉
- Boote in der Nacht / Ships in the night / 夜のボート
- Alle Fragen sind gestellt / All the questions have been asked / 悪夢
- Epilog - Der Schleier fällt / The veil descends / エピローグ - 愛のテーマ
関連メディア
- DVD
- 日本で発売されているDVDはNTSC規格だが、ヨーロッパで発売されているDVDはPAL規格のため、日本のDVDプレイヤーでは再生できない(パソコンのDVDドライブでの再生は可能)。このため日本では、宝塚クリエイティブアーツからNTSC方式のDVDが発売されている。
- 2005年発売のDVDでは、フリッツ・シュミット(Fritz Schmid)がルドルフ役を演じている。
- CD
- 日本国内公演、日本国外公演ともにライヴ録音盤が発売されている。
- 2004年発売のCDでは、ルカス・ペルマン(Lukas Perman)がルドルフ役を演じている。
脚注
外部リンク
- 宝塚歌劇団
- 2007年 梅田芸術劇場 ウィーン・オリジナル版エリザベート公演 公式ページ
- 2007年 新宿コマ劇場 ウィーン・コンサート版エリザベート公演 公式ページ
- 2012年梅田芸術劇場、東急シアターオーヴ ウィーン版ミュージカル エリザベート20周年記念コンサート~日本スペシャルヴァージョン~ 公式ページ
- 2008年〜2009年 東宝エリザベート公演 公式ページ
- 東宝エリザベート公演 公式ページ
- ↑ この時、かなりの高値で売られたらしく、小池は「果たしてどんなものなのか、皆目見当がつかないまま、購入してしまった」旨を、2000年の帝国劇場初演版プログラムに記述している。
- ↑ 兵庫)宝塚「エリザベート」上演800回(朝日新聞、2014年8月23日)
- ↑ 梅田芸術劇場│ウィーン版ミュージカル エリザベート20周年記念コンサート~日本スペシャルヴァージョン~
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